新しいヨーロッパ古いアメリカ テロと戦争が続発し,国際社会の不安定と矛盾を如実に露呈させた世紀転換期.本書は同時代の現実とその背景をつぶさに観察しつづける国際ジャーナリストによる同時代リポート.アメリカとヨーロッパの対立,特にアメリカの独善主義への批判,それに連なるイスラエル批判,ネオナチ台頭と統合をめざすヨーロッパのなかの不協和と危機的現実,等が繰り返し語られる.ニュースの内側の知られざる本質を,エピソードを交えた巧みな叙述で浮き彫りにする.ヨーロッパ滞在40年に及ぶ著者にして言える洞察の数々は,「日本の選択」を考える上でも貴重である.