ライト・ミルズの世界 : 大衆社会論批判 目次;1,序論 2,パワー・エリート 3,アメリカにおける貧困 4,第三次世界戦争の原因 5,大衆と民主主義 7,さまざまの評価 8,あとがき ◆1962年3月20日、C・ライト・ミルズ教授は46歳でなくなった。これは全世界の民主諸義と平和のせいりょくにとってきびしい打撃である。それはアメリカの進歩勢力にとってはとくに重大な打撃である。C・ライト・ミルズは、まさしくアメリカ的なレディカルであった。かれは、トマス・ジェファースン、フレデリック・ダグラス、ユージン・ヴィクター・デブス、W・E・D・デュボイス(デュポァ)、エリザベース・ガーリー・フリンをうみだした、あのすばらしい伝統をうけついでいた。かれらの精神は機密かつ鋭敏であった。彼の専門家としての素養は完璧であった。彼の心は大胆で、しかも思いやり深かった。ミツズ教授は、自分の考えかたをたえず全身させていた。かれは自分自身に休息を――肉体的にも精神的にもーーあたえなかった。そしてうたがいもなく、これがこんなにも悲劇的に若い年齢でかれが死んだ理由である。かれは、戦争の危険の原因を東と西に「ひとしく」おわせる『第三次世界戦争』の原因でのべた立場から進んで、「責任のバランス」がアメリカを中心とする独占資本主義にあると主張する立場に移っていた。・・・・・・
ライト・ミルズの世界 : 大衆社会論批判 目次;1,序論 2,パワー・エリート 3,アメリカにおける貧困 4,第三次世界戦争の原因 5,大衆と民主主義 7,さまざまの評価 8,あとがき ◆1962年3月20日、C・ライト・ミルズ教授は46歳でなくなった。これは全世界の民主諸義と平和のせいりょくにとってきびしい打撃である。それはアメリカの進歩勢力にとってはとくに重大な打撃である。C・ライト・ミルズは、まさしくアメリカ的なレディカルであった。かれは、トマス・ジェファースン、フレデリック・ダグラス、ユージン・ヴィクター・デブス、W・E・D・デュボイス(デュポァ)、エリザベース・ガーリー・フリンをうみだした、あのすばらしい伝統をうけついでいた。かれらの精神は機密かつ鋭敏であった。彼の専門家としての素養は完璧であった。彼の心は大胆で、しかも思いやり深かった。ミツズ教授は、自分の考えかたをたえず全身させていた。かれは自分自身に休息を――肉体的にも精神的にもーーあたえなかった。そしてうたがいもなく、これがこんなにも悲劇的に若い年齢でかれが死んだ理由である。かれは、戦争の危険の原因を東と西に「ひとしく」おわせる『第三次世界戦争』の原因でのべた立場から進んで、「責任のバランス」がアメリカを中心とする独占資本主義にあると主張する立場に移っていた。・・・・・・