町泉寿郎 編、戎光祥出版、2023、360p、A5判
東アジア漢字文化圏に属しつつそれぞれ異なる言語・文化を築いてきた日本と台湾と朝鮮半島は、漢字・漢文、あるいは儒教に関して互いに共通点を持ちつつ、それぞれ相異なる「漢文」の学びの歴史を刻んできた。
そこで、「漢文」教科・「漢文」教科書に着目して、日本国内と台湾と朝鮮それぞれを比較対照することにより、各地域の漢字・漢文文化の特徴を浮き彫りにする。
目次
第一部 近代日本の漢文教育
第一章 漢文教育の近世・近代――道学と考証学 町 泉寿郎
第二章 近代日本の教育制度と「漢文」――国語科との対照から 平崎真右
第三章 二松学舎の歴史から見る近代漢文教育の変遷 町 泉寿郎
第四章 漢文教科書に見る咸宜園関係者の漢詩文採録について――戦前期と現在を比較して 川邉雄大
第五章 昭和期戦前の漢文環境 菊地隆雄
第二部 台湾における漢文教育
第一章 外地の「漢文」教科書について――台湾を例として 川邉雄大
第二章 台湾総督府発行『漢文教科書』と漢文科設置 白柳弘幸
第三章 台湾公学校漢文科と本島人教員 白柳弘幸
第四章 戦前期台湾における日本人漢文教師の足蹟――伊藤賢道を例として 川邉雄大
第三部 朝鮮における漢文教育
第一章 韓国における近代的漢学専門高等教育機関と支那哲文学科――服部宇之吉を中心に 朴 暎美
第二章 日韓併合前後の漢文教育――諸教育令と教科書の内容からの考察 張 三妮・町泉寿郎
第三章 一九三〇年〈『新編高等朝鮮語及漢文読本』の改編 張 三妮