浜松市立郷土博物館 編、浜松市立郷土博物館、1978、77p 図版105枚、30cm
序文
昨年度,伊場遺跡発掘調査報告書第2冊として『伊場遺跡遺構編』を刊行いたしましたが、今年度からは出土遺物の報告をすることにいたしました。
伊場遺跡の出土遺物は,材質的にみますと土器・土製品,石製品,金属器,骨角器,木製品,
竹製品などに分かれますが,これを用途の面からみますと, 農具・漁具・運搬具・編具・機織具・工具など仕事に使う道具 厨房具や容器のような日常生活用具, 建築部材, 武器・武具の類,形代や絵馬などの祭祀用具というように, 多種類にわたり,その量も膨大であります。
かたしろ
今回は,そうした資料の中から木製品と竹製品について報告することにいたしました。 これは現状保存のなかなか困難な資料でありますから、なるべく早く整理報告しておく必要があると思ったからであります。 しかし, 木製品の整理報告と申しましても、 その総数はおよそ1,300点を数え, 70箱以上の水槽に収まっているわけですから、全部をいっせいに広げて相互に比較してみるということも簡単にはできません。 また水から取り出して長い時間放置しますと,変形してしまい資料をいためることになりますので,これらを紙の上にのせて実測したり,照明を当てて写真を撮ることも, 容易ではありません。
以上の点を考慮してひととおり資料に目を通し, 写真撮影の必要なものを約700点に絞って,約1月半昼夜かけて撮影を行ない, 500枚のフィルムに収めました。 その中からさらに200枚を選んで本書の図版に使いました。 また, 第4次調査までの出土品の内350点余りにつきましては,詳細な実測図面を作りまして、 別冊図版といたしました。 こうした手間のかかる作業は,絵馬の写真数点を除きまして、 すべて市立郷土博物館の学芸員の手によって行なわれたものです。こういった作業は,実際に経験したものでなければ判らない大変な作業であります
が、関係各位のお力添えにより報告書を作成することができました。
特に木製品につきましては,材質が何であるかということを調査する必要があり、 東京国立科学博物館の山内文技官に材質鑑定をお願いいたしました。 他
正誤表 少ヤケ