伊藤 俊介、小川原 宏幸、愼 蒼宇 共編、有志舎、2022、430p.、A5判
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[紹介]
今まさに世界中で、「下から」の告発・実践が立ち現れる時代を私たちは生きている。その告発こそが、支配・被支配関係のなかの暴力や、社会内の矛盾と格差、差別の所在を浮き彫りにする。本書は、「下から」の視線で描かれた日本史・朝鮮史・中国史の論考から東アジア近現代史への再提起を行い、国家権力や支配層、知識人など「上から」の視点で描く歴史像とは違う、民衆の主体的契機を重視する歴史を描き出す。グローバル化した現代においてこそ、改めて民衆を主体に描き、かつ全体性を喪失しない、個別と全体の緊張関係を伴った歴史を構想し直す時なのではなかろうか。
[目次]
はじめに 愼 蒼 宇・伊藤俊介
第一部 政治文化・民衆文化・民衆運動
一 一八六六年丙寅洋擾における倡義活動と地域社会 久留島哲
二 近代移行期における民乱の政治文化 趙 景 達
三 「施される」者たち 村田遼平
四 近代日本における都市民衆運動の胎動 藤田貴士
五 米騒動と女性仲仕集団 大川 啓
六 日韓連帯の民衆運動 長澤淑夫
第二部 近代化・植民地支配・戦争と民衆
一 西路電線の架設と維持をめぐる朝鮮社会の反応 中村祐也
二 「不穏」から「騒擾」への予兆 愼 蒼 宇
三 植民地朝鮮における「精神病」 韓 梨 恵
四 植民地台湾における「旧慣尊重」政策の一側