兵庫県教育委員会 編、兵庫県教育委員会、1985-3、248p図面72図/107図版、26cm、2冊
序文
昭和51年秋, 台風17号が西播磨地方を襲い多大な被害を及ぼし
ました。 兵庫県土木部は, 二級河川大津茂川西汐入川工区激特
事業として河川改修などの計画を進め, 河川流域の保全に努めて
おりました。 姫路市勝原区所在の丁 柳ヶ瀬遺跡に事業が計画さ
れることとなり, 姫路土木事務所の依頼を受けて, 兵庫県教育委
員会が事前に埋蔵文化財の発掘調査を実施しました。
本書は,昭和54・55年度の二箇年,三次に亙って実施した発掘
調査の成果を収録したものです。
報告にみられるように, 丁・柳ヶ瀬遺跡は低地にありますが縄
文時代の土器群, 弥生時代の彩文土器や彩文木製品, 古墳時代の
二棟の住居址や奈良時代の墨書土器人形を含めた歴史時代に亙
る数多くの貴重な成果をあげることができました。
発掘調査から出土資料の整理・ 報告に至るまでに多くの人々の
努力と協力を得ましたことに感謝の意を表わします。
本書が, 埋蔵文化財保護の理解を高める助けとなり、併せて
究資料の一つとなれば幸いであります。
昭和 60 年 3 月
兵庫県教育委員会
函 少ヤケ