影を買う店 〈作家M・Mが常連の喫茶店に通う私が気付いた、この店の密やかな性戯とは?(「影を買う店」)〉他、いっさいの制約から解き放たれた皆川博子の真骨頂が堪能できる至極の21編。 これぞ幻想小説の極み! 「本書に収録されている作品は幻想、奇想----つまり私がもっとも偏愛する傾向のもの----がほとんどです。 消えても仕方ないと思っていた、小さい野花のような、でも作者は気に入っている作品たち。 幻想を愛する読者の手にとどきますように」----皆川博子 【収録作品】 影を買う店 使者 猫座流星群 陽はまた昇る 迷路 釘屋敷/水屋敷 沈鐘 柘榴 真珠 断章 こま 創世記(写真=谷淳志) 蜜猫 月蝕領彷徨 穴 夕陽が沈む 墓標 更紗眼鏡 魔王 遠い日の童話劇風に 青髭 連祷 清水邦夫&アントワーヌ・ヴィオロディーヌへのトリビュート
骨笛 合鍵をもつ鍵猫、約束の骨笛、同じ夢を共有する母と娘、Tシャツを着た幽霊…。幻想が紡ぎだす摩訶不思議な物語。夢と現の淡い世界を描く短編集。
みだら英泉 文化文政時代。ただひたすらに「己だけの女」を求めて、美人画に枕絵に絵筆をふるう浮世絵師・渓斎英泉。お津賀、おたま、おりよ、三人の妹の「生」をも搦めとった果てに見出したのは―。爛熟の江戸を舞台に、絵師の凄まじいまでの業と妹たちの情念が濃艶に花開く。
少女外道 戦前の日本。裕福な家庭に育った久緒は、出入りの植木職人・葉次が苦悶する姿を見て、苦しみや傷に惹かれてしまう「外道」の自分を自覚する。そして「この感覚は、決して悟られてはならない――」と誓う。人には言えない歪みを抱きながら、戦前~戦後の日本をひとり生きた女性画家の人生を描いた表題作。ほか、火葬場で初めて出会った男女2人が突然、人の倫理を飛び越す「巻鶴トサカの一週間」など、彼岸と此岸、過去と未来を自在に往還する名手・皆川博子の傑作短篇7篇を収録。
冬の旅人 裕福な骨董商の家に育った少女・環は、幼いころに見た一枚の西洋画に心を奪われる。その運命の導きのまま、聖像画を学ぶために、17歳で革命前の夜帝政露西亜へと留学するが、尼僧たちのいる窮屈な名門女学院を脱走し、市貧民窟、そしてシベリアへと北の大地をさまよい、絵筆をとり続ける。
薔薇密室 第一次大戦下のドイツ・ポーランド国境近く。脱走兵コンラートは古い僧院に身を寄せる。そこでは所有者のホフマン博士が、人間と薔薇を融合させる常軌を逸した実験を行なっていた。コンラートはある思惑のもと、博士に協力を申し出る……。そして十数年後、ナチス・ドイツの弾圧から逃れたポーランド人の少女ミルカが見た、僧院の恐るべき真実とは? 戦争と美への欲求という人間の深い業を流麗な筆致で描く歴史ミステリ。解説千街晶之。
皆川博子長篇推理コレクション4 花の旅 夜の旅 聖女の島 皆川博子 著;日下三蔵 編
巫女の棲む家 妖かし蔵殺人事件 (皆川博子長篇推理コレクション 2) 皆川博子 日下三蔵 編
開かせていただき光栄です <ハヤカワ・ミステリワールド> 18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU- ハヤカワ文庫
現代日本ミステリ作家25人作品集 ミステリマガジン1995年11月臨時増刊号 b
インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー (ハヤカワ・ミステリワールド) 皆川博子