テネシー・ウィリアムズ 著 ; 鳴海四郎 訳、白水社、1999年10月、453, 11p、20cm
<新装復刊.> 初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯背少シミ 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
『ガラスの動物園』『欲望という名の電車』でアメリカ劇作家界の頂点を極めた著者が、いわゆる「落ち目の」「晩年」に「お金のために」書き始めたとされる回想録である・・といえるのだが、しかし彼はこの当時もまだまだ絶望などしていなかったし、むしろ更なる傑作をものしようと懸命で必死であったことがよくわかる。
よって(きっかけはお金のためだったとはいえ)本書も力いっぱい、といったかんじで盛り沢山に仕上げられており、自らのアルコール中毒や精神衰弱、ラブアフェアまで赤裸々で、結果、孤独な魂の率直な告白記になっている。読み物としても読みごたえがあり、著者の劇作品に感銘を受けたことのある人なら読んで損はないはず。