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日本の古本屋メールマガジン その56 6月25日号

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◆INDEX◆
 1.自著を語るその23・『ブンブン堂のグレちゃん』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3.日本の古本屋即売展情報

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東京古書会館では、今年も恒例の明治古典会七夕古書大入札会が開
催されます。選び抜かれた古書、自筆物、版画などが一堂に会し、
7月6日(金)、7日(土)の二日間は一般の方にも下見公開され
ます。今年のキャッチフレーズは「文字力、画力、ホンモノ体感」。
詳しくは明治古典会ホームページをご覧下さい。
( http://www.meijikotenkai.com/2007/ )
今月の「自著を語る」は、大阪の古本屋さんでのアルバイト体験を
絶妙のユーモアとペーソスで描き上げた『ブンブン堂のグレちゃん』
の著者、グレゴリ青山さんです。この漫画、とにかく面白いです!

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■ブンブン堂のグレちゃん■
                        グレゴリ青山

 五月に「ブンブン堂のグレちゃん」(イースト・プレス)という、
自分の大阪での古本屋バイト体験を漫画にした本を出しました。

 この本の最初の注意書き(?)に“この漫画は作者のバイト体験を
元にしていますが、フィクションも含まれていたりします。”と記し
てあるのですが、改めて読んでみると、実際あったよこんなこと、と
いうのが沢山ありました。
 バイトで一番初めに教えてもらったのはハタキのかけ方だったし、
フランス文学者の生田耕作さんは常連さんだったし、店長はゴミ置場
に捨てられていた本を持ち帰れなかったことを悔んでいたし、店長の
息子は店のストーブで干しイモを焼いていたし、店に入ってくるイチ
ャイチャカップルが本を買ったためしがないし、仕入れたばかりの未
整理本にはなぜかお客さんがむらがるしで、そんな古本屋の日常を漫
画にしたので、この本を読んだ古本屋さんからは、「ウチもあるある
そーゆうこと」「おるおるこーゆうお客さん」さらには「ブンブン堂
の店長そっくりやー」「コラムの藤沢書店は気持ち悪いほど似てるー」
という声がしきりですーーって古本屋にばっかりウケてどないするね
ん、とちょっと自分にツッこんだりするのですが(でもうれしい)、
そもそもこの漫画を描いたのは、以前「旅行人」という雑誌の連載で、
古本屋のバイト仲間と京都に行った時の話を描いた時、ふと(古本屋
でバイトしてた時のことやったらギャグになりそうなネタあるのにな
…)と思ったのがきっかけです。
 (けど“お笑い古本漫画”なるものを載せてくれる雑誌なんてある
んやろうか……)と考えてたら、思い出したのです。バイト先に毎月
届いていた雑誌、「彷書月刊」を……。そしておそるおそる「古本漫
画描けます」という営業の手紙と「旅行人」を送ったところ、めでた
く連載となったのです。

 古本屋を舞台にした漫画はけっこうあるそうですが、“お笑い古本
屋漫画”というのは珍しいと思います。多分。そしてグが思うには、
“古本屋”で“お笑い”ができたのは、やっぱり舞台が“大阪”だっ
たからではないかと思います。

 この本には“大阪の古本屋さん”というコラムがあって、たくさん
の店主に取材させてもらったのですが、実際、いったいどこの劇団で
修業したん?と思うくらいサービス精神旺盛で味のある役者みたいな
人が多く、最初はあっさりしたコラムを描くはずが、ミョーに濃ゆい
コラムになってしまいました。だって、ただでさえ個性的な人が多い
と思われる古本屋さんの上に、大阪人。濃いキャラクターにならない
わけはありません。大阪の古本屋さん、ありがとうございました。

 そんなわけで、この本は、古本に興味がない人にも楽しめて、古本
好きの人なら身もだするえるくらい今すぐ古本屋に飛んで行きたくな
るような本を目指しました。装幀もデザイナーの中井有紀子さん(大
阪出身)がいい仕事をして下さいました。みなさんもこの本を読んで、
身もだえして下されば、とてもうれしいです。

■ブンブン堂のグレちゃん■
著者:グレゴリ青山
発行:イースト・プレス( http://eastpress.rabby.jp/ )
   2007年6月発行
定価:1,155円(本体:1,100円)
ISBN:978-4-87257-785-3
判型:A5判
頁数:168ページ

■グレゴリ青山(ぐれごり・あおやま)■
  
1966年京都生まれ。男らしいペンネームだけど性別は女。
18歳の時から大阪の古書店で断続的に7年程バイトをする。著書に
『グ印亜細亜商会』(旅行人)『旅で会いましょう』『ナマの京都』
(メディアファクトリー)など。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋即売展情報■

6月~8月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
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http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2007年7月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその56 2007.6.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その55 5月25日号

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◆INDEX◆
 1.自著を語るその22・『古本暮らし』
 2.イベントのお知らせ
 3.「古本屋が書いた本」展目録
 4.日本の古本屋即売展情報

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ご存知でしょうか。
東京の古書店はいくつかのブロックに分かれています。その中で、
品川、目黒、世田谷区など都内南部地域の古書店を紹介するホーム
ページがあります。( http://www.nanbu-kosho.com/ )
この地域のトピックを伝える「南部ゲンダイ」は業界内外で隠れた
人気ブログになっています。
また、文京区の古書店を紹介するホームページも生まれています。
( http://www.kosho.ne.jp/~bunkyo/ )
本郷、谷中、根津と人気の散策コースで古書店巡りをするにはうっ
てつけのページです。

今月の自著を語るは、『古本暮らし』(晶文社)を出されたばかり
の荻原魚雷さんにお願いをしました。淡々とした日々の中に読書の
豊かさが感じられる好エッセイ集でした。

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■古本暮らし■
                         荻原 魚雷

 今年の五月に『古本暮らし』という本を晶文社から刊行しました。
装丁は間村俊一さん、装画は林哲夫さんです。
 わたしは週四日アルバイトをしながら主夫業のあいまにときどき
原稿を書いているフリーライターです。中央線沿線を中心に年三六
〇日くらい古本屋に通っています。
 大学時代に『評伝辻潤』の著作で知られる故・玉川信明さんの大
正思想史研究会という勉強会に参加し、アナキズムや辻潤の本を読
むようになり、辻潤から吉行エイスケ、その息子の吉行淳之介、そ
れから第三の新人や「荒地」の詩人といったかんじで文学や詩に興
味をもつようになりました。

 また上京後すぐフリーライターの仕事をはじめたものの、人に会
うのも電話をかけるのも苦手だったので、だんだん仕事がなくなり、
三十歳くらいまではPR雑誌の編集をしたり、座談会や対談をまと
めたり、校正やテープおこしのアルバイトをしながら、ひたすら食
いつなぐことが目標の日々でした。お金がはいると、古本を買い、
お金がなくなると、古本を売る。そのくりかえし。
 そんなときに高円寺の飲み屋で知り合った岡崎武志さんに『su
mus』という同人誌にさそってもらい、私小説のことや私生活の
ことを書いた文章を発表するようになりました。もし『sumus』
に参加していなかったら『古本暮らし』が刊行されることもなかっ
たとおもっています。

 『古本暮らし』の内容を簡単に説明すると、第一章では本の整理、
本の売り買い、読書生活のいきづまりに関する試行錯誤をつづった
エッセイ、第二章は西山勇太郎、天野忠、鮎川信夫、古山高麗雄、
吉行淳之介、色川武大、神吉拓郎といった自分の好きな詩人や作家
についての評論、第三章は、酒やタバコ、料理、家事にまつわる身
辺雑記をおさめています。
 つい先日、増刷(二千部)が決まりました。無名の新人のエッセ
イ集としてはめずらしいことだと担当者の中川六平さんにいわれま
した。中川さんはこれからも新人の本を作りたいといっていたので、
『古本暮らし』がコケなくてほんとうによかったとほっとしていま
す。

 今、わたしは三〇代後半ですが、同世代やさらにもっと若い古本
好きの生活というのは、あんまり知られていないのではないでしょ
うか。よく「若者の活字離れが」云々といわれたりするけど、たと
えば、今二〇代の本好きが書店や図書館で働こうとおもってもなか
なか正社員や司書になれないという現実があります。きびしいです
よ、若い読書人の生活は。
 わたし自身、この先どうなるかわからないけれど、仕事と読書、
あるいは読書と生活を両立していく道を模索しつつ、古本のおもし
ろさを若い人に伝えていけたらとおもっています。

■古本暮らし■
著者:荻原魚雷
発行:晶文社( http://www.shobunsha.co.jp/ )
   2007年5月発行
定価:1,785円(本体:1,700円)
ISBN:978-4-7949-6710-7
判型:四六判
頁数:224ページ

■荻原魚雷 おぎはら・ぎょらい■
1969年三重生まれ。
著書に『借家と古本』(スムース文庫、コクテイル文庫)、編著に
『吉行淳之介エッセイ・コレクション』(全4巻、ちくま文庫)が
ある。
ブログ「文壇高円寺」 ( http://gyorai.blogspot.com/ )も公開中。

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■小林かいちと大正イマジュリィの絵葉書たち■

日にち:5月25日(金)~29日(火)
時間 :午前10時~午後6時
場所 :東京古書会館2階ギャラリー
入場無料です。

大正の抒情絵葉書を中心とした展覧会を開催いたします。明治33
(1900)年に解禁された私製はがきの使用からはじまる「絵葉
書」というあたらしいメディアムーブメントは、大正時代に入って
若者文化が成熟するとともに、「抒情絵葉書」というジャンルを確
立しました。この展示では、絵葉書の発展の歴史とともに、「抒情
絵葉書」に焦点をあてて展覧いたします。

その他にも多数イベントがございます。
詳しくはホームページ内でご確認ください。  

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

皆様のお越しをお待ちしております!

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
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101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋即売展情報■

5月~7月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2007年6月下旬頃発行です。
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日本の古本屋メールマガジンその55 2007.5.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
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【発行者】
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日本の古本屋メールマガジン その54 4月25日号

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◆INDEX◆
 1.シリーズ「活字の周辺」その3
  『秋山清著作集』をめぐって
 2.イベントのお知らせ
 3.「古本屋が書いた本」展目録
 4.日本の古本屋即売展情報

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いつもインターネット「日本の古本屋」をご利用いただきまして、
ありがとうございます。大型連休が近づきました。インターネット
「日本の古本屋」のトップページには「即売展情報」のボタンがあ
ります。現在開催中、近日開催予定の古書即売展をご案内させてい
ただいております。連休の一日、どうぞ古本探しにお出かけ下さい。

さて、5月26日(土)に「古本・夜の学校」VOL3を開催します。
でも今回だけ昼の学校(お昼の開催)。秋山清著作集完結を記念し
て、大沢正道氏に「秋山清と戦後アナキスト聯盟」をお話しいただ
きます。会場は駿河台下にございます東京古書会館の七階。地下で
は古書即売展も開催されております。土曜の午後、こちらにも是非
お出かけ下さい。詳しくはこのメルマガでもご案内を載せておりま
す。

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【活字の周辺】
■『秋山清著作集』をめぐって■
                          久保 隆
                (『秋山清著作集』編集委員)

 秋山清(1904~88年)は、戦時下に書かれた一連の詩篇
「白い花」が、後に、“詩的抵抗の最高の達成”として吉本隆明に
評価されたアナキスト詩人である。戦前から、アナキズム運動に深
く関わっていて、46年6月、日本アナキスト連盟の結成に尽力し、
機関紙『クロハタ』(後に『自由連合』と改題)には、68年末の
解散時まで絶え間なく健筆を振った。また、あらたな民主主義文学
の創造を旗印に創刊された雑誌『新日本文学』(45年12月)に
翌春から参加するも、そこでの党派主義的運営に疑義を呈して、政
治と文学の対立をめぐる位相を見事に切開した著書『文学の自己批
判』(56年10月刊、秋山清名義としての最初の著書である)は
刊行時、多くの共感を得た。

 46年5月、金子光晴、小野十三郎らとともに同人詩誌『コスモ
ス』を創刊する。創刊同人のうちただ一人秋山だけが、最後まで
『コスモス』に関わっていき、終刊号となった通巻101号(89
年10月)は、「秋山清追悼特集」であった。これら、アナ連、新
日文、コスモスが、秋山のいわば表舞台としての活動の場であった
わけだが、もとより、秋山の営為は、その交流の幅とともに、より
拡張された方位を獲得していくこととなる。

 60年安保闘争時、吉本隆明、埴谷雄高らとともに六月行動委員
会に参加し、闘う。66年、ベトナム反戦直接行動委員会のメンバ
ーによる軍需工場襲撃事件への支援は特筆すべきことだ。裁判支援
のため、戦時下の作品が初めて詩集『白い花』(解説・吉本隆明
「抵抗詩」)として編まれて刊行(自身二冊目の詩集にあたる)。
ベ反委の衝撃的な行動は、その後の新左翼諸派の反体制運動、全共
闘運動へと連繋していくものであった。そして、60年代末から7
0年代初頭にかけての反権力・反体制の大いなる渦動の中で、秋山
清は、より多くの新しい読者を引き寄せていった。

 著作でいえば、幸徳、大杉以後の退行する戦前のアナキズム運動
までも深く射程に入れて論じた『日本の反逆思想』(60年11月
刊、68年4月新版刊)であり、大正期の労働運動社やギロチン社
に集う人々の思考と方向の確かな反攻と抵抗のモニュメントを活写
した『ニヒルとテロル』(68年6月刊)であり、そして漂流する
抒情画家の評伝『竹久夢二』(68年8月刊)である。これらは、
秋山の思想と表現の基層をなすものであり、さらにいえばわが国に
おける自存する闘いの方途へと敷衍させてくれる重要な著作群だと
もいえる。だが、長らく、秋山清の著作は詩集を除けば、品切れ絶
版状態にあった。

 わたし(たち)は、徐々に内閉しつつある現況に対して、すこし
でも、通路を切開していくためにこそ、秋山の著作の数々を提示す
る必然に思い至ったのである。過去の著作をただ遺産のような想い
で刊行するといった考えは、初めからわたし(たち)にはない。未
知の読者が手にとって、そこに記されている秋山のセンシブルな言
葉、文章が、現在においても際立って切迫してくるはずだという確
信をもっていたからこそ、著作集の刊行を企図したのだといっても
いい。

 いま、全巻完結して、わたし(たち)は、安逸な想いに浸っては
いない。これから、秋山の仕事を、現在という場所から、あらため
て評価するという大事な作業が眼前にあるからだ。

■久保隆(くぼ・たかし)■
『秋山清著作集』編集委員、評論家。
1949年秋田県生まれ。中央大学法学部卒。
著書 『戦後アナキズム運動試論』
   『吉本隆明ノート』
   『権藤成卿論』
   『加藤泰の映画世界』(共著)
   『山野記』(共著)
   『吉本隆明論集』(共著)など。

ブログ「久保隆・書評集」http://kubo1123.cocolog-nifty.com/

※『秋山清ワールド(秋山清著作集Website)』
  http://www.pal-book.com/akiyama/
  『秋山清著作集』全11巻・別巻1は、今春完結、全巻発売中。

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■古本・夜の学校VOL3 ■

秋山清と戦後アナキスト聯盟
講師 大沢正道氏
 
日にち:5月26日(土)
時間 :午後2時~4時(開場1時半)
場所 :東京古書会館七階 木戸銭 500円
協力 :トスキナアの会
主催 :東京古書組合広報部
要予約:参加ご希望の方は下記のホームページよりお申し込み下さい。

http://www.kosho.ne.jp/event/yagaku/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■軒下の小さな古本祭――外市――■
                  東京北部支部 古書往来座
                       代表 瀬戸雄史

 まず最初に告白してしまいたいことがあります。5月5日土曜日
と6日日曜日に第2回目が開催される、当店軒下を利用した小規模
古本・雑貨市、外市、は、ぼくにとって今のところ、「軒下の小さ
な古本祭」以上でも以下でもありません。果たしてそれが新しい動
向なのか、何か既存のものへの不満をくつがえす有効なものなのか、
実のところ、わかっていません。動機らしい動機といえば、ただひ
たすらに「楽しそう」だったから、と言うしかありません。あ、そ
れは打ち上げのビールがおいしいでしょうね、と意気込んだのであ
りました。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/melma/magazine20070425_2.htm

池袋(古書往来座前)で開催される第二回外市は5月5~6日。
詳しくは http://ouraiza.exblog.jp/ をご参照下さい。
また、街歩きをしながら古本探しを楽しめる第四回不忍ブックスト
リートの一箱古本市は4月29日に開催されます。
(http://sbs.yanesen.org/)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■小林かいちと大正イマジュリィの絵葉書たち■

日にち:5月25日(金)~29日(火)
時間 :午前10時~午後6時
場所 :東京古書会館2階ギャラリー
入場無料です。

大正の抒情絵葉書を中心とした展覧会を開催いたします。明治33
(1900)年に解禁された私製はがきの使用からはじまる「絵葉
書」というあたらしいメディアムーブメントは、大正時代に入って
若者文化が成熟するとともに、「抒情絵葉書」というジャンルを確
立しました。この展示では、絵葉書の発展の歴史とともに、「抒情
絵葉書」に焦点をあてて展覧いたします。

特に謎の絵師・小林かいちの小展示は、7月に開催される小杉放菴
記念日光美術館(日光市)の回顧展直前のプレビューともなります。
ぜひ、この機会にご覧下さい。

■トークショー「幻の絵師・小林かいちを語る」■
昨今注目される絵葉書絵師「小林かいち」とは何物なのか。
そのデザインの魅力とともに語ります。
※要予約 有料です。
詳しくはホームページ内でご確認ください。

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/2006/08/2_ed0f.html

その他にも多数イベントがございます。

■アンダーグラウンド・ブック・カフェ■
5月27日~29日 東京古書会館地下ホールにて開催いたします。
詳しくはホームページ内でご確認ください。  

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

皆様のお越しをお待ちしております!

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋即売展情報■

4月~6月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2007年5月下旬頃発行です。
お楽しみに!

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日本の古本屋メールマガジンその54 2007.4.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その53 3月26日号

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◆INDEX◆
1.シリーズ「活字の周辺」その2
  画集から図像資料集へーー『大正期新興美術資料集成』刊行まで
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■インターネット「日本の古本屋」をご利用いただきましてありが
とうございます。1月のリニューアルにより、おかげさまでいっそ
う多くのお客様にご利用いただけるようになりました。
インターネット「日本の古本屋」は、各ジャンル屈指の専門古書店
をはじめ、全国の「本探し」のプロが蒐めた幅広い古書を網羅する
我が国最大の古書検索サイトです。
どうぞ、今後ともご愛顧いただけますようお願い申し上げます。

■インターネット「日本の古本屋」では、書籍以外にも、チラシ、
ポスター、PR冊子、展覧会の図録など様々な資料を見つけること
ができます。そうした紙片には、その時代の息吹が強く刻まれてい
るものがあります。
今月の「活字の周辺」は、先日刊行された『大正期新興美術資料集
成』(国書刊行会 http://www.kokusho.co.jp/index.html )の共同
執筆者である五十殿利治さんにお願いしました。
前橋で開催された「マヴォ展」の図録という、そんな魅力的な紙片
があることも初めて知りました。

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【活字の周辺】
■画集から図像資料集へーー
            『大正期新興美術資料集成』刊行まで■

 書肆から大正期の新興美術(「アヴァンギャルド」と言われたの
だが)の画集を出したいという話があったのは、『大正期新興美術
運動の研究』(スカイドア、1995年)を出してしばらくしてか
らのことであった。しかし、その時点では企画としてすんなりと進
行することにはならなかった。まずこちらの用意が不足していた。
 そもそも大正期新興美術は作品として残されているものが少ない。
どうしても写真、あるいは不鮮明な図版によってその軌跡をたどる
ことをよぎなくされる。画集といえば、やはりそれなりにカラー図
版がなくてはいけないが、はたしてそれだけ集まるだろうか、とい
う問題である。

 事態が動き始めたのはチームを組んで対応することに決めてから
であるが、その土台となったのは、町田市立国際版画美術館を中心
にして開催された「極東ロシアのモダニズム」展(2002年)の
ための調査研究であった。これまでに例のない展覧会のために、滝
沢恭司氏がポーラ美術財団から研究助成を得て、滝沢氏、水沢勉氏、
そして五十殿がウラジオストクをはじめとする極東ロシア、そして
モスクワ・サンクトペテルブルクに調査旅行を行った。その経緯に
ついては、滝沢氏が同展カタログ序文に記されているので繰り返さ
ないが、研究の一環として同時代の大正期新興美術運動が極東ロシ
ア美術(とりわけブルリューク)の影響を受けた動向として調査対
象となったおかげで、研究成果を公表しようという機運が自然と調
査チームの間で形成されたのである。書肆に連絡したところ、さっ
そく担当者が快諾し、企画がスタートすることになった。チームに
は、さらに菊屋吉生氏、長門佐季氏、野崎たみ子氏に参加をお願い
することになった。

 本書のキーポイントは、年表を基軸にしたところにある。画集に
するとしても、新聞雑誌にしか掲載されないままの図版を、不鮮明
でもいいから極力多数を収載した資料集を考えていたので、展覧会
情報をひとつにまとめるもっとも自然な形と落ち着いた。もっとも、
当初は油彩、日本画、版画、構成物などとジャンルの担当を決めて、
それぞれが担当分野を調査するということであった。しかし、そう
した縦割りそのものがこの運動とは相容れない。菊屋氏が専門とす
る大正日本画の場合のように、むろん専門性は最大限尊重されてい
るが、年表作成については基本的にジャンルと関係なく各年で割り
振りを決めた。主要なカタログのデータ入力は院生に協力してもら
い順調に進んだが、実際には年表そして研究論文の作成に相当の時
間が必要であった。経験的にいって、本書に限らず、共同執筆はこ
うした難問から逃れられない。さいわい国書刊行会の担当者は辛抱
強く、着実に企画を具体化していった。

 本書はこれまで限られた研究者にしか知られていない展覧会に関
する会期、会場、出品作品、関連文献等の基本情報をまとめ、さら
に書籍雑誌の発行などの関連事項を補足して構成されている。これ
まで出版物や展覧会でよく取り上げられてきた「未来派美術協会」
「マヴォ」「三科」のみならず、地方都市(たとえば前橋のマヴォ
展)における小規模な展示もカバーしている。
さらに特筆すべきことは、「三科」以後、大正期美術運動の衰退期
についてこれまでにない注目を払ったことである。横井弘三による
理想展もこの運動の流れにおいてようやくその位置づけがみえてく
るのである。これはひとえに滝沢氏の精力的な調査の結果である。
これにより大正期新興美術運動のほぼ全容が捉えられたと私には思
われる。
あえていえば、ではその源流はどこに求められるものなのか。それ
がつぎの課題と浮上してこよう。

■五十殿利治(おむか・としはる)■
1951年生まれ。筑波大学教授。
著書に『大正期の新興美術運動の研究』(1995年)他。
共編著に『クラシックモダン』(せりか書房、2004年)他。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

3月~5月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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お楽しみに!

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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその53 2007.3.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その52 2月26日号

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【日本の古本屋】は全国788書店参加、データ485万点掲載
の古書籍データベースです。

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◆INDEX◆
1.シリーズ「活字の周辺」その1 
文字から声へ、声から文字へ
  ~「詩のボクシング」十年の場から~
2.新刊本のご紹介
 『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割
3.「古本屋が書いた本」展目録
4.日本の古本屋即売展情報

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■2月6日、東京古書会館で二回目の「古本・夜の学校」を開きま
した。
今回のテーマは「早稲田の古本屋の話でもしようか」。ゲストは昨
年『早稲田古本屋街』(未来社)を出された向井透史さん。文芸評
論家で早稲田古本屋街とは長い付き合いの坪内祐三さん。「そうい
えば・・・」と、どんどん繋がるあれこれの話題は、いつまでも尽
きないようでした。
満席のビジターの皆さんも、同じ気持ちではなかったかと思います。
早稲田界隈の古本屋、新刊屋、喫茶店・・・いろいろな固有名詞が
飛び交うたびに、それぞれの思い出を重ね合わせているようでした。
もちろん、今も早稲田古本屋街は元気です。あの頃、帳場の奧でピ
ーピー泣いていた赤ん坊が、すっかり大人になって店番をしている
かもしれません。是非、古本屋散歩にお出かけ下さい。

■当日の対談は、ウェブ版古本・夜の学校を開校し、そこで紹介さ
せていただく予定です。こちらはまだ工事中で、そんなご案内もこ
のメルマガでさせていただきます。

■次回の「古本・夜の学校」は、七十年代の小さな出版社や個性的
な書店を探ってみたいと思います。個性的な品揃えで今も伝説の書
店といわれる四谷文鳥堂に勤め、その後薔薇十字社の編集部に移っ
た川口秀彦さんを講師に予定しています。こちらもまたメルマガで
お知らせできるかと思います。

■今月のエッセイはシリーズ「活字の周辺」です。「詩のボクシン
グ」でお馴染みの楠かつのりさんにお願いしました。言葉を、自分
の声と体で表現する。「詩のボクシング」は、とてもシンプルな手
法にこだわっていますが、しかし生でご覧になると、その新鮮さと
面白さに驚かれると思います。

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【活字の周辺】
■文字から声へ、声から文字へ
~「詩のボクシング」十年の場から~■

 文字を発明したことは、人類の歴史において驚異的な出来事だっ
たに違いありません。部屋に居乍らにして、文字から視覚が刺激さ
れて見たいものを見ることができ、また音が聞こえてくるように聴
覚を、さらには味覚、嗅覚、触覚なども刺激されていろいろなもの
をリアルに感じることができるのですから、これはもうアラジンの
魔法のランプを手にできたかのような出来事だったでしょう。

 人が文字に求めるものは、そういった五感をしっかり刺激してく
れるものではないでしょうか。さらにいえば、古代の人が残した象
形文字や楔形文字は、一文字一文字が手作業で書かれ、二つとして
同じものがなく、それ故に言霊を宿すことができ、時には畏怖心さ
えもいだかせてしまう存在になり得えたのだと思います。ところが
今や文字は、パソコンのワープロソフトを使い、どれもこれも同じ
服をまとっているように見え、文字本来の勢いも五感への刺激も非
常に弱くなっているように感じられます。

 以前わたしは、ある新聞で詩時評を二年間担当したことがあり、
毎月、膨大な数の同人誌と詩集を読んでいたことがありました。一
年目を終えたころ、奇妙なことが起こったのです。それは、詩の書
き手はそれぞれに違うはずなのに、まるで一人の人が全ての詩をあ
の手この手とスタイルを変えて書いているように見えたのです。こ
れはある期間、過度に集中して詩を読み過ぎたことに原因があるの
かもしれません。しかしそんな時でも、手書き文字の詩に出合うと、
その文字の向こうに詩を生み出す者の確かな姿が感じられ、安堵し
たのをよく覚えています。

 実はわたしが「詩のボクシング」を始めたのも、確かな詩の書き
手と対面したいという思いからでした。前述の手書き文字と同じよ
うに声の言葉にも二つとして同じものはありません。その声の言葉
の魅力、いや声の言葉の本当の姿を知ってもらいたいとう思いから、
わたしは十年前に、「文字の裏には声があり、その声を表に出そう」
と「詩のボクシング」を始めたのです。人の声との出会いは、驚き
と発見の連続でした。その「詩のボクシング」も、これまでに三十
二都道府県で都道府県大会として行われ、年に一度東京で全国大会
が開催されるまでになりました。

 余談かもしれませんが、もう一つ文字と声の関係について強く印
象に残っていることがあります。ドイツに留学していた時のことで
す。日本好きのドイツ人の友人が、流れるように書かれた行草書の
文字を眺めならが、「これは声を発するように書いてるね。声の動
きを感じる」と言ったことがあります。確かにそこには声の動きが
見えるのです。わたしも手書き文字には、声を出して、その声に合
わせるかのように筆圧も速度も変えながら書いていると感じること
があったので、友人の指摘に膝を打って頷きました。

 声の言葉は文字の言葉に比べて一回性のもので普遍性がないと言
う人がいますが、それは違うとわたしは思います。何故なら、人が
繰り返し口ずさむ言葉にこそ普遍性が宿っていると考えているから
です。だからわたしは、気がつけばふと口ずさんでいるような言葉
が、「詩のボクシング」の場から生まれることを強く望んでもいま
した。そしてこの十年でやっと、「詩のボクシング」が口ずさむ言
葉を生み出せる場になったと実感できるようになりました。十周年
を迎える今年は、特に年配パワーに期待しています。このメールマ
ガジンの読者の皆さんにもご参加いただき、これぞ文字の裏にある
声だというものをお聴かせください。お待ちしております。

■楠かつのり(くすのき・かつのり)■
音声詩人、映像作家、日本朗読ボクシング協会代表。
1954年生まれ。ハイデルベルク大学及びマインツ大学留学。
1997年に「日本朗読ボクシング協会」を設立、以来代表を務め、
朗読の新しい楽しみ方及び表現方法としての「詩のボクシング」を
国内に広めている。
著書に『詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』(東京書籍)、
文庫版「からだが弾む日本語」(宝島社)、『「詩のボクシング」
って何だ!?』(新書館)他。

楠かつのりさんHP http://www.jrba.net/ 
「詩のボクシング」HP
 http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/bout.htm

※HPには「詩のボクシング」とは何か、また各地の大会日程など
を掲載しています。

「詩のボクシング」2007年度大会スケジュール

http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/calendar2007.htm

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■新刊本のご紹介■

『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割』

ミステリは読み返すほど面白い!
シャーロック・ホームズとコンチネンタル・オプの関係は?
『Xの悲劇』のドルリー・レーンはなぜ変装するのか?
クロフツの真価はアリバイ崩しではなかった?
エルキュール・ポワロの正体は?
江戸川乱歩は本当に探偵小説の「第一人者」なのか?
・・・巨匠たちの名作に秘められた謎を、無類の読み巧者が名探偵
となって解き明かす、軽妙酒脱にして比類なき評論。(装幀・和田誠)

石上三登志著
東京創元社刊( http://www.tsogen.co.jp/np/index.do )
定価:2,205円(本体:2,100円)
316ページ
(書影図版 自由が丘・西村文生堂全面協力)

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
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■日本の古本屋 即売展情報■

2月~4月の即売展情報

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日本の古本屋メールマガジンその52 2007.2.26

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日本の古本屋メールマガジン その51 1月19日号

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◆INDEX◆
1.自著を語るその21・『古本屋のある「街」の履歴書』
2.『幻影城の時代』刊行
3.「古本屋が書いた本」展目録
4.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、今回は向井透史氏に『早稲田古本屋街』
(未來社 http://www.miraisha.co.jp/ )について語って頂きました。

■古本屋のある「街」の履歴書■

 早稲田大学から高田馬場駅へ向かう早稲田通り沿いに約30軒の
古本屋が立ち並ぶ早稲田古本屋街。戦前からいるような顔をして並
んでいるのだが、実は昭和40年代になって急激に増えていった店
が多い。もちろん戦前にも古本屋街はあったのだが、それは大学正
門から神楽坂方面へと向かう道に並んでいた。大学と共に栄え、昭
和20年の空襲によって灰となって消えてしまった。戦災を受けず
残った早稲田の地。それが現在の早稲田古本屋街のあるエリアなの
だ。その場所に、神保町などで修業したものたちが、少しずつ店を
開いていく。その経緯を早稲田の古書現世二代目店主である自分が
聞き書きしたのが本書『早稲田古本屋街』である。先ほど書いた戦
前早稲田についても序章「昭和20年、早稲田古本屋街消滅」にて
記述した。
 この本の元となったのは、未來社のPR誌「未来」に連載をして
いた原稿である。連載をはじめるにあたって、あることを思い出し、
それを書きたいと思った。

 ある古本市が終わった帰り、早稲田の古本屋店主数人と居酒屋へ
行った。古本屋の飲み屋話なんて売れた売れないだとかそんな話ば
っかりなのだが、この時はなぜかある店主の昔話になった。
「未来」連載の第一回目になった岸書店さんである。「俺なんて新
潟から就職するってことだけで連れてこられてさぁ、もう一人の子
と一緒に。で、上野駅ついてから突然『質屋と古本屋がある。好き
なほうを選べ』なんて言われてさぁ。古本屋ってよくわからかった
んだけどなんとなく選んで店員になっちゃってなぁ」
 後日、違う飲み屋でも同じように古本屋になる時期の話を聞いた。
五十嵐書店さんである。「後楽園そばの職安でようやく仕事みつけ
てね。興奮したまま駅にむかったら道に迷ったんだ。逆に行ってた
の。そしたら神保町の古本街に出てね、偶然。そこに店員募集の貼
り紙があったんだ、もっと条件が良かった住み込みのがね。あの時、
道に迷ってなかったらどうなっていたか」

 現在、古本屋になりたいという若者も多いという。実際、店頭で
開店方法を訊かれることも多い。皆、店舗内装や取り扱い商品など
も明確なビジョンがある人ばかりだ。しかし自分は、そのような動
機とは違う、地方の、長男ではない人間たちが職を求め東京へ出て
「なるしかなかった」というような道を歩み古本屋へなっていく人
生に興味を持ったのだ。また、この業界の複雑な親戚関係も面白か
った。東京で古本屋を営む親戚筋を頼って上京する人物も多かった
のだ。その関係性も、実に興味深いものだった。
 本を書くにあたって気を遣ったのは「ただの業界史」にならない
ように、ということであった。古本屋のことはよく知らないけど、
とか、早稲田には行ったことないし、など、そういう人でも最後ま
で読めるようなものにしたかった。まったく違う人生が集まってき
て、ひとつの街ができあがる。「人」が作る小さな「街」の物語。
古本の本にありがちな、稀覯本の話なんて関係がない世界。ある時
は飲み屋で、自宅で、店で取材を続けて今、ようやく本になった。
なんとなく店を継いで、ただ仕事を続けてきた二代目店主である自
分も、聞いてきた街の歴史に続く現在に立っているのだと思うと、
少し誇らしく感じるようになった。

 最後に。この本は「街」の歴史であると共に、本が驚くように売
れて輝いていた時代の話でもある。一日に数回仕入れに行き、帰っ
てくるたびに本が棚で倒れるぐらいに売れている時代。学生が本を
欲しいがためにバイトをしていた時代。今とは逆で「売るのは簡単、
仕入れは困難」という時代だったのだ。その輝きを「古本好き」の
方だけではなく、たくさんの「本好き」の方に読んで欲しいと思う。

■向井透史(むかいとうし)■
昭和47(1972)年、早稲田生まれ。
堀越学園高校を卒業後、早稲田の古本屋「古書現世」二代目となる。
雑誌「本の雑誌」(本の雑誌社)、「WiLL」(ワック)にて連
載中。著書に『早稲田古本屋日録』(右文書院)がある。
向井さんブログ→ http://d.hatena.ne.jp/sedoro/

■『早稲田古本屋街』■
著者:向井透史
発行:未來社( http://www.miraisha.co.jp/ )
   2006年10月発行
定価:1,890円(本体:1,800円)
ISBN:4-624-40059-3
判型:四六判
頁数:254ページ

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『幻影城の時代』刊行!!              
                          本多正一

 雑誌『幻影城』は1975年から79年まで刊行されていた探偵
小説専門誌である。
 書誌学者として『三島由紀夫書誌』(薔薇十字社、1971年)
の労作のある島崎博氏が、膨大な蔵書と人脈を駆使して創刊したミ
ステリーの専門誌だが、四年半という短い活動期間ながら、泡坂妻
夫、栗本薫、竹本健治、田中文雄、田中芳樹、友成純一、夏来健次、
連城三紀彦らの新人を世に送り、またファンクラブ「怪の会」から
は縄田一男、長谷部史親、細谷正充、宮部みゆき、村上裕徳、山前
譲、横井司、よしだまさしといった才能を輩出した、忘れられない
名雑誌だった。
 『幻影城』が休刊して27年、母国台湾へ戻られた島崎博氏を取
材した貴重なロングインタビューを巻頭に、権田萬治氏ら関係者へ
のインタビュー、泡坂、竹本、連城、栗本氏ら出身作家の回想、綾
辻行人、有栖川有栖、宮部みゆきら、現代ミステリー界の面々のオ
マージュ、その他論考、資料を合わせ収め、『幻影城の時代』を昨
年末に刊行した。

続きはこちら→

http://www.kosho.ne.jp/melma/magazine20070119_2.htm

*『幻影城の時代』取扱い書店は以下のホームページを参照してく
ださい。

http://members.at.infoseek.co.jp/tanteisakka/

*お問い合わせ先は、「エディション・プヒプヒ/垂野創一郎」
< kamano@qb3.so-net.ne.jp>まで 

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いたしました。

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1月~3月の即売展情報

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日本の古本屋メールマガジンその51 2007.1.19

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    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その50 12月25日号

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◆INDEX◆
1.読者アンケート「今年の収穫・この一冊」
2. 日本の古本屋・年末年始のお知らせ
3. イベントのお知らせ
4.日本の古本屋即売展情報

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読者アンケート「今年の収穫・この一冊」には、全国各地から沢山
のご返信を頂くことができました。ありがとうございました。本号
の特集で、その一部をご紹介させていただきます。いろいろな本に、
それぞれの気持ちが込められていて、短いアンケート回答の中にも
物語があるように思いました。

どうぞ、明年も「日本の古本屋」を宜しくお願い申し上げます。

これ以外にもHPにて紹介してあります。
URL:http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/kekka200612.htm

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[書名]   新訂 漢文解釈法
[著者名]  塚本哲三
[理由]   基本漢文解釈法を中学2年で終り、愈々基本の取れた
      分厚い本に進めるという希望に溢れていたが、勤労動
      員で断念の已む無きに至った。60年の晩学が愉しみ。
[性別]   男性
[年齢]   76
[都道府県] 東京
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[書名]   池波正太郎の芝居の本
[著者名]  佐藤隆介
[理由]   新刊、古本を含み池波ものフル蒐集の多分最後の一冊。
      以前図書館で借り全頁コピー、お茶を濁していたがつ
      いに現物入手。バンザーイ。
[性別]   男性
[年齢]   62
[都道府県] 千葉
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[書名]   世界の針葉樹
[著者名]  杉本 順一郎
[理由]   これだけの数の針葉樹を網羅した図鑑が世の中に存在
      したとは驚きでした。またこれだけの本が古本として
      埋もれてしまう世の中を残念に思いますが、宝探しと
      しての古本巡りの楽しさも増しました。
[性別]   男性
[年齢]   38
[都道府県] 埼玉
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[書名]   山びとの動物誌
[著者名]  宇江 敏勝
[理由]   一次資料。読者に媚びぬ、味わいある文章。華麗に世
      に出る方ではないが、確実に残る書物。日本の自然と
      文化のために大切に残すべき書。手に入って、うれし
      い!
[性別]   女性
[年齢]   71
[都道府県] 神奈川
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[書名]   ともだちは海のにおい
[著者名]  工藤直子
[理由]   登場するくじらといるかは深い友愛で結ばれています。
      自分にもかけがえのない友がおり、その友への愛と本
      の中のそれとが広くやさしい海でつながっている気が
      しました。ふと手にした古書、宝物を見つけたようで
      嬉しくて、久しぶりに遠く離れた友に手紙を書きまし
      た。
[性別]   女性
[年齢]   29
[都道府県] 東京
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[書名]   兎夢
[著者名]  辻村寿三郎
[理由]   新刊本の世界は正に「水もの」です。20年程前に欲
      しくても学生で手が出なかった本でした。その後少々
      都合が出来る頃には絶版となり版元にも無くなってい
      ました。が、やはり、「良い本」の印象は捨て難く、
      今回「探究書コーナー」で見つけていただきました。
     「良きもの」は既に古本の世界にだけあるのでしょうか。
      古本の世界が「良きもの」を後世に残そうとしている
      からなのでしょうか感慨深く思います。
[性別]   女性
[年齢]   38
[都道府県] 静岡
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[書名]   無然遺稿
[著者名]  篠原無然
[理由]  「女工哀史」の言葉で知られた明治から昭和にかけての
      製糸女工の過酷な労働。その女工を救うために女工供
      給組合を全国に先駈けて結成するために奔走した著者
      ・無然。歴史に知られることなく没したが、何よりも
      飛騨を愛したがゆえの情熱迸る無欲な行動であった。
      著者の飛騨を愛する心の深さが伝わってくる遺稿集。
      10年間探して入手、奇跡的な出来事でした。
[性別]   男性
[年齢]   56
[都道府県] 岐阜
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[書名]   光芒の大地
[著者名]  石川 雅一
[理由]   写真と詩を同一著者がものした写真詩集。アフガンな
      どの戦場の写真と詩が載っているのだが、モノクロの
      写真とその詩がよくマッチして独自の世界を形作って
      いる。我々が行くことはふつう無いような戦場などの
      世界だが、見ていると、世界の果てを旅している気分
      が味わえ、詩のすばらしさと完成度の高さもあいまっ
      て、豊穣な気分に満たされた。
[性別]   男性
[年齢]   39
[都道府県] 東京
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[書名]   『国体論及び純正社会主義』
[著者名]  北 輝次郎
[理由]   明治39年、北の自費出版になる書で、刊行後5日間
      で発禁。約一千頁の巨著。末尾に旧所蔵者の墨書あり
      て曰く「是れ、全巻すべて真理也。我輩は幾重にも暴
      戻なる現政府が此の書に加へたる暴政を怒す。」と。
[性別]   男性
[年齢]   42
[都道府県] 東京
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[書名]   兵庫北関入船納帳
[著者名]  林屋辰三郎
[理由]   以前から中世の港町を研究していて、ほしいと思いつ
      つも、必要な箇所のコピーにとどまっていたが、よう
      やく思い立って、古書で求めることにした。林屋先生
      が古書店の一隅でこの文書に巡り合った時の衝撃はい
      かばかりであろうか。このようなサプライズがある古
      書店巡りは、当分止みそうもない。
[性別]   男性
[年齢]   44
[都道府県] 香川
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[書名]   正木ひろし著作集I,II
[著者名]  正木ひろし
[理由]   今般、白を黒といい尻をまくる無責任な政治家・裁判
      官・会社経営者が増えている。そんな存在に私たちも
      慣らされつつある。それに対し意識的に反抗したいと
      思って、早稲田の古本市で購入した。
[性別]   男性
[年齢]   44
[都道府県] 埼玉
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[書名]   現代文章講座(全6巻 三笠書房 昭和15年)
[著者名]  近藤一郎編
[理由]   60数年前、若き日の母が読んだ、と話に聞いていた。
      亡き母を偲ぶためネットで探して購入した。小林秀雄、
      川端康成はじめ当時のそうそうたる執筆陣が勢揃いし
      ている。
[性別]   男性
[年齢]   72
[都道府県] 東京
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[書名]   黒蜥蜴(限定本)
[著者名]  三島由紀夫
[理由]   本は美しくならねばならぬ、と長年の夢の本でしたが、
      古書店のご好意でお支払にご配慮頂いた結果実現でき
      たことで、人とのお付き合いの大切さを痛感した印象
      深い1冊となりました。
[性別]   男性
[年齢]   56
[都道府県] 神奈川
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[書名]   少年少女世界の名作 全55巻
[著者名]  小学館
[理由]   懐かしく、孫にプレゼント。
[性別]   男性
[年齢]   65
[都道府県] 兵庫
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■日本の古本屋・年末年始のお知らせ■

当サイトは平成18年12月29日(金)から平成19年1月4日
(木)までの期間、事務局のみ冬季休暇とさせていただきます。
(日本の古本屋は通常通りお使い頂けます。)
この間にお問い合せ頂きましたメールは、1月5日(金)より順次
返答させていただきます。
お問い合せによりましてはお時間をいただく場合がございますので、
ご了承下さい。
なお、古書店より返事がない場合などは第一報メールをご参照の上、
直接古書店にお問い合せ下さい。
古書店の休業期間につきましては、日本の古本屋の古書店情報欄を
ご参照ください。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願いいたします。

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■イベントのお知らせ■

平成18年11月28日、神田駿河台下にある東京古書会館で、
「古本・夜の学校」という小さなトークライブを開きました。
ゲストは最新エッセイ集『屋上がえり』(筑摩書房)が出たばかり
の石田千さん。都内で一番個性的な新刊書店=書肆アクセス店長の
畠中理恵子さん。エッセイ集『借家と古本』(コクテイル文庫)が
大好評の荻原魚雷さん。三人が神保町のこと、本のことを楽しそう
に話している時間は、とても緩やかで優しいものに感じられました。

次回の夜学は明年の2月に予定しています。テーマは「早稲田の古
本屋のことを話そうか」。ゲストは『早稲田古本屋街』(未来社)
を書かれた向井透史さん。高校生の頃から早稲田の古本屋街を歩い
ていた文芸評論家の坪内祐三さんです。また、「古書の小径」のイ
ベント案内などでお知らせいたします。

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■日本の古本屋 即売展情報■

12月~2月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
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【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2007年1月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその50 2006.12.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その49 12月6日号

■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■
 。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
     。.☆.:* その49・12月6日号 *:.☆. 。
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希望された方にお送りしています。
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【日本の古本屋】は全国771書店参加、データ476万点掲載
の古書籍データベースです。

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◆INDEX◆
1.特集「ペリカン書房」追悼
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■特集「ペリカン書房」品川力追悼■

 11月3日。102歳の古本屋が亡くなりました。品川力さん。
本郷・ペリカン書房の主です。古書業界に入るのは震災前。昭和初
頭には東大近くの落第横丁でキッチン・ペリカンを始め、若き日の
作家たちと交わり、織田作之助らと一緒に文芸誌を出したりもしま
した。

 いつ頃までだったのか、腰手ぬぐいに麦わら帽子、冬でも同じ格
好で神保町界隈を自転車で走った品川さんを見かけたものでした。
遠くても、お客さんのところへは自転車で本を届けていたのです。
そんなことから「文献配達人」と呼ばれるようにもなりました。

 新刊書店がどんどん巨大化し、産業化する一方で、古本屋の世界
は、依然としてとても小さなものです。でも、ここでは店主の個性
がそのまま本屋の個性として生き続けています。

 いつまでも本を探し、見つけ、それを持って手渡したい人のもと
へ自転車を走らせる。きっとそれは、私たち古本屋の原点なのかも
しれません。今月は、在りし日の「文献配達人」=ペリカン書房
品川力さんを偲び特集を組みました。

 今回の「ペリカン書房品川力追悼」に、五名の方が執筆してくだ
さいました。深く感謝いたします。

・青木正美(青木書店)
・上笙一郎(児童文化研究者)
・紅野敏郎(早稲田大学名誉教授)
・堀切利高(平民社資料センター代表)
・八木福次郎(日本古書通信社)
 (敬称略・順不同)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇ペリカン伝説           
                     青木 正美◇◆◇

 十一月三日、本郷・ペリカン書房の品川力さんが亡くなった報を
聞く。一九○四年生まれ、享年百二歳だった。
 品川力(つとむ)は新潟県柏崎町に父豊治・母ツネの長男として出
生。父は内村鑑三の弟子で、書店と牧場を営んでおり町の有力者だ
った。力が正規の学校としては高等小学校しか出ていないのは、吃
音者だったことからと思われる。
 父は大正七年政界入りを企てて失敗、一家をあげて上京する。力
は父が神田猿楽町に古本屋を開いたので店番に努める。これは、古
本屋なら黙っていても何とか商売になるだろうとの、父の配慮でも
あったのだ。力は店番の傍ら内村鑑三の『基督信徒の慰め』などを
読み心酔して、鑑三の講演を聴きに内幸町の衛生会館へ出かけたり
した。
 すると大正十二年の関東大震災が起き、借り店だった品川書店は
全てを灰にしてしまう。二十歳だった力は、このあと六年間、銀座
のレストラン・冨士アイスに勤める。ここへは外国人もよく来て、
力は語学を学んだ。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/aoki.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇蘆花公園から                   
                      上 笙一郎◇◆◇

 わたしが品川力さんを知ったのは、一九五五(昭和三十)年かそ
の翌年のことである。わたし、二十二歳か三歳、品川さんは一九〇
四(明治三十七)年の生まれだから、五十代の前半、父親の歳の人
であった。
 当時のわたしは明治期社会主義文学の研究に心を寄せており、徳
冨蘆花もその一環と考え、通称=蘆花公園――蘆花の旧居にしばし
ば足を運んでいた。公園には管理人がいて、名は後閑林平、清潔な
クリスチャンで、明治期のキリスト教と社会主義の文献の隠れた蒐
集家。その人に信服し親炙していたところ、ある日紹介されたのが
大学教授のような知的な風貌の中年男性で、それが品川さんだった
のである。
 対面していてもほとんど話をされないので、無学歴で若年無名の
わたしなど無視してのことかと思ったが、そうでないことは間もな
く分かった。生まれついての吃音で、すらすらと会話できなかった
のだ。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/kami.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇追悼・品川力さん
                      紅野 敏郎◇◆◇

 品川力さんは、その白髪で彫り深い風貌からいえば、碩学と思わ
せるような「貴人」である。同時にその日常の行動からいえば、
「奇人」といってよかろう。私たち研究者にとっては、いわゆる稀
覯本ではない、普通の雑書の類を、道の遠近を問わず、「自転車」
に乗って、配達してくださる、少しオーバァにいえば「文化の配達
人」が品川さんだったのである。本郷赤門近くの「落第横丁」と呼
ばれている彼の営むペリカン書房にも立ち寄ったが、私が結婚した
東中野の駅に近い、平屋の四所帯が雑居していたアパートの六畳一
間の部屋に、幾度「自転車」で雑書、雑本を運んでくださったこと
か。私のところをすませると、小金井の串田孫一さんのお宅へまわ
られるのが常であった。彼は夏冬を通して、扇子を持っていて、
「自転車」から荷物をとり出すと、パッと開いてパタパタあおぐ。
そしてさっと立ち去る。その去りぎわのみごとさは絶品。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/kouno.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇やはり不思議な人  
                      堀切 利高◇◆◇

 品川さんに最後に会ったのは、安成貞雄のトマト忌の時だったか
ら、もう二年前になる。
 二〇〇四年は貞雄死して八〇年に当るので、祥月命日の七月二三
日に本郷の求道会館でご遺族もお呼びしてトマト忌を催したのだが
(トマト忌とは貞雄の容貌がトマトに似ていたので管野須賀子がつ
けた仇名に由来する)この時、不二出版の山本有紀乃さんと計って
品川さんをお呼びしたのである。場所も近くの求道会館をとれたし、
こんな時でもなければ外へ出る機会もないだろうと考えたのである。
久しぶりの外出なので大丈夫かなと思ったが、案ずることもなく、
迎えに行った若い人たちの押す車椅子に乗って見えられた。お変わ
りもなくと見えた。しかし百歳の品川さんは、もう幼い心に戻って
いられたのである。でも少し話を交わすこともでき、一緒に写真に
もおさまり、また車椅子に乗って帰って行かれたのであった。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/horikiri.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇稀人 品川ペリカンさん                   
                     八木 福次郎◇◆◇

 暑い暑いと云いながら、例のツバ広のカウボーイハットを被って
室へ入ってくると、草履をぬいで素足になり、冬でも尻のポケット
にさしてあった扇子をパタパタと使うのが品川ペリカンさんのいつ
もの姿であった。古書会館四階に私の事務所があった頃はよく見え
たが、六年前に今の神保町一丁目に移った頃からは、ほとんどみえ
なくなった。体調を悪くして、自転車で走りまわることもされなく
なっていたようだ。元気な頃は、室へ入ってこられると、「馬はつ
ないでありますか」と聞くと、「古書会館の前につないであります」
と真顔で答えられた。私たちはカウボーイの品川さんと云っていた。
 自転車でどこへでも、探しておられる本や文献を見付けては殆ん
ど仕入れ値でその人に届ける、それが無上の楽しみであるようだっ
た。駒場の文学館や小金井の串田孫一さんのところへなども、自転
車で行っておられたらしい。文学館へは、織田作や多くの知名人の
葉書や手紙を何千通も寄付され、そのリストが一冊のパンフレット
になるくらいで、無欲な善人で、本当のクリスチャンといえるよう
な人であった。串田さんも品川さんの家族のことを聖家族と書いて
おられた。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/yagi.htm

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

12月~1月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
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【バックナンバーコーナー】

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次回は2006年12月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその49 2006.12.6

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その48 10月25日号

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     。.☆.:* その48・10月25日号 *:.☆. 。
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希望された方にお送りしています。
ご不要な方の解除方法はメール下部にございます。
【日本の古本屋】は全国758書店参加、データ465万点掲載
の古書籍データベースです。

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◆INDEX◆
1.「古本屋になるための1日講座」講演内容のご紹介
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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今回は10月9日に開催された「古本屋になるための1日講座」の
中から、日本古書通信社( http://www.kosho.co.jp/kotsu/ )
の樽見博氏の講演内容をご紹介したいと思います。

■痛みの分かる古本屋、記録すること■

 今年の八月でしたが、北陸の読者から電話がありまして、蔵書を
処分したいというお話しでした。二ヶ所に分かれていて、歴史の学
術書と文学書が二万冊くらいあるというのです。ただし、別宅の倉
庫においてある本は全てダンボールに入っていて、自宅の主なもの
は書棚に並べてあるがダンボールもかなりあるということでした。
全て処分したいということなので、ともかく拝見いたしましょうと、
八月の土曜日、私もそれなりに忙しいので、会社の休みの土曜日に
伺ったんです。非常に暑い日でした。
 
 伺うと新築されたばかりの二世帯住宅で、息子さんの家族と一緒
に住まわれることになったけれどその四十年間に集めた膨大な蔵書
を置く場所がない、年も取ったしこの際ことごとく処分することに
四ヶ月悩んだ末決意したというのです。長い読者ではあるんですが、
お会いしたのは初めてでした。皆さん驚かれると思いますが、地方
の割合大きな都市の古本屋でもこのくらいの量の蔵書になると買い
取ろうという古本屋はまずないと思います。この方もおそらく悩ん
だ末にうちに相談されたのだと思います。

 新築の家に入ると、本棚に入れてある本はごくわずかで、ダンボ
ールが山のように玄関から書庫の中まで積みあがっていました。自
宅の本は二千冊と伺っていたのですが、一万五千冊か二万冊くらい
ありました。もう一ヶ所、以前住んでおられたという家にはお話の
通り二百箱くらいが一階と二階に分かれておいてありました。場所
が遠いですから私も何度も行くわけには行きませんから、その日の
うちに運送業者に来てもらって、東京に運んだ場合の見積もりを出
してもらいました。最初の話では二万冊ですから四トン車一台で間
に合うと考えていたのですが、どう考えても二台分、人手もかかり
ますから結局三十二万ということでした。

 通常、古本を仕入れる場合は勿論全部を見て評価するわけですが、
この場合は殆どが箱の中ですから、何個か開けてみたところで、全
体を評価は出来ないわけです。うちの場合は、買取ではなくて委託
で処分し、手数料を頂くようにしていますが、それにしても今回は、
運送賃を引いて、何がしかの手数料を私どもで頂いて、その上でそ
の方にお金を支払えるか、必ずしも保障できない。その方は、蔵書
を処分して更にお金がかかるのはさすがに勘弁である、出来れば多
少とも小遣い銭くらいは残したいということで、誠にごもっとも、
古本の値段が低下しているとはいえ四十年間大事にされてきた蔵書
ですから、私もせめて何がしか残してあげたいけれど、何とも保障
できないという非常に苦しい仕入れでした。それでも結果的には全
体で三百数十万円にはなり、私もやっと肩の荷を降ろすことが出来
たのですが、考えて見れば、その方が本に費やされた金額や時間を
考えたら、誠にわずかの金額でしかありません。感謝はされたので
すが、長い読者でもありますし、心中を察すると複雑な感じもあり
ました。

 私も、「日本古書通信」の編集などの仕事の傍ら、買取はほとん
どないのですが、多くの蔵書の処分にタッチしてきました。その中
で思うのは、当たり前のことですが、一つとして同じ蔵書はないと
いうことです。本の内容は勿論ですが、集め方、整理の仕方、そし
て手放される理由もそれぞれ全て違います。蔵書というのはその方
の性格、ご家族との関係など全てを表しているようで、非常に興味
深いものがあります。それに特徴的なのは、遺蔵書の場合、真剣に
対応して下さるのは、蔵書の主の娘さんが殆どで、まず息子は無関
心、もしくは冷淡であることです。他の古本屋さんからそんな話は
聞いたことはないのですが、父親である作家の評伝を書くのは、殆
どが娘であるのと対応しているようで面白いとわたしは思っていま
す。

 古本屋の仕事は、つまるところ、お客様の蔵書の形成の手伝いを
することだと私は思います。一人のお客様と長いお付き合いを続け
ていくということです。そのためには信用がもっとも大切なわけで
す。そして、その方が亡くなられたり、あるいは高齢になって本が
不用になった時、その蔵書を処分し、また新たに必要とされる方へ
引き渡していく、この繰り返しが古本屋の大切な使命だと考えてい
ます。何も書物文化を支えるとか大層な名目ではなく、商人として
自分の客との関係を大切にすればよいのです。

 古書の商売というのは、本を売ってくださる方がいて初めて成立
します。今日私が皆さんにお話したいのは、古本屋になるのであれ
ば、蔵書を手放す方の、気持ちや痛みを分かる古本屋になっていた
だきたいということです。それは何も必要以上に高く評価して買う
ということではありません。蔵書を手放す方は、ある不安を抱きな
がらも、古本屋を信用して評価を任せるわけです。その信頼を裏切
るようなことをしてはいけないと思います。ベテランの古本屋でも
全ての本に精通しているわけではありませんし、何年やっていても
毎日のように知らない本に出会うのが古本の世界です。要は、売る
方も気持ちよく、古本屋も相応の儲けが出るようにきれいな商売が
できるようになって初めて一人前の古本屋といえるのです。古本屋
が本を評価するように、彼らは古本屋の人柄や書物の知識をそれと
なく値踏みしているのです。店がグチャグチャな古本屋を誰が信頼
するでしょうか、逆に見事な目録などを発行していれば、その店の
傾向や実力を認めて、蔵書の評価に対しても信頼するだろうと思い
ます。

続きはこちらへ→

http://www.kosho.ne.jp/event/huruhonya2006/houkoku/kouen03.htm

■樽見博 たるみひろし■
昭和29年茨城県生まれ。
法政大学法学部卒業。
昭和54年日本古書通信社入社。
「日本古書通信」の編集、「全国古本屋地図」の編纂などに従事。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

10月~12月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
見逃したメールマガジンはここからチェック!
【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2006年11月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその48 2006.10.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン  その47 9月25日号

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 。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
     。.☆.:* その47・9月25日号 *:.☆. 。
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このメールは日本の古本屋会員の方で、メールマガジンの配信を
希望された方にお送りしています。
ご不要な方の解除方法はメール下部にございます。
【日本の古本屋】は全国751書店参加、データ465万点掲載
の古書籍データベースです。

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◆INDEX◆
1.自著を語るその20・『古書力99%』
2.イベントのお知らせ
  ・第21回早稲田青空古本祭
  ・中澤弘光ブックデザイン展
  ・第47回東京名物神田古本まつり
3.日本の古本屋即売展情報

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自著を語る」コーナー、今回は林哲夫氏に『文字力100』
(みずのわ出版 http://www.mizunowa.com/index.html )
について語って頂きました。

■古書力99%■

 文字力と書いてモジリキと読ませる。文字通り文字のリキである。
ただし、文字力と言っても、書道やレタリング、ましてや活字やタ
イポグラフィについて述べたわけではない。全くそれらと無関係で
はないにしても、文字そのものを論じる意図もないし知識もない。

 私の本業は絵描きである(おもに古本の絵を描いている)。考え
てみれば、文字というのはその始まりをたずねてみると、具象的な
「絵画」であることが多い。「人」という字は人を横から見た姿だ
し、「T」という字は角を左右に突き出した牛の頭を正面からとら
えている。絵画における描写を落とせるだけ削ぎ落とした、究極の
表現、それが文字なのだ(むろんすべての文字がそうだと言うわけ
ではないが)。

 だとすれば、絵を見るように文字を見ることも可能ではないだろ
うか。というよりも、そのようにして書物に用いられた文字(とく
にタイトル)を漫然と、これカッコイイ、あれはちょっと、などと
まったく無責任に批評し、また気に入ったものを収集してきた。知
らぬ間に積み上がったそんな雑本によって『文字力100』はでき
ている。
 
 私は自分自身でも装幀の仕事を手がけることがある。いつも思う
のだが、装幀というのは、タイトルの文字さえ決まれば、後は付け
足しではないか、と。表紙や背にどういう書体でもいい「文字」と
入れてみる。それを見た人はきっと自分の中にある「文字」と定義
された抽き出しを開くであろう。開いてもらえればそれで成功であ
る。

 ところが仮に「文字」という文字を使わず、図像として「文字」
を表現しようとすると、明らかな困難を感じる。あまりに多様すぎ
て集約できないのだ。これは要するに、絵や写真は人に対して具体
的な何かを与えるが、文字は人の中からイメージを引き出す、そう
いうことではないだろうか。

 それが文字力である。

 例えば、文字の「文」という字は「文身」すなわち「彫物」、今
ふうに言えば「タットゥー」の形象である。ナベブタの点が頭、そ
の下の三角形が胸。古い「文」の字形には三角形の中に文様が描か
れている。それが古代人の「文」に込めた意味だった。文はくりか
らもんもん也。こういう解釈(by 白川静)を知ってしまうと「文」
字を見るたびに遠山の金さんの桜吹雪がちらついて困る。ぎりぎり
コンパクトに切り詰められた記号が逆にとてつもなく大きな容量の
イメージをたぐりよせる。

 それが文字力である。

 文字力というテーマを思いついたのは、京都の古書店、山崎書店
の二階「京都パラダイス」なる展示スペースにおいて、ささやかな
装幀作品展を開催したときのことだった。自作だけの展示では数も
そう多くないし面白くない、好きな古本も並べてみよう、そしてで
きるだけ文字が主役になっているような意匠に絞ってみよう、そう
いう主旨だった。

 これが予想以上に好評で気を良くした。単行本にしましょうとい
う話が持ち上がった。その結果、展示したコレクションをベースと
し、洋書を省いて、和書だけに絞り直したのがここに収めた百冊で
ある。すべて古本である、と言いたいところだが、百冊の内の一冊
だけは新刊で求めた。残り九十九冊は正真正銘の古書である。

 本の写真と解説を見開きでレイアウトしたが、この解説には少々
難渋した。解説を書くためにほぼ百冊すべてを読むはめになった。
私は以前から「本は読む物ではない」と主張しており、その主張を
実行してきたのであるが、今回ばかりは「本は読むこともできるの
だ」と再認識しないわけにはいかなかった。ただ、そのおかげで文
字が集合体として意味を伝える力やその方法、言い換えれば、近代
における文章の魅力や表現の変遷を改めて知る好い機会となったよ
うに思う。

 とにかくも、集め、選び、写真を撮って、解説を書く、『文字力
100』をつくる過程において存分に遊ばせてもらった。その愉し
みが読者の方々にも伝わることを願う。古書店の均一台を前にして
「お、これは文字力だ!」などとつぶやいていただければ、思うツ
ボ、あ、いや、著者冥利に尽きるというものである。

■林哲夫 はやしてつお■

1955年生まれ。画家。著書に、
『古本デッサン帳』(青弓社、2001)
『古本スケッチ帳』(青弓社、2002)
『喫茶店の時代』(編集工房ノア、2002
第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞)
『歸らざる風景ー林哲夫美術論集』(みずのわ出版、2005)
など。

■『文字力100』■

著者:林哲夫
(ブログ「デイリー・スムース」 http://sumus.exblog.jp/ )
発行:みずのわ出版( http://www.mizunowa.com/index.html )
   2006年6月発行
定価:1,890円(本体:1,800円)
ISBN:4-944173-39-3 C0095
判型:新書判
頁数:205ページ

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■イベントのお知らせ■
  
◇◆◇第21回早稲田青空古本祭◇◆◇

早稲田古書店街が送る年に一度の大バーゲンセール、早稲田青空
古本祭は本年も10月1日より開催です。随時追加補充で延べ30
万冊が並びます。また、古本祭会場にて千円以上お求めのお客様
には、古書店街で使える1割引券を差し上げております。会期中
のみ何度でもご利用いただける1割引券を是非ご利用頂きまして、
会場のみならず、古書店街全体の盛り上がりも是非ご体感下さい。

日にち / 10月1日(日)~10月6日(金)
場所  / 穴八幡宮境内(早稲田大学文学部前)
時間  / 10:00~19:00(最終日は17時で終了します)
詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://d.hatena.ne.jp/w-aozora

お問い合わせは早稲田青空古本祭広報部 渥美書房 渥美匡雄まで
住所 / 〒169-0051 新宿区西早稲田3-15-1
電話 / 03-3203-1027
メール/ atsumi@kosho.ne.jp
営業時間 / 10:00~19:00 日曜定休

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◇◆◇中澤弘光ブックデザイン展◇◆◇

 今を去る55年も前、昭和25年発行の『新小説』という雑誌上
で、鏑木清方はこのように懐古しています。

 「今の人は知らないだろうが、この時分(明治末期~大正初期)
の中澤氏の、出版文化の上の業蹟は著しいものだった。鑑賞者の心
に泌々と滲み透る、詩歌的な、浪漫的な、その境地は何人も追随す
ることの出来ない独自なものであった」と。

 すでに50年も前に「今の人は知らないだろう」と懐かしがられ
ている中澤弘光です。たしかに彼が華々しい活躍をしたのは、現在
からおよそ1世紀前、100年も昔のことでした。そして清方の言
う「何人も追随することの出来ない独自な」「詩歌的な、浪漫的な、
境地」を、その装丁本、原画を通してたっぷりとご覧ください。

日にち / 10月15日(日)~10月21日(土)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 10:00~18:00
主催  / 弦屋光溪(版画家)
後援  / 東京都古書籍商業協同組合
問い合わせ先 / 山田書店 03-3295-0252 

期間内に多数イベントがございます。

◆ギャラリー・トーク
 「明治後期の装幀本-弘光・非水・五葉・夢二-」
日にち / 10月15日(日)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 15:00~
佐藤光信氏(平木浮世絵美術館館長)×弦屋光溪氏(版画家)

○●○アンダーグラウンド・ブック・カフェ
(10月15日~17日東京古書会館地下ホールにて開催)○●○

詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

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◇◆◇第47回東京名物神田古本まつり◇◆◇

昭和35年に初めて開催された『神田古本まつり』も、本年で
第47回になります。
今年は専修大学前交差点から三省堂書店前まで、靖国通り沿いを
100万冊の古書が埋め尽くします。今年も賑々しく開催します。
ぜひご来場ください。

日にち/ 10月27日(金)~11月1日(水)
場所 / 神保町古書店街・東京古書会館B1F
問い合わせ先 / 悠久堂書店 03-3291-0773

☆併催イベント☆
『-池谷伊佐夫-本の街イラストめぐり』

古書通の方ならお馴染み、あのイラストレーター・池谷伊佐夫さん
の「秘蔵コレクション」を展示いたします。肉筆イラストはもちろ
ん、取材の際にメモとして使われた“内緒の話”ものっている?
スケッチブックなど、神保町好きには見逃せない愉しい展示会です。

日にち/ 10月26日(木)~10月29日(日)
場所 / 東京古書会館2F情報コーナー
問い合わせ先 / 中野書店 中野知之 03-3261-3522

「本の街・神田神保町」のポータルサイト
【BOOK TOWN じんぼう】http://jimbou.info

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■日本の古本屋 即売展情報■

9月~11月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

最新情報をご確認下さい。

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
見逃したメールマガジンはここからチェック!
【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその47 2006.9.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合 広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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