著:長谷川時雨 装丁:高村光太郎、実業之日本社、昭和14年 4版 254 p ; サイズ(cm・・・
着ものをきかへようと,たたんであるのをひろげて,肩へかけながら,ふと,いつものことだが古への清少納言のいつたことを,身に感じて袖に手を通した.それは,雨の降るそぼ寒い日に,しまつてあつた着るものを出してひつかけると,薄い汗の香が鼻をかすめると,その,あるかなきかの,自分の汗の匂ひの漂よひと,過ぎさる夏をなつかしむおもひを,わづかの筆に言い尽してあるのを,いみじき言ひかただと,いつでも夏の末になると思ひ出さないことはない.何か,生といふ強いものを,ほのかななかにはつきりと知り,嗅ぐのだつた. ─本文より
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