埴谷雄高評論集 不揃8冊セット ―濠渠と風車/鞭と独楽/鐘と遊星/石棺と年輪/天頂と潮汐/幻視のなかの政治/架空と現実/黙示と発端
超時と没我 : 埴谷雄高対話集 対談者=高橋留美子/池田晶子/島田雅彦/三田誠広/山口泉/小川国夫 いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める。(評論集「あとがき」より