蚤の浮かれ噺 これを読めれる人々よ、頬を赤らq目、手を握り、瞳はかがやき、口ブルはもえ、胸はあやしくときめこうとも、さらさら、いたず蚤のしいではありませぬ。人間様の色ごとを、蚤の私が覗いたとて、語ったとて、一切私環知らぬこと、浮かれ噺のなやましさ、人間さまのなやましさ、蚤の私はしりませぬ。
笑の泉 昭和32年1月 臨時増刊 (通巻116号) 世界艶笑怪奇読本 4号 (蝋人形館綺譚/アッテックの祭典/ガラガラ蛇殺人事件/麻薬を売る貴族/幽霊さん今晩は/爬灰二題/オーロラに魅入られた男/密林の女猟師/世界一ものがたり/我が遁走)