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日本の古本屋メールマガジン その62 12月25日号

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☆INDEX☆
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 1. 自著を語る その28『続和本入門 江戸の本屋と本づくり』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3. 日本の古本屋即売展情報

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本年もインターネット「日本の古本屋」をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございました。おかげさまで皆様からたくさんの
ご注文を頂戴いただくことができました。
 インターネット「日本の古本屋」では古典籍から現代の本まで、
全国の古書店が新入荷品を毎日更新しております。どうぞ明年も
いっそうのご愛顧をいただけますよう宜しくお願い申し上げます。
 今月の自著を語るは『続和本入門』(橋口侯之介・平凡社)です。
2005年に出た前著『和本入門』は、和本の世界をわかりやすく
紹介した好著として大変話題になりました。
その第二弾が刊行となりました。

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■続和本入門 江戸の本屋と本づくり■

                  誠心堂書店・橋口 侯之介

有史以来、明治初めまで日本でつくられた書物を総称して「和本」
という。現在でも古書店の店頭でよく見かけるのは、江戸期の間に
大きく発展したことと、書物を残す努力を続けてきたことが理由と
してあげられる。その結果、世界的に見ても稀有なほど古い書物の
残る国になった。

前著の『和本入門 千年生きる書物の世界』(平成十七年、平凡社)
では、その和本の歴史や見かたを古書店主の経験をもとにわかりや
すくまとめた。しかし、入門というと、形式や装訂などの形から入
らなければならず、どうしても本を物としてとらえてしまう。ほん
とうの本の楽しさは、そのようなフィジカルな側面でなく、そこに
かかわる人間のメンタリティー部分を知ることにある。
わたし自身も、当時本をどのように作り、売り、読んだのかなど、
知りたいことがたくさんあった。それを、本屋の目で見たのが今度
の『続和本入門 江戸の本屋と本づくり』である。

江戸期の書肆は、本屋仲間という同業者組織をつくって活動したが、
個々の店では、出版から新刊書販売、卸などのほかに、古本業務も
同時にこなしていた。江戸の古本屋というのは、本屋の一営業部門
だったのだ。本屋仲間は、江戸、京都、大坂にそれぞれ古書の市を
開いていて、活発な流通がはかられていた。仲間加入の本屋は自由
に本を出品でき、そこから買うことができた。
市場は入札とフリ(せり売りの形式)で行なわれていて、売り手か
ら五分の歩金をとっていたことなど、今とまったく同じである。

仲間組織の役員たちの活動記録も残されていて、出版許可の割印を
捺す通常業務のほかに、対外的な苦情処理やら、内部の未払い金催
促などに四苦八苦している様まで記録されている。
職人たちへの手当や、出版にかかわる諸雑費などを実証的に明らか
にして、当時の出版原価計算もとってみた。すると、出版というの
は利益の薄いもので、何度も増刷してようやく元がとれる商売だっ
たことなど、現代とさして変わらない実態がわかった。それでも、
生き続けていた秘密は何なのか、そんなことも調べてみた。

このほか、本屋の公式ルートをとらない私的な出版も少なくなかっ
た。むしろその私家版にこそ歴史的に重要な本がある。また手書き
する作業を少しもいとわなかったので、写本も健在だった。それが
たくさん流通し、その影響力は大きかった。
江戸時代、全期にわたる年毎の書物成立数も調べた。これはインタ
ーネット時代になったからこそできた統計処理である。
書物を幅広く見ることと、「つくる」「売る」「読む」という多面
的な考察をすることで、日本人の書物観が見えてくる。それは現代
にも通じることである。本書では、そんな視点を提案した。
______________________________

□□続和本入門 江戸の本屋と本づくり□□

著者:橋口 侯之介
発行:平凡社( http://www.heibonsha.co.jp/ )
2007年10月発行
定価:2,310円(本体:2,200円)
ISBN:978-4-582-83376-8
判型:四六判
頁数:264頁

◇◆橋口 侯之介(はしぐち・こうのすけ)◆◇

1947年東京都生まれ。
1974年、岳父・田中十蔵の神田・誠心堂書店に入店。
1984年跡を継ぐ。
著書に『和本入門 千年生きる書物の世界』がある。
誠心堂書店HP http://seishindo.jimbou.net/

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        ▽「古本屋が書いた本」展目録
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2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
⇒ http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━━

12月~2月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその62 2007.12.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その61 11月22日号

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☆INDEX☆
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 1. 自著を語る その27『古本蘊蓄』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3. 日本の古本屋即売展情報

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早稲田、神田など都内で賑やかに開かれていた古書市も終わると、
もう初雪や木枯らしの便りが伝わってきます。
いつもインターネット「日本の古本屋」をご利用いただき、
ありがとうございます。
今月の「自著を語る」は、八木福次郎さん新著『古本蘊蓄』です。
九十二歳の八木さんは、今も日本古書通信の現役編集長。
古本の生き字引が綴ったコラム二百篇以上が一冊にまとまりました。

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■古本蘊蓄■

                 日本古書通信社・八木福次郎

 永年、雑誌の編集や出版、古書の売買を続けてきて業界歴七十年、
その間の見聞をコラムなどに書いてきた。自社の「日本古書通信」
だけでなく、他の新聞や雑誌にも書くこともあって、その数、概算
で二、三千はあるかと思う。そんなことが平凡社の編集部の人と雑
談のなかで話しが出て、手許にあったコラムのコピー五、六百をご
覧にいれると、さすがに編集のベテランである。十日ほどで、その
なかから二百五十ほどを選びだし、配列までして「これは本になる
よ」といって戻された。

 まさかと思ったが、読みなおしてみると、短いものながら、雑学
的な読物として、何とか本になりそうである。少し手を入れて出し
てもらうことにした。永年、折りにふれて、その時に話題になった
事柄や珍しい本の出現、自分なりに興味をもった本のことなどを書
いたものではあるが、現在の読者にもアピールするものが何かあり
そうに思えた。古本屋が書いたものだから、その時の古書価の入っ
たものが多い。書いた時の古書価ということでそのままにした。一
つの記録として意義があるかと思う。各項の終りに発表の年月を入
れた。

 その「古本蘊蓄」の目次の一部をあげると、百万塔陀羅尼、勅版
日本書紀、忠臣蔵の文献、富士山の噴火、錦絵一枚一銭、「西哲夢
物語」、漱石自筆の書簡、次郎長と愚庵、「羅生門」出版記念会、
藤村操の「煩悶紀」、「自由詞林」三種、荷風本の御三家、夢二本、
太宰治の本、「文芸の三越」長い書名と短い書名、ウイリアム・モ
リスのケルムスコット・プレス、立川文庫、書物関係の雑誌、本物
・贋物、手紙・はがきの希少価値、講談速記本、処女出版本、消え
た本・消された本、などなど、一篇が六、七百字で、どこから読ん
でも一項目五、六分で何か得るところがあろうかと、自画自賛のコ
ラム集である。

幸い、今月に入って再版になりました。
______________________________

□□古本蘊蓄□□

著者:八木福次郎
発行:平凡社( http://www.heibonsha.co.jp/ )
2007年10月発行
定価:2,625円(本体:2,500円)
ISBN:978-4-582-83373-7
判型:四六判
頁数:264頁

◇◆八木 福次郎(やぎ・ふくじろう)◆◇

1915年兵庫県明石市生まれ。
33年旧制加古川中学校卒業後、上京して古今書院に入社。
36年より『日本古書通信』の編集に携わる。
63年日本古書通信社代表取締役となり、今日にいたる。
主な著書に『著者別書目集覧』(川島五三郎共著、六甲書房)、
『小型本雑話』(こつう豆本)、『古本屋の手帖』『古本便利帖』
『古本屋の回想』(以上、東京堂出版)、『書国彷徨』(日本古書
通信社)、『書痴斎藤昌三と書物展望社』(平凡社)
『私の見てきた古本界70年』(スムース文庫)など多数。

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        ▽「古本屋が書いた本」展目録
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2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
⇒ http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
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日本の古本屋メールマガジンその61 2007.11.22

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail  melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
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【発行者】
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日本の古本屋メールマガジン その60 10月25日号

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☆INDEX☆
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 1. 自著を語る その26『疑似喪失感』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3. 日本の古本屋即売展情報
4. イベントのお知らせ 第48回東京名物神田古本まつり

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10月7日に東京古書会館で開催しました古書の日記念イベント
「本屋さんの現在とこれから=書肆アクセス閉店が意味するもの」
には、たくさんのお申し込みをいただきました。定員の100名を、
ぎりぎりの150名まで増やしましたが、それでも多くの方をお断り
をしなければなりませんでした。改めてお礼とお詫びを申し上げます。
尚、『書肆アクセスという店があった-神保町すずらん通り1976
-2007』が11月末に刊行されます。
詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/jinbouac/をご覧下さい。
神保町では恒例の青空古本まつりが始まります。
秋空の下、どうぞお出かけ下さい。

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■疑似喪失感■

                      鷹山堂・沖田信悦

 発端は、物故者の先輩に満州帰りのそれも古本屋をなりわいにし
ていたという話を小耳にはさんだからだ。ちょうど千葉県古書組合
の歩みを書きおえたころ(平成7年)だった。当初の調べはあくま
でも興味本位から。だが、すぐにも資料の僅少さに嫌気がさして、
長い年月、放り投げていたというのが本音である。それがまたぞろ、
息を吹き返したのはどういうわけか。

 僕が思うに、出身地に第二水俣病を発症させた「昭和電工鹿瀬
(かのせ)工場」があり、その周辺で青少年時代を過ごしたことと
無縁ではない。昭和40年の水俣病問題から工場が急ピッチで縮小
され、多くの従業員家族が故郷を後にした。いってみれば故郷離散
者の大きなうねりである。僕の場合、昭和41年に父が定年をむか
えたため当地を離れたが、心理的には同感覚であった。不遜かもし
れないが、敗戦直後の外地引揚者(とりわけそこで生まれ育った者)
にどこか似通った喪失感とでもいうのだろうか・・・・

 現在、船橋でインターネットもできない小さな古本屋を営んでい
るが、この疑似喪失感はずっと僕の心底に貼りついている。ここ数
年、地元の「郷土誌」(鹿瀬工場について)にかかわったり、放擲
していた本書のテーマに再トライさせたのだと思っている。

 申し遅れたが、本書は2005年3月「全古書連ニュース」から
2006年5月「同ニュース」に連載したものがベースになってい
る。
______________________________

□□植民地時代の古本屋たち□□
    樺太・朝鮮・台湾・満州・中華民国-空白の庶民史-

著者:沖田信悦
発行:寿郎社( http://homepage2.nifty.com/jyurousya/ )
近日刊行
定価:2,100円(本体:2,000円)
ISBN:978-4-902269-23-9 C0036
判型:四六判並製アジロ綴
頁数:192頁

◇◆沖田 信悦(おきた・しんえつ)◆◇

昭和21年新潟県生まれ
明治大学文学部卒業。昭和52年より古本屋を営む。
著書に平成8年3月『千葉県古書籍商組合略史』、
同9年10月『琥珀色の彼方-鹿瀬町とハーモニカ長屋-』がある。

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        ▽「古本屋が書いた本」展目録
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2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
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B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
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━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━━━━

10月~12月の即売展情報
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    ◇第48回東京名物神田古本まつり◇
    └───────────────┘

会期:10月26日(金)-11月1日(木)
会場:神田神保町古書店街

昭和35年に初めて開催された「神田古本まつり」も、
本年で48回になります。
今年も専大前交差点から駿河台下交差点まで、
書店と書棚に囲まれた「本の回廊」が出現!
靖国通り沿いを100万冊の古書が埋め尽くします。
ぜひ御来場ください。

 ◎併催イベント
  「~DOCUMENTARY FILM 「和本」完成披露試写会~」
   会期:10月29日(月)・30(火)上映午後6時30分~
   会場:東京古書会館地下ホール

  「和本完成記念展示会「和本の世界」
   会期:10月25日(木)-31日(水)
   会場:東京古書会館2階ギャラリー
   ※入場無料です。

日本の文化遺産であり、世界を代表する日本独自の文化である「和本」。
この世界をより身近に楽しんでもらえるよう、
東京古典会が約1年間に渡りハイビジョンにて撮影・制作した
【和本を取り巻く人々のヒューマンドキュメンタリー】です。
ゲストに荒俣宏さんを迎え(30日のみ)
業界初のドキュメンタリーフィルム”和本”の完成試写会を
上記の日程で行います。
古書会館地下ホールへも賑々しく足をお運び下さい。

詳しくは下記サイトまで
→ http://jimbou.info/

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日本の古本屋メールマガジン その59 9月21日号

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 1. 自著を語る その25『古本屋を怒らせる方法解題』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3. 日本の古本屋即売展情報

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暑い夏がようやく終わり、さわやかな季節を迎えました。読書の秋。
古本イベントも各所で開催されます。数があまり多いので、「イベ
ント特集号」を先日お届けいたしました。どうぞお出かけ下さい。
林哲夫さんの新刊『古本屋を怒らせる方法』(白水社)はこの季節
にピッタリのエッセイ集です。読めばすぐにでも古本屋歩きをした
くなること請け合いだからです。
今月の「自著を語る」はその林哲夫さんです。

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■古本屋を怒らせる方法解題■

                          林 哲夫

「古本屋を怒らせる方法」とは挑発的な書名ですね、ズバリその真
意は?

先日、このように質問されまして、言葉に詰まりました。『古本屋
を怒らせる方法』と申しましても、特別な秘策があるわけではあり
ません。商売をしている人なら誰でもが嫌がることをすれば、古本
屋さんだって怒るんだぞーという、それだけの話です。じつのとこ
ろ、怒らせる方法が分かれば、うまくつき合う方法も自然と身につ
きます。

もちろん古本屋を怒らせてばかりではありません。

 古本で遊ぶ方法
 古本と出会う方法
 古本を読み解く方法

これら三つの章に分けて三十編のエッセイを収めております。奈良
の古本屋・キトラ文庫さんが発行しておられる『coto』という雑誌
に連載させていただいた作品を中心として『日本古書通信』や『彷
書月刊』などの古書関係の媒体、同人雑誌や個人雑誌に発表したも
のに、少し長目の書き下ろしを加えてあります。大方の読者の皆様
にとっては初出も同然の内容であろうかと存じます。

『古本屋を怒らせる方法』には決して掘り出し自慢もありませんし
(あ、ほんの少々なきにしもあらず)、大それた新発見や新説も見
当たりません。なにしろ書影もありません。文章力で勝負して「古
本文学大賞」を狙ってます、というのは真っ赤なウソです。

もう長らく古本ブーム(または古本屋ブーム)と言われ、古本に関
する新刊も途切れずに出版されているのですが、今でも古本屋は敷
居が高くて入りにくい、古本屋の主人は怖い、そう思っておられる
健気(けなげ)な読書人は少なくないようです。そういう人たちに
少しでもリアルな古本屋さんたちの姿を、そして古書即売会の楽し
みを知ってもらおう、そういう意図で一冊にまとめました、という
のも真っ赤なウソです。

このメルマガをお読みの皆様ならよくよくご存知のように、古本屋
の主人というものはユニークな人が多いのです。例えば、実名で月
の輪書林さんに何度もご登場願っていますが、手前味噌ながら、月
の輪さんに関するくだりは何度読んでも笑ってしまうのです。そん
なささやかな楽しみを分かち合いたい、まあそのへんが執筆意図と
言えば言えましょうか。

そして、売る方が売る方なら、買う方も買う方です。古本を求めて
どこからともなく湧いてくる顧客たち。この人たちがまたムチャク
チャ面白いのです。とくに関西がホームグラウンドですので(そう
そう、京都の古本屋案内もチャッカリのせております)、得も言わ
れぬキャラクターがうじゃうじゃ生息しております。

 「で、おまえは?」

いや、そのご懸念ごもっともなれど、小生などあの方々の足許にも
遠く及びません。とにもかくにも一読三嘆、一怒三楽の『古本屋を
怒らせる方法』、ごひいきによろしゅうお願い申し上げます。

______________________________

□□古本屋を怒らせる方法□□
著者:林哲夫
発行:白水社( http://www.hakusuisha.co.jp/ )
2007年8月発行
定価:2,100円(本体:2,000円)
ISBN:978-4-560-03167-4
判型:四六判
頁数:244ページ

◇◆林 哲夫(はやし・てつお)◆◇

1955年香川県生まれ。画家。
1999年、岡崎武志、山本善行らと書物雑誌『sumus』を創刊。
『喫茶店の時代』で第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞。
著書に『古本デッサン帳』『文字力100』『歸らざる風景』など。

林哲夫さんブログ・デイリースムース

http://sumus.exblog.jp/

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        ▽「古本屋が書いた本」展目録
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2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
⇒ http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
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9月~11月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその59 2007.9.21

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン  その58 8月24日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1. 自著を語る その24『三度のメシより古本!』
2.「古本屋が書いた本」展目録
3. 日本の古本屋即売展情報

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┳┳┳┳┳┳┳┳┳【緊急告知】┳┳┳┳┳┳┳┳┳
   イベント案内(古本・夜の学校VOL4)
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻

■「四谷文鳥堂とは何だったのか・七十年代の本と本屋と出版社」

七十年代が生み出した伝説の書店。当時の店員と客が三十数年前の
この個性的な書店を語ります。

◇ 川口秀彦 ◇
  1946年生。薔薇十字社編集部、
  文鳥堂四谷店などを経て古書店主に。

◇ 佐伯修 ◇
  1955年生。高校時代から四谷文鳥堂に通いつめていた。
  著書に『上海自然科学研究所科』『偽史と奇書の日本史』他

┌─────────────────────────────┐
│ 日 時 : 九月四日(火曜日)午後六時~八時        │
│ 場 所 : 東京古書会館 七階会議室             │
│ 入場料 : 500円                     │
│      定員40名(まもなく満席・残席僅少です。)    │
│  URL : http://www.kosho.ne.jp/event/yagaku/vol04.htm  │
└─────────────────────────────┘

┳┳┳┳┳┳┳┳【速報・次回予告】┳┳┳┳┳┳┳
     2007年・古書の日記念イベント
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■「本屋さんの現在とこれから」
 
小さな個性派書店・書肆アクセス閉店の問題を通じて、改めて個性
的な書店の可能性・必要性を考えたいと思います。

 ゲスト
 ◇ 畠中理恵子(書肆アクセス店長)
 ◇ 永江朗(評論家)
 ◇ 田村治芳(彷書月刊編集長)

┌───────────────────────┐
│ 日 時 : 十月七日(日曜日)午後二時~四時  │
│ 場 所 : 東京古書会館 地下1階        │
│ 入場料 : 無料                │
└───────────────────────┘
詳細は近日中にご案内いたします。

————————————————————

本好きには「こつう」でお馴染みの『日本古書通信』。
その編集をしている樽見博さんが、好評だった『古本通』(平凡社
新書)に続いて『三度の飯より古本!』を上梓されました。
「明治文献はなぜ値が上がったか」「浮世絵評価の変遷」「明治百
年と初版本ブーム」など、古本の世界の奥行きの広さを堪能できる
一冊です。

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■三度目の正直■           日本古書通信社・樽見 博

昨年の『古本通』に続き本年五月、平凡社新書として『三度のメシ
より古本!』を出させて頂いた。一昨年の私家版『古本ずき』から
だと三冊目である。それぞれ古本への思いを精一杯書いたのだが、
最初の私家版はともかくとして、一般の読者向けに書いた二冊の反
響の度合いが随分と違う。『古本通』が広く受け入れられたのはビ
ギナーズラック、もとより、私に読者の要望をつかんで書くという
余裕はないし、書き上げるのにようやくであったというのが正直の
ところである。
 
今回のテーマは、明治以降の古本業界に於ける人気商品の変遷と、
人を蒐集に駆り立てる書物の持つ魅力とは何かという二つである。
経験談といよりも、書くことで私自身が確かめることが出来ればと
いう少々難しい課題であった。
浮世絵、明治文献、戦後文学初版本などの古書業界における評価
が、時代の大きな動きに連動するように変遷してきた。それを具体
的なデータで後づけることが一つ。
もう一つは、その人気の変遷に見るように、時代により人々が求
める知識や娯楽の有りようは変化するが、書物の好きな人間の行動
は、調べてみると、江戸の昔から現在まで基本的には何も変わって
いない。珍しい物への興味、一を知れば更に二、三を知りたいと広
く深くなっていく知識欲、結局書物蒐集に走る人間に共通するのは
考証癖、しかも効率性とは対極にある性である。現在ではあまり知
られていない劇作家真山青果の『随筆滝沢馬琴』という、非常に面
白くて優れた書物を軸に、馬琴や大田南畝、青果も属した集古会の
面々の考証癖と書物蒐集の関係に触れた。読みもしない調べもしな
い蒐集家も皆無ではないが、優れた蔵書家や古本屋は必ず勉強家で
あると同時に、それは調べた事実を記録しつづける事と密接に結び
ついている。その記録が、時を経ても色褪せることの無い書物随筆
や考証随筆となってきた。書物を読むこと集めること、記録すこと
も好きな者は、昔も今も、それを続けることで自らを知り、書物に
よって癒されているのだということが、一冊書き上げて確認できた
ことであった。

『古本通』は、これまで触れられることのなかった古書業界の成り
立ちや、古書市場の実際を具体的に解説し、大切にしてきた蔵書を
有効に処分する方法などについて触れた。古本の奥深さや文献調査
の醍醐味についても自分の経験を書いた。今回の『三度のメシより
古本!』はもう一歩進めて、時に寝食を忘れるほど書物蒐集に人を
駆り立てる書物の魅力や魔力について書いた。その意味で、やはり
実際的内容ではなかったのかもしれない。しかし、これは自分では
一度まとめておきたいテーマであった。どなたかが、インターネッ
トのブログで、著者は紛れもなく、古本によって癒されていること
が分かったと、書かれていたが、まったくその通りである。私にと
って難しいテーマであっただけに、何とかまとめることが出来た達
成感も大きいのだが、刊行後三ヶ月を経て改めて思うのは、私家版
ではなく、販売を目的とした本として、別の書き方もあったのかも
しれないと思う反面、三度目の正直とはなりえなかったが、この辺
が実力と諦めてもいるところである。

_______________________________

□□三度のメシより古本!□□

 著者:樽見 博
 発行:平凡社
 http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=85_375
 2007年5月発行
 定価:735円(本体:700円)
 ISBN:978-4-582-85375-9
 判型:新書判
 頁数:208ページ

◇◆樽見 博(たるみ・ひろし)◆◇
  
 昭和29年茨城県生まれ。
 法政大学法学部卒業。
 昭和54年日本古書通信社入社。以後「日本古書通信」の編集、
 「全国古本屋地図」の編纂などに従事。
 著書に、平成16年1月私家版「古本ずき」、同18年4月
 「古本通」(平凡社新書)がある。

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        ▽「古本屋が書いた本」展目録
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2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
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8月~10月の即売展情報
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■『文京の古本屋』~学術書・専門書ならお任せください~■

東京古書組合文京支部公式サイト
『文京の古本屋』がリニューアル・オープン。

学術書からサブカルチャーまで各分野専門書店45店舗が
ご案内いたします。皆様のご来店お待ちいたしております。

『文京の古本屋』
⇒ http://www.kosho.ne.jp/~bunkyo/

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日本の古本屋メールマガジンその58 2007.8.24

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
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日本の古本屋メールマガジン その57 7月25日号

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◆INDEX◆
 1.シリーズ「活字の周辺」その4 
  『四谷文鳥堂の特色』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3.日本の古本屋即売展情報

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神保町すずらん通りにある書肆アクセスが、この秋(十一月中旬)
で閉店になるというショッキングなニュースが飛び込んできました。
小さな出版社の本を扱う個性的な書店でした。三十一年になるそう
ですが、本当に残念です。七十年代に始まった試みがまた一つ幕を
閉じようとしています。四谷文鳥堂書店、ここも七十年代という時
代が生み出したような書店でした。若い店員たちがそれぞれ書棚を
任され、個性的な小出版社の書物を多く並べ、「本屋新聞」なる独
自の店内メディアを発行していました。 古本・夜の学校VOL4は、
この伝説の書店を語ります。

■「四谷文鳥堂とは何だったのか・七十年代の本と本屋と出版社」

講師 : 川口秀彦+ゲスト(予定)
(薔薇十字社編集部、文鳥堂四谷店などを経て古書店主に)
 日時 : 九月四日(火曜日)午後六時~八時
 場所 : 東京古書会館 七階会議室
 入場料 : 500円
定員50名(下記URLよりご予約下さい)

http://www.kosho.ne.jp/event/yagaku/vol04.htm

皆様のお申し込みをお待ちしております。

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■四谷文鳥堂の特色■
               古書 りぶる・りべろ 川口秀彦

 一九六〇年代の終り頃開店し二〇〇五年秋に閉店した四谷文鳥堂
は、神楽坂の上、新潮社や旺文社の傍にあった文鳥堂書店の二番目
の支店だったが、魅力ある個性的な新刊書店として、現在も一部の
本好きの人には評価の高い店である。では、その魅力、特色とは何
だったのか、同店が個性の確立をほぼ終って充実へと向かっていた
七〇年代半ばに店員だった私が、記憶していることをざっと書いて
みることにしよう。

 文鳥堂は、街の新刊屋として、取次や版元に近いという立地を活
かしながら精一杯普通の新刊屋としての努力も怠っていなかった。
経営者の理解もあって二十坪(のちに三十坪)の店とは思えぬ質の
高い品揃えをし、当時の大型店である百坪百五十坪の書店の棚と遜
色のない密度の濃い棚づくりをしていた。しかし、文鳥堂の品揃え
の特色は、取次経由で入荷する商品を並べる一般書店としてだけで
なく、ミニコミ、自主出版物を豊富に扱ったことと、ミニプレイガ
イド業務をやっていた点にもある。

 現在のようにコンビニでチケットの買える時代ではなかった。映
画などの前売券は特定の場所でしか購入できなかったのだが、文鳥
堂はその特定の場所として、洋画ファンなどによく利用されていた。
最新評判作の映画ポスターがいつも店頭を彩っていて文鳥堂の雰囲
気づくりの大きな要素となっていた。ミニコミを扱うことでは、新
宿模索舎、神田ウニタ、早稲田文献堂と並ぶ有名店だった。政治的、
文学的なものだけでなく、松尾書房の「下着と少女」シリーズも販
売するなど、硬派から軟派まで目配りした品揃えだった。

 品揃え以外の同店の特色は、外に向けては書店から読者への情報
の発信であり、内に向けては版元、他書店からの参加をつのっての
勉強会であった。何号かを重ねた「本の新聞」というタブロイド紙
には早川書店の早川義夫氏も参加していた。文鳥堂の雰囲気づくり
の一大要素であるBGMは、早川氏のジャックスや浅川マキが多く、
選曲は店長の木戸幹夫氏がしていた。

 すべての面で同店の推進力だった木戸氏は八〇年代に入って代官
山文鳥堂として独立、その後発信力は弱まったが品揃えの指向は維
持された。そこには木戸氏と共に初期の四谷店で働き、私の入店後
程なく飯田橋店店長となった斎藤孝良氏の力もあるだろう。斎藤氏
は最後の四谷店店長でもあった。

 七五年十月からの満二年、同店で新刊書店員として修業した私は、
神奈川県内の新刊屋勤めのあと、八一年七月に横浜で古本屋を開業
した。当時はたまたまの自分の経歴を売りものにする気はなかった
が、数年前吉祥寺に移転して後の業績の悪化でその禁を破ったキャ
ッチコピーを作った。「幻の出版社薔薇十字社にいた、伝説の新刊
書店四谷文鳥堂にもいた、頑固な店主の不在が多い店。」不在がち
なのは外売に追われているためである。

■川口秀彦(かわぐち・ひでひこ)■

一九四六年九州に生まれ育つ。早稲田大学文芸専攻の第一期生。
学習参考書、医学書の編集などを経て七一年から七三年まで薔薇十
字社に勤務し、その後造船関連誌の編集者。七五年に文鳥堂、七七
年から神奈川県内の書店に勤め、八一年横浜で古本屋を開業。七年
前に吉祥寺に移転し今日に至る。吉祥寺移転のきっかけは大学入学
以来の友人五味正彦氏(新宿模索舎、吉祥寺ほんコミ社の創業者)
の誘いによるものだった。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
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■日本の古本屋即売展情報■

7月~9月の即売展情報

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日本の古本屋メールマガジンその57 2007.7.25
【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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日本の古本屋メールマガジン その56 6月25日号

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◆INDEX◆
 1.自著を語るその23・『ブンブン堂のグレちゃん』
 2.「古本屋が書いた本」展目録
 3.日本の古本屋即売展情報

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東京古書会館では、今年も恒例の明治古典会七夕古書大入札会が開
催されます。選び抜かれた古書、自筆物、版画などが一堂に会し、
7月6日(金)、7日(土)の二日間は一般の方にも下見公開され
ます。今年のキャッチフレーズは「文字力、画力、ホンモノ体感」。
詳しくは明治古典会ホームページをご覧下さい。
( http://www.meijikotenkai.com/2007/ )
今月の「自著を語る」は、大阪の古本屋さんでのアルバイト体験を
絶妙のユーモアとペーソスで描き上げた『ブンブン堂のグレちゃん』
の著者、グレゴリ青山さんです。この漫画、とにかく面白いです!

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■ブンブン堂のグレちゃん■
                        グレゴリ青山

 五月に「ブンブン堂のグレちゃん」(イースト・プレス)という、
自分の大阪での古本屋バイト体験を漫画にした本を出しました。

 この本の最初の注意書き(?)に“この漫画は作者のバイト体験を
元にしていますが、フィクションも含まれていたりします。”と記し
てあるのですが、改めて読んでみると、実際あったよこんなこと、と
いうのが沢山ありました。
 バイトで一番初めに教えてもらったのはハタキのかけ方だったし、
フランス文学者の生田耕作さんは常連さんだったし、店長はゴミ置場
に捨てられていた本を持ち帰れなかったことを悔んでいたし、店長の
息子は店のストーブで干しイモを焼いていたし、店に入ってくるイチ
ャイチャカップルが本を買ったためしがないし、仕入れたばかりの未
整理本にはなぜかお客さんがむらがるしで、そんな古本屋の日常を漫
画にしたので、この本を読んだ古本屋さんからは、「ウチもあるある
そーゆうこと」「おるおるこーゆうお客さん」さらには「ブンブン堂
の店長そっくりやー」「コラムの藤沢書店は気持ち悪いほど似てるー」
という声がしきりですーーって古本屋にばっかりウケてどないするね
ん、とちょっと自分にツッこんだりするのですが(でもうれしい)、
そもそもこの漫画を描いたのは、以前「旅行人」という雑誌の連載で、
古本屋のバイト仲間と京都に行った時の話を描いた時、ふと(古本屋
でバイトしてた時のことやったらギャグになりそうなネタあるのにな
…)と思ったのがきっかけです。
 (けど“お笑い古本漫画”なるものを載せてくれる雑誌なんてある
んやろうか……)と考えてたら、思い出したのです。バイト先に毎月
届いていた雑誌、「彷書月刊」を……。そしておそるおそる「古本漫
画描けます」という営業の手紙と「旅行人」を送ったところ、めでた
く連載となったのです。

 古本屋を舞台にした漫画はけっこうあるそうですが、“お笑い古本
屋漫画”というのは珍しいと思います。多分。そしてグが思うには、
“古本屋”で“お笑い”ができたのは、やっぱり舞台が“大阪”だっ
たからではないかと思います。

 この本には“大阪の古本屋さん”というコラムがあって、たくさん
の店主に取材させてもらったのですが、実際、いったいどこの劇団で
修業したん?と思うくらいサービス精神旺盛で味のある役者みたいな
人が多く、最初はあっさりしたコラムを描くはずが、ミョーに濃ゆい
コラムになってしまいました。だって、ただでさえ個性的な人が多い
と思われる古本屋さんの上に、大阪人。濃いキャラクターにならない
わけはありません。大阪の古本屋さん、ありがとうございました。

 そんなわけで、この本は、古本に興味がない人にも楽しめて、古本
好きの人なら身もだするえるくらい今すぐ古本屋に飛んで行きたくな
るような本を目指しました。装幀もデザイナーの中井有紀子さん(大
阪出身)がいい仕事をして下さいました。みなさんもこの本を読んで、
身もだえして下されば、とてもうれしいです。

■ブンブン堂のグレちゃん■
著者:グレゴリ青山
発行:イースト・プレス( http://eastpress.rabby.jp/ )
   2007年6月発行
定価:1,155円(本体:1,100円)
ISBN:978-4-87257-785-3
判型:A5判
頁数:168ページ

■グレゴリ青山(ぐれごり・あおやま)■
  
1966年京都生まれ。男らしいペンネームだけど性別は女。
18歳の時から大阪の古書店で断続的に7年程バイトをする。著書に
『グ印亜細亜商会』(旅行人)『旅で会いましょう』『ナマの京都』
(メディアファクトリー)など。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

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日本の古本屋メールマガジンその56 2007.6.25

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【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その55 5月25日号

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【日本の古本屋】は全国799書店参加、データ498万点掲載
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◆INDEX◆
 1.自著を語るその22・『古本暮らし』
 2.イベントのお知らせ
 3.「古本屋が書いた本」展目録
 4.日本の古本屋即売展情報

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ご存知でしょうか。
東京の古書店はいくつかのブロックに分かれています。その中で、
品川、目黒、世田谷区など都内南部地域の古書店を紹介するホーム
ページがあります。( http://www.nanbu-kosho.com/ )
この地域のトピックを伝える「南部ゲンダイ」は業界内外で隠れた
人気ブログになっています。
また、文京区の古書店を紹介するホームページも生まれています。
( http://www.kosho.ne.jp/~bunkyo/ )
本郷、谷中、根津と人気の散策コースで古書店巡りをするにはうっ
てつけのページです。

今月の自著を語るは、『古本暮らし』(晶文社)を出されたばかり
の荻原魚雷さんにお願いをしました。淡々とした日々の中に読書の
豊かさが感じられる好エッセイ集でした。

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■古本暮らし■
                         荻原 魚雷

 今年の五月に『古本暮らし』という本を晶文社から刊行しました。
装丁は間村俊一さん、装画は林哲夫さんです。
 わたしは週四日アルバイトをしながら主夫業のあいまにときどき
原稿を書いているフリーライターです。中央線沿線を中心に年三六
〇日くらい古本屋に通っています。
 大学時代に『評伝辻潤』の著作で知られる故・玉川信明さんの大
正思想史研究会という勉強会に参加し、アナキズムや辻潤の本を読
むようになり、辻潤から吉行エイスケ、その息子の吉行淳之介、そ
れから第三の新人や「荒地」の詩人といったかんじで文学や詩に興
味をもつようになりました。

 また上京後すぐフリーライターの仕事をはじめたものの、人に会
うのも電話をかけるのも苦手だったので、だんだん仕事がなくなり、
三十歳くらいまではPR雑誌の編集をしたり、座談会や対談をまと
めたり、校正やテープおこしのアルバイトをしながら、ひたすら食
いつなぐことが目標の日々でした。お金がはいると、古本を買い、
お金がなくなると、古本を売る。そのくりかえし。
 そんなときに高円寺の飲み屋で知り合った岡崎武志さんに『su
mus』という同人誌にさそってもらい、私小説のことや私生活の
ことを書いた文章を発表するようになりました。もし『sumus』
に参加していなかったら『古本暮らし』が刊行されることもなかっ
たとおもっています。

 『古本暮らし』の内容を簡単に説明すると、第一章では本の整理、
本の売り買い、読書生活のいきづまりに関する試行錯誤をつづった
エッセイ、第二章は西山勇太郎、天野忠、鮎川信夫、古山高麗雄、
吉行淳之介、色川武大、神吉拓郎といった自分の好きな詩人や作家
についての評論、第三章は、酒やタバコ、料理、家事にまつわる身
辺雑記をおさめています。
 つい先日、増刷(二千部)が決まりました。無名の新人のエッセ
イ集としてはめずらしいことだと担当者の中川六平さんにいわれま
した。中川さんはこれからも新人の本を作りたいといっていたので、
『古本暮らし』がコケなくてほんとうによかったとほっとしていま
す。

 今、わたしは三〇代後半ですが、同世代やさらにもっと若い古本
好きの生活というのは、あんまり知られていないのではないでしょ
うか。よく「若者の活字離れが」云々といわれたりするけど、たと
えば、今二〇代の本好きが書店や図書館で働こうとおもってもなか
なか正社員や司書になれないという現実があります。きびしいです
よ、若い読書人の生活は。
 わたし自身、この先どうなるかわからないけれど、仕事と読書、
あるいは読書と生活を両立していく道を模索しつつ、古本のおもし
ろさを若い人に伝えていけたらとおもっています。

■古本暮らし■
著者:荻原魚雷
発行:晶文社( http://www.shobunsha.co.jp/ )
   2007年5月発行
定価:1,785円(本体:1,700円)
ISBN:978-4-7949-6710-7
判型:四六判
頁数:224ページ

■荻原魚雷 おぎはら・ぎょらい■
1969年三重生まれ。
著書に『借家と古本』(スムース文庫、コクテイル文庫)、編著に
『吉行淳之介エッセイ・コレクション』(全4巻、ちくま文庫)が
ある。
ブログ「文壇高円寺」 ( http://gyorai.blogspot.com/ )も公開中。

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■小林かいちと大正イマジュリィの絵葉書たち■

日にち:5月25日(金)~29日(火)
時間 :午前10時~午後6時
場所 :東京古書会館2階ギャラリー
入場無料です。

大正の抒情絵葉書を中心とした展覧会を開催いたします。明治33
(1900)年に解禁された私製はがきの使用からはじまる「絵葉
書」というあたらしいメディアムーブメントは、大正時代に入って
若者文化が成熟するとともに、「抒情絵葉書」というジャンルを確
立しました。この展示では、絵葉書の発展の歴史とともに、「抒情
絵葉書」に焦点をあてて展覧いたします。

その他にも多数イベントがございます。
詳しくはホームページ内でご確認ください。  

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

皆様のお越しをお待ちしております!

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋即売展情報■

5月~7月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
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次回は2007年6月下旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

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日本の古本屋メールマガジンその55 2007.5.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:内堀弘
    TKI:岩森正文

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日本の古本屋メールマガジン その54 4月25日号

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◆INDEX◆
 1.シリーズ「活字の周辺」その3
  『秋山清著作集』をめぐって
 2.イベントのお知らせ
 3.「古本屋が書いた本」展目録
 4.日本の古本屋即売展情報

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いつもインターネット「日本の古本屋」をご利用いただきまして、
ありがとうございます。大型連休が近づきました。インターネット
「日本の古本屋」のトップページには「即売展情報」のボタンがあ
ります。現在開催中、近日開催予定の古書即売展をご案内させてい
ただいております。連休の一日、どうぞ古本探しにお出かけ下さい。

さて、5月26日(土)に「古本・夜の学校」VOL3を開催します。
でも今回だけ昼の学校(お昼の開催)。秋山清著作集完結を記念し
て、大沢正道氏に「秋山清と戦後アナキスト聯盟」をお話しいただ
きます。会場は駿河台下にございます東京古書会館の七階。地下で
は古書即売展も開催されております。土曜の午後、こちらにも是非
お出かけ下さい。詳しくはこのメルマガでもご案内を載せておりま
す。

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【活字の周辺】
■『秋山清著作集』をめぐって■
                          久保 隆
                (『秋山清著作集』編集委員)

 秋山清(1904~88年)は、戦時下に書かれた一連の詩篇
「白い花」が、後に、“詩的抵抗の最高の達成”として吉本隆明に
評価されたアナキスト詩人である。戦前から、アナキズム運動に深
く関わっていて、46年6月、日本アナキスト連盟の結成に尽力し、
機関紙『クロハタ』(後に『自由連合』と改題)には、68年末の
解散時まで絶え間なく健筆を振った。また、あらたな民主主義文学
の創造を旗印に創刊された雑誌『新日本文学』(45年12月)に
翌春から参加するも、そこでの党派主義的運営に疑義を呈して、政
治と文学の対立をめぐる位相を見事に切開した著書『文学の自己批
判』(56年10月刊、秋山清名義としての最初の著書である)は
刊行時、多くの共感を得た。

 46年5月、金子光晴、小野十三郎らとともに同人詩誌『コスモ
ス』を創刊する。創刊同人のうちただ一人秋山だけが、最後まで
『コスモス』に関わっていき、終刊号となった通巻101号(89
年10月)は、「秋山清追悼特集」であった。これら、アナ連、新
日文、コスモスが、秋山のいわば表舞台としての活動の場であった
わけだが、もとより、秋山の営為は、その交流の幅とともに、より
拡張された方位を獲得していくこととなる。

 60年安保闘争時、吉本隆明、埴谷雄高らとともに六月行動委員
会に参加し、闘う。66年、ベトナム反戦直接行動委員会のメンバ
ーによる軍需工場襲撃事件への支援は特筆すべきことだ。裁判支援
のため、戦時下の作品が初めて詩集『白い花』(解説・吉本隆明
「抵抗詩」)として編まれて刊行(自身二冊目の詩集にあたる)。
ベ反委の衝撃的な行動は、その後の新左翼諸派の反体制運動、全共
闘運動へと連繋していくものであった。そして、60年代末から7
0年代初頭にかけての反権力・反体制の大いなる渦動の中で、秋山
清は、より多くの新しい読者を引き寄せていった。

 著作でいえば、幸徳、大杉以後の退行する戦前のアナキズム運動
までも深く射程に入れて論じた『日本の反逆思想』(60年11月
刊、68年4月新版刊)であり、大正期の労働運動社やギロチン社
に集う人々の思考と方向の確かな反攻と抵抗のモニュメントを活写
した『ニヒルとテロル』(68年6月刊)であり、そして漂流する
抒情画家の評伝『竹久夢二』(68年8月刊)である。これらは、
秋山の思想と表現の基層をなすものであり、さらにいえばわが国に
おける自存する闘いの方途へと敷衍させてくれる重要な著作群だと
もいえる。だが、長らく、秋山清の著作は詩集を除けば、品切れ絶
版状態にあった。

 わたし(たち)は、徐々に内閉しつつある現況に対して、すこし
でも、通路を切開していくためにこそ、秋山の著作の数々を提示す
る必然に思い至ったのである。過去の著作をただ遺産のような想い
で刊行するといった考えは、初めからわたし(たち)にはない。未
知の読者が手にとって、そこに記されている秋山のセンシブルな言
葉、文章が、現在においても際立って切迫してくるはずだという確
信をもっていたからこそ、著作集の刊行を企図したのだといっても
いい。

 いま、全巻完結して、わたし(たち)は、安逸な想いに浸っては
いない。これから、秋山の仕事を、現在という場所から、あらため
て評価するという大事な作業が眼前にあるからだ。

■久保隆(くぼ・たかし)■
『秋山清著作集』編集委員、評論家。
1949年秋田県生まれ。中央大学法学部卒。
著書 『戦後アナキズム運動試論』
   『吉本隆明ノート』
   『権藤成卿論』
   『加藤泰の映画世界』(共著)
   『山野記』(共著)
   『吉本隆明論集』(共著)など。

ブログ「久保隆・書評集」http://kubo1123.cocolog-nifty.com/

※『秋山清ワールド(秋山清著作集Website)』
  http://www.pal-book.com/akiyama/
  『秋山清著作集』全11巻・別巻1は、今春完結、全巻発売中。

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■古本・夜の学校VOL3 ■

秋山清と戦後アナキスト聯盟
講師 大沢正道氏
 
日にち:5月26日(土)
時間 :午後2時~4時(開場1時半)
場所 :東京古書会館七階 木戸銭 500円
協力 :トスキナアの会
主催 :東京古書組合広報部
要予約:参加ご希望の方は下記のホームページよりお申し込み下さい。

http://www.kosho.ne.jp/event/yagaku/

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■軒下の小さな古本祭――外市――■
                  東京北部支部 古書往来座
                       代表 瀬戸雄史

 まず最初に告白してしまいたいことがあります。5月5日土曜日
と6日日曜日に第2回目が開催される、当店軒下を利用した小規模
古本・雑貨市、外市、は、ぼくにとって今のところ、「軒下の小さ
な古本祭」以上でも以下でもありません。果たしてそれが新しい動
向なのか、何か既存のものへの不満をくつがえす有効なものなのか、
実のところ、わかっていません。動機らしい動機といえば、ただひ
たすらに「楽しそう」だったから、と言うしかありません。あ、そ
れは打ち上げのビールがおいしいでしょうね、と意気込んだのであ
りました。

続きはこちらへ

http://www.kosho.ne.jp/melma/magazine20070425_2.htm

池袋(古書往来座前)で開催される第二回外市は5月5~6日。
詳しくは http://ouraiza.exblog.jp/ をご参照下さい。
また、街歩きをしながら古本探しを楽しめる第四回不忍ブックスト
リートの一箱古本市は4月29日に開催されます。
(http://sbs.yanesen.org/)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■小林かいちと大正イマジュリィの絵葉書たち■

日にち:5月25日(金)~29日(火)
時間 :午前10時~午後6時
場所 :東京古書会館2階ギャラリー
入場無料です。

大正の抒情絵葉書を中心とした展覧会を開催いたします。明治33
(1900)年に解禁された私製はがきの使用からはじまる「絵葉
書」というあたらしいメディアムーブメントは、大正時代に入って
若者文化が成熟するとともに、「抒情絵葉書」というジャンルを確
立しました。この展示では、絵葉書の発展の歴史とともに、「抒情
絵葉書」に焦点をあてて展覧いたします。

特に謎の絵師・小林かいちの小展示は、7月に開催される小杉放菴
記念日光美術館(日光市)の回顧展直前のプレビューともなります。
ぜひ、この機会にご覧下さい。

■トークショー「幻の絵師・小林かいちを語る」■
昨今注目される絵葉書絵師「小林かいち」とは何物なのか。
そのデザインの魅力とともに語ります。
※要予約 有料です。
詳しくはホームページ内でご確認ください。

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/2006/08/2_ed0f.html

その他にも多数イベントがございます。

■アンダーグラウンド・ブック・カフェ■
5月27日~29日 東京古書会館地下ホールにて開催いたします。
詳しくはホームページ内でご確認ください。  

http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

皆様のお越しをお待ちしております!

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
東京古書組合・広報部 

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■日本の古本屋即売展情報■

4月~6月の即売展情報

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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次回は2007年5月下旬頃発行です。
お楽しみに!

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日本の古本屋メールマガジンその54 2007.4.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
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日本の古本屋メールマガジン その53 3月26日号

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◆INDEX◆
1.シリーズ「活字の周辺」その2
  画集から図像資料集へーー『大正期新興美術資料集成』刊行まで
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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■インターネット「日本の古本屋」をご利用いただきましてありが
とうございます。1月のリニューアルにより、おかげさまでいっそ
う多くのお客様にご利用いただけるようになりました。
インターネット「日本の古本屋」は、各ジャンル屈指の専門古書店
をはじめ、全国の「本探し」のプロが蒐めた幅広い古書を網羅する
我が国最大の古書検索サイトです。
どうぞ、今後ともご愛顧いただけますようお願い申し上げます。

■インターネット「日本の古本屋」では、書籍以外にも、チラシ、
ポスター、PR冊子、展覧会の図録など様々な資料を見つけること
ができます。そうした紙片には、その時代の息吹が強く刻まれてい
るものがあります。
今月の「活字の周辺」は、先日刊行された『大正期新興美術資料集
成』(国書刊行会 http://www.kokusho.co.jp/index.html )の共同
執筆者である五十殿利治さんにお願いしました。
前橋で開催された「マヴォ展」の図録という、そんな魅力的な紙片
があることも初めて知りました。

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【活字の周辺】
■画集から図像資料集へーー
            『大正期新興美術資料集成』刊行まで■

 書肆から大正期の新興美術(「アヴァンギャルド」と言われたの
だが)の画集を出したいという話があったのは、『大正期新興美術
運動の研究』(スカイドア、1995年)を出してしばらくしてか
らのことであった。しかし、その時点では企画としてすんなりと進
行することにはならなかった。まずこちらの用意が不足していた。
 そもそも大正期新興美術は作品として残されているものが少ない。
どうしても写真、あるいは不鮮明な図版によってその軌跡をたどる
ことをよぎなくされる。画集といえば、やはりそれなりにカラー図
版がなくてはいけないが、はたしてそれだけ集まるだろうか、とい
う問題である。

 事態が動き始めたのはチームを組んで対応することに決めてから
であるが、その土台となったのは、町田市立国際版画美術館を中心
にして開催された「極東ロシアのモダニズム」展(2002年)の
ための調査研究であった。これまでに例のない展覧会のために、滝
沢恭司氏がポーラ美術財団から研究助成を得て、滝沢氏、水沢勉氏、
そして五十殿がウラジオストクをはじめとする極東ロシア、そして
モスクワ・サンクトペテルブルクに調査旅行を行った。その経緯に
ついては、滝沢氏が同展カタログ序文に記されているので繰り返さ
ないが、研究の一環として同時代の大正期新興美術運動が極東ロシ
ア美術(とりわけブルリューク)の影響を受けた動向として調査対
象となったおかげで、研究成果を公表しようという機運が自然と調
査チームの間で形成されたのである。書肆に連絡したところ、さっ
そく担当者が快諾し、企画がスタートすることになった。チームに
は、さらに菊屋吉生氏、長門佐季氏、野崎たみ子氏に参加をお願い
することになった。

 本書のキーポイントは、年表を基軸にしたところにある。画集に
するとしても、新聞雑誌にしか掲載されないままの図版を、不鮮明
でもいいから極力多数を収載した資料集を考えていたので、展覧会
情報をひとつにまとめるもっとも自然な形と落ち着いた。もっとも、
当初は油彩、日本画、版画、構成物などとジャンルの担当を決めて、
それぞれが担当分野を調査するということであった。しかし、そう
した縦割りそのものがこの運動とは相容れない。菊屋氏が専門とす
る大正日本画の場合のように、むろん専門性は最大限尊重されてい
るが、年表作成については基本的にジャンルと関係なく各年で割り
振りを決めた。主要なカタログのデータ入力は院生に協力してもら
い順調に進んだが、実際には年表そして研究論文の作成に相当の時
間が必要であった。経験的にいって、本書に限らず、共同執筆はこ
うした難問から逃れられない。さいわい国書刊行会の担当者は辛抱
強く、着実に企画を具体化していった。

 本書はこれまで限られた研究者にしか知られていない展覧会に関
する会期、会場、出品作品、関連文献等の基本情報をまとめ、さら
に書籍雑誌の発行などの関連事項を補足して構成されている。これ
まで出版物や展覧会でよく取り上げられてきた「未来派美術協会」
「マヴォ」「三科」のみならず、地方都市(たとえば前橋のマヴォ
展)における小規模な展示もカバーしている。
さらに特筆すべきことは、「三科」以後、大正期美術運動の衰退期
についてこれまでにない注目を払ったことである。横井弘三による
理想展もこの運動の流れにおいてようやくその位置づけがみえてく
るのである。これはひとえに滝沢氏の精力的な調査の結果である。
これにより大正期新興美術運動のほぼ全容が捉えられたと私には思
われる。
あえていえば、ではその源流はどこに求められるものなのか。それ
がつぎの課題と浮上してこよう。

■五十殿利治(おむか・としはる)■
1951年生まれ。筑波大学教授。
著書に『大正期の新興美術運動の研究』(1995年)他。
共編著に『クラシックモダン』(せりか書房、2004年)他。

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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。

http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
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101-0052
東京都千代田区神田小川町3-22
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まで。

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3月~5月の即売展情報

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次回は2007年4月下旬頃発行です。
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日本の古本屋メールマガジンその53 2007.3.26

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

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