嵐山 光三郎、新潮社 新潮文庫、平成 17年(2005年) 8刷、562 p、サイズ(cm): 1・・・
何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三十七人の文士の食卓それぞれに物語があり、それは作品そのものと深く結びついている。 目次:夏目漱石―ビスケット先生 / 森鴎外―饅頭茶漬 / 幸田露伴―牛タンの塩ゆで / 正岡子規―自己を攻撃する食欲 / 島崎藤村―萎びた林檎 / 樋口/一葉―ドブ板の町のかすていら / 泉鏡花―ホオズキ / 有島武郎―『一房の葡萄』 / 与謝野晶子―一汁一菜地獄 / 永井荷風―最後に吐いた飯つぶ〔ほか〕
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