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十牛図(02の009)

臥遊堂

¥28,000,000

  • 解説 廓庵禅師の十牛図は、日本では五山版の最初期である鎌倉時代の末から宋版の覆刻として繰り返し出版され、今日八種類の異なった版種が確認されている。残念ながら、覆刻の元になった宋版本は、日本においても中国においても伝存が確認されていない。ところが中国では、廓庵の十牛図はほとんど知られることはなく、十牛図と相前後して作られた普明禅師の牧牛図がもっぱら享受された。日本では江戸中期まで、普明の牧牛図は知られることがなかったことと対照をなす。すなわち、日本でも中国でも、自分たちに伝わった参禅テキストが唯一のものであった。 牧牛図と十牛図、ともに禅の修行を十の段階に分けて説明する点は同じであるが、牧牛図では牧童が大悟して修行を終えるのに対して、十牛図では第八段階で悟りを得つつも修行は続く。菩薩道の実践という大乗の精神をより前面に表出したのが十牛図とされるが、普明図と廓庵図に優劣があるわけではない。 さて、本十牛図は、第一図(尋牛)から第七図(忘牛存人)までは、廓庵図と同じ題であり思想史的意味は少ないが、第八図以降は明らかに先行する図とは、依って立つ思想が異なっている。普明図と廓庵図の違いは、極論すれば、悟りをもって終わりとするか否かであるが、本書の十牛図には、悟りを明示的に表す無地の円相(普明の第十図・廓庵の第八図)がない。日日の営みがあるばかりで、悟りという日常からの逸脱はここにはない。 大悟を求めない修行のあり方は、道元の坐禅を思わせる。道元にとって、坐禅とは釈迦が禅定に入った姿であり、坐禅よりほかに悟りはないとする。公案を重視しない曹洞禅に十牛図は無用とも思えるが、廓庵・普明以前に牧牛図を試みたのは曹洞宗の禅僧であった。 今回の十牛図は、穏やかな自然の描き方や書風などから、凡そ十八世紀中頃日本で作られたものと思われる。その少し前、十七世紀後半には、曹洞宗の僧侶である道印が、普明牧牛図を基に「うしかひ草」を刊行する。相前後して、道元禅とは系統の異なる中国の曹洞宗の僧侶、心越が牧牛図と十牛図を併録した明版を日本にもたらし、牧牛図に十首の詩を次韻する。それから半世紀、白隠禅師によって公案が体系化され、衰退していた臨済宗は復興を遂げる。黙照禅の機は熟したといえよう。29€×48cm(第一図) 29€×36cm(第二図以降)

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