landscape network 901 編、INAX、443, 8p、18cm
ランドスケープ・デザインの現在的状況を捉え直す契機となる一冊。さまざまな業種、学術分野で用いられる「ランドスケープ」という概念は、各々の知の体系に組みこまれていて少しづつ異なっており、これまで分野を超えて横断的に価値を評価する指標を求める試みはほとんど見られなかった。本書は、第一部で、ランドスケープのスタイルを大きく「モード」と「制度」という言葉で分類し、「モード」は流行、傾向、潮流、といった時代を形成する価値の方向性を示し、「制度」はいわゆる法制度だけでなく社会の規範の類も含んだ価値の所在を示す。第二部で、「自然」だと感じるものの中からランドスケープ・デザインを抽出し、それがどう作られるのか読み解く。特に大きな意味での自然構成要素を成立させているテクノロジーやそのエンジニアリングとそれらを支える価値観や美的感覚といった二つの側面がどういった知の体系をもっているか分析する。