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日本の古本屋メールマガジン その93 7月27日号

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☆INDEX☆
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  1. 自著を語る(41) 荻原 魚雷 著 『活字と自活』
  2. 第四十回記念 熊本古書籍即売展講演録
  3. ニッポン洋行御支度史(4) ガイドブック3  西出勇志

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(41)】━━━━━━━━━━

『活字と自活』(本の雑誌社)
                       荻原魚雷

 中央線の高円寺に移り住んで二十年。月末の家賃や食費の心配を
しながら、古本屋と中古レコード屋をまわる。大学を中退して、フ
リーライターになって、渡りに船、綱渡りの日々も続けているうち
に、そうした生活も日常になる。まあ、さえない日常なわけだが。

 そうした不安定な暮らしにたいする心がまえや自活の術を知りた
くて本を読んだ。いっぽう、どんな世の中になっても、生きのびて
いけるような処世術や思想のようなものも身につけたいともおもう
ようになった。
  『活字と自活』は、読書と生活を両立していく上での試行錯誤を
つづったコラムとエッセイを集めた本といえるかもしれない。食う
に困ってあれこれ試行錯誤しながら身につけた技術がおもいのほか
役に立つこともある。本やCDの売り方やなるべくお金をつかわな
い遊び方などがそうだ。
  表題作「活字の自活」は「十年前」というタイトルでブログに数
回にわたって連載した文章が元になっている。

〈古本屋通いをするために、就職しなかったといっても過言ではない。
しかし文章を書く仕事をしている人間が、本を読んでいるのは、
当り前の話である〉(「活字と自活」より)

 表紙は『コーヒーもう一杯』などの漫画で知られる山川直人さん。
山川さんの作品には、古本屋がよく登場する。
  デザイナーの中嶋大介さんには、昔の雑誌風の本に仕上げてもらった。
本文レイアウトも三段、二段、一段になっていて、写真(十年前の
高円寺風景)やカットもはいっている。

 尾崎一雄、中村光夫、鮎川信夫、トキワ荘、アメリカの
コラムニスト……。

 紹介している本のテーマはバラバラだけど、生活を立て直したり、
気持を荒ませないためのヒントになるようなことをすこしは書けたと
おもう。

 どこからでも読めるような本になっているとおもうで、気が向いた
ところから頁をめくってもらえたら嬉しいです。

※朝日新聞(2010年7月25日朝刊の読書欄)に荻原魚雷氏の
インタビュー記事が、掲載されています。

  ブログ 文壇高円寺
     http://gyorai.blogspot.com/

本の雑誌社 『活字と自活』

http://www.webdoku.jp/kanko/2010/#003419

━━━━━【第四十回記念 熊本古書籍即売展講演録】━━━━━

昭和45年より毎年秋に催される熊本の鶴屋百貨店での古書即売展
も昨年で40年目を迎えた。区切りの年でもあり、何か行おうと組
合員一同で話し合った結果、講演会を行うこととなった。

当初、常日頃お世話になっている先生お一人にお願いしようとした
が、話が膨らみ毎日行うこととなった。組合員から2人、他の4日
間は先生達の都合を聞きながら日程を詰めていった。全国的にも有
名な渡辺京二先生にも講演を依頼したところ快諾を得て嬉しかった。

渡辺先生は、地元では講演をしない先生で有名だからだ。先生曰く
「古本屋さんの頼みごとを断ると、僕が行くところがなくなるから
ね。」と言われた。先生の講演のテープがうまく採れていず、先生
にその旨話したら、すぐに原稿を起こして店まで持ってきてくれた。
本を読むスピードも驚かされるが、原稿の早さにも驚いてしまった。

折角行った講演会であるので、聴きに来られなかった方々の為にも、
また、将来にこの講演会を残す意味に於いても上梓した。巻末に
「即売展四十年概史」として目録から四十年を回顧した。詳しくは、
下記の通り。

A5判 95頁 売価1,575円(送料100円)

中村青史(熊本八雲会会長・草枕交流館館長)
昔、古書店様々、今、素通り

橋本 博(キララ文庫店主)
マンガと共に六十年―戦後漫画私史

渡辺京二(思想史家)
書物という宇宙

井上智重(熊本日日新聞編集委員)
私の古本屋地図

徳永 洋(横井小楠研究家)
古書で出会った横井小楠

河島一夫(舒文堂河島書店社長)
古書店入門―古本屋を始めたい方々へ―

発行元「熊本県古書籍商組合」

発売は、熊本の組合店各店で取り扱っています。

お問い合わせ先
(有)舒文堂河島書店
     Tel:096-352-1701 Fax:096-359-7617
     URL:http://www2d.biglobe.ne.jp/~jobundou/

━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(4)】━━━━━━━━

「ニッポン洋行御支度史」ガイドブック3

   西出勇志

今回は、1960年代半ばの空江さん一家の「外国旅行」について書
こうと思う。

50代半ばの空江伸平さんは、東西商事の調査部長で定年を迎えた。
幸いなことに子会社の顧問就任も決まり、出社までの数ヶ月間を利用
して妻のミチ子さんと海外へ出掛けることを計画する。飛行機で香港
からバンコク、インド、エジプトなどを経て欧州各国を訪問、北欧を
経由して帰国する旅だ。貿易会社で社長秘書を務める娘のアツ子さん
も加わり、45日間の外国旅行が始まった-。空江さん一家は実在の
家族ではない。映画や小説のキャラクターでもない。彼らは、実業之
日本社が60年代半ばに刊行を始めた旅行案内書シリーズ、ブルーガ
イド海外版の「海外旅行 空の旅」の主人公なのである。なぜ、旅行
ガイドブックが物語仕立てになっているのか。それには時代背景の説
明が少々いるだろう。

続きはこちら

http://www.kosho.ne.jp/melma/1007/index.html

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO M
X)に出向中。携行品を通した日本人の海外旅行史「モノ語り ニ
ッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」誌に連載している
(現在21回目)。共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギ
フト”の問題」など。

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

次回の自著を語るは さかもとけんいちさん の
『浪華の古本屋 ぎっこんばったん』(SIC社・7月7日発売)

http://www.sic-japan.com/books/

 彷書月刊編集長 田村治芳さん の寄稿を掲載

http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

7月~8月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその93 2010.7.27

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝
編集長:藤原栄志郎

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日本の古本屋メールマガジン その92 6月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 自著を語る(40) 黒岩比佐子著 『古書の森 逍遙』
  2. 次回予告
  3. 日本の古本屋即売展情報

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━━━【自著を語る(40)】━━━━━━━━━━

『古書の森 逍遙』

黒岩 比佐子  

 「古書の森」というのは、私が2004年の秋から書いているブログ
のタイトルである。その年、『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波
書店)という評伝を上梓したが、本には書けなかったことや使わな
かった資料もたくさんあった。せっかくなので忘れないうちにどこ
かにメモしておこう、と思ったのがきっかけで、次第に、ほぼ毎週
通っている古書展で購入した本の雑感を書くようになった。

 工作舎のIさんから、このブログを本にしたいというお話をいた
だいたとき最初に思ったのは、誰でも無料で読めるブログをそのま
ま本にしても売れないだろう、ということだった。しかし、気がつ
けば6年間で約770冊の古書・雑書について書いている。これをパソ
コン画面で全部読むのはつらい。しかも、ブログでは買った本をそ
の時点で取り上げているので、順不同に並んでいるだけだ。

 出来上がってみれば、『古書の森 逍遙』は著者の私が驚くほど
ブログとは違うものになった。Iさんが770冊から220冊を選び、そ
れを出版年の古い順に並べ直したことによって、私が関心を抱いて
きたテーマや、出版文化の流れが浮き上がってきたのである。

 古書マニアの方々には笑われそうだが、私がブログで取り上げて
きた本の大半は、わずか数百円で買える雑本にすぎない。だが、雑
書には雑書なりの面白さがあり、思いがけない発見もある。そんな
ある日、〈古書を古読せず、雑書を雑読せず。〉という言葉に出会
った。これは明治・大正の実業家で、社会事業や公共事業に尽した
金原明善の言葉だが、まさに我が意を得た思いだった。拙著で雑書
の魅力を知っていただければ、これほどうれしいことはない。

 最後に、私のブログは現在、闘病記のようになっているが、また
古書展通いを再開して、本来の「古書の森」として書き続けたいと
願っている。病状を気遣ってくださっている方々と、応援のメッセ
ージをくださった方々すべてに、この本を感謝とともに捧げたい。

<作家・黒岩比佐子が魅せられた 
明治の愛しき雑書たち―日露戦争・独歩・弦斎>

6月26日(土) 10:00~18:00まで
東京古書会館2F情報コーナー開催中

http://www.kosho.ne.jp/news/news_100525.html

*このイベントは終了いたしました。ご来場ありがとうございました

ブログ「古書の森日記」

http://blog.livedoor.jp/hisako9618/

工作舎の『古書の森 逍遙』のページ

http://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN978-4-87502-430-9.html

工作舎の『古書の森 逍遙』関連イベント等のページ

http://www.kousakusha.co.jp/DTL/kuroiwa.html

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
 
  次回の自著を語るは荻原魚雷さんの
   『活字と自活』(本の雑誌社・6月中旬発売)

  ブログ 文壇高円寺
     http://gyorai.blogspot.com/

本の雑誌社 『活字と自活』

http://www.webdoku.jp/kanko/2010/#003419

  イベント 西荻ブックマーク
      「つれづれなるままに古本」
       出演:荻原魚雷×向井透史(古書現世)

    http://nishiogi-bookmark.org/

━━━━━【第45回 明治古典会 七夕古書大入札会】━━━━━

国内最大かつ最も歴史のある古書オークション

「第45回 明治古典会 七夕古書大入札会」が7月に開催されます。

普段は古物商の許可を受けた組合員しか出入りできない
東京古書会館の古書市会場に一般の方も入れるチャンスをお見逃し
なく。当日は、有名作家の自筆原稿や初版本など約2300点の文化
資料を手にとって、見ることができます。

■日時:一般下見会 7月2日(金)、3日(土)
10:00~20:00(3日は17:00まで)

■場所:東京古書会館
■入場料:無料

*このイベントは終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

6月~7月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその92 2010.6.25

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日本の古本屋メールマガジン その91 5月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 自著を語る(39)
  2. ニッポン洋行御支度史(3) ガイドブック2  西出勇志
  3. 次号の自著を語る・イベントのお知らせ

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(39)】━━━━━━━━━━

『出版状況クロニクルⅡ』

                        小田光雄

 出版業界もマスコミも電子書籍問題一色に染まっている。5月28
日にはアップルのiPadが日本でも発売されるから、そのような状況
はさらに加速し、電子書籍元年をめぐる様々な話題が次々と続いて
いくだろう。

 しかしこれらの報道は現在の出版業界の問題をミスリードする危
険性を孕んでいる。電子書籍リーダーの出現よりもはるかに重要な
問題は、日本でしか起きていない出版における深刻な危機である。
それは日本特有の再販委託制による出版社・取次・書店という近代
出版流通システムの破綻に起因している。だがその破綻と危機が自
明となった現在でさえも、相変わらず再販制がタブーゆえに、正面
から論じられていない。

 そのような状況の中で、私だけが一貫してこの問題に言及し、近
年は論創社のホームページで、毎月「出版状況クロニクル」と題し、
出版社、取次、書店、ブックオフ、CCC=TSUTAYA、古書業界など、
本に関係する全分野の状況をレポートし、コメントを加えてきた。
ようやくその二冊目が『出版状況クロニクルⅡ』として、六月に論
創社から刊行される。今回は新刊書店の古本併売の問題とも絡み、
古書業界も含んだ広範な時限再販本市場の創出を提言している。古
本好きの側からの意見もぜひ聞かせてほしいと思う。

 また論創社からはすでに『古本探究』シリーズを三冊、『古雑誌
探究』一冊を刊行している。これらは新たな古本史を提起する試み
として書かれた。しかしこちらもタブー含みのためか、まったく黙
殺されている。この四冊も古本好きの方々に読まれ、感想でもうか
がえれば、とても有難い。

 なお「出版状況クロニクル」は5月1日より、自分のブログ【出版
・読書メモランダム】へと移行した。こちらでも古本を通じてもう
ひとつの近代文学、出版史を意図する「古本夜話」を連載している
ので、ぜひ一度お出かけあれ。

出版・読書メモランダム

http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/

論創社 出版状況クロニクル

http://www.ronso.co.jp/index.html

━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(3) 】━━━━━━━

海外旅行が自由化される3年前の1961年、現代教養文庫から
「海外旅行ABC」が出た。著者は九州大教授で理学博士の三上操氏。
59年に出かけた欧州視察を基に、旅程からチップの渡し方までを
綴った海外旅行ガイドブックだ。携行品は特に詳細に記されていて、
明治から現代までのトラベルグッズの変遷を調べている筆者のような
者には実に興味深い。
戦後の混乱期を脱して増えてきた海外渡航者のために、役立つ知識を
伝えようと執筆された。洋行の喜びと気負いが感じられる本であり、
数多くの情報を盛り込んだことで出版時には関係者の間で評判になった。
そんな本書の大きな特徴は、個人が自らの体験を基に書いたガイド
ブックである点だろう。

現在、実用的なデータを満載したスタイルのガイドブックは、出版社
編集の組織だったものがほとんどである。しかし、海外旅行自由化以前、
ベデカーシリーズなど欧米のガイドブックは充実していたが、日本語の
ものは非常に少なかった。数少ない例外の一つが、52年に日本交通
公社が出した「外国旅行案内」である。ただ、世界中を網羅している
ためにハンディーなタイプではなく、旅行先で持ち運びがしやすい
4分冊スタイルとなったのは60年。この外国旅行案内は独占的な状態が
続き、各出版社による一般向けの海外旅行ガイドブックの刊行はしばらく
後になる。

続きはこちら

http://www.kosho.ne.jp/melma/1005/index.html

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO M
X)に出向中。携行品を通した日本人の海外旅行史「モノ語り ニ
ッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」誌に連載している
(現在21回目)。共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギ
フト”の問題」など。

━━━━━【次号の自著を語る・イベントのお知らせ】━━━━━━

 黒岩比佐子著 『古書の森 逍遙』(工作舎・6月中旬発売)

  http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly20100511.html

イベント開催のお知らせ
  <作家・黒岩比佐子が魅せられた
         明治の愛しき雑書たち―日露戦争・独歩・弦斎>

  会期: 6月20日(日)~6月26日(土) 10:00~18:00
  会場: 東京古書会館 2階展示室 入場無料  
 後援: 東京都古書籍商業協同組合

詳しくは: http://www.kosho.ne.jp/news/100525.html

━━━━━━━━【古書販売目録コレクション配布】━━━━━━━

『古書販売目録コレクション』(A4・8頁・カラー)を配布中!

千代田区千代田図書館では、『古書販売目録コレクション』(A4・
16頁・カラー)を作成しました。現在、東京古書会館受付で配布を
しております。
  なお、このパンフレットは、今年1月25日~3月27日まで千代田
図書館で行われた展示会『反町茂雄古書販売目録』をもとに制作され
ました。

 (残部のみの配布ですので、あらかじめご了承下さい。)

━━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

5月~6月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその91 2010.5.25

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日本の古本屋メールマガジン その90 4月26日号

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  1. 自著を語る(39) 『近代大阪の出版』  吉川 登 編著
  2. 「東京堂ふくろう店の出版の棚」をつくるにあたって
畠中理恵子
  3. 日本の古本屋 即売展情報

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(39)】━━━━━━━━━━

『近代大阪の出版』

吉川 登 編著

 版元は創元社。大阪を代表する出版社のひとつです。
明治以降の大阪の出版について、通史的にひととおりそのあらまし
を知ることのできる本がないものか、と長い間待望していました。
とくに、大阪の出版に関心をもち始めた初学者向きに、あまり専門
的・学術的でなく、おもしろく読めるものが必要だと思っていました。

 はからずも自分がその任にあたることになって、まず心がけたの
は「読みやすさ」です。やはり読者として思い描いていたのは、こ
れから勉強しようとする人たちですから。そして、できればおもし
ろがってほしいと。

 しかし単独の著作ならともかく、何人か共同して一冊の本をだす
となると、なかなか思うとおりにならないのが当たり前です。それ
ぞれの章を担当してくださった方がたには、かえって負担をかけて
しまったかもしれません。また、ほんらい取り上げねばならない出
版社・出版人や刊行ジャンル等々で、現時点では使える資料がなか
ったり、適当な執筆者が得られなかったりという問題にぶつかって
しまいました。戦時下の大阪は何度も空襲に遭っていて、それが最
大の原因なのですが、これまでまとまった通史が書かれなかった理
由を痛感したしだいです。けれども、たとえば学参書を中心に百年
を超える歴史を誇る増進堂・受験研究社(「自由自在」シリーズ、
うま~のマークのさんこぉ~しょ、のCMソング)について触れること
ができなかったのは、編者の力不足としか言いようがありません。
今後の課題ですね。

 さいわい古書ずきにはおなじみの古本ライター・岡崎武志さんの
書評(「サンデー毎日」3月21日号)をはじめ、紹介記事やブログ等で
もおおむね好意的な評価をしていただき内心ホッとしています。
ずいぶん大ざっぱな地図かもしれませんが、ようやく大阪出版史研
究の入口に一枚の案内図を置くことができたかな、という気もちです。

創元社:

http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=20152

吉川 登(よしかわ のぼる)
1953年大阪市生まれ。大手前大学メディア・芸術学部教授。
日本出版学会理事。『出版の検証』(文化通信社、共著)、
『阪神大震災と出版』(日本エディタースクール出版部、共著)ほか。

━【「東京堂ふくろう店の出版の棚」をつくるにあたって】━━━

「東京堂ふくろう店の出版の棚」をつくるにあたって

畠中理恵子

 東京堂書店で働き始めこの四月で三年目に入った。以前は同じ神
保町すずらん通りの数軒先で、地方小出版流通センター直営店「書
肆アクセス」で働いていた。地方小出版流通センターとは、全国の
地方の出版社や小規模の出版社と大手取次、書店を結ぶ中取次のよ
うな流通業を営む会社。1000近い出版社の本を扱っている。「書肆
アクセス」はそのアンテナショップとして30年近く営業していたが、
営業不振で2007年11月に閉店。私も退職した。その後たくさんの方
にお世話になり縁あってすぐ近くの東京堂書店で働くようになった。

 書肆アクセスは、書店への卸し業務と一般の読者への販売業とい
う二つの顔があった。神保町再開発が行われる以前(もう十年以上前
になる)、神保町奇数番地が今よりたくさんの中小の取次店が30近く
ひしめき、活発に中小書店が直接書籍を仕入れに来ていた時代、卸
し業務中心に営業していた。より早く読者に本を届けたい、と様々
な書店が時間をつくり仕入れにいらしてくださった。また、近所古
書店が定期的にいらして、あまり流通していない地方の出版物や小
部数の出版物、独自に仕入れた自主流通本など、本の街に訪れるコ
アな本好きの読者のために仕入れてくださっていた。週末、本を探
しに神保町へいらっしゃる読者とこのような書店に支えられて営業
できた幸せな書店だった。

続きはこちらへ
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東京堂書店HP

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日本の古本屋メールマガジンその90 2010.4.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
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日本の古本屋メールマガジン その89 3月25日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  1. ニッポン洋行御支度史(2) ガイドブック1 西出勇志
  2. 古本屋ツアー・イン・ジャパン 小山力也
  3. 日本の古本屋 即売展情報

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━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(2)】━━━━━━━━

「ニッポン洋行御支度史」ガイドブック1

西出勇志

 一九〇一(明治三十四)年十二月十八日、ロンドン滞在中の夏目
漱石は、留学直前の茨木清次郎(後の東京外国語学校長)に宛て、
渡英に関する懇切丁寧な手紙をしたためた。旅装や下宿の探し方に
ついて箇条書きでアドバイスしたその手紙の中に、次のような記述
がある。「ベデカーの倫敦案内は是非一部御持参の事」ベデカーは
当時、非常に重宝された旅行ガイドブックのシリーズ。
ガイドブックの代名詞として英和辞典にその名が記されるほど、
一世を風靡した。洋行する日本人はトランクに必ずこれを入れたと
言われ、漱石も一九〇〇年に渡英した際にベデカー片手に市中を歩
き回ったという。
ベデカーは十九世紀前半、ドイツ人のカール・ベデカーによって創
始された。英国のマレー社発行のガイドブックと並び、最初の本格
的なトラベルガイドとして旅行者の必携品となった。ヨーロッパ諸
国や中東といった各地域を対象に、英独仏などの言語で刊行された
が、その記述の細かさと正確さが日本人の心を捉えた。
大正年間に日本で刊行された「世界通」という本がある。編集顧問
には、海外団体パック旅行のはしりである朝日新聞の「世界一周会」
を引率したジャーナリスト杉村楚人冠、同じくジャーナリストでシ
ベリアで非業の死を遂げたとされる大庭柯公、作家の巌谷小波らが
名を連ね、旅行の心構えから旅程の立て方、アフリカを含めた世界
各地の情報を満載している。

続きはこちら

http://www.kosho.ne.jp/melma/1003/index.html

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO M
X)に出向中。携行品を通した日本人の海外旅行史「モノ語り ニ
ッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」誌に連載している
(現在21回目)。共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギ
フト”の問題」など。

━━━━━━━【古本屋ツアー・イン・ジャパン】━━━━━━

ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパン」が続くわけ       
                 
古本屋ツーリスト/小山力也

“古本”と“古本屋”、一体どちらが好きなのかと問われれば、
もちろん両方好きなのではあるが、今の私は迷い無く“古本屋”
と即答出来る。あまりにも多くの古本屋を巡り過ぎたために、
心の天秤が大きく傾いてしまったのであろうか…。
三年前、フリーのデザイナーである私は、仕事の激減に恐れおの
のいていた。このままではいかん!と営業活動に精を出すも、成
果は一向に上がらない。しかし稼ぎは必要である。そこで苦し紛
れに思いついたのが、ネット古本屋を開業して自分の蔵書を売り、
何とか生活の足しにしようと言う、安易な発想であった。タコが
自分の足を食べるようなものであろうか。しかしいきなりネット
の海に飛び込んでも、当然売れるわけがない。何がしかの宣伝活
動が必要である。では私に何が出来るのか…そうだ!仕事の目を
盗んで訪ねている、全国の古本屋さんをブログにしてしまおう!
しかも普通に紹介するだけではダメだ。詳細に偏執的に古本屋そ
のものを文章にしてしまおう!と固く決意。

 デザイン以外にも、ロックバンド・ゴーイング アンダー グラ
ウンドのツアーに帯同し、携帯サイトの仕事をする機会を持って
いた私は、ことあるごとに仕事を抜け出し、ツアー先の古本屋を
ダッシュで巡っていたのだ。折よく始まった全国ツアーを利用し、
特定の地域ではあるが、以前より熱心に古本屋さんを訪ねて回っ
た。調べた場所にお店があると言うのは非常に楽しいことで、
個性があふれ過ぎているお店の多様さも、古本屋フィーバーに多
大なる拍車を掛ける結果に!そして次第に従来のガイドブックで
は満足出来なくなり、独自にネットで調べ上げたお店を目指すよ
うになっていった。最初のうちは『棚を見るのも勉強だ』などと
殊勝なことも考えていたが、いつまで経ってもネット古本屋の開
店には至らず、ひたすらお店巡りにハマりブログをアップし続け
る日々。ツアーが終わっても関東近郊をグルグルグルグル…。

 つまりこのブログは、私がいつまでたっても店を開店せずに、
ダラダラウカウカと過ごしている結果の集積なのである。ミイラ
取りがなかなかミイラになれないために続いているのである。
ちなみにデザインの業績はどうにか回復傾向に…これがまた煮え
切らない原因のひとつでもあるのであった…。

古本屋ツアー・イン・ジャパン

http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/

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日本の古本屋メールマガジンその89 2010.3.25

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日本の古本屋メールマガジン その88 2月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 自著を語る(38)
  2. シンポジウムのお知らせ
  3. 神奈川古書組合からお知らせ

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━━━━━━━━━━【自著を語る(38)】━━━━━━━━━━

『sumus』13号 まるごと一冊晶文社特集  

林哲夫

晶文社が、今月、創業50周年を迎えました。高橋徹『古本屋月
の輪書林』、内堀弘『石神井書林日録』、田村治芳『彷書月刊
編集長』そして高橋徹『月の輪書林それから』という名著の版
元であり、そして何より、あの元祖古本ヒッピーともいえる植
草甚一を売り出した版元でもあります。

1999年に創刊しました雑誌『sumus』(スムース)は「三月書
房・本は魂をもっている」から「小出版社の冒険」まで、山本
善行、岡崎武志、南陀楼綾繁、荻原魚雷、扉野良人、生田誠、
松本八郎らの同人が分担しつつ書物にまつわる特集をしてまい
りました。

ただ2004年5月以来、編集人である小生の怠慢もあって、休刊
状態だったのですが、昨年、その晶文社が、50周年を前にして
経営のスリム化を図ったことを切っ掛けとして、6年振りに
「まるごと一冊晶文社」特集によって再起動することになりま
した。

特集内容は、晶文社元編集部・島崎勉さん、元営業部・島田孝
久さんへのインタビュー、蟲文庫、聖智文庫、書肆砂の書とい
うユニークな古本屋のみなさんの晶文社本への思い、福島修氏
による「中村勝哉「創業のころ」を読む」および同人それぞれ
のエッセイに加えまして、思い出に残る晶文社本のアンケート、
元営業部・高橋千代さんが作っておられた書店向けちらし『晶
文社SCRAP通信』の一部と『晶文社図書目録1973.5』の全部を
復刻して収録しました。

神田神保町の東京堂書店あるいは三省堂書店、神戸元町の海文
堂書店などでは直接ご入手いただけると思います。今回は発売
元を「みずのわ出版」とし「地方・小出版流通センター」およ
び「JRC」の取次扱いにしておりますので、それ以外の書店様
でもご注文いただけます。また古書善行堂、古書ほうろう、
蟲文庫、聖智文庫、古書現世、音羽館などでもお求めいただけ
ますので、どうぞごひいきにお願い申し上げます。

晶文社: http://www.shobunsha.co.jp/

ISBN978-4-944173-76-1 C0095 \1500

林 哲夫(はやし・てつお)
1955年香川県生れ。画家。雑誌『sumus』『spin』を編集。著
書に『古本屋を怒らせる方法』(白水社)、『喫茶店の時代』
(編集工房ノア)、『古本デッサン帳』(青弓社)、『読む人』
(みずのわ出版)など。

http://sumus.exblog.jp/

━━━━━━━━━【シンポジウムのお知らせ】━━━━━━━

東京古書組合では創立90周年を記念して、シンポジウムを開催
いたします。

テーマ: 滅亡か、復権か
        -大規模デジタル化時代と本の可能性-

日 時:4月14日(水)14時~18時 開場13時半

会 場:国立情報学研究所 一橋記念講堂

申込み:入場無料(事前登録制) 200名様 
     *申込み多数の場合抽選

講演者:長尾真氏(国立国会図書館館長)
     森野鉄治氏(大日本印刷常務取締役)
     高野明彦氏(国立情報学研究所教授)

ホームページ

http://www.kosho.ne.jp/symposium/index.html

━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━

神奈川古書籍商業協同組合主催
「古本屋入門講座」のご案内

受講対象者:
神奈川県在住で、古本屋を開業またはインターネットでの販売を
考えられている方。尚、既に店舗開業されているか、インターネ
ット販売をされている方で当組合に入られていない方も対象とな
ります。

講座内容:
1) 古本屋とは
2) 古本屋の開業準備 
3) 古本屋開店
4) インターネットによる販売 
5) 神奈川古書籍商業協同組合とは 
6) 組合入会手続について 

開講日時:平成22年3月20日(土)PM2:00~PM4:00

開講場所:横浜市神奈川区反町2-16-10
神奈川古書籍商業協同組合 2階
( http://park22.wakwak.com/~kosho/index.htm )

費用:無料
定員:30名(先着順とさせて頂きます)

お申し込み:電話、Fax、葉書またはEメールにてお願い致します。

お申し込み、お問い合わせ先:神奈川古書籍商業組協同合
Tel: (045)322-4060
Fax: (045)322-4122

e-mail: kanagawa_kosho@bg.wakwak.com

*電話は金曜か月曜のAM10:00~PM4:00にお願い致します。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

2月~3月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその88 2010.2.25

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日本の古本屋メールマガジン その87 1月25日号

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☆INDEX☆
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  1. ニッポン洋行御支度史(1) 赤毛布 西出勇志
  2. 自著を語る(37)
『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』
  3. 日本の古本屋即売展情報

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(1)】━━━━━━━

 ニッポン洋行御支度史(1) 赤毛布

西出勇志

欧米への旅が「洋行」と呼ばれた時代、気負いと不安、優越感と劣
等感を抱えながら旅した人たちの記録は、日本人と海外旅行の変遷
についてさまざまなことを教えてくれる。そんな海外旅行記をひも
とく時に頻繁に出てくる言葉が「赤毛布」。この言葉をご存知だろ
うか。
赤毛布と書いて「あかゲット」と読む。もともとは明治時代、赤い
毛布(ブランケット)をマント代わりに体に巻き、地方から東京見
物に出てきた人を指す。「田舎者」「おのぼりさん」の意である。
夏目漱石や泉鏡花、徳富蘆花の小説にも出てくる言葉で、明治錦絵
にその姿をとどめる。大槻文彦の「大言海」昭和初期版には「友ヲ
見失ハザラムガ為ニ、目標トシテ、多クハ、赤毛布ヲ身ニ纏ヒタレ
バナリ、明治語ナリ」とある。
ジャーナリスト長谷川如是閑の兄で、明治・大正期に活躍した朝日
新聞記者、山本笑月は「明治世相百話」(中公文庫)で揶揄しつつ
その姿を紹介している。

(毛布を)二つに折って細紐を通し、マント式にすっぽりと被る。
我々には頼まれても出来ない芸だ。それで股引尻ッ端折に日和下駄、
古帽子や手拭の頬冠り、太巻毛繻子の洋傘を杖にして、農閑の三、
四月から続々上京、五人、六人、連れ立って都大路を練り歩く。

明治中期の作家、中村花痩の小説「赤毛布」は、相場に手を出して
失敗し、身代を守れなかった商家の若主人の物語。東京育ちの主人
公の落魄ぶりを象徴的に示す防寒衣として、赤毛布が登場する。

続きはこちら

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(現在21回目)。共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギ
フト”の問題」など。

━━━━━━━━━━━【自著を語る(37)】━━━━━━━━━━

『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』 木村カナ

 尾崎翠が、作品を発表していたのは大正から昭和にかけての短い
期間、その間に刊行した著書は昭和8年の『第七官界彷徨』(啓松
堂)ただ一冊のみ。同書の出版の前年に、東京から鳥取へ帰郷し、
そのまま消息を絶った。

 もしも、花田清輝が、十代のおわりに読んだ『第七官界彷徨』の
印象を「ブラームスはお好き」の中に書きとめていなかったら? 
それを読んでいた久保覚が、古本屋で見つけた『第七官界彷徨』を
『黒いユーモア』の編集会議に持参しなかったら? 花田清輝の愛
読者であった渚順生が出した尾崎翠作品集の企画を内藤三津子が了
承しなかったら? 藤田省三と田中禎孝が持ち込んだ『尾崎翠全集』
の出版を玉井五一が決断しなかったら?……本書において回想され
ている、1970年代の尾崎翠の出版の経緯には、そんな危ういifがひ
そんでいる。「尾崎翠著書目録および解題」の冒頭にも書いたこと
だけれども、いま、わたしたちが、尾崎翠の作品をこうして読むこ
とができるのは、そうした先人たちの尽力があればこそ、である。

 昨年の3月27・28日に日本近代文学館で行われた「尾崎翠の新世紀」
から6月の本書へ、さらに7月に開催した本書の刊行記念イベントまで。
「尾崎翠の新世紀」の実行委員になってからの1年半、ほとんど尾崎
翠にだけ、ひたすらにかまけていた。過去の読者が送り届けてくれ
た、尾崎翠という作家を、現在の読者と共有し、未来の読者へと手
渡したいと思った。10代のときに出会って以来、ずっと大好きな作
家のメジャー展開、そこに全力で関われたこと、これが望外の幸福
でなくて何だろう。

『KAWADE道の手帖 尾崎翠 モダンガアルの偏愛』河出書房新社、
2009年6月30日発行、定価1575円(税込)、A5判、192頁

木村カナ(きむら・かな)
1974年栃木県生まれ。東京都立大学人文学部卒。アヴァンポップ文
学者。本書では「12のキーワード」「著書目録および解題」と校正
を担当。2月20日、吉祥寺「百年」で行われるイベント「百年「と」
不良少女 ―女の子が夜になっても遊び続ける方法―」に出演予定。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

1月~2月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその87 2010.1.25

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日本の古本屋メールマガジン その86 12月25日号

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☆INDEX☆
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 1. 「今年の収穫・この一冊」アンケート発表
  2. 新鋭評論(6) 『「最後のユニコーン」論』 小野塚 力
  3. 日本の古本屋・年末年始のお知らせ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

今年もインターネット「日本の古本屋」をご愛顧いただきまして誠
にありがとうございました。
  インターネット「日本の古本屋」では古典籍から現代の本まで、
全国の古書店が新入荷品を毎日更新しております。どうぞ来年もよ
りいっそうのご愛顧をいただけますよう宜しくお願い申し上げます。

今回のメルマガは、先月募集した「今年の収穫・この一冊」の発表
をいたします。

━━━━━【「今年の収穫・この一冊」アンケート発表】━━━━

HPにてご紹介しております。
⇒ http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/kekka201001.htm

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[書名]= = 手塚治虫作品集 ジャングル大帝  文民社版
[著者名]= = 手塚治虫
[理由]= = 30年以上も前に買いそびれた本です。当時は情報も無
く、諦めたまま年月が過ぎました。パソコンを手に入れ、インター
ネットで何気なしに検索するとヒットしました。学生当時、手塚治
虫に傾倒していたのが、懐かしく思い出されます。後の講談社版の
400冊の手塚治虫全集は手に入れたのですが、文民社版の全集は、
どうしても欲しいものでした。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 50
[都道府県]= = 千葉

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 日ざかり
[著者名]= = エリザベス・ボウエン
[理由]= = 岩男淳一郎氏の著書「絶版文学発掘ノート」に、著者が
250円で入手された感激のいきさつを読みました。以来、「日ざかり
」を求めて古書店めぐりを数年、先日早稲田の然る古書店で歪みが
あって黒ずんだ「日ざかり」が捨てられたように書棚の隅に置かれ
ているのを見つけ、店主にお値段をお聞きしました。結果として、
岩男氏の場合より50円高い出費で入手でき、興奮覚めやらずのうち
に読破しましたが、これが今年一番の印象深い一冊でした。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 67
[都道府県]= = 神奈川

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 熊本兵団戦史 全3冊
[著者名]= = 熊本兵団戦史編さん委員会 編集
[理由]= = 私が小学6年の冬(昭和37年1月)から地元の新聞に
連載された記事を単行本化した本です。連載当時からスクラップを
し、本書刊行時も早速購入しましたが、学生時代に下宿の火災で焼
失してしまいました。時間に余裕が出来たので、再読したくなって
インターネットで検索したら見つかり、すぐ購入しました。
購入したばかりですので、これからが楽しみです。でも、茨城にい
て熊本で発行された書籍が購入できるとは、便利になったものです。
数年前までは入手を諦めていました。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 60
[都道府県]= = 茨城

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 戦争と人間
[著者名]= = 五味川純平
[理由]= = 第8巻までしか持っていなかった母が最後まで読みたい
と言い出し、古本屋をあたったところ、最終巻近くはとんでもない
値段に…。そんなときに「日本の古本屋」さんで全巻揃った物が手ご
ろな値段でありました。親孝行も出来たし、私も読み出したところ
です。
[性別]= = 女性
[年齢]= = 48
[都道府県]= = 神奈川

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 査問
[著者名]= = 川上徹
[理由]= = 1960年代の「代々木学生運動の首魁」で「新日和見主義事
件の首魁」として名前だけ知っていた「川上徹」という著者名と「査
問」という「大島渚著作集に反復してテーマとされた」時代がかった
書名にひかれて購入しただけでした。淡々としたそれでいて「誠実さ
の伝わる(高校生の作文のような)文章」から著者が「代々木流にス
ポイルされた自己の感性と世界観」とを自分に取り戻そうとしている
姿がそれなりに伝わってきて「ある種の感動」さえ覚えました。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 62
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = カメラ従軍  落下傘部隊と共にに征く
[著者名]= = 海軍報道班員 本間金資 著
[理由]= = 海軍落下傘部隊だった実父の青春を知りたくて。海軍落下
傘関連の書籍を随分入手いたしましたが、この本が一番、等身大の隊
員の事が、手に取るように伝わり、とても感動したから。
[性別]= = 女性
[年齢]= = 48
[都道府県]= = 沖縄

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 『少年少女』
[著者名]= = アナトール・フランス
[理由]= = 6人ほどで1冊の本を読もうと候補にあがったのが、こ
の本。岩波文庫で急遽あちらこちらの古書店から揃えました。イン
ターネットならではの効果です。1冊古い、昭和45年版があり、
それはそれで旧かな、旧漢字がいっそう趣を伝えてくれました。
そうか、古い版にもこういう楽しさがあったのだと知りました。
[性別]= = 女性
[年齢]= = 70
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = ザボンの花(あかね書房版)
[著者名]= = 庄野潤三
[理由]= = 夏に見かけて、「おや、めずらしいな」と買い求め、さっ
そく読み終えてから、ひと月もたたない内に庄野潤三の訃報を耳にした。
喪失感は大きかったが、残された作品の数々が、それを埋め続けてくれ
るだろう。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 50
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━━━━━【新鋭評論(6)】━━━━━━━━━━━

 「最後のユニコーン」論
                          小野塚 力

少し前に、学研から二冊の新刊が刊行された。一冊は訳者高遠弘美氏
の見事な訳文が光る「Oの物語」、もう一冊は、続編である中篇「二
つの心臓」と併せて金原瑞人氏の新訳で刊行された「最後のユニコー
ン」完全版である。長らく、ピーター・S・ビーグルは未読の作家だ
った。処女作「心地よく秘密めいたところ」も読み終えていない。こ
の「最後のユニコーン」「二つの心臓」を読み終えて感じたのは、甘
酸っぱい〈幻滅感〉ともいうべきものだった。本来、幻滅感は、理想
形と現状とのギャップ、差分として想起される感情である。だが、「
最後のユニコーン」における〈幻滅感〉は、いわゆる通常の意味合い
とは異なるニュアンスが含まれている。わずかにだが、かつての理想
形への憧れ、尊敬の感情が含まれている。いわば、裏返しの憧れとも
いえるのだ。この憧憬を含んだ幻滅感が私にはどこか切ない、甘酸っ
ぱさとして認識される。

続きはこちら

http://www.kosho.ne.jp/melma/0912/index.html

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日本の古本屋メールマガジンその86 2009.12.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その85 11月25日

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  1. 新鋭評論(5) 『江坂遊覚え書き』 小野塚 力
  2. 古書月報タイム・トリップ (2)
  3. アンケートのお願い

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━━━━━━━━━━━━【新鋭評論(5)】━━━━━━━━━━

  江坂遊覚え書き
                        小野塚 力

商業出版の世界におけるショートショートをはじめとする短編小説
が、不遇の時代をむかえているように感じるのは私だけだろうか。
元来、長編小説よりも短編、特にショートショートに魅力を感じる
私などは淋しいかぎりである。他方、商業出版ではなく、アマチュ
アの同人誌の世界のほうが短編の分野が活性化してきているようで
ある。たとえば、豆本作家である赤井都氏は、自身の製作する豆本
のテキストに短編を書き下ろし、商品として流通させる一方、ワー
クショップや展覧会を全国各地で開催し、精力的に豆本と短編との
流布に努めている。また、五〇〇文字までに限定した超短編という
ジャンルを提唱し、特集を毎号変えて発行される同人誌「超短編マ
ッチ箱」を主宰するタカスギシンタロ氏や松本楽志氏の活動は、創
英社からのアンソロジー二冊に結実しつつある。五〇〇文字という
枠内まで下ると、ここで定位される世界は完全さよりも不完全さ、
なにかの断片のような余白部分が魅力となる。詩と散文の中間のよ
うな、そんな世界だ。ショートショートは、超短編に比べると、お
話としての完結性が問われるうえに文字数も飛躍的に増加する。四
百字詰め原稿用紙二〇枚以内までは許容される。ショートショート
の魅力を一言でいえば、瞬間の魅力、切れ味の魅力である。小宇宙
としての完結性の魅力だ。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0911/index-1.html

━━━━━━━【古書月報タイム・トリップ (2)】━━━━━━

東京古書籍商月報
大正12年3月(第3号)
記事

「三周年に臨みて」

我が東京市古書籍商組合の創設されてから、今年今月はちょうど満
三周年である。ちょうど三年前大正九年二十五日始めて、組合発会
式が図書倶楽部楼上に催された。
もっとも其の二、三年前から書籍商同業者相寄って、漸次この機運
を造り出し来たのは言うまでもないが、そこまで至るには容易なら
ぬ努力が籠もっていた。
そうして発会当時は組合員の数も僅々(きんきん)二百名内外に過ぎ
なかったが、僅か三年経ったばかりなのに、もう五百名以上に増加
した。殆ど一年毎に約倍加の勢いを以て進んで来た。今は相当に基
礎堅実に、組合員の信用も非常に増大して来たことは大に慶すべき
事である。人間の生業は諸種雑多、挙げて算えば数限りないが、就
中書籍商は新聞雑誌類を取扱うと同じく、「知識」の売買に従事す
るもので、最も文化的営業の一つである。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0911/index-2.html

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━━━━━━━━━━【アンケートのお願い】━━━━━━━━━

「今年の収穫・この一冊」アンケートご協力のお願い

平素はインターネット「日本の古本屋」をご利用いただきまして、
ありがとうございます。

さて、「日本の古本屋メールマガジン」では、アンケート特集
「今年の収穫・この一冊」を今年も企画いたしました。今年手に入
れた古書の中から、印象深い一冊、嬉しかった一冊を、是非お知ら
せ下さいませ。
ちょっと一息入れて「今年の収穫」に思いを巡らせてみませんか。
どうぞご協力いただけますようお願い申し上げます。
アンケート回答は専用フォームを用意しましたので、そちらからお
願いいたします。

また、アンケートにお答え頂いた方の中から抽選で10名様に
図書カード1000円分をプレゼント致します。
抽選結果は図書カードの発送をもってかえさせて頂きます。

専用フォームにお進みいただくと、以下のことをお尋ねします。

■一冊の書名・著者名(今年買われた古書で印象深いもの)

■その簡単な理由

■日本の古本屋メールマガジンへのご要望など

■〆切 2009年12月15日(火)

2009年12月発行の「メールマガジン日本の古本屋」にて紹介
させていただきます。全てのご回答をご紹介できない場合がござい
ますので、どうぞあらかじめご了承ください。

※プレゼントは掲載の有無とは関係ありません。

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アンケート専用フォーム

http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/questionnaire2009_.htm

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よろしくお願い申しあげます。

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日本の古本屋メールマガジンその85 2009.11.25

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日本の古本屋メールマガジン その84 10月26日号

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  1. まだまだ蒐集は終わらない  田中 栞
  2. 新鋭評論(4) 『堀内薫「水晶散歩」をめぐって』 小野塚 力
  3. 日本の古本屋即売展情報

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━━━━━━━【「書肆ユリイカの本」展を開催して】━━━━━

まだまだ蒐集は終わらない

                田中 栞

 『書肆ユリイカの本』(青土社、2009年9月発行、定価 2520円(
税込))の発行記念として、「古書の日」にあわせて、書肆ユリイ
カの出版物などを東京古書会館2階で展示しました。
  展示したのは、書肆ユリイカの本に魅せられた私が、10年かけて
蒐集してきた本や雑誌です。展示にあたっては『書肆ユリイカ出版
総目録』第2版(増補改訂版)を作成、配布しました。
  著作ができあがってからも、目録作成のために実物を確認したい、
展示したいなどの理由をつけては、引き続き蒐集に励みました。
  まず、トークショーの出演をお願いしに田村書店へ行き、以前か
ら気になっていた安東次男『死者の書』特製版を見せてもらいまし
た。普及版は持っていますが、特製版は高嶺の花と思っていたので
す。総革装貼函入りの高級仕様。
  ジャケットはありませんが、稗田一穂のオリジナル石版画が1枚
挿入……と思ったら、この本にはなんと2枚、異なる版画が入ってい
ました。版画は綴じ込みでなく、途中頁に挟み込まれているだけ。
20万を切る古書価に、えいやっと購入。
  一週間後、できあがった本を届けるために再び田村書店を訪れ、
今度は稲垣足穂の『ヰタ・マキニカリス』たれつきジャケットと帯
つき完本をお買い上げ。裸本は持っていましたが、帯までついた状
態に、もうたまらなくなって。
  その3日後には、就寝前の日課であるサイト「日本の古本屋」の
チェックで、真鍋博『動物園』を見つけました。光芒書店で11000円。
状態はよくないけれど花田清輝宛献呈署名入りはすごく貴重。なに
より、同じ真鍋の『寝台と十字架』はサイトにもたくさん出ている
のに、こちらの本はとんと出現しないのだから。
  トムズボックス発行の、よくできた複製版と並べて展示しよう、
とためらわずに注文。
  「書肆ユリイカの本」展は、途中、台風の襲来もあったものの、
おかげさまで盛況で、期間中、約500名の方々にご来場いただきま
した。予想通りご年配の愛書家の方が多く、書肆ユリイカの本を、
発行当時購入していたという先輩も珍しくありません。なかには、
「たくさん持っていたけど、妻に反対されて泣く泣く処分した」と
話しながら銅版画入りの拙著をお求めになり、こっそりお持ち帰り
になるおじさまも。
  しかし、ブックデザインや手製本に興味のある若い女性もたくさ
ん来て下さったのは、実に喜ばしいことでした。おりに触れて展示
解説などをいたしました。
  さて、最後にご報告。トークショーの中で、入沢康夫『倖せそれ
とも不倖せ』は、ビニール袋つき完本の入手が難しいという話をし
たのですが、展示が終わって1週間後に届いた石神井書林目録に、
おお、このビニール袋つき本が登場! 価格は189000円です。
  ビニール袋のない本を3年前に加藤京文堂で7万円で購入していま
したが、いつかその、著者手ずから制作に携わったという、伝説の
ビニール袋つき本が欲しいと願っていたのです。しかし、その「い
つか」がこんなにも早くやってくるとは。
3度目の購入であるという経緯をご存じの内堀さんが、電話の向こ
うでなんとなく「やっぱり買うのね」と笑った気がしましたが、は
い、やっぱり買います。著者のカワイイ署名(*マーク入り)もあ
るし!
  というわけで、我が家に無事やってきたビニール袋。じゃなかっ
た『倖せそれとも不倖せ』完本。大事に愛でます。ありがとうござ
いました。

田中栞『書肆ユリイカの本』青土社、2009年9月15
日発行、定価2520円(税込)、
A5判丸背上製(糸かがり)ジャケット装、本文・カラー4頁+モ
ノクロ270頁(図版370点掲載)

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(4)】━━━━━━━━━

~ 堀内薫「水晶散歩」をめぐって

                    小野塚 力

騙されたと思って、このURLをクリックしてほしい。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~suishyou/

このホームページで紹介されている人形と絵画作品は、驚くべき精
緻さと繊細さとに支えられている。ことに、絵画作品はCGではな
く、鉛筆画である。「魔方陣」連作の原画をみた鑑賞者は、その存
在感に圧倒されること請け合いだ。人形作品は、木製と陶器作品の
二種類があり、か細さの中にかいまみえる強靭な存在感が特徴的で
ある。人形作品は、猫妖精(キャトランドーレ)と妖精(フェアリ
ドーレ)の二つに分かれる。
堀内薫氏の創造する、作品群の背後には、未だ完結しないある巨大
な物語が流れている。その名を「水晶散歩」という。人形作品と絵
画作品それぞれを貫くもの。共通の屋台骨で作品世界を統御してゆ
くというやり方は、作品―作家―鑑賞者という関係性を強固なもの
にし、より濃密な関係性構築を期待させる。
「水晶散歩」は、前掲のホームページでの部分掲載の後、同人誌
「某」創刊号(二〇〇六年十二月刊行)に増補・改稿される形で巻
頭に掲載された。限定一五〇部の同人誌のうえ、刊行日即日で完売
したために、目にした人は極めて少ない。ここに簡単な概要を記し
たい。
物語は、一人の若い猫人ボウ・ポーが、見知らぬ遺跡を訪れるとこ
ろからはじまる。そして、遺跡に仕掛けられた謎、絵画作品「魔方
陣」連作に秘められた謎を解くための冒険にふみこんでいく。
  猫がもつ異界性に、刺戟された文芸作品は多い。朔太郎「猫街」、
ますむらひろし「アタゴオル」連作などがよくしられたところだろ
う。堀内薫氏の猫人もこうした猫のもつ異界性を意識した節がある。
ただし、先行作品との決定的な差異が存在している。それは、妖精
物語としての作品群の定位への意志だ。日本における妖精物語の構
築は、おそらく、佐藤さとるのコロボックル物語シリーズ以外に、
正面から取り組んだものはないと思うが、堀内薫氏のとりくみは、
佐藤さとる氏以来のものではないだろうか。佐藤氏と堀内氏のアプ
ローチの差異は、スクナヒコからアイヌのコロボックル伝説にいき
つき、小人の造形をあくまで、日本の素材に拠った佐藤氏に対し、
堀内氏のそれは徹底した西洋志向を感じさせるところにある。堀内
氏の特徴はこれだけに留まらない。やはり、可視化された人形作品、
鉛筆画を含めた作品全般を一定の世界観のもとに収斂させようとす
る強固な意志そのものにある。準世界創造の意志という点において、
堀内氏の視座は動くことがないように感じられる。
仮に物語を作者の世界解釈のツールとして創造されるものとして定
義するのであれば、「水晶散歩」は、いまだ完結をみない世界解釈
の物語という相でもってとらえることもできるだろう。開示されざ
る物語としてありつづける「水晶散歩」の本格的な開幕を願うのは、
私だけだろうか。いずれ、きちんとした形で世に問われんことを願
う。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

10月~11月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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    ◇第50回東京名物神田古本まつり◇
    └───────────────┘

会期:10月27日(火)~11月3日(火)
会場:神田神保町古書店街 *終了いたしました*

100万冊の大バーゲン! 駿河台下から専大前交差点まで、
靖国通り沿いに古書店街と書棚に囲まれた「本の回廊」が出現します。
期間中には何度も本を入れ替えるので「悩んだら買う」
これが鉄則です!
ぜひ御来場ください。

 ◎併催イベント
   特選古書即売展 稀書・珍本・良書がいっぱい!
    会 期 :10月30日(金)~11月1日(日)
    時 間 :午前10時~午後6時(最終日午後5時まで)
    会 場 :東京古書会館 地下ホール

  第50回スペシャル-水道橋博士の御茶ノ水古書店!
    会 期:10月27日(火)~11月3日(火)
    時 間:午前10時30分~午後5時 入場無料
    会 場:東京古書会館2階 情報コーナー(展示室)

 
今年の公式目録「古本」の巻頭特集は、水道橋博士さんの
ロングインタビュー。
博士さんの愛読書やオススメ本をおまつり期間中、
御茶ノ水の古書会館2階に展示します。
ここでしか見られない「水道橋博士の御茶ノ水古書店」。
ぜひお立ち寄りください!

他にもイベントが色々あります。
詳しくは下記サイトまで

BOOK TOWN じんぼう
→ http://jimbou.info/

ナビブラ神保町
→ http://www.navi-bura.com/index.html

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日本の古本屋メールマガジンその84 2009.10.26

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