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日本の古本屋メールマガジン その52 2月26日号

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◆INDEX◆
1.シリーズ「活字の周辺」その1 
文字から声へ、声から文字へ
  ~「詩のボクシング」十年の場から~
2.新刊本のご紹介
 『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割
3.「古本屋が書いた本」展目録
4.日本の古本屋即売展情報

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■2月6日、東京古書会館で二回目の「古本・夜の学校」を開きま
した。
今回のテーマは「早稲田の古本屋の話でもしようか」。ゲストは昨
年『早稲田古本屋街』(未来社)を出された向井透史さん。文芸評
論家で早稲田古本屋街とは長い付き合いの坪内祐三さん。「そうい
えば・・・」と、どんどん繋がるあれこれの話題は、いつまでも尽
きないようでした。
満席のビジターの皆さんも、同じ気持ちではなかったかと思います。
早稲田界隈の古本屋、新刊屋、喫茶店・・・いろいろな固有名詞が
飛び交うたびに、それぞれの思い出を重ね合わせているようでした。
もちろん、今も早稲田古本屋街は元気です。あの頃、帳場の奧でピ
ーピー泣いていた赤ん坊が、すっかり大人になって店番をしている
かもしれません。是非、古本屋散歩にお出かけ下さい。

■当日の対談は、ウェブ版古本・夜の学校を開校し、そこで紹介さ
せていただく予定です。こちらはまだ工事中で、そんなご案内もこ
のメルマガでさせていただきます。

■次回の「古本・夜の学校」は、七十年代の小さな出版社や個性的
な書店を探ってみたいと思います。個性的な品揃えで今も伝説の書
店といわれる四谷文鳥堂に勤め、その後薔薇十字社の編集部に移っ
た川口秀彦さんを講師に予定しています。こちらもまたメルマガで
お知らせできるかと思います。

■今月のエッセイはシリーズ「活字の周辺」です。「詩のボクシン
グ」でお馴染みの楠かつのりさんにお願いしました。言葉を、自分
の声と体で表現する。「詩のボクシング」は、とてもシンプルな手
法にこだわっていますが、しかし生でご覧になると、その新鮮さと
面白さに驚かれると思います。

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【活字の周辺】
■文字から声へ、声から文字へ
~「詩のボクシング」十年の場から~■

 文字を発明したことは、人類の歴史において驚異的な出来事だっ
たに違いありません。部屋に居乍らにして、文字から視覚が刺激さ
れて見たいものを見ることができ、また音が聞こえてくるように聴
覚を、さらには味覚、嗅覚、触覚なども刺激されていろいろなもの
をリアルに感じることができるのですから、これはもうアラジンの
魔法のランプを手にできたかのような出来事だったでしょう。

 人が文字に求めるものは、そういった五感をしっかり刺激してく
れるものではないでしょうか。さらにいえば、古代の人が残した象
形文字や楔形文字は、一文字一文字が手作業で書かれ、二つとして
同じものがなく、それ故に言霊を宿すことができ、時には畏怖心さ
えもいだかせてしまう存在になり得えたのだと思います。ところが
今や文字は、パソコンのワープロソフトを使い、どれもこれも同じ
服をまとっているように見え、文字本来の勢いも五感への刺激も非
常に弱くなっているように感じられます。

 以前わたしは、ある新聞で詩時評を二年間担当したことがあり、
毎月、膨大な数の同人誌と詩集を読んでいたことがありました。一
年目を終えたころ、奇妙なことが起こったのです。それは、詩の書
き手はそれぞれに違うはずなのに、まるで一人の人が全ての詩をあ
の手この手とスタイルを変えて書いているように見えたのです。こ
れはある期間、過度に集中して詩を読み過ぎたことに原因があるの
かもしれません。しかしそんな時でも、手書き文字の詩に出合うと、
その文字の向こうに詩を生み出す者の確かな姿が感じられ、安堵し
たのをよく覚えています。

 実はわたしが「詩のボクシング」を始めたのも、確かな詩の書き
手と対面したいという思いからでした。前述の手書き文字と同じよ
うに声の言葉にも二つとして同じものはありません。その声の言葉
の魅力、いや声の言葉の本当の姿を知ってもらいたいとう思いから、
わたしは十年前に、「文字の裏には声があり、その声を表に出そう」
と「詩のボクシング」を始めたのです。人の声との出会いは、驚き
と発見の連続でした。その「詩のボクシング」も、これまでに三十
二都道府県で都道府県大会として行われ、年に一度東京で全国大会
が開催されるまでになりました。

 余談かもしれませんが、もう一つ文字と声の関係について強く印
象に残っていることがあります。ドイツに留学していた時のことで
す。日本好きのドイツ人の友人が、流れるように書かれた行草書の
文字を眺めならが、「これは声を発するように書いてるね。声の動
きを感じる」と言ったことがあります。確かにそこには声の動きが
見えるのです。わたしも手書き文字には、声を出して、その声に合
わせるかのように筆圧も速度も変えながら書いていると感じること
があったので、友人の指摘に膝を打って頷きました。

 声の言葉は文字の言葉に比べて一回性のもので普遍性がないと言
う人がいますが、それは違うとわたしは思います。何故なら、人が
繰り返し口ずさむ言葉にこそ普遍性が宿っていると考えているから
です。だからわたしは、気がつけばふと口ずさんでいるような言葉
が、「詩のボクシング」の場から生まれることを強く望んでもいま
した。そしてこの十年でやっと、「詩のボクシング」が口ずさむ言
葉を生み出せる場になったと実感できるようになりました。十周年
を迎える今年は、特に年配パワーに期待しています。このメールマ
ガジンの読者の皆さんにもご参加いただき、これぞ文字の裏にある
声だというものをお聴かせください。お待ちしております。

■楠かつのり(くすのき・かつのり)■
音声詩人、映像作家、日本朗読ボクシング協会代表。
1954年生まれ。ハイデルベルク大学及びマインツ大学留学。
1997年に「日本朗読ボクシング協会」を設立、以来代表を務め、
朗読の新しい楽しみ方及び表現方法としての「詩のボクシング」を
国内に広めている。
著書に『詩のボクシング 声と言葉のスポーツ』(東京書籍)、
文庫版「からだが弾む日本語」(宝島社)、『「詩のボクシング」
って何だ!?』(新書館)他。

楠かつのりさんHP http://www.jrba.net/ 
「詩のボクシング」HP
 http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/bout.htm

※HPには「詩のボクシング」とは何か、また各地の大会日程など
を掲載しています。

「詩のボクシング」2007年度大会スケジュール

http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/calendar2007.htm

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■新刊本のご紹介■

『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割』

ミステリは読み返すほど面白い!
シャーロック・ホームズとコンチネンタル・オプの関係は?
『Xの悲劇』のドルリー・レーンはなぜ変装するのか?
クロフツの真価はアリバイ崩しではなかった?
エルキュール・ポワロの正体は?
江戸川乱歩は本当に探偵小説の「第一人者」なのか?
・・・巨匠たちの名作に秘められた謎を、無類の読み巧者が名探偵
となって解き明かす、軽妙酒脱にして比類なき評論。(装幀・和田誠)

石上三登志著
東京創元社刊( http://www.tsogen.co.jp/np/index.do )
定価:2,205円(本体:2,100円)
316ページ
(書影図版 自由が丘・西村文生堂全面協力)

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

2月~4月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
見逃したメールマガジンはここからチェック!
【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2007年3月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその52 2007.2.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その51 1月19日号

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◆INDEX◆
1.自著を語るその21・『古本屋のある「街」の履歴書』
2.『幻影城の時代』刊行
3.「古本屋が書いた本」展目録
4.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、今回は向井透史氏に『早稲田古本屋街』
(未來社 http://www.miraisha.co.jp/ )について語って頂きました。

■古本屋のある「街」の履歴書■

 早稲田大学から高田馬場駅へ向かう早稲田通り沿いに約30軒の
古本屋が立ち並ぶ早稲田古本屋街。戦前からいるような顔をして並
んでいるのだが、実は昭和40年代になって急激に増えていった店
が多い。もちろん戦前にも古本屋街はあったのだが、それは大学正
門から神楽坂方面へと向かう道に並んでいた。大学と共に栄え、昭
和20年の空襲によって灰となって消えてしまった。戦災を受けず
残った早稲田の地。それが現在の早稲田古本屋街のあるエリアなの
だ。その場所に、神保町などで修業したものたちが、少しずつ店を
開いていく。その経緯を早稲田の古書現世二代目店主である自分が
聞き書きしたのが本書『早稲田古本屋街』である。先ほど書いた戦
前早稲田についても序章「昭和20年、早稲田古本屋街消滅」にて
記述した。
 この本の元となったのは、未來社のPR誌「未来」に連載をして
いた原稿である。連載をはじめるにあたって、あることを思い出し、
それを書きたいと思った。

 ある古本市が終わった帰り、早稲田の古本屋店主数人と居酒屋へ
行った。古本屋の飲み屋話なんて売れた売れないだとかそんな話ば
っかりなのだが、この時はなぜかある店主の昔話になった。
「未来」連載の第一回目になった岸書店さんである。「俺なんて新
潟から就職するってことだけで連れてこられてさぁ、もう一人の子
と一緒に。で、上野駅ついてから突然『質屋と古本屋がある。好き
なほうを選べ』なんて言われてさぁ。古本屋ってよくわからかった
んだけどなんとなく選んで店員になっちゃってなぁ」
 後日、違う飲み屋でも同じように古本屋になる時期の話を聞いた。
五十嵐書店さんである。「後楽園そばの職安でようやく仕事みつけ
てね。興奮したまま駅にむかったら道に迷ったんだ。逆に行ってた
の。そしたら神保町の古本街に出てね、偶然。そこに店員募集の貼
り紙があったんだ、もっと条件が良かった住み込みのがね。あの時、
道に迷ってなかったらどうなっていたか」

 現在、古本屋になりたいという若者も多いという。実際、店頭で
開店方法を訊かれることも多い。皆、店舗内装や取り扱い商品など
も明確なビジョンがある人ばかりだ。しかし自分は、そのような動
機とは違う、地方の、長男ではない人間たちが職を求め東京へ出て
「なるしかなかった」というような道を歩み古本屋へなっていく人
生に興味を持ったのだ。また、この業界の複雑な親戚関係も面白か
った。東京で古本屋を営む親戚筋を頼って上京する人物も多かった
のだ。その関係性も、実に興味深いものだった。
 本を書くにあたって気を遣ったのは「ただの業界史」にならない
ように、ということであった。古本屋のことはよく知らないけど、
とか、早稲田には行ったことないし、など、そういう人でも最後ま
で読めるようなものにしたかった。まったく違う人生が集まってき
て、ひとつの街ができあがる。「人」が作る小さな「街」の物語。
古本の本にありがちな、稀覯本の話なんて関係がない世界。ある時
は飲み屋で、自宅で、店で取材を続けて今、ようやく本になった。
なんとなく店を継いで、ただ仕事を続けてきた二代目店主である自
分も、聞いてきた街の歴史に続く現在に立っているのだと思うと、
少し誇らしく感じるようになった。

 最後に。この本は「街」の歴史であると共に、本が驚くように売
れて輝いていた時代の話でもある。一日に数回仕入れに行き、帰っ
てくるたびに本が棚で倒れるぐらいに売れている時代。学生が本を
欲しいがためにバイトをしていた時代。今とは逆で「売るのは簡単、
仕入れは困難」という時代だったのだ。その輝きを「古本好き」の
方だけではなく、たくさんの「本好き」の方に読んで欲しいと思う。

■向井透史(むかいとうし)■
昭和47(1972)年、早稲田生まれ。
堀越学園高校を卒業後、早稲田の古本屋「古書現世」二代目となる。
雑誌「本の雑誌」(本の雑誌社)、「WiLL」(ワック)にて連
載中。著書に『早稲田古本屋日録』(右文書院)がある。
向井さんブログ→ http://d.hatena.ne.jp/sedoro/

■『早稲田古本屋街』■
著者:向井透史
発行:未來社( http://www.miraisha.co.jp/ )
   2006年10月発行
定価:1,890円(本体:1,800円)
ISBN:4-624-40059-3
判型:四六判
頁数:254ページ

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『幻影城の時代』刊行!!              
                          本多正一

 雑誌『幻影城』は1975年から79年まで刊行されていた探偵
小説専門誌である。
 書誌学者として『三島由紀夫書誌』(薔薇十字社、1971年)
の労作のある島崎博氏が、膨大な蔵書と人脈を駆使して創刊したミ
ステリーの専門誌だが、四年半という短い活動期間ながら、泡坂妻
夫、栗本薫、竹本健治、田中文雄、田中芳樹、友成純一、夏来健次、
連城三紀彦らの新人を世に送り、またファンクラブ「怪の会」から
は縄田一男、長谷部史親、細谷正充、宮部みゆき、村上裕徳、山前
譲、横井司、よしだまさしといった才能を輩出した、忘れられない
名雑誌だった。
 『幻影城』が休刊して27年、母国台湾へ戻られた島崎博氏を取
材した貴重なロングインタビューを巻頭に、権田萬治氏ら関係者へ
のインタビュー、泡坂、竹本、連城、栗本氏ら出身作家の回想、綾
辻行人、有栖川有栖、宮部みゆきら、現代ミステリー界の面々のオ
マージュ、その他論考、資料を合わせ収め、『幻影城の時代』を昨
年末に刊行した。

続きはこちら→

http://www.kosho.ne.jp/melma/magazine20070119_2.htm

*『幻影城の時代』取扱い書店は以下のホームページを参照してく
ださい。

http://members.at.infoseek.co.jp/tanteisakka/

*お問い合わせ先は、「エディション・プヒプヒ/垂野創一郎」
< kamano@qb3.so-net.ne.jp>まで 

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋 即売展情報■

1月~3月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2007年2月下旬頃発行です。
お楽しみに!

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日本の古本屋メールマガジンその51 2007.1.19

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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日本の古本屋メールマガジン その50 12月25日号

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◆INDEX◆
1.読者アンケート「今年の収穫・この一冊」
2. 日本の古本屋・年末年始のお知らせ
3. イベントのお知らせ
4.日本の古本屋即売展情報

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読者アンケート「今年の収穫・この一冊」には、全国各地から沢山
のご返信を頂くことができました。ありがとうございました。本号
の特集で、その一部をご紹介させていただきます。いろいろな本に、
それぞれの気持ちが込められていて、短いアンケート回答の中にも
物語があるように思いました。

どうぞ、明年も「日本の古本屋」を宜しくお願い申し上げます。

これ以外にもHPにて紹介してあります。
URL:http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/kekka200612.htm

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[書名]   新訂 漢文解釈法
[著者名]  塚本哲三
[理由]   基本漢文解釈法を中学2年で終り、愈々基本の取れた
      分厚い本に進めるという希望に溢れていたが、勤労動
      員で断念の已む無きに至った。60年の晩学が愉しみ。
[性別]   男性
[年齢]   76
[都道府県] 東京
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[書名]   池波正太郎の芝居の本
[著者名]  佐藤隆介
[理由]   新刊、古本を含み池波ものフル蒐集の多分最後の一冊。
      以前図書館で借り全頁コピー、お茶を濁していたがつ
      いに現物入手。バンザーイ。
[性別]   男性
[年齢]   62
[都道府県] 千葉
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[書名]   世界の針葉樹
[著者名]  杉本 順一郎
[理由]   これだけの数の針葉樹を網羅した図鑑が世の中に存在
      したとは驚きでした。またこれだけの本が古本として
      埋もれてしまう世の中を残念に思いますが、宝探しと
      しての古本巡りの楽しさも増しました。
[性別]   男性
[年齢]   38
[都道府県] 埼玉
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[書名]   山びとの動物誌
[著者名]  宇江 敏勝
[理由]   一次資料。読者に媚びぬ、味わいある文章。華麗に世
      に出る方ではないが、確実に残る書物。日本の自然と
      文化のために大切に残すべき書。手に入って、うれし
      い!
[性別]   女性
[年齢]   71
[都道府県] 神奈川
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[書名]   ともだちは海のにおい
[著者名]  工藤直子
[理由]   登場するくじらといるかは深い友愛で結ばれています。
      自分にもかけがえのない友がおり、その友への愛と本
      の中のそれとが広くやさしい海でつながっている気が
      しました。ふと手にした古書、宝物を見つけたようで
      嬉しくて、久しぶりに遠く離れた友に手紙を書きまし
      た。
[性別]   女性
[年齢]   29
[都道府県] 東京
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[書名]   兎夢
[著者名]  辻村寿三郎
[理由]   新刊本の世界は正に「水もの」です。20年程前に欲
      しくても学生で手が出なかった本でした。その後少々
      都合が出来る頃には絶版となり版元にも無くなってい
      ました。が、やはり、「良い本」の印象は捨て難く、
      今回「探究書コーナー」で見つけていただきました。
     「良きもの」は既に古本の世界にだけあるのでしょうか。
      古本の世界が「良きもの」を後世に残そうとしている
      からなのでしょうか感慨深く思います。
[性別]   女性
[年齢]   38
[都道府県] 静岡
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[書名]   無然遺稿
[著者名]  篠原無然
[理由]  「女工哀史」の言葉で知られた明治から昭和にかけての
      製糸女工の過酷な労働。その女工を救うために女工供
      給組合を全国に先駈けて結成するために奔走した著者
      ・無然。歴史に知られることなく没したが、何よりも
      飛騨を愛したがゆえの情熱迸る無欲な行動であった。
      著者の飛騨を愛する心の深さが伝わってくる遺稿集。
      10年間探して入手、奇跡的な出来事でした。
[性別]   男性
[年齢]   56
[都道府県] 岐阜
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[書名]   光芒の大地
[著者名]  石川 雅一
[理由]   写真と詩を同一著者がものした写真詩集。アフガンな
      どの戦場の写真と詩が載っているのだが、モノクロの
      写真とその詩がよくマッチして独自の世界を形作って
      いる。我々が行くことはふつう無いような戦場などの
      世界だが、見ていると、世界の果てを旅している気分
      が味わえ、詩のすばらしさと完成度の高さもあいまっ
      て、豊穣な気分に満たされた。
[性別]   男性
[年齢]   39
[都道府県] 東京
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[書名]   『国体論及び純正社会主義』
[著者名]  北 輝次郎
[理由]   明治39年、北の自費出版になる書で、刊行後5日間
      で発禁。約一千頁の巨著。末尾に旧所蔵者の墨書あり
      て曰く「是れ、全巻すべて真理也。我輩は幾重にも暴
      戻なる現政府が此の書に加へたる暴政を怒す。」と。
[性別]   男性
[年齢]   42
[都道府県] 東京
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[書名]   兵庫北関入船納帳
[著者名]  林屋辰三郎
[理由]   以前から中世の港町を研究していて、ほしいと思いつ
      つも、必要な箇所のコピーにとどまっていたが、よう
      やく思い立って、古書で求めることにした。林屋先生
      が古書店の一隅でこの文書に巡り合った時の衝撃はい
      かばかりであろうか。このようなサプライズがある古
      書店巡りは、当分止みそうもない。
[性別]   男性
[年齢]   44
[都道府県] 香川
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[書名]   正木ひろし著作集I,II
[著者名]  正木ひろし
[理由]   今般、白を黒といい尻をまくる無責任な政治家・裁判
      官・会社経営者が増えている。そんな存在に私たちも
      慣らされつつある。それに対し意識的に反抗したいと
      思って、早稲田の古本市で購入した。
[性別]   男性
[年齢]   44
[都道府県] 埼玉
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[書名]   現代文章講座(全6巻 三笠書房 昭和15年)
[著者名]  近藤一郎編
[理由]   60数年前、若き日の母が読んだ、と話に聞いていた。
      亡き母を偲ぶためネットで探して購入した。小林秀雄、
      川端康成はじめ当時のそうそうたる執筆陣が勢揃いし
      ている。
[性別]   男性
[年齢]   72
[都道府県] 東京
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[書名]   黒蜥蜴(限定本)
[著者名]  三島由紀夫
[理由]   本は美しくならねばならぬ、と長年の夢の本でしたが、
      古書店のご好意でお支払にご配慮頂いた結果実現でき
      たことで、人とのお付き合いの大切さを痛感した印象
      深い1冊となりました。
[性別]   男性
[年齢]   56
[都道府県] 神奈川
————————————————————
[書名]   少年少女世界の名作 全55巻
[著者名]  小学館
[理由]   懐かしく、孫にプレゼント。
[性別]   男性
[年齢]   65
[都道府県] 兵庫
————————————————————

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■日本の古本屋・年末年始のお知らせ■

当サイトは平成18年12月29日(金)から平成19年1月4日
(木)までの期間、事務局のみ冬季休暇とさせていただきます。
(日本の古本屋は通常通りお使い頂けます。)
この間にお問い合せ頂きましたメールは、1月5日(金)より順次
返答させていただきます。
お問い合せによりましてはお時間をいただく場合がございますので、
ご了承下さい。
なお、古書店より返事がない場合などは第一報メールをご参照の上、
直接古書店にお問い合せ下さい。
古書店の休業期間につきましては、日本の古本屋の古書店情報欄を
ご参照ください。

皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願いいたします。

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■イベントのお知らせ■

平成18年11月28日、神田駿河台下にある東京古書会館で、
「古本・夜の学校」という小さなトークライブを開きました。
ゲストは最新エッセイ集『屋上がえり』(筑摩書房)が出たばかり
の石田千さん。都内で一番個性的な新刊書店=書肆アクセス店長の
畠中理恵子さん。エッセイ集『借家と古本』(コクテイル文庫)が
大好評の荻原魚雷さん。三人が神保町のこと、本のことを楽しそう
に話している時間は、とても緩やかで優しいものに感じられました。

次回の夜学は明年の2月に予定しています。テーマは「早稲田の古
本屋のことを話そうか」。ゲストは『早稲田古本屋街』(未来社)
を書かれた向井透史さん。高校生の頃から早稲田の古本屋街を歩い
ていた文芸評論家の坪内祐三さんです。また、「古書の小径」のイ
ベント案内などでお知らせいたします。

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■日本の古本屋 即売展情報■

12月~2月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2007年1月下旬頃発行です。
お楽しみに!

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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその50 2006.12.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その49 12月6日号

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     。.☆.:* その49・12月6日号 *:.☆. 。
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◆INDEX◆
1.特集「ペリカン書房」追悼
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■特集「ペリカン書房」品川力追悼■

 11月3日。102歳の古本屋が亡くなりました。品川力さん。
本郷・ペリカン書房の主です。古書業界に入るのは震災前。昭和初
頭には東大近くの落第横丁でキッチン・ペリカンを始め、若き日の
作家たちと交わり、織田作之助らと一緒に文芸誌を出したりもしま
した。

 いつ頃までだったのか、腰手ぬぐいに麦わら帽子、冬でも同じ格
好で神保町界隈を自転車で走った品川さんを見かけたものでした。
遠くても、お客さんのところへは自転車で本を届けていたのです。
そんなことから「文献配達人」と呼ばれるようにもなりました。

 新刊書店がどんどん巨大化し、産業化する一方で、古本屋の世界
は、依然としてとても小さなものです。でも、ここでは店主の個性
がそのまま本屋の個性として生き続けています。

 いつまでも本を探し、見つけ、それを持って手渡したい人のもと
へ自転車を走らせる。きっとそれは、私たち古本屋の原点なのかも
しれません。今月は、在りし日の「文献配達人」=ペリカン書房
品川力さんを偲び特集を組みました。

 今回の「ペリカン書房品川力追悼」に、五名の方が執筆してくだ
さいました。深く感謝いたします。

・青木正美(青木書店)
・上笙一郎(児童文化研究者)
・紅野敏郎(早稲田大学名誉教授)
・堀切利高(平民社資料センター代表)
・八木福次郎(日本古書通信社)
 (敬称略・順不同)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇ペリカン伝説           
                     青木 正美◇◆◇

 十一月三日、本郷・ペリカン書房の品川力さんが亡くなった報を
聞く。一九○四年生まれ、享年百二歳だった。
 品川力(つとむ)は新潟県柏崎町に父豊治・母ツネの長男として出
生。父は内村鑑三の弟子で、書店と牧場を営んでおり町の有力者だ
った。力が正規の学校としては高等小学校しか出ていないのは、吃
音者だったことからと思われる。
 父は大正七年政界入りを企てて失敗、一家をあげて上京する。力
は父が神田猿楽町に古本屋を開いたので店番に努める。これは、古
本屋なら黙っていても何とか商売になるだろうとの、父の配慮でも
あったのだ。力は店番の傍ら内村鑑三の『基督信徒の慰め』などを
読み心酔して、鑑三の講演を聴きに内幸町の衛生会館へ出かけたり
した。
 すると大正十二年の関東大震災が起き、借り店だった品川書店は
全てを灰にしてしまう。二十歳だった力は、このあと六年間、銀座
のレストラン・冨士アイスに勤める。ここへは外国人もよく来て、
力は語学を学んだ。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/aoki.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇蘆花公園から                   
                      上 笙一郎◇◆◇

 わたしが品川力さんを知ったのは、一九五五(昭和三十)年かそ
の翌年のことである。わたし、二十二歳か三歳、品川さんは一九〇
四(明治三十七)年の生まれだから、五十代の前半、父親の歳の人
であった。
 当時のわたしは明治期社会主義文学の研究に心を寄せており、徳
冨蘆花もその一環と考え、通称=蘆花公園――蘆花の旧居にしばし
ば足を運んでいた。公園には管理人がいて、名は後閑林平、清潔な
クリスチャンで、明治期のキリスト教と社会主義の文献の隠れた蒐
集家。その人に信服し親炙していたところ、ある日紹介されたのが
大学教授のような知的な風貌の中年男性で、それが品川さんだった
のである。
 対面していてもほとんど話をされないので、無学歴で若年無名の
わたしなど無視してのことかと思ったが、そうでないことは間もな
く分かった。生まれついての吃音で、すらすらと会話できなかった
のだ。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/kami.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇追悼・品川力さん
                      紅野 敏郎◇◆◇

 品川力さんは、その白髪で彫り深い風貌からいえば、碩学と思わ
せるような「貴人」である。同時にその日常の行動からいえば、
「奇人」といってよかろう。私たち研究者にとっては、いわゆる稀
覯本ではない、普通の雑書の類を、道の遠近を問わず、「自転車」
に乗って、配達してくださる、少しオーバァにいえば「文化の配達
人」が品川さんだったのである。本郷赤門近くの「落第横丁」と呼
ばれている彼の営むペリカン書房にも立ち寄ったが、私が結婚した
東中野の駅に近い、平屋の四所帯が雑居していたアパートの六畳一
間の部屋に、幾度「自転車」で雑書、雑本を運んでくださったこと
か。私のところをすませると、小金井の串田孫一さんのお宅へまわ
られるのが常であった。彼は夏冬を通して、扇子を持っていて、
「自転車」から荷物をとり出すと、パッと開いてパタパタあおぐ。
そしてさっと立ち去る。その去りぎわのみごとさは絶品。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/kouno.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇やはり不思議な人  
                      堀切 利高◇◆◇

 品川さんに最後に会ったのは、安成貞雄のトマト忌の時だったか
ら、もう二年前になる。
 二〇〇四年は貞雄死して八〇年に当るので、祥月命日の七月二三
日に本郷の求道会館でご遺族もお呼びしてトマト忌を催したのだが
(トマト忌とは貞雄の容貌がトマトに似ていたので管野須賀子がつ
けた仇名に由来する)この時、不二出版の山本有紀乃さんと計って
品川さんをお呼びしたのである。場所も近くの求道会館をとれたし、
こんな時でもなければ外へ出る機会もないだろうと考えたのである。
久しぶりの外出なので大丈夫かなと思ったが、案ずることもなく、
迎えに行った若い人たちの押す車椅子に乗って見えられた。お変わ
りもなくと見えた。しかし百歳の品川さんは、もう幼い心に戻って
いられたのである。でも少し話を交わすこともでき、一緒に写真に
もおさまり、また車椅子に乗って帰って行かれたのであった。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/horikiri.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇稀人 品川ペリカンさん                   
                     八木 福次郎◇◆◇

 暑い暑いと云いながら、例のツバ広のカウボーイハットを被って
室へ入ってくると、草履をぬいで素足になり、冬でも尻のポケット
にさしてあった扇子をパタパタと使うのが品川ペリカンさんのいつ
もの姿であった。古書会館四階に私の事務所があった頃はよく見え
たが、六年前に今の神保町一丁目に移った頃からは、ほとんどみえ
なくなった。体調を悪くして、自転車で走りまわることもされなく
なっていたようだ。元気な頃は、室へ入ってこられると、「馬はつ
ないでありますか」と聞くと、「古書会館の前につないであります」
と真顔で答えられた。私たちはカウボーイの品川さんと云っていた。
 自転車でどこへでも、探しておられる本や文献を見付けては殆ん
ど仕入れ値でその人に届ける、それが無上の楽しみであるようだっ
た。駒場の文学館や小金井の串田孫一さんのところへなども、自転
車で行っておられたらしい。文学館へは、織田作や多くの知名人の
葉書や手紙を何千通も寄付され、そのリストが一冊のパンフレット
になるくらいで、無欲な善人で、本当のクリスチャンといえるよう
な人であった。串田さんも品川さんの家族のことを聖家族と書いて
おられた。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/~yomimono/tokushu/pelican/yagi.htm

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

12月~1月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2006年12月下旬頃発行です。
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日本の古本屋メールマガジンその49 2006.12.6

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その48 10月25日号

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◆INDEX◆
1.「古本屋になるための1日講座」講演内容のご紹介
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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今回は10月9日に開催された「古本屋になるための1日講座」の
中から、日本古書通信社( http://www.kosho.co.jp/kotsu/ )
の樽見博氏の講演内容をご紹介したいと思います。

■痛みの分かる古本屋、記録すること■

 今年の八月でしたが、北陸の読者から電話がありまして、蔵書を
処分したいというお話しでした。二ヶ所に分かれていて、歴史の学
術書と文学書が二万冊くらいあるというのです。ただし、別宅の倉
庫においてある本は全てダンボールに入っていて、自宅の主なもの
は書棚に並べてあるがダンボールもかなりあるということでした。
全て処分したいということなので、ともかく拝見いたしましょうと、
八月の土曜日、私もそれなりに忙しいので、会社の休みの土曜日に
伺ったんです。非常に暑い日でした。
 
 伺うと新築されたばかりの二世帯住宅で、息子さんの家族と一緒
に住まわれることになったけれどその四十年間に集めた膨大な蔵書
を置く場所がない、年も取ったしこの際ことごとく処分することに
四ヶ月悩んだ末決意したというのです。長い読者ではあるんですが、
お会いしたのは初めてでした。皆さん驚かれると思いますが、地方
の割合大きな都市の古本屋でもこのくらいの量の蔵書になると買い
取ろうという古本屋はまずないと思います。この方もおそらく悩ん
だ末にうちに相談されたのだと思います。

 新築の家に入ると、本棚に入れてある本はごくわずかで、ダンボ
ールが山のように玄関から書庫の中まで積みあがっていました。自
宅の本は二千冊と伺っていたのですが、一万五千冊か二万冊くらい
ありました。もう一ヶ所、以前住んでおられたという家にはお話の
通り二百箱くらいが一階と二階に分かれておいてありました。場所
が遠いですから私も何度も行くわけには行きませんから、その日の
うちに運送業者に来てもらって、東京に運んだ場合の見積もりを出
してもらいました。最初の話では二万冊ですから四トン車一台で間
に合うと考えていたのですが、どう考えても二台分、人手もかかり
ますから結局三十二万ということでした。

 通常、古本を仕入れる場合は勿論全部を見て評価するわけですが、
この場合は殆どが箱の中ですから、何個か開けてみたところで、全
体を評価は出来ないわけです。うちの場合は、買取ではなくて委託
で処分し、手数料を頂くようにしていますが、それにしても今回は、
運送賃を引いて、何がしかの手数料を私どもで頂いて、その上でそ
の方にお金を支払えるか、必ずしも保障できない。その方は、蔵書
を処分して更にお金がかかるのはさすがに勘弁である、出来れば多
少とも小遣い銭くらいは残したいということで、誠にごもっとも、
古本の値段が低下しているとはいえ四十年間大事にされてきた蔵書
ですから、私もせめて何がしか残してあげたいけれど、何とも保障
できないという非常に苦しい仕入れでした。それでも結果的には全
体で三百数十万円にはなり、私もやっと肩の荷を降ろすことが出来
たのですが、考えて見れば、その方が本に費やされた金額や時間を
考えたら、誠にわずかの金額でしかありません。感謝はされたので
すが、長い読者でもありますし、心中を察すると複雑な感じもあり
ました。

 私も、「日本古書通信」の編集などの仕事の傍ら、買取はほとん
どないのですが、多くの蔵書の処分にタッチしてきました。その中
で思うのは、当たり前のことですが、一つとして同じ蔵書はないと
いうことです。本の内容は勿論ですが、集め方、整理の仕方、そし
て手放される理由もそれぞれ全て違います。蔵書というのはその方
の性格、ご家族との関係など全てを表しているようで、非常に興味
深いものがあります。それに特徴的なのは、遺蔵書の場合、真剣に
対応して下さるのは、蔵書の主の娘さんが殆どで、まず息子は無関
心、もしくは冷淡であることです。他の古本屋さんからそんな話は
聞いたことはないのですが、父親である作家の評伝を書くのは、殆
どが娘であるのと対応しているようで面白いとわたしは思っていま
す。

 古本屋の仕事は、つまるところ、お客様の蔵書の形成の手伝いを
することだと私は思います。一人のお客様と長いお付き合いを続け
ていくということです。そのためには信用がもっとも大切なわけで
す。そして、その方が亡くなられたり、あるいは高齢になって本が
不用になった時、その蔵書を処分し、また新たに必要とされる方へ
引き渡していく、この繰り返しが古本屋の大切な使命だと考えてい
ます。何も書物文化を支えるとか大層な名目ではなく、商人として
自分の客との関係を大切にすればよいのです。

 古書の商売というのは、本を売ってくださる方がいて初めて成立
します。今日私が皆さんにお話したいのは、古本屋になるのであれ
ば、蔵書を手放す方の、気持ちや痛みを分かる古本屋になっていた
だきたいということです。それは何も必要以上に高く評価して買う
ということではありません。蔵書を手放す方は、ある不安を抱きな
がらも、古本屋を信用して評価を任せるわけです。その信頼を裏切
るようなことをしてはいけないと思います。ベテランの古本屋でも
全ての本に精通しているわけではありませんし、何年やっていても
毎日のように知らない本に出会うのが古本の世界です。要は、売る
方も気持ちよく、古本屋も相応の儲けが出るようにきれいな商売が
できるようになって初めて一人前の古本屋といえるのです。古本屋
が本を評価するように、彼らは古本屋の人柄や書物の知識をそれと
なく値踏みしているのです。店がグチャグチャな古本屋を誰が信頼
するでしょうか、逆に見事な目録などを発行していれば、その店の
傾向や実力を認めて、蔵書の評価に対しても信頼するだろうと思い
ます。

続きはこちらへ→

http://www.kosho.ne.jp/event/huruhonya2006/houkoku/kouen03.htm

■樽見博 たるみひろし■
昭和29年茨城県生まれ。
法政大学法学部卒業。
昭和54年日本古書通信社入社。
「日本古書通信」の編集、「全国古本屋地図」の編纂などに従事。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
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■日本の古本屋 即売展情報■

10月~12月の即売展情報

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日本の古本屋メールマガジンその48 2006.10.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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日本の古本屋メールマガジン  その47 9月25日号

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◆INDEX◆
1.自著を語るその20・『古書力99%』
2.イベントのお知らせ
  ・第21回早稲田青空古本祭
  ・中澤弘光ブックデザイン展
  ・第47回東京名物神田古本まつり
3.日本の古本屋即売展情報

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自著を語る」コーナー、今回は林哲夫氏に『文字力100』
(みずのわ出版 http://www.mizunowa.com/index.html )
について語って頂きました。

■古書力99%■

 文字力と書いてモジリキと読ませる。文字通り文字のリキである。
ただし、文字力と言っても、書道やレタリング、ましてや活字やタ
イポグラフィについて述べたわけではない。全くそれらと無関係で
はないにしても、文字そのものを論じる意図もないし知識もない。

 私の本業は絵描きである(おもに古本の絵を描いている)。考え
てみれば、文字というのはその始まりをたずねてみると、具象的な
「絵画」であることが多い。「人」という字は人を横から見た姿だ
し、「T」という字は角を左右に突き出した牛の頭を正面からとら
えている。絵画における描写を落とせるだけ削ぎ落とした、究極の
表現、それが文字なのだ(むろんすべての文字がそうだと言うわけ
ではないが)。

 だとすれば、絵を見るように文字を見ることも可能ではないだろ
うか。というよりも、そのようにして書物に用いられた文字(とく
にタイトル)を漫然と、これカッコイイ、あれはちょっと、などと
まったく無責任に批評し、また気に入ったものを収集してきた。知
らぬ間に積み上がったそんな雑本によって『文字力100』はでき
ている。
 
 私は自分自身でも装幀の仕事を手がけることがある。いつも思う
のだが、装幀というのは、タイトルの文字さえ決まれば、後は付け
足しではないか、と。表紙や背にどういう書体でもいい「文字」と
入れてみる。それを見た人はきっと自分の中にある「文字」と定義
された抽き出しを開くであろう。開いてもらえればそれで成功であ
る。

 ところが仮に「文字」という文字を使わず、図像として「文字」
を表現しようとすると、明らかな困難を感じる。あまりに多様すぎ
て集約できないのだ。これは要するに、絵や写真は人に対して具体
的な何かを与えるが、文字は人の中からイメージを引き出す、そう
いうことではないだろうか。

 それが文字力である。

 例えば、文字の「文」という字は「文身」すなわち「彫物」、今
ふうに言えば「タットゥー」の形象である。ナベブタの点が頭、そ
の下の三角形が胸。古い「文」の字形には三角形の中に文様が描か
れている。それが古代人の「文」に込めた意味だった。文はくりか
らもんもん也。こういう解釈(by 白川静)を知ってしまうと「文」
字を見るたびに遠山の金さんの桜吹雪がちらついて困る。ぎりぎり
コンパクトに切り詰められた記号が逆にとてつもなく大きな容量の
イメージをたぐりよせる。

 それが文字力である。

 文字力というテーマを思いついたのは、京都の古書店、山崎書店
の二階「京都パラダイス」なる展示スペースにおいて、ささやかな
装幀作品展を開催したときのことだった。自作だけの展示では数も
そう多くないし面白くない、好きな古本も並べてみよう、そしてで
きるだけ文字が主役になっているような意匠に絞ってみよう、そう
いう主旨だった。

 これが予想以上に好評で気を良くした。単行本にしましょうとい
う話が持ち上がった。その結果、展示したコレクションをベースと
し、洋書を省いて、和書だけに絞り直したのがここに収めた百冊で
ある。すべて古本である、と言いたいところだが、百冊の内の一冊
だけは新刊で求めた。残り九十九冊は正真正銘の古書である。

 本の写真と解説を見開きでレイアウトしたが、この解説には少々
難渋した。解説を書くためにほぼ百冊すべてを読むはめになった。
私は以前から「本は読む物ではない」と主張しており、その主張を
実行してきたのであるが、今回ばかりは「本は読むこともできるの
だ」と再認識しないわけにはいかなかった。ただ、そのおかげで文
字が集合体として意味を伝える力やその方法、言い換えれば、近代
における文章の魅力や表現の変遷を改めて知る好い機会となったよ
うに思う。

 とにかくも、集め、選び、写真を撮って、解説を書く、『文字力
100』をつくる過程において存分に遊ばせてもらった。その愉し
みが読者の方々にも伝わることを願う。古書店の均一台を前にして
「お、これは文字力だ!」などとつぶやいていただければ、思うツ
ボ、あ、いや、著者冥利に尽きるというものである。

■林哲夫 はやしてつお■

1955年生まれ。画家。著書に、
『古本デッサン帳』(青弓社、2001)
『古本スケッチ帳』(青弓社、2002)
『喫茶店の時代』(編集工房ノア、2002
第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞)
『歸らざる風景ー林哲夫美術論集』(みずのわ出版、2005)
など。

■『文字力100』■

著者:林哲夫
(ブログ「デイリー・スムース」 http://sumus.exblog.jp/ )
発行:みずのわ出版( http://www.mizunowa.com/index.html )
   2006年6月発行
定価:1,890円(本体:1,800円)
ISBN:4-944173-39-3 C0095
判型:新書判
頁数:205ページ

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■イベントのお知らせ■
  
◇◆◇第21回早稲田青空古本祭◇◆◇

早稲田古書店街が送る年に一度の大バーゲンセール、早稲田青空
古本祭は本年も10月1日より開催です。随時追加補充で延べ30
万冊が並びます。また、古本祭会場にて千円以上お求めのお客様
には、古書店街で使える1割引券を差し上げております。会期中
のみ何度でもご利用いただける1割引券を是非ご利用頂きまして、
会場のみならず、古書店街全体の盛り上がりも是非ご体感下さい。

日にち / 10月1日(日)~10月6日(金)
場所  / 穴八幡宮境内(早稲田大学文学部前)
時間  / 10:00~19:00(最終日は17時で終了します)
詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://d.hatena.ne.jp/w-aozora

お問い合わせは早稲田青空古本祭広報部 渥美書房 渥美匡雄まで
住所 / 〒169-0051 新宿区西早稲田3-15-1
電話 / 03-3203-1027
メール/ atsumi@kosho.ne.jp
営業時間 / 10:00~19:00 日曜定休

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◇◆◇中澤弘光ブックデザイン展◇◆◇

 今を去る55年も前、昭和25年発行の『新小説』という雑誌上
で、鏑木清方はこのように懐古しています。

 「今の人は知らないだろうが、この時分(明治末期~大正初期)
の中澤氏の、出版文化の上の業蹟は著しいものだった。鑑賞者の心
に泌々と滲み透る、詩歌的な、浪漫的な、その境地は何人も追随す
ることの出来ない独自なものであった」と。

 すでに50年も前に「今の人は知らないだろう」と懐かしがられ
ている中澤弘光です。たしかに彼が華々しい活躍をしたのは、現在
からおよそ1世紀前、100年も昔のことでした。そして清方の言
う「何人も追随することの出来ない独自な」「詩歌的な、浪漫的な、
境地」を、その装丁本、原画を通してたっぷりとご覧ください。

日にち / 10月15日(日)~10月21日(土)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 10:00~18:00
主催  / 弦屋光溪(版画家)
後援  / 東京都古書籍商業協同組合
問い合わせ先 / 山田書店 03-3295-0252 

期間内に多数イベントがございます。

◆ギャラリー・トーク
 「明治後期の装幀本-弘光・非水・五葉・夢二-」
日にち / 10月15日(日)
場所  / 東京古書会館2階ギャラリー
時間  / 15:00~
佐藤光信氏(平木浮世絵美術館館長)×弦屋光溪氏(版画家)

○●○アンダーグラウンド・ブック・カフェ
(10月15日~17日東京古書会館地下ホールにて開催)○●○

詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

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◇◆◇第47回東京名物神田古本まつり◇◆◇

昭和35年に初めて開催された『神田古本まつり』も、本年で
第47回になります。
今年は専修大学前交差点から三省堂書店前まで、靖国通り沿いを
100万冊の古書が埋め尽くします。今年も賑々しく開催します。
ぜひご来場ください。

日にち/ 10月27日(金)~11月1日(水)
場所 / 神保町古書店街・東京古書会館B1F
問い合わせ先 / 悠久堂書店 03-3291-0773

☆併催イベント☆
『-池谷伊佐夫-本の街イラストめぐり』

古書通の方ならお馴染み、あのイラストレーター・池谷伊佐夫さん
の「秘蔵コレクション」を展示いたします。肉筆イラストはもちろ
ん、取材の際にメモとして使われた“内緒の話”ものっている?
スケッチブックなど、神保町好きには見逃せない愉しい展示会です。

日にち/ 10月26日(木)~10月29日(日)
場所 / 東京古書会館2F情報コーナー
問い合わせ先 / 中野書店 中野知之 03-3261-3522

「本の街・神田神保町」のポータルサイト
【BOOK TOWN じんぼう】http://jimbou.info

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■日本の古本屋 即売展情報■

9月~11月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

最新情報をご確認下さい。

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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその47 2006.9.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合 広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その46 8月24日号

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     。.☆.:* その46・8月24日号 *:.☆. 。
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◆INDEX◆
1.自著を語るその19・『本の手帳』を創刊する
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、今回は大貫伸樹氏に『本の手帳』創刊号
(本の手帳社)について語って頂きました。

■『本の手帳』を創刊する■

「無類の本好き」を自称する二人が小さな雑誌「本の手帳」を創刊
することになった。
 本好きといっても、本をただ読むだけではなく、書物や書物の周
辺のものを集め、それらをモノとして「愛で」、「観察」し、「考
察」を加える。この三拍子そろった書物フェティシズムぶりが二人
の共通項といえそうだ。
 発行するきっかけは、私たち二人が長い間寄稿させていただいて
きた「紙魚の手帳」を主宰していた多川精一さんから、ご高齢のた
め「全面的に委譲したいのだが引き受けてくれまいか」と打診され
たことから始まった。しかし、具体的に引受け作業をしていくと、
小冊子にしてはあまりにも負債額が大きく、返済困難と思われその
まま引継ぐというわけにはいかなかった。混乱を避けるため、やむ
を得ず新名称「本の手帳」で創刊することになった。

 引き継ぎの話が出たとき、田中栞さんが「わたしは編集長をやる
から、大貫さんは社長をやってよ」という一言で人事が決定。反論
もせず、ぼやぼやしているうちに慣れない経営雑務から編集雑務、
営業雑務などをやらざるを得なくなる。きっとこれが出版社の社長
の仕事なのだろう。
 執筆や編集は多少の経験があるが、一介のブックデザイナーでし
かない私が、たとえ小出版社といえども社長を引き受けるなどとは
まさに青天の霹靂で、本は一体どうやって売るのか?ということす
らも知らない体たらくなのだ。「紙魚の手帳」の実績があるではな
いかとおっしゃるかも知れないが、売り上げはわずか百数十名の定
期購読料だけしかなかったので、この営業方法を引き継いだのでは、
創刊号のみで即廃刊になってしまう。

 かつて8号で廃刊になってしまった中年口論社刊、気刊「中年ジ
ャンプ」の発行をしたことがあるが、これは経験というにはあまり
にもお粗末。なにしろ気が向いたら発行する「気刊」誌であり、お
まけに予約購読料は奉納金と称して一度収めた予約金は返金しない、
を建前としているなど、世間の常識が通らないだけではなく、発行
者側の勝手ばかりがまかり通っていたからだ。それでも1000部
発行していたのだから驚きだ。
 さりとて、尻を捲って「ヤーメタ」というわけにもいかない事情
が発生してしまった。あっという間に定期購読料が50万円を超え
て集まってしまったのだ。中にはありがたい事に2万円もの大金を
振り込んでいただいた篤志家も数名いた。年2回発行としたら10
年分にあたる。ブタもおだてりゃなんとやら、で、こんなエールに
はめっきり弱いお調子者だから、ついつい先の事など考えずに、次
の号も出して見ようかな、てなことになる。

 私たちの実質的な創刊号は「おしゃれな蔵書票」を特集した「紙
魚の手帳」36号で、田中栞さんが一人で編集をやった。いざ印刷
が終って納品されると多川さんからは「印刷代などの経費は出せな
い」といわれ、マッチ売りの少女ならぬ「ブック売りのおじさん」
よろしく出来上がった本を売りまわり、自分たちで支払いをしなけ
ればならなくなった。
 これが、私たちが「本の手帳」を発刊するにいたった直接の動機
といってもよい。書店巡りでの米つきバッタやイベント会場での売
り子さんなど、貴重なフィールドワークを初体験する。
 「紙魚の手帳」36号は、それまでの「紙魚の手帳」の10倍近
い部数を売って(今も売り続けているが)思いのほか健闘した。し
かし、情けないかな経験がない事が発行部数の読みの甘さに表れ、
たくさん刷り過ぎてしまった。「これくらい売れたらいいのになぁ」
という夢の部数を印刷してしまったのだ。

 そんなプレ創刊号ともいうべき「紙魚の手帳」36号での失敗を
しっかり学習して、「本の手帳」創刊号では、半分近くまで発行部
数を減らした。猪突猛進の田中編集長は前号の企画好評に気を良く
したのか、またも「蔵書票まつり」という特集を組んだ。そしてま
た第3号でも蔵書票の特集号を出す、と宣言している。頭の中は蔵
書票一色なのか。一度口に出したら決して引っ込めない栞流だから、
倒産でもしない限りそうなるだろう。
 その間、「第2号は大貫さん一人で全部書いたら」というのが、
編集長から出された企画案だ。そう言えば私には、自ら買って出て
編集長を体験した「紙魚の手帳」30号の「編集の現場より」では、
創刊以来初めて在庫ゼロ号を編集したという輝かしい伝説を打ち立
てた実績がある。この際だから、柳の下のドジョウ企画「編集者た
ちのマイブーム」を特集して新しい伝説を作ってやるか。成功すれ
ば社長兼編集長へと一気に出世するはず。

 自己主張だけは人一倍強い二人、経営センスにも金銭感覚にも疎
い二人が出版社をやろうなんて、出版社を興せば自分の好きな企画
で好きな事が書けるはず、と勘違いして始めたに違いない。
 『古本屋の女房』(平凡社、2004)こと田中栞と、『装丁探
索』(平凡社、2003年)屋の大貫伸樹が、二人三脚で繰り出す
小冊子。果たして足並み揃えてどこまで走る事が出来るのか、実況
版顛末記を篤とご覧あれ。乞うご期待。乞うご購読。
 「本の手帳」創刊号、A5判48頁、840円(税込み)。呂古
書房、書肆アクセス、東京堂などで発売中。

■大貫伸樹 おおぬきしんじゅ■

1949年、茨城県常陸大宮市生まれ。
東京造形大学デザイン科卒業。
(有)大貫デザイン事務所代表。日本出版学会会員。
東京製本倶楽部会員。日本図書設計家協会会員。
毎日カルチャーシティ、さいたま文学館、東京古書会館、中京大学、
東京造形大学などで多数講演。11月3日、三岸節子美術館で講演
予定。NHKテレビ「美の壺」出演、10月放映予定。
主な著書に『装丁探索』(平凡社、2003年)、
『製本探索』(印刷学会出版部、2004年)、
『装丁散策』(胡蝶の会、2004年)、「本の手帳」主宰など。
2004年ゲスナー賞銀賞受賞、2004年造本装幀コンクール
日本書籍出版協会理事長賞受賞。

蔵書票楽会 http://blogs.yahoo.co.jp/higetotyonmage
造本探検隊 http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/

■『本の手帳』創刊号■

編集制作:大貫伸樹・田中栞
(田中栞さんブログ→ http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111 )
発行:本の手帳社
 〒160-0004
   新宿区四谷4-24 中島第一ビル9F-C
   大貫デザイン事務所方 
   電話:03-3355-4769
   FAX:03-3225-0957
   2006年7月発行
定価:840円(本体:800円)
判型:A5判
頁数:48ページ

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

8月~10月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
最新情報をご確認下さい。

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
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【バックナンバーコーナー】

http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2006年9月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその46 2006.8.24

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・事業部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:中野照司 藤原栄志郎
    事業部:田中隆志
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その45 8月9日号

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    。.☆.:*  その45・8月9日号  *:.☆. 。
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◆INDEX◆
1.現代古本屋の研究 連載4「最近の古書即売会事情」(最終回)
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■お知らせ■

 この企画「現代古本屋の研究」は、古書と読者をつなぐ情報誌の
日本古書通信社が「今後の古本屋の在るべき姿を模索するために、
4つのテーマを決めて、全国の古書店主たちから、そのお考えを聞
く」ことを目的に同誌に掲載されました。
 その考えに共鳴して、全国の組合員の古書店主達が、お忙しい中
ご自分の経験をもとに、渾身の原稿を寄せて下さいました。
 今回のテーマは、連載4「最近の古書即売会事情」で、9人の古
書店主の文章と、読者として瀬川茜先生に寄稿していただきました。
ぜひご一読下さい。

 尚、今回で「現代古本屋の研究」の連載は終了です。延べ四十名
の方が執筆してくださいました。改めて深く感謝いたします。

・其中堂           三浦了三
・矢野書房          矢野龍三
・三松堂書店         松本公生
・日月堂           佐藤真砂
・古書現世          向井透史
・西秋書店          西秋 学
・古書りぶる・りべろ     川口秀彦
・ポラン書房         石田恭介
・山猫館書房         水野真由美
・文化学院          瀬川 茜
 (敬称略)   

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◇◆◇縁日のにぎわいは昔日の彼方
                  京都・其中堂 三浦了三◇◆◇
 
 早いもので京都古書研究会主催の百万遍古本まつりが、今年の秋、
第30回を迎える事になった。店の手伝いで店番したのが、大学1
年の時で、27年前のことになる。当時は、石畳の参道に一軒当た
り出店台が3台、約60台ほどの出店量でも、十分に「まつり」で
あり、縁日のにぎわいであった。近年は、境内全域を使い、一軒当
たり最低10台、軽く4倍くらいの本の量に増加している。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=937

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇「モダン古書展」のことなど
                 大阪・矢野書房 矢野龍三◇◆◇
 
 小店は平均して年に五~六回の即売会に参加しています。大阪古
書組合主催のものから数店の有志によるものまで形態は様々です。
会場も組合のフロア、百貨店、又は大阪天満宮境内など野外での催
しとバラエティに富んでいます。どの会場でも必ずといっていいほ
ど耳にするのが「即売会で売れなくなった」「昔は初日だけで○万
円は売れたのに、最近では…」という古書店の嘆きの声です。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=937

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◇◆◇動かなくなったお客様
               名古屋・三松堂書店 松本公生◇◆◇
 
 私は大学を卒業してから2年間神保町の大雲堂書店で修業して、
昭和48年に父が営業していた店を手伝うようになりました。修業
した店が店売り主体だった所為もあるのでしょうが、私も店頭販売
に力を入れました。その頃は店売りが大変活発な時代で、入ったも
のはすべて店頭で売っておりました。そのせいか東京・大阪など地
方からも随分お客様に来ていただき、お茶を飲みながら古本談義を
したりして、時間に余裕もあり楽しい時代でした。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=951

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◇◆◇イベントの位置づけ―独断の是非
                  青山・日月堂 佐藤真砂◇◆◇

 二〇〇一年「女性古書店主たちのつくる棚」、〇二年「旅する絵
葉書」「雑誌マニア」、〇三年「ウルトラモダン」、〇四年「ムラ
カミ家のモノに見る昭和史」「印刷解体」、〇五年「印刷解体vo
l・2」、〇六年「学校用品店」。これが、あるギャラリーを会場
に、これまで手掛けてきた「企画展」である。今秋には「印刷解体
vol・3」の開催が既に決定している。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=939

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◇◆◇パソコンの中の「古本市」という物語
                早稲田・古書現世 向井透史◇◆◇

 早稲田の古本市と言えば、月に一度のビッグボックス古本市と、
年に一度の早稲田青空古本市である。いきなりに、しかも参加して
いる自分が言うのもなんなのだが、早稲田系の即売会(特にビッグ
ボックス)は新しい本が多いので、「古書通信」をお読みのような、
昔ながらの古書ファン層には物足りないのではないかと思う。かつ
ては黒っぽい本も多い即売会だったのだが、今はひたすら白い。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=941

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇開拓の余地あり
                 神田・西秋書店 西秋 学◇◆◇

 「アンダーグラウンド・ブック・カフェ 地下室の古書展」(以
下UBC)は二〇〇三年十月から始まった新しい古書展である。同
年七月に東京古書会館がリニューアルオープンした。「箱」が新し
くなったのなら、「中身」もと、既存とは違う古書展を目指した。
地下の会場は多目的ホールとして、音響、照明、スクリーン、額展
示用のレールなどの設備が設けられた。これらの立派な設備をフル
に使えば、おのずと新しいスタイルになるはず。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=943

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◇◆◇古書即売会の様々な展開―ブックバザールの試みを中心に―
           吉祥寺・古書りぶる・りべろ 川口秀彦◇◆◇

 現在私が定期的に参加している古書即売会は、目録を発行するも
のでは、東京古書会館のぐろりや会(年六回)、南部古書会館の本
の散歩展(年二回)、銀座松坂屋で開かれることになったブックバ
ザール(年一~二回)、目録を発行しないもので新宿西口古本まつ
り(年二回)と平安堂長野店古書まつり(年二~三回)の五種類あ
る。それぞれが他の即売展にない特徴を持って展開している。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=945

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇ブックバザールへようこそ
                練馬・ポラン書房 石田恭介◇◆◇

 一年以上前のことですが、井上ひさし氏の講演を聞く機会に恵ま
れました。本のバザールを通して知り合った明治大学のサークル
「絵本工房」の学生さんといっしょでした。井上氏は、―汚濁に満
ち満ちている昨今、目も耳も塞ぎたいような事件ばかりのようだけ
れども、暗い激流の中にいくつもの小さな島ができているのを見逃
してはならない。弱い人に手を貸すというほんの少しの思いやりが
島をつくる。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=939

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◇◆◇即売会は観察される場である
               前橋・山猫館書房 水野真由美◇◆◇

 開店から二五年間、参加している即売会は、ほぼ群馬県内に限ら
れる。会場は市街地の百貨店、スーパー、郊外の大型店、新刊書店
などだ。それぞれ売れ筋が違うため在庫の負担は大きいが、お声が
掛かれば何でもやる。店も文学書や美術書が多い程度の普通の町の
古本屋である。その範囲で感じる即売会の変化はどんなことがある
だろう?ここでは参加店で合同目録を発行している百貨店催事につ
いて考えてみたい。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=947

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇がんばれ!古書業界!
              神田駿河台 文化学院 瀬川 茜◇◆◇

 総てのものがその組み立てを根元から見直さねばならぬこの時代
に、私達は何をその「柱」としたら良いのか。古来日本独自の文化
として学問のみならず人々の生活に貢献してきた古書の世界が、そ
の伝統をくずされ、本来の働きが変質しようとしています。今こそ
「本」というものはいかなるものか、あらゆる淘汰を生きのびてき
た古書のもつ価値とはなんであるのか問いなおさねばなりません。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=949

☆次回のメルマガ『自著を語る』は、ブックデザイナー・大貫伸樹
さんの「本の手帳 創刊号」(A5判 48頁 840円
発行:本の手帳社 発売中)です。
大貫伸樹さんブログ→ http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/  

ご期待下さい!

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、・郵便番号・住所
・氏名・電話番号を明記し、郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

8月~10月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
最新情報をご確認下さい。
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日本の古本屋メールマガジンその45 2006.8.9

【発行】 東京都古書籍商業協同組合 広報部・事業部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail: melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL: http://www.kosho.or.jp/

【発行者】広報部:中野照司 藤原栄志郎
     事業部:田中隆志
     TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その44 7月26日号

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◆INDEX◆
1.自著を語るその18・『書斎一期一会』 
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、今回は内澤旬子氏に「センセイの書斎」
(幻戯書房 http://www.genkishobou.com/ )
について語って頂きました。

■書斎一期一会■

 私の仕事場は住居を兼ねているのだが、住人である私ともう一人
以外、猫一匹も入る余地が無い。本がホコリとともに積み上がって
いるのだ。肝心なときに目当ての本が見つからないこともしょっち
ゅう。
 そういう私が書斎の本を上梓するとは、まったくもって恐れ多い
話である。
『センセイの書斎 イラストルポ本のある仕事場』(幻戯書房)は、
自分の書斎で築き上げた書斎論なんてものはまるでなくて、本を沢
山使いこなす先生方三十一人(書店と図書館含む)の書斎にずかずか
と踏み込んで、くまなく測量し、すみずみまでほじくりかえし、思
い入れある本を眺めて脂下がる(失礼!)姿まで描きつけ、書斎の奥
義を探り出させていただいたものである。
 
 こんなつもりじゃなかった!と内心舌打ちされた先生もいらした
かもしれない。しかしとにかくご自分の書斎を公開することを快諾
してくださり、長時間の取材に応じてくださった先生方には感謝し
てもしきれない。そして見せていただいておいて変だが本当によく
見せる気になって下ったものだと、今更ながらに思う。
 実は書斎取材をお願いした先生方のすべてが取材を受けてくださ
ったわけではない。断られることのほうが多かったくらいなのだ。
理由は大きく分けると二つあった。一つは体調を崩している、かた
ずける暇が無いなどなど、「ちゃんとした書斎」ならば見せてもい
いかもと思いながら、なんらかの理由で書斎がご本人の理想から程
遠い姿になっているから。この場合には、事務所の移転や改装、引
越しなどの理由で、たまたま書棚の整理がついたときにうまく当た
れば、書斎を見せていただける可能性がある。
 
 二つ目は、書斎は他人に見せるものではないという主義だから。
この理由を覆すのはかなり難しい。「見せるものではない」という
言葉には、「蔵書を自慢しているように思われたくない」という謙
遜の気持ちがあるようだ。
 買った本を並べることには、単に仕事道具や好きなものを並べる
だけでない意味が出てしまうのだ。依頼を出した方はみなさん素晴
らしい業績を積み上げていらっしゃる一流の仕事人なのだから、蔵
書と知性を誇示するのにふさわしい方々ばかりなのだが。
 ところがそういう思いも、一生続くとは限らない。「もう(まあ)
いいか」と消えたり薄まったりする時期があるようなのだ。先生方
を取材していて、今ここに自分が入ることを許されているのは、書
斎を見せてもいいかと思う時期にたまたま依頼が当たったからであ
り、時期が合わなければ門前払いされていたなと思うことが、何度
もあった。
 
 そんなわけで、一度取材を断られた方でもこれから先、ひょっこ
り見せていただけるかもしれないと、今も思っている。
 かように苦労して、出会うべくして出会えた、たくさんの素敵な
書斎を取材したにもかかわらず、自分の仕事部屋に活かされた書斎
術は、悲しくなるくらい少ない。この本を読み、あのやり方を早速
取り入れた、などという感想をいただくたび、とても嬉しく思うと
同時に自分もなんとかせねばと、焦っている。上野千鶴子式著者五
十音順三段重ねも、米原万里子式ファイリング術も、絶対真似しよ
うと試みたが挫折した。津野海太郎・辛淑玉式に本を必要な部分だ
け破って保管することもできなかった。そして志しているわけでは
ないのだが(すいません!!)、佐高信式に日々刻々と近づきつつある。
どういう状態なのか知りたい方は、どうか本を買ってご覧下さいま
せ。

■内澤旬子 うちざわじゅんこ■

1967年東京生まれ。
イラストルポライター。
緻密な画力と旺盛な行動力を持ち、世界各国の図書館、印刷所、
トイレ、食肉市場などのさまざまな「現場」を取材してきた。
また、「CRAFT碧鱗堂BOOKS」を主宰し、本づくりの
ワークショップを行っている。
共著に『印刷に恋して』松田哲夫・文(晶文社・第3回ゲスナー賞
「本の本」部門銀賞受賞)、『「本」に恋して』松田哲夫・文
(新潮社)、『東方見便録』斎藤政喜・文(文春文庫)などがある。

■『センセイの書斎』■

著者:内澤旬子( http://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/ )
発行:幻戯書房( http://www.genkishobou.com/ )
   2006年5月発行
定価:2,310円(本体:2,200円)
ISBN:4-901998-16-1
判型:A5判
頁数:168ページ

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■

7月~9月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
最新情報をご確認下さい。

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日本の古本屋メールマガジンその44 2006.7.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・事業部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:中野照司 藤原栄志郎
    事業部:田中隆志
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日本の古本屋メールマガジン  その43 7月5日号

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◆INDEX◆
1.現代古本屋の研究 連載3「取り扱い商品の選択」
                 -流れに乗るか乗らないか-
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■お知らせ■

 この企画「現代古本屋の研究」は、古書と読者をつなぐ情報誌の
日本古書通信社が「今後の古本屋の在るべき姿を模索するために、
4つのテーマを決めて、全国の古書店主たちから、そのお考えを聞
く」ことを目的に同誌に掲載されました。
 その考えに共鳴して、全国の組合員の古書店主達が、お忙しい中
ご自分の経験をもとに、渾身の原稿を寄せて下さいました。
 今回のテーマは、連載3「取り扱い商品の選択」-流れに乗るか
乗らないか-で、12人の古書店主の文章です。ぜひご一読下さい。

・港や書店          中村一也 
・ブンケン・ロック・サイド  山田玲子
・日月堂           佐藤真砂
・よみた屋          澄田喜広
・芳林文庫          島田克己
・二の橋書店         田中貢
・羊頭書房          河野宏
・呂古書房          西尾浩子
・サッポロ堂書店       石原誠
・古書 音羽館        広瀬洋一
・古書 西村文生堂      西村康樹
・石神井書林         内堀弘
 (敬称略)   

「現代古本屋の研究」次号は8月上旬予定です。

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◇◆◇買えたものが商品
                文京・港や書店 中村一也◇◆◇

 建築史・土木史専門の目録販売を始めて丸十年になります。開業
当初はよく「いいジャンルを選んだね」とか「建築書とは考えたね」
とか、何か周到なマーケティングの末に専門を選んだかのような過
大評価をいただいたものですが、それは大きな誤解で、売れるもの
に対する目配りのようなものが当時の私にあったのかというと、全
く無かったのです。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=912

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇ロックしかなかったから
       神田・ブンケン・ロック・サイド 山田玲子◇◆◇

 ロックの洗礼を受けたのは小5の春だった。近所のレコード屋か
ら流れていたドアーズに、ハートに火をつけられてから30年、ハ
ートの火は消えぬままに、現在私はロック関連の雑誌、写真集、書
籍を扱う古本屋を営んでいる。生まれた家が古本屋だったが、まる
で興味がなかったので、まして子供のころに、自分が古本屋を天職
にしようなどとは考えていなかった。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=914

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇ブームの光景
                青山・日月堂 佐藤真砂◇◆◇

 昨今、古本屋がブームであるという。実に喜ばしいことであり、
これは面白いことになるに違いないと、つい最近までそう思ってい
た。堂々として築かれてきた古本屋の王道という大樹の幹に、他所
からの価値観という枝葉が加われば、古本屋は多様化し、売れ筋も
多様化し、従って市場にはこれまで出てこなかったようなモノまで
もが出てくるようになり、しかもそれぞれにちゃんと札が入って、
売り手も買い手も、そしてお客様もみんなバラ色!…

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=916

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇次の時代のために
              吉祥寺・よみた屋 澄田喜広◇◆◇

 よみた屋では「時代に寄り添いつつも、次の時代のために今の流
れとは別の選択肢を用意する」というコンセプトを持っている。商
売なのだから、売れる商品を扱うのは当たり前だ。売れ行きを度外
視して在庫する物もあるだろうが、経営戦略の中であえてそうする
のであって、売れない物ばかり置いていたら、お店は成り立たない。
けれども、売れ筋品は誰とてもほしいので、古書市場などでもおい
それと買わせてはもらえない。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=918

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇“探偵趣味”一筋
               杉並・芳林文庫 島田克己◇◆◇

 手元にある当店目録『芳林文庫古書目録』第一号・二号(共に
‘89)の後段に当店の“主要取扱い書物”として
1・大衆文芸書(a.探偵小説・b.SF小説……e.児童書……)
2・勝負事関係書(a.将棋……)
3・その他古書一般
が挙げられている。開業二年目に発行した20頁程の目録ではある
が、記録によると全体の六割程が売れた。しかしその内訳は圧倒的
に“探偵小説”と“児童書”であった。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=920

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◇◆◇蒐集の虜に
              町田・二の橋書店 田中 貢◇◆◇

 明治生れの父は鼈甲加工の居職人で、仕事をやりながら俳句を捻
っていた。臼田亜浪氏に師事していた。ある句会で父の句が碧梧桐
さんに天として抜かれ奉書紙に書いて頂いた。唯一の自慢話。句集
も蒐集していた。鼈甲がセルロイドに代り不況も手伝い、仕事がな
くなり昭和五年古本屋になった。戦後浅草で疎開して焼けなかった
本を基に再開した。俳書室という狭いコーナーを設けて俳句関係書
を展示した。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=922

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◇◆◇注文を創り出す
               神田・羊頭書房 河野 宏◇◆◇

 古本という商品を考えた時、仕入れと販売の面から次のように分
けられると思っています。つまり、
 仕入れやすく、売りやすい本
 仕入れやすく、売りにくい本
 仕入れにくく、売りやすい本
 仕入れにくく、売りにくい本
の四つです。
 もちろん、現実はこのように単純に図式的には収まりません。

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◇◆◇豆本の魅力
               神田・呂古書房 西尾浩子◇◆◇

 神保町に開業して13年目になりましたが、開店当初は主に限定
本を中心とし、豆本、美術書、文学書、版画、子供絵本等々と何で
もありのまとまりのない状態でやっていました。店内が狭いため、
どのジャンルも中途半端で何ひとつコレといったものもなく、正直
この先どうしたものかと試行錯誤しながら2、3年が経ちました。
そんな時自分が好きなジャンルをするのが、長続きするものと伝授
され、かわいくて綺麗な装幀本を多く蒐集し、それが豆本でした。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=926

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◇◆◇古本屋の品格 専門の古書目録で生き残りたい
            札幌・サッポロ堂書店 石原 誠◇◆◇

 「現代古本屋の研究1、2」を読んだが、次世代の同業者が新し
い発想で当面する諸問題に向き合う姿は頼もしく、しばらくはこの
国の古本屋もなんとか大丈夫と安心した。18才で北海道を出て各
地で様々な仕事をした。ひたすら沖縄の勉強もしていて、縁あって
一九七四年から那覇で古本屋の任され店長をした。3坪ほどの小さ
な店だったが、沖縄人の側に身を置いた2年間は後のわたしの原点
となる日々だった。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=920

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇『街の古本屋』のスタイル
             西荻・古書 音羽館 広瀬洋一◇◆◇

 「古書一般」特に専門分野を持たない古本屋は古書店地図にこう
書いてあるものだ。当店も紛れもなくこのタイプである。15坪に
満たない店内にもかかわらず、漫画、文庫から硬めの人文書までひ
と通りある。地元で仕入れ地元で販売するサイクルをかろうじて維
持している以上、地域のニーズを反映した店づくりは欠かせない訳
で、よろず屋的な品揃えは街の古本屋のスタンダードだと思う。だ
が、ただ「古書一般」ではつまらない。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=928

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◆◇10年前とは全然ちがう
            大田・古書西村文生堂 西村康樹◇◆◇

 僕はキャリア13年、古本屋をやっているが、どの様な品物を集
めるかという事には常に悩んでいる。ちょっと売り上げが落ちてく
るとまず考えるのが、品物のセンスが悪いのでは……という事だ。
当然これは言えていて、10年前と今では売れ筋が全然違う。毎年
毎年、一日一日、世の中の求めるモノは少しずつだが変わっている。
しかし僕らの頭の中の古本知識や商売スタイルは、そんなに小回り
がきいていない。

続きはこちらへ→ /wppost/plg_WpPost_post.php?postid=930

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◇◆◇夜更けの谷中で思ったこと
              練馬・石神井書林 内堀 弘◇◆◇

 五月十四日の夜、千駄木の「古書ほうろう」で小さなイベントが
あった。映画書の専門で知られる稲垣書店の中山信如さんを囲む集
まりだ。打ち上げの会もはねて、夜更けの谷中銀座を日暮里駅まで
一緒に歩いた。ふと、中山さんが「鶉屋に寄っていくか」、そう言
って路地を曲がった。二十五年前、私は出来上がったばかりの古書
目録第一号を持ってこの店を訪ねた。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、・郵便番号・住所
・氏名・電話番号を明記し、郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋 即売展情報■

7月~9月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
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日本の古本屋メールマガジンその43 2006.7.5

【発行】 東京都古書籍商業協同組合 広報部・事業部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail: melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL: http://www.kosho.or.jp/

【発行者】広報部:中野照司 藤原栄志郎
     事業部:田中隆志
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◇◆◇平成18年度 明治古典会七夕古書大入札会◇◆◇
   ( http://www.meijikotenkai.com/2006/ )

       ~~紙文化大博覧会~~ 

     いよいよ明後日7日からスタート!

毎年恒例の明治古典会七夕古書大入札会が東京古書会館にて開催
されます。
本オークションは、普段は資格を持つ業者しか出入りができない
東京古書会館の市会場に、一般の方もご入場いただける限られた
機会です。

当日は平安時代より現代までの書籍、書簡、原稿などをはじめ、
戦後の少年雑誌や映画ポスターまで、2,000点を超える文化
資料が一堂に会します。

■主な出品物■

一昨年は坂本龍馬の自筆書状、昨年は「五箇条の御誓文」起草稿
と、毎年価値ある文化資料が出品され世の中の関心を集めてきた
オークション。
今年も下記の品々を中心に興味深いラインアップです。
「ペコちゃんポコちゃん誕生記録関連資料」は、不二家の宣伝課
担当者が昭和27年より旧蔵していたもので、いまや国民レベルで
馴染みのあるペコちゃんの写真や初期の人形、デザインスケッチ帳
などを含みます。ペコちゃんが、戦後間もない時期に誕生した際の
様子を伝える貴重な資料です。
また「大坂落城瓦版」は、1615年に刷られた最も古い瓦版。
いわば「新聞」の走りと言えます。江戸時代に作られた複製でさえ
珍しいのですが、今回は原本と複製の双幅仕立てにしてあります。
その他、森鴎外が自作“高瀬舟”などを解説した「近業解題」の
草稿、芥川龍之介の短編「山鴫」の草稿、萩原朔太郎の処女詩集
であり代表作でもある「月に吠える」の初版無削除本など貴重な
文化資料の出品が数多く予定されております。

日時 : 下見展観日(一般の方もご入場出来ます)
7日(金)10:00~18:00
8日(土)10:00~18:00
  
入札会(業者のみ):9日(日)

場所 : 東京古書会館(東京都千代田区神田小川町3-22)
主催 : 明治古典会 (東京都古書籍商業協同組合内)       
お問い合わせ先 : info@meijikotenkai.com
URL : http://www.meijikotenkai.com/2006/

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