Hemming Poulsen, Per Christoffersen 著 ; 滝野辰郎, 奥野忠雄・・・
序文
このアトラスでは,種々の生理的状態や疾病の結果,肝組織にみられる多数
の光学顕微鏡的病変のうち最も重要なものについて系統的に分類記載し, 図
解してある. したがって, 上でのべた病変の形態像の各部分を“積み木” のよう
に形づくるよう配慮してある。
このアトラスは診断的作業の一助として,主に一般病理医, 病理の研修医お
よび肝生検診断の情報が必要な臨床医を対象に書かれている. 過去12年間に
11,000 以上の肝生検での日常の診断的作業および科学的研究によって得られ
た著者の経験にもとづいたものである. 肝生検材料のほとんどは成人のもの
であるので, 小児の肝臓病理についてはごく断片的にしか記載されていない.
第1章は付録の手技編と関連して肝生検組織の取り扱い方についてわれわれ
の経験をのべてある.
第2章は本書の主要な部分で、いくつかの項目に分かれており, それぞれの
形態学的変化や病変を個々に取り扱っている. 各項目は比較的一定の形式をと
っており, 最初に形態学的な記載と図解がある. そのあとに診断および鑑別診
断上の問題点についての項目が続く. 最後に特定の形態学的変化がみられる疾
患名を記載し, その意義についてものべてある. 重複している個所もあるが,
これは別の頁を参照しなくてもすむように心がけたためである.
第3章は個々の形態学的変化の組合せに関係しており、いわゆる典型的所見
および非典型的所見によって診断をどのようにつけるかだけではなく、活動性
や予後についての手がかりについても示されている.また本章では重要な肝疾
患についても少数例ではあるが記載されている. そのため本書は肝臓病理学の
今までの教科書にかわるものではないが,それを補足する役目を果している
カバー カバー本体とテープにて固定(画像あり)薄ヤケ