詩・場所なるもの : フランス近代詩人論2 <慶応義塾大学法学研究会叢書 別冊 8>
詩・場所なるもの : フランス近代詩人論2 <慶応義塾大学法学研究会叢書 別冊 8>
五感で味わうフランス文学 時にマンディアルグとともに豊穣な海の幸を味わい、コレットが醸し出す濃厚な花の香りに酔う。また時にネルヴァルが追憶する古い土地の歌に耳傾け、マキーヌが心惹かれたピアノの音に、地獄を見てきた者の音色を感じ取る。堀口大學訳のグールモンの詩にあからさまに官能をくすぐられ、マンガレリの静謐な世界に死の影の谷を行く…… 名翻訳家にして読書の達人、野崎歓は前著『フランス小説の扉』で、極めつけの名作から知られざる逸品まで、その味わいを見事な手際で語ったが、ここにふたたび彼が誘い込むフランス文学の名作の森にさまよううちに、読者は書物のなかに人生のすべてが語られていることを知り、自らの次なる読書の指針を与えられるだろう。ちょっと大げさに言えば、ウェルギリウスにみちびかれるダンテのように。 ロートレアモンからバルトまで、ここに取り上げられた21冊は、読む快楽が生きる快楽につながることをあらためて教えてくれる。
イェンアンからペィチンえ : 中国抵抗詩集 <世界抵抗詩選 ; 第7>