新版色道大鏡刊行会編(大橋正叔・沖森卓也・倉島利仁・伴野英一・渡辺憲司〈代表〉)、八木書店、平27、・・・
藤本箕山の手になる遊里百科全書。江戸寛文期の京都島原遊郭を軸として、時代の変化や地方遊郭との差異を、三十年もの年月をかけて記録。遊郭内の名称の由来、しきたり、遊びの実際、心中・起請文についてなど、近世風俗を理解するための必読書。京都大学文学部図書館所蔵本全14冊18巻を全て翻刻。人名・事項索引を附す。
●本書は、かつて野間光辰先生が翻刻し、『完本色道大鏡』の書名で限定三百部非売品として刊行、のち、小社から影印版全三巻を刊行したが、いずれも現在では入手困難な状態となっている。第一級資料として、広く近世文学・近世史のみならず、他分野に亘る研究者に、新版の刊行が強く希求されていたものである。
●『完本色道大鏡』では、巻12・13の「遊郭図 上下」及び巻16の「道統部」など、図版の部分は影印版で掲載された。今回の新翻刻に際しては、定紋・地図など、原本通りの図版を収載、従来未翻刻のままであった箇所の文字もすべて翻刻し、図版に嵌め込んだ。
●人名・事項索引はもとより、近世語彙研究の利用に配慮した語彙索引をも附した。
【本書に掲載された遊郭図の所在地】
京嶋原・山城国伏見夷町・山城国伏見柳町・近江国大津馬場町・駿河国府中 嶋・武蔵国江戸三谷・越前国敦賀六軒町・越前国三国松下・大和国奈良木辻、鳴川・大和国小綱村新屋敷・和泉国堺北高洲町・和泉国堺津守南高洲町・摂津国大坂瓢箪町・摂津国兵庫磯町・佐渡国鮎川山崎町・石見国塩泉津稲荷町・播磨国室津小野町・備後国 鞆 有磯町・安芸国広島多々海・安芸国宮嶋新町・長門国下関稲荷町・筑前国博多柳町・肥前国長崎丸山町、寄合町・肥前国樺島・薩摩国山鹿野
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