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日本の古本屋メールマガジン その78 4月27日号

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☆INDEX☆
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  1. 日本の古本屋 リニューアルのお知らせ
  2. 即売展情報

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━━━━━【日本の古本屋 リニューアルのお知らせ】━━━━━

いつも「日本の古本屋」をご利用いただきありがとうございます。
「日本の古本屋」では、5月7日(木)を期して、全面的なリニューア
ルを実施することになりましたのでご案内します。

[リニューアル・ポイント]

1.クレジットカード決済機能の導入
「日本の古本屋」で購入した商品が、クレジットカードを利用して
代金を決済することが可能になります(一部店舗を除く)。クレジッ
トカードのご利用方法につきましては、「日本の古本屋」サイトに
て、詳しくご説明させていただきます。

2.「想-IMAGINE Book Search*」との相互リンク
想-IMAGINE Book Search*」は、国立情報学研究所連想情報学研究
開発センターが運営する書籍検索サイトで、“人の想いを汲み取る
検索エンジン”をキャッチフレーズに、調べたい内容に関する単語
などを入力すると、連想検索機能がユーザーの関心の方向性や範囲
を類推し、関連書籍データを包括的に収集してくれるサイトです。
「ウィキペディア」や、国立国会図書館など、多様なデータベース
とも連携しており、広がりあるテーマについて情報を集めたい時な
どに大変便利です。
URL: http://imagine.bookmap.info/

3.古書買取ページの追加
全国の古書組合(全古書連)では、毎日のように市場(古書交換会)を
実施され、古書が幅広く流通する仕組みが作られています。古書組
合には、多種多様な専門店が所属していますので、どんな本でも適
切に本の価値が評価される仕組みです。古書買取ページでは、お近
くの組合加盟店や、専門のジャンルの店が簡単に検索できるように
なります。お手持ちの本を処分したいとき、ぜひご利用ください。

4.デザイン・リニューアル
本年1月、トップページのみリニューアルしましたが、このたびは、
全ページでの統一的なデザイン・リニューアルを行います(順次)。
ソート機能の充実なども含め、検索結果画面の表示方法などが大き
く変ります。

より便利で使いやすいサイトとして内容、機能の充実を図ります。
ご期待ください。

=====* * 東京古書組合オフィシャルホームページの紹介 * *=====

東京古書組合の公式ホームページ、「東京の古本屋」を公開してい
ます。
東京古書組合発の新着情報や、東京古書組合に加盟している古書店
からの新着情報の掲載や、各古書店のホームページへのリンクも随
時追加しております。

ぜひご覧下さい。

東京古書組合ホームページ 「東京の古本屋」

http://www.kosho.ne.jp

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

4月~5月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその78 2009.4.27

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その77 3月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 古書月報タイム・トリップ (1)
  2. 新鋭評論(1) 『ダンセイニ、その魅力』(後編)小野塚 力
  3. 即売展情報

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━━━━━━━【古書月報タイム・トリップ (1)】━━━━━━

東京古書組合には、組合加盟古書店向けに隔月で発行されている
『古書月報』という機関誌があります。

『古書月報』には組合理事会議事録など、組合からの通達情報や、
組合活動についての特集記事などが毎号掲載されています。
その他、気楽な読み物として、組合員(古書店)から寄せられたコ
ラムなども充実しています。

今回のメールマガジンでは、この古書月報の最初期に掲載されたコ
ラム記事を再録してみたいと思います。
東京古書組合は、大正9年1月に最初の総会が開かれ、組合として
産声をあげました。その後、大正11年1月に「古書籍商組合会報
・第1号」が『古書月報』の前身として発刊されました。

このときの「会報」は前年度収支決算報告の為のもので、まだ機関
誌としての体裁のものではありませんでしたが、引き続き3月には、
第2号が発刊され、定期刊行物の役割を持ったものとして機能し始
めました。

4月発行の第3号から、初めて月報という言葉が使われ始めていま
す。その第3号の理事報告の中に、月報に記事の寄稿を募集する一
文が載り、翌4号に最初の投稿記事が掲載されました。

その最初の投稿記事「店員を優遇せよ」という一文を以下に再録し
ます。古書業界のいにしえぶりや当時の時代感を味わってみて下さ
い。

「店員を優遇せよ」 福田預作

私は、我が古書籍商組合員諸君に対して、切に望むのは雇人の優遇
である。
現在何処へ行っても雇人の欠乏を聞く(他の商売は知らず我々同業
者を指す)がこれは自分の考えでは決して人間が少ないわけでもな
く、また書籍商の希望者が無いわけではないが、要するに原因は待
遇の欠陥にあると私は信ずる。
私は驚いた。一月十日東京書籍商組合の総会において十年より二十
年以上の勤続者三十名以上を奨励するのに十一年度の計上費が僅か
二百六十円。一人頭如何ほどになる。平均して十円未満ではないか。
上述の雇人がないとか、小僧に困るとか、ため息を吐いている時節
に十年ないし二十年も忠実に主家のために尽くすというそんな美し
い、そんな麗しい心がけの所有者に対しては、なぜ組合の歳入の大
半を割いて奨励しないか。そういう忠実なる雇人を持ったことは雇
主は無論のこと、組合としては実に誇りとすべきである。

しかるに、その当事者は今日は評議とか、明日は集会とか、勝手に
寄り合って歳入のほとんどを飲食費に使って、恬として恥づるもの
はないではないか。せめて五十人も集まるうちには多少理解力に富
んだ者もありそうなものだが飲み食いには贅沢しても、最大案件た
る雇人優遇法に頭を痛めるものはないと見える。して見ると新人を
標榜して送り込まれた新役員も矢張十把一束の代物だ。
こんな鈍な頭を持っているから雇人の無いのは当たり前だ。

かの徳川家康が六十余州を席巻して天下を膝下に敷いたときに何と
言った。国家を桶に例えて国民は箍(たが)で為政者は樽である。
箍が悪ければ水が洩る。いくら樽が良くても箍次第で用をなさぬと
言って国民を可愛がったではないか。
だから四囲より風になびくように随って、ついに三百年の太平を謳
歌したではないか。
雇人に対してもいわゆる一家の箍で主人は樽ではないか。いくら主
人が威張っても、箍たる雇人に悪いものがあったら水が洩るところ
か米でも洩るではないか。

私はこの事を提案して極力主張するつもりであったが、機を失した
為に涙を飲んであきらめた。
さらに聞けば十二年度からは奨励費も削除して、単に賞状だけにす
るということも聞いた。何とお先の見えない情けない話ではあるま
いか。
だから私は古書籍商組合だけは東京書籍商組合業の例になら
わず、
   狗々を仁として子子を義とする 
主義をもって店員諸君を歓待し、初めて表彰する場合は、組合財産
の許す範囲において厚き上に厚きをもって なお進んでは独立する
場合など、組合の功労者として充分に援助したなら、いつしかこの
美風、否、優遇法が知らず知らず世間に伝わって来てその時こそ招
かずして雇人の集まることは、水の低きに流れるようであろうと思
う。
私はこの意義において我が古書組合員に対し、可及的に店員諸君の
優遇を望むのである。                   

              『古書籍商組合会報』第4号・大11

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(1)】━━━━━━━━━━━

『ダンセイニ、その魅力』(後編)  小野塚 力

つぎにダンセイニ作品の流れから考えてみたい。処女作品集である
「ぺガーナの神々」は、ダンセイニの幼少期に見た無垢なる記憶が
〈神話〉という形で形象化されている。ダンセイニ好きで知られる
作家、稲垣足穂「一千一秒物語」にもいえることだが、両者とも
〈世界解釈〉(=〈神話〉)の物語という側面がある。その視点か
ら切り込むのであれば、風土的な差異と作家としての嗜好の差異と
がそれぞれの作品の違いになっていることに気付かされる。「一千
一秒物語」には、足穂の人工物への傾斜があり、そしてなにより月
も星も人間と等価に存在する世界である。そこには絶対的な存在が
前提として存在しない。すべての事物はオブジェとなり、永遠の運
動をくりかえす。宇野邦一氏のいう「和製の未来派、星菫派」の装
いにつつまれたモダンな〈神話〉なのだ。一方、「ぺガーナの神々」
は、絶対者が夢みる多神教的世界という構造に絶対者という意識が
ある時点で一神教的な価値観の投影を感じさせる。結局のところ、
根本的なところには「ぺガーナの神々」にも西洋的な根が存在して
いる。両者に共通するのは、世界そのものも突き放す創作者として
の自我の強靭さである。これは、ある種の強みといってよいかもし
れない。創作者としての強靭さが二人の作家としての長い歩みを耐
えさせたようにも感じられる。「ぺガーナの神々」における暫定的
な脆い多神教の世界には、儚さゆえの美しさというものも計算され
ていたようにも思う。原初性、つまり、自分の言葉で世界を把握す
ることのできた黄金時代、そうしたものは当たり前だが一回性を前
提とする。しかし、こうして形象化されたダンセイニの幸福な記憶
は、読書という行為を経ることでなんどでも復活する、ある種の永
遠性、不死性を獲得することになったのではないだろうか。

続きはWEBへ http://www.kosho.ne.jp/melma/0903/index.html

小野塚 力(おのづか りき)
  同人誌「某」「FANTAST」所属。ダンセイニ研究誌「PE
GANALOST」評論担当。  
  「某」では、「平井功訳詩集」、矢野目源一「ゆりかご」復刻作
業に協力。
  その他、ユリイカ別冊「総特集稲垣足穂」では年譜および書誌作
成に協力。森開社の雑誌「レヴォカッション」3号に「ペトリュス
ボレル」論を寄稿。
  第一回日本SF評論賞に星新一論で最終候補作に残るなどジャン
ルにとらわれない評論活動を展開中。

==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*

神保町さくらみちフェスティバル 春の古本まつり
*終了しました*

開催期間 3月27日(金)~3月29日(日)

神保町古書店街をあげて、春の廉価古本ワゴンセール開催。古本屋だ
けでなく、新刊書店、飲食店、小物店も出店致します。
千鳥ヶ淵の桜をお花見がてら、ぜひ神保町古書店街・じんぼうエリア
へもお運び下さい。

東京古書組合ホームページ 東京の古本屋

http://www.kosho.ne.jp

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

3月~4月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその77 2009.3.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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古本屋拡張計画 ホワイトマンショー   西秋書店 西秋 学

ホワイトマンショー   西秋書店 西秋 学

ホワイトマンて何?
これがイベント案内を見た組合員の大方の反応だろう。

東京古書会館オープニング記念連続イベント「古本拡張計画」の第一弾が、ホワイトマン・ショー「古本ラヂヲ@古書会館」。刷物やネットの案内を見ても「何が」行われるか今一つ想像できない。
それ故にどうも気になって仕方がなく、日曜という事もあり、新古書会館へ行ってみた。
会場は若い人が多く、古書店・展で見る客層とは大分違うようだった。

まずはマッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ。演じている方達はかなり濃い面々だが、リラックスした曲で静かにスタート。 かと思えば、演奏に釘付けになるような激しい曲も見せつける。カッコ良かったです。
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マッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ

ライブの後はいよいよホワイトマンショー。客席の間を通って颯爽と登場する白塗りの面々。
あ、ホワイトマンってそういうことか。白塗りも半端でなく、歌舞伎役者のように耳までミッシリと塗りたくっている。
リーダーの説明によれば、ホワイトマンとは様々な業界のクリエイター達が、顔を白く塗る事と変名を使うことでそれぞれの肩書きや立場を離れ、何かおもしろいことをやろうというプロジェクトとのこと。

大丈夫かなこの人達…、という不安を胸に始まるショー。これが滅法おもしろかった。リーダーはよどみない喋りで進行させながら、適度なツッコミ&ボケをかましつつ、お客さんイジリも忘れない。トークの相方さんも出版関係の方のようで、多くの知識を添えながら、クールに話を進めて行く。

そして最大の疑問であった「古本」とこのショーの関連は、「本生(ほんせい)」という言葉で解かれていく。

「人それぞれの生き方が『人生』なら、本の一冊一冊の歩みは『本生』と言える…」

ホワイトマン達は、幾つかのテーマに沿って次々と本を紹介しては、抽選でお客さんに手渡す。
本の見返しには「本生」プロジェクトのサイトアドレスが記されたシールが貼りつけてある。その本は読むなり、友人に譲るなり、それこそ古書店に売るなり、好きにしてくださいと。そうして巣立った本たちのその後を語るも良し、本の内容を語るも良し、本から受けた影響で何をしたか等、「本」にまつわるストーリーをネット上で紡いでいく。これがこのプロジェクトの主旨。
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堅苦しい説明になったが、実際のショーは笑いもあれば、ジッと聴き入る場面もあったりと飽きさせない。
途中には大道芸の手品、ラップ(これが良い詩だった!)を挟み、DJによるBGMもまさにラジオのように絶えず流れている。何よりも語るホワイトマン達がホントに本が好きなんだなということが伝わる。

そして本をもらうお客さんも「前から読みたかった」という嬉しい笑顔もあれば、「初めて聞く本だけど、どんな内容だろう」というドキドキした顔もある。

これらの本たちは、今後どんな「本生」を辿るのだろうか。
私とツレがいただいた本は、串間努『少年ブーム』と谷川俊太郎の詩集(署名入)。当分は我が家にとどまりそうだ。

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日本の古本屋メールマガジン その76 2月25日号

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  1. 自著を語る(36)『西洋製本図鑑』     訳者・市川恵里
  2. 新鋭評論 (1) 『ダンセイニ、その魅力』(前編)小野塚 力
  3. 即売展情報

━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (36) 】

J・カンブラス『西洋製本図鑑』(雄松堂出版)  市川恵里

 スペインの製本家ジュゼップ・カンブラスの著書『西洋製本図鑑
』が昨年末、刊行された。これは翻訳本であって「自著」ではない
のだが、せっかくの機会なので、訳者として紹介させていただきた
い。
  手作り製本術の本はいろいろ出ているが、概して初心者向けの入
門書的なものが多く、ルリユールの技法を本格的に解説した本はほ
とんどない。何年も修業して身につけなければならないほど奥が深
く、難しい技術であるうえに、そのような技術をもつ人自体が少な
いせいだろう。著者のカンブラス氏は、バルセロナの製本家や金箔
師に弟子入りして伝統的な技術を学び、10代半ばから40年近く製本
のプロとして活動してきた腕のいい職人である。本書に登場する製
本作品の質が高いことからもそれはわかる。
  この『西洋製本図鑑』の特徴は、伝統的技法を中心にルリユール
のさまざまな技法を幅広く解説しており、とにかく本格的なこと、
そして総合的なことである。製本の歴史、道具と材料、具体的な製
本の工程(特に本格的な革装本の仕立て方を詳述)、箱の作り方、
箔押しの方法などが網羅され、ヨーロッパの伝統的な製本工芸に関
する初めての総合的な案内書となっている。「修復」の章では、破
れたページの補修方法、革装本の背の破損や角の傷み、革の剥落の
手当ての仕方、マーブル紙の作り方まで説明されている。
  本書のもうひとつの特徴は、なんと言っても、目をみはるほど美
しい写真がフルカラーで満載されていること。かがりや箔押しをは
じめ、文章による説明だけではうまくイメージできないような複雑
な作業が、豊富なカラー写真で図解されており、まさに百聞は一見
にしかず。本の構造も作り方もよくわかるし、製本家の工房で、作
業のひとつひとつに立ち会っているかのような気分が味わえる。ル
リユールを学ぶ人はもちろんのこと、西洋の書物や製本に少しでも
興味がある人にとっては、永久保存版の貴重な資料となるはずであ
る。

タイトル : 西洋製本図鑑
(セイヨウ セイホン ズカン)
( http://www.yushodo.co.jp/press/reliure/index.html )
著  者 : ジュゼップ・カンブラス
訳  者 : 市川恵里
日本語版監修 : 岡本幸治
発  行 : 雄松堂出版( http://www.yushodo.co.jp/press/ )
2008年12月
定  価 : 6,930円(本体:6,600円)
判  型 : A4変型
頁  数 : 160頁

市川恵里(いちかわえり)
1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。編集者を経て翻訳者。
主な訳書にA・T・ウィルコックス『古書修復の愉しみ』、A・ナ
フィーシー『テヘランでロリータを読む』(いずれも白水社)など。
ひょんなことから読書に夢中になってしまったエリザベス女王とそ
れに困惑する周囲の人々の姿を皮肉なユーモアとウィットたっぷり
に描いた英国の魅力的な読書小説『やんごとなき読者』を3月、白
水社から刊行予定。

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(1)】━━━━━━━━━━━

『ダンセイニ、その魅力』(前編)  小野塚 力

 幻想作家、ロード・ダンセイニ。ある人にとっては「エルフラン
ドの王女」「ぺガーナの神々」に代表されるような幻視者としての
側面が重要視され、ラヴクラフトを魅了し、トールキンやル=グイ
ンらへの影響が顕著なファンタジーの祖の一人として意識されてい
る。また、翻訳家であり歌人でもあった片山広子に積極的に紹介さ
れ、菊池寛らに大きな影響を与えた戯曲作家としてもしられている。
いずれにしても、作家ダンセイニをめぐる評価軸は多岐にわたって
いる。
 
  日本におけるダンセイニ受容をふりかえると大きく分けて二期に
わけることができよう。ひとつは、大正から昭和初期にかけてのケ
ルト文藝復興運動と関連した形での戯曲作家としての受容、そして
戦後のファンタジーおよびミステリーの書き手としての受容である。
戯曲作家としてのダンセイニ受容を語るうえではずせないのが、前
述した、翻訳家松村みね子こと片山広子である。歌人としての評価
も高い片山広子であるが、芥川龍之介ファンならば、彼女が晩年の
芥川から「越し人」とよばれプラトニックな恋愛関係にあったこと
を知る人は多いだろう。芥川からもその才媛ぶりを認められた片山
広子であるが、大正から昭和のはじめにかけて、松村みね子の筆名
で、シング、ショオ、イエイツ、ダンセイニらのアイルランド文学
作品を翻訳し紹介している。(なお、ダンセイニ戯曲については現
在、沖積社から「ダンセイニ戯曲全集」が刊行され、比較的容易に
手にとることができる。)片山の訳は平易かつ格調が高い理想的な
文章で貫かれている。他方、「かなしき女王」の訳では雅文体に近
い韻律の美しさを優先させた文体で翻訳をおこなっている。このあ
たり、片山広子という女性の非凡さを如実に感じさせる部分である。

続きはWEBへ http://www.kosho.ne.jp/melma/0902/index.html

小野塚 力(おのづか りき)
  同人誌「某」「FANTAST」所属。ダンセイニ研究誌「PE
GANALOST」評論担当。  
「某」では、「平井功訳詩集」、矢野目源一「ゆりかご」復刻作業
に協力。
その他、ユリイカ別冊「総特集稲垣足穂」では年譜および書誌作成
に協力。森開社の雑誌「レヴォカッション」3号に「ペトリュスボ
レル」論を寄稿。
第一回日本SF評論賞に星新一論で最終候補作に残るなどジャンル
にとらわれない評論活動を展開中。

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日本の古本屋メールマガジンその76 2009.2.25

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日本の古本屋メールマガジン その75 1月26日号

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  1. 日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ
  2. 自著を語る(35) 『ハルミンの読書クラブ』 浅生ハルミン
『ナリコの読書クラブ』 近代ナリコ
  3. 即売展情報

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━━【日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ】━━━

2009年1月13日、国内最強の古書データベースとしてご愛顧
いただいております、 「日本の古本屋」のトップページがリニュ
ーアルいたしました。

リニューアルの最大のポイントは、トップページに検索窓がついた
ことです。従来は、トップページで直接検索をすることができず、
古書検索画面に行くために、ワンクリックしていただく必要があり
ましたが、その手間を省きました。

また、検索窓をひとつにした点も見逃せません。ひとつの検索窓に、
「書名」、「著者名」のキーワードをスペース区切りで入れれば、
アンド検索で古書検索できるようになりました。
さらに詳細な検索をしたい場合、従来なら、ログインしていただく
必要がありましたが、今回のリニューアルでは、ログインの必要もな
くご使用頂けるように致しました。

機能の改良に伴い、デザインも一新しました。よりシンプルに見や
すく、アイコンを利用して視覚的にも使いやすい工夫を施しました。
これからも、さらに使いやすく、便利な古書検索サイトとしてご
利用いただけるよう、新しい制度の導入や、サイトリニューアルを
計画準備しております。

「日本の古本屋」のより一層のご愛顧をお願い申しあげます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (35) 】

『ハルミンの読書クラブ』(彷徨舎) 浅生ハルミン

 月替わりで交互に近代ナリコさんと始めた連載がそれぞれ1冊に
なった。ナリコさんは私の本を、私はナリコさんの本をというふう
に、お互いに装幀をやりあった。卒業式の日に制服のリボンを交換
してお別れするのにも似た女子校っぽさでもって、ナリコさんと私
の雰囲気をうまくあらわせたと満足している。ところで「本の発売
日はバレンタインデーにしましょう」と、相当気持ち悪くも楽しい
計画を私から編集部に持ちかけていたことを、ナリコさんはご存知
だったのだろうか。
  『ハルミンの読書クラブ』の連載は、好きな本のことを好きなよ
うに書かせてもらえる自由な場所であったので本当に楽しかった。
古本に触ることが楽しい。古本屋巡りをすることが楽しい。古本の
周辺をうろうろするのが楽しい。そうした古本生活の中から、ぼわ
ぼわ~っと立ちのぼってくる日常感覚を1400字にまとめる、と
いうことを長く続けてこられて幸せに思っている。
  「好きな本のことを好きなように」というものの、ナリコさんと
ひとつの椅子に半分コで腰掛けているという気分がずっとあった。
ナリコさんとの間合いを計って書こうとすると、自分のすることを
忘れてしまって迷子になりそうになったが、そんなにいろいろな書
き方や思い方はできないもので、結局はいつもと同じにしかならず、
自分のやり方に戻った。私には私にしか出せない音があるのだから、
おそれずに書け、というあたりまえのことを学ばせてもらったのは
予期せぬことだった。
  『ハルミンの読書クラブ』は、おおよそ私の日常感覚を書いてい
る部分が多いけれど、私としては、いつか、できることなら、1冊
の本から深くひろがりをもって徹底的に調査した文章を書いてみた
い。あくまで希望……。

●書誌●
タイトル : ハルミンの読書クラブ
(ハルミン ノ ドクショクラブ)
発  行 : 彷徨舎( http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/ )
2008年11月
定  価 : 1,470円(本体:1,400円)
判  型 : 小B6判
頁  数 : 144頁

●プロフィール●
浅生ハルミン(あさおはるみん)
1966年、三重県生まれ。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザイ
ン科卒業。イラストレーター、エッセイストとして多方面で活躍。
『私は猫ストーカー』『帰って来た猫ストーカー 』の著書もあり、
猫好きとしても有名。エッセイ集『猫座の女の生活と意見』が晶文
社から2月5日に発売

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

『ナリコの読書クラブ』(彷徨舎) 近代ナリコ

 年明け、無性にオダサクが読みたくなり、読まなくてはいけない
本を尻目に夢中になっていました。こういうお楽しみのためだけの
本は、毎夜眠る前のいっとき寝床のなかでひらき、たいして読みす
すめもしないまま寝入ってしまう。そして翌朝、ふとんから出るま
でのしばらくのあいだ、枕の横に投げ出されていた本をまたひらく、
というのが常ですが、オダサク相手だとそのしばらくが結構な時間
になってしまい、このところすっかり起床時間が遅くなっています。
  と、こういうことを書くことができるのが「読書クラブ」のよい
ところでしょうか。八年もの連載、はじまった当初はまだ、どこか
気負って、近代ナリコという書き手としての看板を意識していたよ
うで、ほんとうに好きなものをそのまま好きと書くことへの照れが
ありましたが、いまは逆に無防備になりすぎて、もうすこし何者か
ぶったほうがいいのでは、と反省するほど。
  これはあとがきにも書いたことですが、これまで、本への対し方
というのはその時々によって微妙にうつろい、このところようやく、
書物への愛着が自分のからだのなかにすんなりと行き渡ってきた気
持ちでいます。
  それは、自分の興味のおもむくまま自由にこの連載に書き続けて
きたことに負うところおおく、なにより浅生ハルミンという話のわ
かる友人が相方であったことはおおきい。お互いのやりとりが誌面
に展開されていたわけではありませんが、私にとって『彷書月刊』
との出会いはかつての「ハルミンの読書クラブ」であったし、それ
がなければいまの私のやり方、というものもずいぶんちがっていた
と思います。
  古本の世界に足を踏み入れてからというもの、女性によって書か
れたものや、女性向けの雑多な本について考えてゆくことが、もの
書きとしての私のテーマのひとつです。「ハルミン&ナリコの読書
クラブ」は、ひとことでいえば本にまつわるエッセイだけれど、
「女性によって書かれたもの」への私の興味にこたえる対象本にも
なりうるものではないか、などと、これまでの自分やハルミンさん
が書いてきたことをふりかえり、ひそかに感慨にふけっています。

●書誌●
タイトル : ナリコの読書クラブ
(ナリコ ノ ドクショクラブ)
発  行 : 彷徨舎( http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/ )
2008年11月
定  価 : 1,470円(本体:1,400円)
判  型 : 小B6判
頁  数 : 144頁

●プロフィール●
近代ナリコ(こだいなりこ)
1970年、神奈川県生まれ。多摩美術大学卒業。文筆家。「女性」と
「近代」にまつわるあれこれを、シニカルに、かつ愛をこめて照射
することをテーマとしたミニコミ誌『modern juice』編集発行人。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

1月~2月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその75 2009.1.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
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【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その74 12月25日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  1. 「今年の収穫・この一冊」アンケート発表
  2. 日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ
  3. 日本の古本屋・年末年始のお知らせ

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今年もインターネット「日本の古本屋」をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございました。
  インターネット「日本の古本屋」では古典籍から現代の本まで、
全国の古書店が新入荷品を毎日更新しております。どうぞ来年も
よりいっそうのご愛顧をいただけますよう宜しくお願い申し上げま
す。

今回のメルマガは、先月募集した「今年の収穫・この一冊」の発表
をいたします。

━━━━━【「今年の収穫・この一冊」アンケート発表】━━━━

HPにてご紹介しております。
⇒ http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/kekka200812.htm

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[書名]= = 『汗血千里駒』
[著者名]= = 坂崎鳴々道人(斌)・雜賀柳香
[理由]= = 明治18年刊行の春陽堂版ではなく、16年に摂陽堂より刊
行の初版・初刷の本を長年探しており、ようやく(しかも買いやす
い価格で)出会えたため。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 31
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = ヒロシマ・ノート
[著者名]= = 大江健三郎
[理由]= = 18歳の時大江健三郎に出会い、それから45年を経た
今年、この「ヒロシマ・ノート」で漸く大江健三郎の単行本を全て
初版で揃えることが出来ました。初版で揃えようと思ってから5年
目になります。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 63
[都道府県]= = 北海道

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 美しき独断 中城ふみ子全歌集
[著者名]= = 中城ふみ子
[理由]= = 志半ばにして病魔に倒れる歌人中城ふみ子。与謝野晶子
を髣髴とさせる奔放な歌風と私生活。この歌集を読むと、自分の怠
惰な生き方が問われ、人生とは長さではなく質であると痛感する。
転移により31歳の若さで逝った中条は、しかし、後世に偉大なる
精神的遺産を遺してくれた。その遺産を享受できる古書界にも大い
なる謝意を表したい。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 51
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 出土銭貨の研究
[著者名]= = 鈴木 公雄
[理由]= = 著者の鈴木公雄は私の従兄で、4年前に癌のために急逝
しました。彼の著書のうち専門性の高い本書は蔵書していなかった
のですが、今年従兄の墓参の帰路、古書店の店先でこの美しい本を
発見した時は、何か運命的なものを感じて購入しました。考古学の
話を何度か直接聴いたことがありますが、その声を懐かしく想い出
しながらページを開いています。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 61
[都道府県]= = 神奈川

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 宇宙SF映画の世界
[著者名]= = キネマ旬報特別編集
[理由]= = スターウォーズの特集で、ちょうど30年前の出版で以
前は持っていたものをなくしてしまいました。題名や出版社をはっ
きり覚えていなかったので探すのに苦労しました今年こちらのネッ
トで検索し手に入れることができました。
[性別]= = 女性
[年齢]= = 50
[都道府県]= = 神奈川

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 「Tales of Mystery and Imagination」
[著者名]= = E.A.Poe
[理由]= = Poeの挿画作品中の白眉ではないでしょうか。Beardsley
の衣鉢を継ぐ挿絵画家Harry Clarkeの代表作でもあり、彼の署名入
り170部限定本。Zaensdorfによるモロッコ革装丁のまさに完璧なコ
ンディション。目録掲載品で信じられないほどの安価でしたのに、
わが手に入ったのがいまだに夢のようです。本当に夢になってしま
うのではないかと懼れつつも、その日は枕元において寝ました。や
はり古本の神様はいるのですね。合掌。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 50
[都道府県]= = 神奈川

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = ambarvalia 復刻版
[著者名]= = 西脇順三郎
[理由]= = 詩集を読むだけなら、文庫や普及版で十分ですが、もの
としての存在感やオリジナルが持っているであろう当時の雰囲気を
愛でるには、復刻版がうれしい。ほるぷ社からの復刻ですが、いい
仕事をしています。と思います。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 48
[都道府県]= = 千葉

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = 「寺山修司と生きて」
[著者名]= = 田中未知
[理由]= = 実は古本を購入したのは初めてでして、たまたまネット
で「日本の古本屋」を発見して、ちょうど読みたい本がありました
ので、簡単に注文できて、遠くから送られてくるのを待つのも楽し
かったです。
学生の頃に寺山修司が流行っていたので、約20年前の話ですが、
ある本屋で寺山修司の本が目にとまったので買って読んでみたとこ
ろ、すごくはまってしまい、「寺山修司と生きて」を購入できた事
は今年一番嬉しい事でした。
[性別]= = 女性
[年齢]= = 40
[都道府県]= = 東京

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[書名]= = Only Yesterday アメリカ現代史(上)(下) 
[著者名]= = F.L.アレン著 福田実訳
[理由]= = 昭和25年発行。訳者が亡くなった義兄で、どんな本か
知りたかった。「日本の古本屋」で検索したら、幸い1部だけ見つ
かり、手に入れることができた。義兄を懐かしく思い出しながら読
んだ。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 79
[都道府県]= = 神奈川

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[書名]= = 風に吹かれてヨーロッパ
[著者名]= = おおば比呂司
[理由]= = 以前からおおばさんのファンですが、いままで本を購入
したことはありませんでした。今回、絵を描き始めてその柔らかい
タッチと正確な描写に感動しています。思わず購入しました。
[性別]= = 男性
[年齢]= = 52
[都道府県]= = 栃木

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■日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ■

「日本の古本屋」では、TOPページのデザインから徐々に、リニュ
ーアルしていく予定です。

例えば、今まで「日本の古本屋」のTOPページ内で直接書籍の検索
はできませんでしたが、デザインの変更に伴ってTOPページから直
接行えるようになり、より使いやすくなります。どうぞご期待下さ
い。

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■日本の古本屋・年末年始のお知らせ■

当サイトは平成20年12月27日(土)から平成21年1月4日
(日)までの期間、事務局のみ冬季休暇とさせていただきます。
(日本の古本屋は通常通りお使い頂けます。)
この間にお問い合せ頂きましたメールには、1月5日(月)より順
次返答させていただきます。
お問い合せ内容によりましてはまた、お時間をいただく場合がござ
いますので、ご了承下さい。

→ http://www.kosho.ne.jp/~info/nenmatsu2008.htm

なお、古書店より返事がない場合などは第一報メールをご参照の上、
直接古書店にお問い合せ下さい。
古書店の休業期間につきましては、「日本の古本屋」の古書店情報
欄をご参照ください。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願いいたします。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

12月~2009/1月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその74 2008.12.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
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     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その73 11月25日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  1. 自著を語る (34) 『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』
  2. 古書交換会レポート
  3. アンケートのお願い

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━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (34) 】
『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』(風塵社) 北尾トロ

 何かをすればそれについての反応があり、その反応がその先へ繋
がる 原動力になると思っている。頭の中でぐるぐる考えるのもい
いかもしれないけど、ぼくには向いてない。汗の匂いがしないこと
は信用できない気がして。貧乏性か。だけどまあ、やってみること
で思わぬ展開になることもあるわけで。
  1999年、本の処分法としてネットを使った古本屋を始めたことが
きっかけとなり、期間限定ブックカフェ、プロに混じってのデパー
ト展参加、古書イベントの主催、西荻ブックマークの開始、伊那市
高遠町での「本の家」オープン、「日本に本の町を作ろう」プロジ
ェクト始動までの流れはまさにそんな感じだった。ひとところに落
ち着いてじっくり物事を深めるより、どんどん居場所を変えつつ人
と交わってきた感が強い。
  ただ、その中心にはいつも本があって、その居心地の良さに支え
られてきたのも確かだ。いや、本そのものというより人かもしれな
い。本を通じて知り合う人たちのおもしろさは、ぼくをまったく飽
きさせない。
  常日頃、いかにすれば本まわりのことで遊べるか、そればかり考
えているぼくにとって、古本旅はいずれやってみたかったことのひ
とつだった。古本屋をメインにした紀行文など珍しくもないと編集
者は首をひねったが、いっさい無視して九州に行った。あれこれ話
し合うより、さっさと旅に出て書いたものを見てもらうほうが話が
早い。それでダメなら、もう一発どこかに行って、べつの編集者に
見てもらう。それでダメならあきらめる。問題はそこじゃなかった
りして、「これは執筆のための取材であるよ」と嘘偽りない気持ち
でうちのカーちゃんの目を見つめながら言えればそれでいいのだ。
  幸い、風塵社社長の腹巻き(通称)は九州の原稿を見て難色を示
すどころかつぎは自分も行きたいと言い出した。しめたものである。
で、どこへ。北海道ですかい社長。ところが敵も考えるもので、武
蔵野線はどうだという。それが旅なのか大いに疑問もあったが、な
んと腹巻き、掘り出し物を発見。今度は鎌倉に行こうと言い出して
……。
  そんな具合にあるときはひとり、あるときは腹巻きや別の友人と、
全国各地に出かけたわけだ。途中から、けっこう金がかかるなあ、
どう考えても割に合わない旅だなあと思ったりもしたが、1カ所に
いくとつぎに行きたいところが浮かぶという案配で、札幌、仙台、
松本、金沢、神戸、四国などへ足をのばした。
  温泉も好きだし、うまいものにも目がないし、列車に揺られての
んびり移動するのもいいと思う。でも、ぼくが本当にしたかったの
はこんな旅だった。
  読んで欲しいのはヤマヤマなんだけど、読んだら今度は出かけて
欲しい。いざゆかん古書の旅! ただしカートは忘れずに!

●書誌●
タイトル : ぶらぶらヂンヂン古書の旅
(ブラブラ ジンジン コショ ノ タビ)
発  行 : 風塵社
2007年6月
定  価 : 1,365円(本体:1,300円)
判  型 : 四六判
頁  数 : 222頁

●帯より●
ストレスなし、計画性なしのオフビートな古書店めぐり

●プロフィール●
北尾トロ (Toro Kitao)
1958年福岡県生まれ。法政大学社会学部卒業後、フリーター生活を
経てフリーライターに。ノンフィクション・エッセイを手がけ、現
在、「週刊文春」「ダヴィンチ」など連載を多く抱える。
1999年、オンライン古本屋「杉並北尾堂」を開業。ネット古書店ブ
ーム(?)のさきがけとなる。
“日本に『本の町』をつくりたい”との思いから、2007年、長野県
伊那市高遠町で仲間とともに古民家を借り、実験的店舗を運営。
2008年5月、「本の家」として本格的に営業を開始。東京と高遠を
行き来する生活を送っている。
著書に『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』『ぶらぶらヂンヂ
ン古書の旅』『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』など。最新刊
になる『中央線で猫とぼく』(メディアファクトリー)は、10月31
日に発売。

━━━━━━━━━━【古書交換会レポート】━━━━━━━━━

 古書業界には、各都道府県に古書組合が存在し、各所で業者同士
の古書交換会(古書市場)が開かれています。
それが、古書店の仕入れルートの基本となっています。東京では、
神田にある、東京古書会館(本部会館)のほか、いくつかの支部で
開催されています。
本部会館では、毎日、市場が開催されています。月曜は、一般書や
サブカルが中心の「中央市会」。火曜は、洋書の「洋書会」に、古
典籍の「東京古典会」と好対照の市が同時に開催されます。社会科
学系の資料モノが中心になる「資料会」は水曜。神田の支部市とい
う位置づけの「一新会」が木曜と続き、近代文学からヴィンテージ
系の俗に“黒っぽい”本と呼ばれる物が集まる「明治古典会」が金
曜でトリを務めます。
今回は、そのなかの「中央市会」から、最近の話題をご報告します。

『見逃されたお宝本』
中央市会事業部長 山崎有邦(オヨヨ書林)

市場には日々、大量の本が集まってきます。特に「中央市会」は、
その量の多さでは、他の会に比べても抜きん出ています。厳選され
た1冊本もありますが、20冊前後の本を一括りに縛った束を5本(業
界では、束を本と数えます)、10本と山に積まれたものも多く出品さ
れます。それらは、一山いくらで、多くの場合、催事用の商品とし
て買われることが多く、一冊一冊値踏みされることは稀です。
本を出品するお店は、ある程度の仕分けをしてから出しますが、自
分の専門ではない分野は大まかに分類するだけという場合も多く、
時には、そのざっくりと一括りにされた山の中に、思わぬお宝本が
紛れ込んでいることがあります。
先日の市会でのこと、市場の隅に、戦前の文芸書が200冊ほど並んで
いました。パッと見た感じ、めぼしい本もなく、均一用のような感
じでした。
開札はぼくが担当したのですが、入ってた札も5-6枚。ほとんどの業
者は、注目してなかったようです。やはり催事ネタという判断か、
「安ければ買ってもいい」というような数字しか書いてない店もあ
る中、ひときわかけ離れた数字を入れている店がありました。
文芸書を専門に扱う店です。それも2店。その2店で競り合った結果、
見た目、しょうもない品物ばかりと思えたものが、かなりの高値で
落札されました。
何が評価されたのだろうかと、本の背を、端から端と順に眺めまし
たが、見当がつきません。後で、落札された方に、何か珍しい本で
も入っていたのかと訊ねたところ、その方が教えてくれたのは、函
の背のくすんだ、タイトルも微かに読めるか読めないかというよう
な一冊の本。かろうじて読めるタイトルには、『お艶殺し』と書か
れています。
谷崎潤一郎の本です。大正4年の初版本だということです。千章館
より刊行されています。読むだけなら、現在は、中公文庫で読むこ
とは出来ますが、やはりコレクターの間でも人気のある作家の初版
本ということで、少々状態は悪くても、レアで貴重なものにはそれ
なりの値段がつくようです。
改めて本の束を見直しましたが、数多くの黒い本の山の中から、タ
イトルもほとんど読めないこの本に気づくとは、さすがに専門店だ
なと、その眼力に感心しました。
もちろん誰にも気づかれることなく、安く落札され、どこかのお店
の均一台に並ぶこともあるかも知れません。そんな時は、お客さん
がお宝本を見つける幸運に恵まれるということになります。
雑本のなかからお宝本を見つけ出すことは、古書ファンだけでなく、
プロの古書店にとっても、古書市場で取引することの醍醐味と言え
ます。ただ、眼力と嗅覚に優れた多くの専門店が出入りしています
ので、そんなに簡単なことではありませんが…。

━━━━━━━━━━【アンケートのお願い】━━━━━━━━━

「今年の収穫・この一冊」アンケートご協力のお願い

平素はインターネット「日本の古本屋」をご利用いただきまして、
ありがとうございます。

さて、「日本の古本屋メールマガジン」では、アンケート特集
「今年の収穫・この一冊」を今年も企画いたしました。今年手に入
れた古書の中から、印象深い一冊、嬉しかった一冊を、是非お知ら
せ下さいませ。
ちょっと一息入れて「今年の収穫」に思いを巡らせてみませんか。
どうぞご協力いただけますようお願い申し上げます。
アンケート回答は専用フォームを用意しましたので、そちらからお
願いいたします。

また、アンケートにお答え頂いた方の中から抽選で10名様に
図書カード1000円分をプレゼント致します。
抽選結果は図書カードの発送をもってかえさせて頂きます。

専用フォームにお進みいただくと、以下のことをお尋ねします。

─────────────────────────────
アンケート専用フォーム

http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/questionnaire2008_.htm

─────────────────────────────

■一冊の書名・著者名(今年買われた古書で印象深いもの)

■その簡単な理由

■〆切 2008年12月15日(月)

2008年12月発行の「メールマガジン日本の古本屋」にて紹介
させていただきます。全てのご回答をご紹介できない場合がござい
ますので、どうぞあらかじめご了承ください。

よろしくお願い申しあげます。

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

11月~1月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその73 2008.11.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
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     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その72 10月27日号

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☆INDEX☆
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  1. 古書催事の新しい流れ
  2. 自著を語る (33) 『高円寺 古本酒場ものがたり』
  3. プレゼント企画

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━━━━━━━━━【古書催事の新しい流れ】━━━━━━━━━

 今月は、古書月間として、各地の即売催事をご案内してきました。
なかでも、東京では、ほぼ毎週のように、古書即売催事が開かれて
います。神田の古書会館はもちろん、西部(高円寺)や南部(五反田)
の支部会館でも盛んに行われています。デパートや屋外広場など、
会館外の催事も活発。「神田古本まつり」は、まさに今日がスター
トです。

続きはこちら http://www.kosho.ne.jp/melma/0810/readindex.html

━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (33) 】
『高円寺 古本酒場ものがたり』 狩野 俊

『高円寺 古本酒場ものがたり』の見本が出来たと、編集の中川六
平さんから電話がある。受け渡し場所は、吉祥寺のいせやだ。六平
さんは先に来てビールを飲んでいる。
「お前はいっつも遅れてくるなあ」。時間どおりに行ったのだが、
小言を言われる。元新聞記者の六平さんは、待ち合わせの五分前に
来るのが基本だと、いつも言う。「はい、すみません」と、なんの
反省もにじんでいない口調で謝る。かわいくないねえ。
  見本を前に、二人で乾杯。思えば、いつもいせやで打ち合わせだ
った。ゲラの直しもいせや。本当に酒の臭いがしみこんだ本だ。
「ほら、いい装丁だろ。帯もいい文章だ。ばーんとでっかく書いて
あるだろ。わかりやすいだろ。俺が書いたんだよ」
  六平さんは本を前にしてうれしそうだ。僕も手にして中を開いて
みる。ちょろちょろ読んでみる。しかし恥ずかしいな。
  巻頭は「店長日記」だ。数年間書き続けた日記から拾い上げ、や
すりをかけて、紙の上に載せた。毎日、毎日、飽きもせず、酔いの
残った頭で、ふらつく指先で、キーボードを押しては書いてきた。
それがまとまるとこうなるのか。目次を見ながら、犯罪を犯したよ
うな気分になってくる。
  次に、書き下ろしの、国立で開業してから今に至るまでの、まあ、
道程のような文章。これは初稿のゲラが出てから三週間で書いた。
読んでいて思うけど、しみじみといい加減で大雑把で成り行き任せ
だな。それでいてどこか神経質な匂いがする。
  読んでいるうちに、触っている間に、じんわりと本当に本になっ
たのだと、ようやく実感が湧き出てきた。うれしいだけではない、
複雑な気分だ。
  「お前もよかったよ、このタイミングで本が出せて」。六平さん
はビールから焼酎のロックだ。まだ午後二時半なのに。ちなみに焼
酎は一杯230円。「お前の店は高いんじゃないのか」と六平さん
が言っている。「今日何曜日だっけ」ともつぶやいている。
  一年半前、荻原魚雷さんがここに連れてきてくれたんだ。「社長」
「おいマスター」と大声で呼び、「トリスのロック、ダブルでね。
魚雷、角なんて高い酒飲むなよ」。そのうち、ひょんなことから
「お前の本作ろう」となり、ああなって、そうなって、こうなって、
目の前に本がある。離婚の保証人にもなってもらった。
  ノリで作り始めた本かもしれないが、本というのはノリだけで出
来上がるものではないと、心の底から感じた。人と人がぶつかり合
い、時には火花を散らして作り上げていくものだった。
  後書きには書かなかったけど、中川六平さんに感謝です。出会い
のきっかけの荻原魚雷さん、ありがとうございました。
  みなさま、読まなくていいので、買ってください。

●書誌●
タイトル : 高円寺古本酒場ものがたり
(コウエンジ フルホン サカバ モノガタリ)
発  行 : 晶文社( http://www.shobunsha.co.jp/ )
2008年8月
定  価 : 1,995円(本体:1,900円)
判  型 : 四六判
頁  数 : 213頁

●帯より●
東京は中央線、高円寺で降り、少し行くと、古風な風情をかもし出
している店がある。「古本酒場コクテイル」。今夜も、古本と酒とおし
ゃべりが大好きな人で一杯だ。そんな古本酒場を舞台にした人と人
の交流を温かく描く。さあ、いらっしゃい!

●プロフィール●
狩野 俊(Suguru Karino)
1972年福島県生まれ。洋書店勤務を経て、98年国立に「コクテイル
書房」を開業。半年後に店の一部を改装しお酒を出し始める。2000
年高円寺へ移転。「古本酒場コクテイル」を営む。

━━━━━━━━━━━【プレゼント企画】━━━━━━━━━━

今号の企画「自著を語る」で紹介いたしました、コクテイル書房の
狩野俊著書「高円寺 古本酒場ものがたり」を5名様に著者サイン入
りでプレゼント致します。
プレゼントご希望の方は、お届け先の住所、氏名を明記の上、メール
( melma@kosho.ne.jp )にてお申し込み下さい。
応募の締切は11月9日までとさせていただきます。
※応募は終了しました。

応募者多数の場合には抽選とさせて頂きます。抽選の結果は商品の
発送をもってかえさせて頂きます。

※メールからの応募のみとさせていただきます。

※1名様1回限りのご応募とさせて頂きます。

※応募の受付・受理、ご当選の確認に関するお問い合わせにはお答
えできません

※商品のお届け先は日本国内のみとさせていただきます。

※お預かりした個人情報につきましては、商品の抽選、発送および
発送業務等の委託のため、委託先に開示する場合がございます。

※お客様の同意なしに業務委託先以外の第三者に開示、提供するこ
とはございません。(法令等により開示を求められた場合を除く。)

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東京古書組合 協賛イベント

第49回 神田古本まつり 10月27日(月)~11月3日(月)
1年に1度!100万冊の大バーゲン!1年に1度開催される神保
町古書店街最大のイベントです。是非ご来場下さい。

BOOK TOWN じんぼう

http://jimbou.info/

ナビブラ神保町

http://navi-bura.com/index.html

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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

10月~12月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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  次回は2008年11月下旬頃発行です。お楽しみに!
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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその72 2008.10.27

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン 古書月間2号 10月14日配信

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10月31日までの古書イベント情報を掲載しています。

古書月間イベントサイトはこちら

⇒ http://www.kosho.ne.jp/event/koshogekkan/index.html

※内容について変更や中止になる場合がございますが、
あらかじめご了承ください。

━━━━【全国の古書イベント 10月15日~31日】━━━━

イベント名 第18回新潟大和大古書展
開催期間  2008/10/16(木)~2008/10/20(日)
場所 新潟大和 7階大ホール
時間 10:00-19:00 最終日は18:00
即売展目録 佐久間書店
951-8068 新潟県新潟市上大川前通5番町55-4
TEL:025-223-1982
FAX:025-228-5011

http://www9.ocn.ne.jp/~sakuma

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古書の日記念の目録 「茨城県組合古書目録」
発行予定日時 2008/10/15(水)

即売展目録 とらや書店 メール又はFAX、郵送でご請求下さい。
310-0011 茨城県水戸市三の丸1-4-8
FAX: 029-232-0154
Eメール toraya@car.ocn.ne.jp
URL http://ibaraki-kosho.com

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イベント名 浦和宿古本いち
開催期間 2008/10/23(木)~2008/10/26(日)
場所 浦和 さくら草通り
時間 10:00―18:00 最終日は17:00

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イベント名 第8回池袋西口公園古本まつり  (雨天中止)
開催期間 2008/10/22(水)~2008/10/28(火)
場所 池袋西口公園
時間 10:00-20:00 最終日は17:00

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イベント名 神田古本まつり (雨天中止)
開催期間 2008/10/27(月)~2008/11/3(月)
場所 神田神保町古書店街 じんぼうエリア
時間 10:00-19:00 最終日は18:00

BOOK TOWN じんぼう

http://jimbou.info/news/furuhon_fes08.html

ナビブラ神保町

http://navi-bura.com/special/0810furuhon.html

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イベント名 甲府古書祭り
開催期間 2008/10/15(水)~2008/10/20(月)
場所 JR甲府駅 南口 山交デパート 5F催事場
時間 10:00-19:00 最終日は16:00まで
即売展目録 風雪堂支店
400-0015 山梨県甲府市大手3-2-29
TEL 055-224-2571
FAX 055-251-5696

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イベント名 第32回 秋の古本まつり(主催:京都古書研究会)
開催期間 2008/10/30(木)~2008/11/3(月)
場所 左京区百万遍 知恩寺境内
時間 10:00-17:00

URL http://www1.kcn.ne.jp/~kosho/koshoken/event.html

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イベント名 第5回 全大阪古書ブックフェア
開催期間 2008/10/24(金)~2008/10/26(日)
場所 大阪古書会館
時間 10:00-18:00 最終日は16:00まで

即売展目録
80円切手同封の上、封書で大阪古書組合宛にお申し込み下さい。
大阪府古書籍商業協同組合
〒540-0018 大阪市中央区粉川町4-1
URL http://www.osaka-kosho.net/

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イベント名 第3回弁天町ORC(オーク)200 古本祭
開催期間 2008/10/30(木)~2008/11/4(火)
場所 弁天町ORC 200 2Fオーク広場
時間 11:00-20:00 最終日は17:00

URL http://www.osaka-kosho.net/

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イベント名 キヨスク駅前即売会
開催期間 2008/10/17(金)~2008/10/21(火)
場所 JR芦屋駅構内
時間 10:00-19:00

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イベント名 秋の古本掘り出し市
開催期間 2008/10/22(水)~2008/10/27(月)
場所 岡山シンフォニービル1階
時間 10:00-20:00 最終日は17:00

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日本の古本屋メールマガジン古書月間2号 2008.10.14

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

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