國富奎三コレクション

￥1,200

• 著者 姫路市立美術館 編集
• 出版社 姫路市立美術館
• 刊行年 1994-4
• サイズ 23cx26cm
• 解説 ごあいさつ
  このたび姫路市では、 国富奎三氏のご厚意により多数の美術作
  品をご寄贈いただくこととなりました。 国宝姫路城の世界文化遺
  産指定にあわせてご寄贈いただけたことは誠に喜ばしい限りであ
  ります。
  国富氏のコレクションは、19世紀から今世紀にかけて世界の美
  術を常にリードし、 私たち日本人が西洋の美術を理解する上にお
  いて最も強い関心を持ち続け、 深い愛着をもって接してきた近代
  フランス美術が中心となって構成されております。 このコレク
  ションを見わたすとき、 同氏の広い見識と優れた審美眼を感じず
  にはいられません。
  自然主義、写実主義を標榜したコローやクールベに始まり、 近
  代から現代への大きな扉を開いたモネ、ピサロら印象派の画家た
  ち、そしてまたその後に展開する野獣派のヴラマンク、エコール
  ド・パリのユトリロやヴァン・ドンゲン、 そしてモダニズムへの
  指針を示したマティス、デュフィまでを含むこのコレクションは、
  単に近代美術の足跡を表すだけでなく、私たち見るものに芸術そ
  のもののすばらしさを教えてくれます。
  今日に残る優れた美術作品の多くは、それぞれが過去にさまざ
  まな経緯を持ちながら、 美術を愛し、それを必要とする人々の手
  でいつくしまれ守られてきたものです。 このたびご寄贈いただい
  た作品にしても、そうした人々の手を経て国富氏のもとに委ねら
  れ、同氏の手厚い保護のもとに維持されてきたものに相違ありま
  せん。
  今、この貴重なコレクションを姫路市立美術館に収蔵させてい
  ただくに際し、その責任を強く感じるとともに、広く美術文化の
  啓蒙に役立つことを念願せずにはいられません。
  最後に、寄贈者である国富奎三氏に対し、心より謝意を表し、
  深くお礼申し上げます。
  1994年8月
  姫路市長戸谷松司
  状態：良好です