久呂田正三(久呂田まさみ)、まんだらけ、令和1、1
【復刻版 限定150部】 版元完売
冊子付
貸本界を席巻した革命的な短編誌『影』を創り出した仕掛人にして、怪奇漫画というジャンルの草分け的存在であるにも関わらず、表舞台での活躍が少なかったことで漫画史で語られることのない伝説的漫画家、奇才・久呂田正三。
貸本時代においても活躍していたが、その輝きを発していたのは昭和20年代、戦後混沌とした街頭で流行っていた紙芝居であり、絵物語にほかならず、関西で創り上げられた紙芝居・絵物語・漫画(赤本)市場において手塚治虫とは真逆のアンダーグラウンドで拙劣、決して主流派とは言えない作家である。
検閲の厳しさが激しくなかった関西が活動拠点だったことで生み出された独特の作品観は、久呂田独特の歪んだ作画も相まって強烈なインパクトを与えてくれる。
オリジナルの出現頻度たるやそれはもう…この元号で一体何回目にすることができるのだろうか。
漫画史において日の目を見ることのない作品、それは今後も変わることはないだろう。これを読まずとも漫画読みとしてのステータスが下がるということもない。
しかしながら、漫画好事家であるならば、コレクターであるならば避けてはいけない作品であることも確かなのではないだろうか。カルト的な人気を誇るトヨタ文庫の中でもひと際異彩を放つタイトル『6本指』シリーズ。