埴輪の馬 日本文学には数少ない、ヒューモアに富んだ私小説集。 滑稽というより、生活の事実を淡々と書きながら、思わず笑ってしまうといった味わいで、文学の師である井伏鱒二や友人たちとの交友を描く。表題作「埴輪の馬」では、埴輪様式の土器の馬を購入のため、師井伏鱒二や友人と出かける。地方都市の駅には先方のお迎えの車が、それも消防自動車が来ていて、それに乗車することの困惑。他10篇収録。
新評 臨時増刊 ALEDA 『泥棒の本』 「モナリザ」をめぐる三人の泥棒 <種村季弘著> 「「盗みのエロティシズム」<澁澤龍彦著> 「泥棒哲学」<吉行淳之介著> 「アメリカ最大の宝石泥棒」<中村康治> 「バルセロナの書盗」<小沼 丹著> 「ロンドン怪盗伝奇」<野尻抱影著> ほか。