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日本の古本屋メールマガジン その82 8月25日号

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10月4日は「古書の日」。10月は「古書月間」。全国の古書組
合でさまざまな催しが計画されています。東京では、神田神保町の
古書会館において、“一日古書店体験”をテーマに、いつもは業者
間のみで行われている市場(古書交換会)を特別開催し、一般の方に
も一緒に参加してもらって楽しんでもらおうという企画を進めてい
ます。
その他にも、100年前の市場再現、特別即売展や、トークイベン
ト、「書肆ユリイカの本」展(東京古書組合後援)など、盛り沢山の
内容が計画されています。ご期待ください。その詳細は、次回のメ
ルマガにてご案内する予定ですが、今回のメルマガでは、「書肆ユ
リイカの本」展について先行告知しました。充実した内容の企画に
なっています。「古書の日」は、東京古書会館へ。ぜひご来館くだ
さい。

☆INDEX☆
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  1. 特別連載企画-平井功「PoeのAcrostic」4
  2. 新鋭評論(3) 『場末の小さな奇跡』 小野塚 力
  3. 東京古書組合後援 古書の日イベント情報
  4. 日本の古本屋即売展情報

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━━━━━━━━━━【特別連載企画】━━━━━━━━━━━━

POEのACROSTICS 四章(承前)

III.”An Enigma.”

Poeがacrosticのうち、生前公刊せられた今ひとつのものは”An En
igma.”である。これは彼が長逝の前年即ち1843年三月”Sarta
in’s Union Magazine”に掲げられた。この時評題は単に”Sonnet”
であつた。今日の標題を付して掲げたものは、中一年隔いてPoe病
没の翌年1850年、その嘱によつて彼が”literary executor”
となつた例にRufus Willmot Griswoldの編纂した”The Works of
the Late Edger Allan Poe,ed.Rufus Willomt Griswold,4 vols,,
New York,1850”のVol.Ⅱ.Poemsが最初であり、且その文も”Sarta
in’s Union Magazine”所掲のtextとは第十行中の一語を異にして
ゐる。Griswoldが何にして典拠してこの改竄を敢てしたか今俄かに
識るよすがもない。Killis Campbellによれば(The Poems of Edger
Allan Poe,ed.K.Campbell,Boston,n,d..p276.)、恐らく1847
年Lewis夫人にPoeが送つた草稿(後段参照)若くは同夫人所蔵のPoe
書類中の、雑誌の切り抜きを作者自ら改訂しておいたものに依拠し
たのであらうとのことである。これはたしかに首肯し得る想像で、
Poeが幾んど異常なほどに詩稿も添削推敲に努めたことは隠れもな
い事実である。Poeが詩の幾んどすべては生前幾度となく繰り返し
て発表されたが、必ずその都度多少の改訂を試みてゐる。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0908/index-1.html

(※昭和4年発行の雑誌「英語と英文学」から原文まま再録しました)

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(3)】━━━━━━━━━━━

 場末の小さな奇跡
        ~ 自働人形師武藤政彦氏をめぐって

小野塚 力

日常における、わずかな隙間のようにつくられた非日常的空間。
私は、自働人形師ムットーニこと武藤政彦氏の立体作品群の上演空
間においてそうしたものを見出す。自働人形師武藤政彦氏の作品群
は、近年、精力的に大規模な展覧会が全国各地で開催され、より人
口に膾炙するものとなった。いわゆる、自働人形ときいたとき、西
洋におけるオートマタ、または日本のからくり人形を連想される識
者が多いことだろう。また、いわゆる、人形という観点から、球体
間接人形などを思いつく方もいらっしゃるだろう。だが、武藤政彦
氏のつくりだす人形達は、そうしたものとは全く異なっている。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0908/index-2.html

━━━━【東京古書組合後援 古書の日イベント情報】━━━━━

「書肆ユリイカの本」展
田中栞が10年かけて蒐集してきた書肆ユリイカの本300冊を
堂々展示!

<発刊記念>「書肆ユリイカの本」
署名落款印入・オマケつき本を販売します。

会期=2009年10月4日(日)~10月11日(日)
    会期中無休

会場=東京古書会館 2F情報コーナー 入場無料

『書肆ユリイカの本』刊行記念
特別トークショー「書肆ユリイカの本・人・場所」

2009年10月5日(月)
18:00開場 18:30~20:00

入場無料

出演 奥平晃一(田村書店)
    田中栞(紅梅堂)
    郡淳一郎(元『ユリイカ』編集長)

書肆ユリイカの本が生まれた街・神保町、そしてここで生きた詩人
たちと編集者・伊達得夫。
その社屋や詩人たちの姿を記憶する田村書店・奥平晃一氏が、初め
て当時の証言をあかす。
古書買い歴30年のカリスマ編集者・郡淳一郎氏が、書物界の時代背
景を詳細に解説し、書肆ユリイカ本の造本装丁の美しさに魅せられ、
コレクションと書物調査に10年を費やした田中栞とともに、書物の
魅力を、古書蒐集の楽しさを、その実物を紹介しながら縦横無尽に
語り尽くす。

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東京古書組合オフィシャルホームページの紹介

東京古書組合の公式ホームページ、「東京の古本屋」を公開してい
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

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日本の古本屋メールマガジンその82 2009.8.25

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     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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     広報部:早川多摩雄
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日本の古本屋メールマガジン その81 7月27日号

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☆INDEX☆
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  1. 特別連載企画-平井功「PoeのAcrostic」3
  2. 新鋭評論(2) 『矢野目源一のまなざし』(後編)小野塚 力
  3. 即売展情報

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━━━━━━━━━━【特別連載企画】━━━━━━━━━━━━

POEのACROSTICS 四章
附、Poeh夫人が夫に献げたるValentine詩

(続)
F.S.Osgood夫人はBostonの商売Joseph Lockeの女として生れた。
かなり有名なjournalist A .A Lockeは夫人の兄である。詩人であ
り散文家でもあつたE.D.Harrington夫人はその妹である。少女の頃
から詩技に長じてゐて度々”Juvenile Micellany”と云ふ雑誌に詩
を掲げた。夫Samuel S.Osgoodには1834年にはじめて會つた。
後には高名の画匠となつた人であるが当時は英京龍動の王立美術学
校を卒へたばかりの、白面二十六歳(日本流に云へば二十七歳)の
青年であつた。二人は結婚して直に龍動府に渡り、夫Osgoodの名は
肖像画家として漸く知られるに至つた。Osgood夫人は英国で、まづ
”Casket of Fate”(年月不詳)と題する小詩冊を刊行し、亞いで1
839年”A Wreath of Wild Flowers form New England”と題す
る詩冊子を刊行し。基處で”The Poetry of Flowers and Flowers
of Poetry”を上梓した。1847年には費府で”The Floral Offe
ring”を刊行し。1850年にはまた”Poems”を上梓したが、こ
れは死後全詩業を纏めたもので、例のPoeの遺稿管理人で、Poeの悪
口を書いて有名なGriwoldがその編纂に当つたのも何かの因縁かも
知れぬ

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(※昭和4年発行の雑誌「英語と英文学」から原文まま再録しました)

━━━━━━━━━━【新鋭評論(2)】━━━━━━━━━━━━

矢野目源一のまなざし(後編)
                         小野塚 力

室 内

柱時計ゆるく四時を打つ…
讀み了へしリイル・アダンを閉ぢ
軽く疲れて身を起す。

絲鞠はおとなしく廻[めぐ]りほぐれ、
うつむきて象牙の針を運ぶ
君のまろき胸と肩は
柔らかき呼吸[いき]に昂まる。

窓より入る陽[ひ]の光は白く
飲みさせる洋盆[コップ]の縁[ふち]に輝き
果物の甘き匂を漂わす。

かくて君が静かなる横顔に、
蒼ざめし空を描き雲を浮めて、
杳かなる眺めに心を躍らしむ。

こういった詩の中に矢野目自身のディレタッンティズムを見出すの
は容易だろうが、その根底には、正常者としての社会復帰を根本か
ら拒絶される病者の自覚があることを忘れてはならない。結核を病
んだことで能動的な生を強制的に拒絶された詩人の玩弄品としての
創作という方向性にむかっていったのだろう。続く第二詩集「聖瑪
利亞騎士」(大正十四年五月十五日刊)において詩人は様式性、神
秘主義的な要素をさらに押し進めていく。

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日本の古本屋メールマガジンその81 2009.7.27

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日本の古本屋メールマガジン その80 6月25日号

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  1. 特別連載企画-平井功「PoeのAcrostic」2
  2. 新鋭評論(2) 『矢野目源一のまなざし』(中編)小野塚 力
  3. 即売展情報

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━━━━━━━━━━【特別連載企画】━━━━━━━━━━━━

POEのACROSTICS 二章
附、Poe夫人の夫に献げたるValentine詩 後編
                        平井 功

II.”A Valentine:To-”
まづ、第一のacrosticの全文を引く。
A Valentine(1)
For her this rhyme is penned,whose luminous eyes,
Brightly expressive(2) as the twins of Leda,(3)
Shall find her own sweet name,that nestling lies
Upon the page,enwrapped from every reader.
Search narrowly the lines ! they hold a treasure.
Divine,a talisman,(4)an amulet
That must be worn at heart.(5)
Search well the measure -
The words-the syllables.Do not forget
The trivialest point ,or you may lose your labor:
And yet there is in this no Gordian knot(6)
Which one might not undo without a sabore,
If one could merely comprehend the plot.
Enwritten upon the leaf where now are peering
Eyes scintillating soul,there lie perdus(7)
Three eloquent words(8) oft uttered in the hearing
Of poets,(9)by poets-as the name is a poet’s too.
Its letters,although nattually(10)lying.
Like the knight Pinto,Mendez Ferdinando,(11)
Still form a synonym for Truth.(12)
―Cease trying!
You will not read the riddle,though you do the best you can do.

[大意]かの君の為このうたは誌されてけり。レダ星座な双星ともき
ららかに意ぞ深き、かがやかし君が眼は、己が愛き名をば見出でむ。
その御名ぞ、なべての読手の眼より逸れて、この紙の面に包まれて、
臥し横はる。毎行を篤と訪ね給へ!そは聖き寶を、呪符を、こころ
に掲ぐる護身符を秘めたり。意してたづね給へ韻節を―語句を―綴
音を。な忘れそ、いと些末なるくだりをも。然らずば君が辛苦を徒
となりなむ。さはさりながらこのうちには、剣あらでは解き難き、
ゴルデイウスが纈はなきものを。たゞその策略だに覚りなば足る。
今熟視する眼をあつめ、こころの火花閃かすこの紙の面に誌されて、
しばしばに詩人の口にする、詩人の耳にする音に知られし三語は潜
む―その名亦詩人のそれにしあれば。その文字ゆ、騎士ピントウ・
メンデス・フェルディナンドのごと、そのままに横はれども、猶も
かつ真理の異名をなすものぞ。―やめ給へ、討ぬることを!いかに
精魂を竭し給ふとも、この謎所詮読釈き給ふまじ。

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━━━━━━━━━━【新鋭評論(2)】━━━━━━━━━━━━

矢野目源一のまなざし(中編)
                         小野塚 力

水底の歩むこゝちす月青くほのかに霧につゝまるるとき

 「薄明」の章に収録された一首をあげた。何気ない感覚を詠った
だけにすぎないようだが、私はとても気になる歌である。「月」が
「青く」「ほのかに霧につゝまるるとき」に「水底」を感じる主体
の感性には、水中の世界を陸の世界との対置となるものという視点
にたつのであれば、現実を逆転した視座でとらえなおそうとする意
識を見出すことができよう。私が矢野目源一の内世界に戦後の山師
的な生き方につながるものを見出すとすればこうした要素である。
そして、詩集「光の處女」(大正九年十二月二十五日刊)が発表さ
れる。この詩集は、詩誌「詩王」に発表されたものを中心に十四編
の詩が収録されている。この詩集の性格は、冒頭の「光の處女」に
顕著である

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日本の古本屋メールマガジンその80 2009.6.25

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日本の古本屋メールマガジン その79 5月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 特別連載企画-平井功「PoeのAcrostic」1
  2. 新鋭評論(2) 『矢野目源一のまなざし』(前編)小野塚 力
  3. 即売展情報

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━━━━━━━━━━【特別連載企画】━━━━━━━━━━━━

 平井功という詩人をご存知でしょうか。昭和7年、26歳で夭折し
た詩人で、生前に残した著作は、大正11年、16歳の時に出した『孟
夏飛霜』のみ。いわば、マイナー・ポエットの一人。しかし、その
早世の輝くべき才能は、師匠だった日夏耿之介からも<天稟の才>と
高く評価され、現在でもその信奉者が多く存在しています。彼はま
た、詩人として同様、書誌学研究家、造本家としても後世に資する
功績を残しており、その面目躍如たるものが、全5号4冊の私家版豪
華雑誌『遊牧記』です。その造本へのこだわりぶりは、関川左木夫
『本の美しさを求めて』(昭和54年・昭和出版)に詳しいので、ぜひ
参照してみてください。生前に彼が残した仕事は、ことほど左様に
多いものではないが、死後(昭和16年)、父の平井成によって、『爐
邊子残稾』という遺稿詩集が編まれ、また2006年には、先に挙げた
若き信奉者たちの手によって『平井功訳詩集』という本も刊行され
ています。「興味ある方は、目を通されては」と言いたいところで
すが、これらすべての本、いずれも極めつけの稀覯本なので、容易
に手にできる本ではない。それがちょっと心苦しいのですが、今回、
単行本に未集録の採録原稿が寄稿されたので、掲載してみようと思
います。昭和4年、「英語と英文学」誌(英文學社)に5回に分けて
発表された「PoeのAcrostic」という詩論がそれ。連載途中で中絶
した原稿のようだし、メルマガに掲載するにはかなりの分量なので、
困惑される方もいるかもしれませんが、とにかく珍しい原稿だと思
いますので、こういう場こそ、日の目を当てるにふさわしい場では
ないかと、ご紹介させていただきます。
なお、参考までに、平井功については、日夏耿之介の『輓近三代文
学品題』(昭和16年・実業之日本社)、須永朝彦『硝子の繭』(昭和52
年・コーベブックス)で、その横顔に触れることができます。これ
らは、先の関川氏の著書ともども、入手もさほど難しくはない(日
本の古本屋でも購入できます)ので、「興味ある方は、目を通され
ては」とお勧めしておきます。

POEのACTROSTICS二章
附、Poe夫人の夫に献げたるValentine詩  
                        平井 功

I.はしがき
世にacrosticと云ふ詩體がある。詩體と云ふと些か語弊があるが、
さう云う種類の詩がある。これは、横に読めば普通の詩であるがそ
の中に、その詩を献げた人の名前だとか、或は何かの文句などが織
り込んであるのである。各のlineの最初の文字を織り込んで合せる
と、相手の名前が出て来るなどと云ふのは一番普通である。詩と云
ふよりは「文学遊戯」に近く、日本で云へば地口のたぐゐと見れば
間違ひはない。
  ところでEdgar Allan Poe(1809-1849)の詩にも、そのacrostic
が二篇遣つてゐる
勿論、Poeがacrosticを書いたなどと云ふことは、Poeの詩家として
の、本質的な評価には亳厘も光輝を添へる所以ではない。むしろ、
そんな戯作を後代に遺したことは、詩家としての彼、
“With me poetry has been not a purpose,but a passion.”
(Preface to the Poems,1845)
「わたくしにとつては詩は目的ではない、実に情熱である。」と、
確信した彼の為に、惜しむべきであるとさへ思はれる。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0905/index-2.html

━━━━━━━━━━【新鋭評論(2)】━━━━━━━━━━━━

矢野目源一のまなざし(前編)
                         小野塚 力

 川端康成は「末期の眼」において、芥川の遺書にあった「末期の
眼にうつる自然は美しい」という一文から藝術の本質はこの「末期
の眼」の獲得に他ならない。〈死〉の世界から捉えた世界像の固定
こそがその本筋であると記している。その可否はいったん保留する
として、このエッセイから私が連想するのは、三島由紀夫「豊饒の
海」に登場する認識者本多の運命である。三島ほど「認識と行為」
という主題にとりつかれた作家も稀だと思うが、この作家のいささ
か極端な変身願望は、「豊饒の海」四部作においてはっきりとえが
きだされているようだ。この四部作において、認識者たる本多は自
らを〈死〉の極から〈生〉の世界を眺めることを許された者として
自己規定をおこなっていることを忘れてはならない。こうした意図
的な極限状況から世界を睥睨すること。そうしたところに文学とい
う営為の本質が露になるということを彼等文学者達は述べているの
だろうか。このような極限状況の果てに、救いがまつのか、はたま
た虚無がまつのか。それは私のあずかりしらぬところである。すく
なくとも今の私は安易な絶対性に寄りかかることができない。極限
状況。日本においてそれを考えるならば、大正においては関東大震
災、昭和においては二度の戦争ということがあげられるだろう。い
ずれもそれまでの世界観、価値観を決定的なまでにくつがえし、非
人間的な力ですべてを変化させてしまう。破壊そのものが具体的な
相を伴ってやってきたとでもいうべきだろうか。こうした戦前から
戦後にかけての極限状況は、〈個〉そのものへの懐疑を、ある作家
の内面に醸成したようだ。戦後において極端な歩みをおこなった詩
人、矢野目源一である。

続きはこちら↓

http://www.kosho.ne.jp/melma/0905/index-1.html

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日本の古本屋 リニューアルについてのアンケート

「日本の古本屋」は、デザイン面の統一や、ソート機能などを追加
して、より使いやすいサイトを目指しています。

リニューアルした「日本の古本屋」をお使いになってのご意見、ご
要望などがございましたら、今後の更なる改良の参考にさせていた
だきますので、下記フォームよりぜひお声をお聞かせください。
受付は終了致しました。たくさんのご意見ありがとうございました。

http://www.kosho.ne.jp/melma/qs/questionnaire2009.htm

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東京古書組合オフィシャルホームページの紹介

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ます。
東京古書組合発の新着情報や、東京古書組合に加盟している古書店
からの新着情報の掲載や、各古書店のホームページへのリンクも随
時追加しております。

ぜひご覧下さい。

東京古書組合ホームページ 「東京の古本屋」

http://www.kosho.ne.jp

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第1回 アンサンブル・セドラー演奏会 
ほんのちっちゃな コンサート 

*終了いたしました*ご来場、誠にありがとうございました*

 日時: 2009年6月2日(火)
  開場: 18時30分 開演19時
  会場: 東京古書会館 地下ホール
  入場料: 無料

古本屋による手作りコンサート
会場は本棚に囲まれています。
本棚には古書が展示され、お客様が自由に手に取れます。
開演前に眺めても、開演中に読んでいても一向に構わない自由な
雰囲気です。

古書とクラシック音楽のコラボレーションこれがテーマです。

http://www.kosho.ne.jp/news/news_090420.html

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国立情報学研究所 オープンハウスにて「日本の古本屋」紹介

国立情報学研究所では毎年オープンハウス(一般公開)を開催して
おり、東京古書組合も出展、「日本の古本屋」を紹介しております。

 日時:2009年6月11日(木)・12日(金)
  会場:学術総合センター (東京都千代田区)

 後援:千代田区、国立公文書館
  協力:東京都古書籍商業協同組合、明治大学

詳しくは国立情報学研究所のホームページををご覧下さい。
  http://www.nii.ac.jp/openhouse/

                            ○□□□□□○□□□□□

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

5月~6月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその79 2009.5.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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日本の古本屋メールマガジン その78 4月27日号

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      。.☆.:* その78・4月27日号 *:.☆. 。
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☆INDEX☆
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  1. 日本の古本屋 リニューアルのお知らせ
  2. 即売展情報

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━━━━━【日本の古本屋 リニューアルのお知らせ】━━━━━

いつも「日本の古本屋」をご利用いただきありがとうございます。
「日本の古本屋」では、5月7日(木)を期して、全面的なリニューア
ルを実施することになりましたのでご案内します。

[リニューアル・ポイント]

1.クレジットカード決済機能の導入
「日本の古本屋」で購入した商品が、クレジットカードを利用して
代金を決済することが可能になります(一部店舗を除く)。クレジッ
トカードのご利用方法につきましては、「日本の古本屋」サイトに
て、詳しくご説明させていただきます。

2.「想-IMAGINE Book Search*」との相互リンク
想-IMAGINE Book Search*」は、国立情報学研究所連想情報学研究
開発センターが運営する書籍検索サイトで、“人の想いを汲み取る
検索エンジン”をキャッチフレーズに、調べたい内容に関する単語
などを入力すると、連想検索機能がユーザーの関心の方向性や範囲
を類推し、関連書籍データを包括的に収集してくれるサイトです。
「ウィキペディア」や、国立国会図書館など、多様なデータベース
とも連携しており、広がりあるテーマについて情報を集めたい時な
どに大変便利です。
URL: http://imagine.bookmap.info/

3.古書買取ページの追加
全国の古書組合(全古書連)では、毎日のように市場(古書交換会)を
実施され、古書が幅広く流通する仕組みが作られています。古書組
合には、多種多様な専門店が所属していますので、どんな本でも適
切に本の価値が評価される仕組みです。古書買取ページでは、お近
くの組合加盟店や、専門のジャンルの店が簡単に検索できるように
なります。お手持ちの本を処分したいとき、ぜひご利用ください。

4.デザイン・リニューアル
本年1月、トップページのみリニューアルしましたが、このたびは、
全ページでの統一的なデザイン・リニューアルを行います(順次)。
ソート機能の充実なども含め、検索結果画面の表示方法などが大き
く変ります。

より便利で使いやすいサイトとして内容、機能の充実を図ります。
ご期待ください。

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4月~5月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその78 2009.4.27

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
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日本の古本屋メールマガジン その77 3月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 古書月報タイム・トリップ (1)
  2. 新鋭評論(1) 『ダンセイニ、その魅力』(後編)小野塚 力
  3. 即売展情報

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━━━━━━━【古書月報タイム・トリップ (1)】━━━━━━

東京古書組合には、組合加盟古書店向けに隔月で発行されている
『古書月報』という機関誌があります。

『古書月報』には組合理事会議事録など、組合からの通達情報や、
組合活動についての特集記事などが毎号掲載されています。
その他、気楽な読み物として、組合員(古書店)から寄せられたコ
ラムなども充実しています。

今回のメールマガジンでは、この古書月報の最初期に掲載されたコ
ラム記事を再録してみたいと思います。
東京古書組合は、大正9年1月に最初の総会が開かれ、組合として
産声をあげました。その後、大正11年1月に「古書籍商組合会報
・第1号」が『古書月報』の前身として発刊されました。

このときの「会報」は前年度収支決算報告の為のもので、まだ機関
誌としての体裁のものではありませんでしたが、引き続き3月には、
第2号が発刊され、定期刊行物の役割を持ったものとして機能し始
めました。

4月発行の第3号から、初めて月報という言葉が使われ始めていま
す。その第3号の理事報告の中に、月報に記事の寄稿を募集する一
文が載り、翌4号に最初の投稿記事が掲載されました。

その最初の投稿記事「店員を優遇せよ」という一文を以下に再録し
ます。古書業界のいにしえぶりや当時の時代感を味わってみて下さ
い。

「店員を優遇せよ」 福田預作

私は、我が古書籍商組合員諸君に対して、切に望むのは雇人の優遇
である。
現在何処へ行っても雇人の欠乏を聞く(他の商売は知らず我々同業
者を指す)がこれは自分の考えでは決して人間が少ないわけでもな
く、また書籍商の希望者が無いわけではないが、要するに原因は待
遇の欠陥にあると私は信ずる。
私は驚いた。一月十日東京書籍商組合の総会において十年より二十
年以上の勤続者三十名以上を奨励するのに十一年度の計上費が僅か
二百六十円。一人頭如何ほどになる。平均して十円未満ではないか。
上述の雇人がないとか、小僧に困るとか、ため息を吐いている時節
に十年ないし二十年も忠実に主家のために尽くすというそんな美し
い、そんな麗しい心がけの所有者に対しては、なぜ組合の歳入の大
半を割いて奨励しないか。そういう忠実なる雇人を持ったことは雇
主は無論のこと、組合としては実に誇りとすべきである。

しかるに、その当事者は今日は評議とか、明日は集会とか、勝手に
寄り合って歳入のほとんどを飲食費に使って、恬として恥づるもの
はないではないか。せめて五十人も集まるうちには多少理解力に富
んだ者もありそうなものだが飲み食いには贅沢しても、最大案件た
る雇人優遇法に頭を痛めるものはないと見える。して見ると新人を
標榜して送り込まれた新役員も矢張十把一束の代物だ。
こんな鈍な頭を持っているから雇人の無いのは当たり前だ。

かの徳川家康が六十余州を席巻して天下を膝下に敷いたときに何と
言った。国家を桶に例えて国民は箍(たが)で為政者は樽である。
箍が悪ければ水が洩る。いくら樽が良くても箍次第で用をなさぬと
言って国民を可愛がったではないか。
だから四囲より風になびくように随って、ついに三百年の太平を謳
歌したではないか。
雇人に対してもいわゆる一家の箍で主人は樽ではないか。いくら主
人が威張っても、箍たる雇人に悪いものがあったら水が洩るところ
か米でも洩るではないか。

私はこの事を提案して極力主張するつもりであったが、機を失した
為に涙を飲んであきらめた。
さらに聞けば十二年度からは奨励費も削除して、単に賞状だけにす
るということも聞いた。何とお先の見えない情けない話ではあるま
いか。
だから私は古書籍商組合だけは東京書籍商組合業の例になら
わず、
   狗々を仁として子子を義とする 
主義をもって店員諸君を歓待し、初めて表彰する場合は、組合財産
の許す範囲において厚き上に厚きをもって なお進んでは独立する
場合など、組合の功労者として充分に援助したなら、いつしかこの
美風、否、優遇法が知らず知らず世間に伝わって来てその時こそ招
かずして雇人の集まることは、水の低きに流れるようであろうと思
う。
私はこの意義において我が古書組合員に対し、可及的に店員諸君の
優遇を望むのである。                   

              『古書籍商組合会報』第4号・大11

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(1)】━━━━━━━━━━━

『ダンセイニ、その魅力』(後編)  小野塚 力

つぎにダンセイニ作品の流れから考えてみたい。処女作品集である
「ぺガーナの神々」は、ダンセイニの幼少期に見た無垢なる記憶が
〈神話〉という形で形象化されている。ダンセイニ好きで知られる
作家、稲垣足穂「一千一秒物語」にもいえることだが、両者とも
〈世界解釈〉(=〈神話〉)の物語という側面がある。その視点か
ら切り込むのであれば、風土的な差異と作家としての嗜好の差異と
がそれぞれの作品の違いになっていることに気付かされる。「一千
一秒物語」には、足穂の人工物への傾斜があり、そしてなにより月
も星も人間と等価に存在する世界である。そこには絶対的な存在が
前提として存在しない。すべての事物はオブジェとなり、永遠の運
動をくりかえす。宇野邦一氏のいう「和製の未来派、星菫派」の装
いにつつまれたモダンな〈神話〉なのだ。一方、「ぺガーナの神々」
は、絶対者が夢みる多神教的世界という構造に絶対者という意識が
ある時点で一神教的な価値観の投影を感じさせる。結局のところ、
根本的なところには「ぺガーナの神々」にも西洋的な根が存在して
いる。両者に共通するのは、世界そのものも突き放す創作者として
の自我の強靭さである。これは、ある種の強みといってよいかもし
れない。創作者としての強靭さが二人の作家としての長い歩みを耐
えさせたようにも感じられる。「ぺガーナの神々」における暫定的
な脆い多神教の世界には、儚さゆえの美しさというものも計算され
ていたようにも思う。原初性、つまり、自分の言葉で世界を把握す
ることのできた黄金時代、そうしたものは当たり前だが一回性を前
提とする。しかし、こうして形象化されたダンセイニの幸福な記憶
は、読書という行為を経ることでなんどでも復活する、ある種の永
遠性、不死性を獲得することになったのではないだろうか。

続きはWEBへ http://www.kosho.ne.jp/melma/0903/index.html

小野塚 力(おのづか りき)
  同人誌「某」「FANTAST」所属。ダンセイニ研究誌「PE
GANALOST」評論担当。  
  「某」では、「平井功訳詩集」、矢野目源一「ゆりかご」復刻作
業に協力。
  その他、ユリイカ別冊「総特集稲垣足穂」では年譜および書誌作
成に協力。森開社の雑誌「レヴォカッション」3号に「ペトリュス
ボレル」論を寄稿。
  第一回日本SF評論賞に星新一論で最終候補作に残るなどジャン
ルにとらわれない評論活動を展開中。

==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*

神保町さくらみちフェスティバル 春の古本まつり
*終了しました*

開催期間 3月27日(金)~3月29日(日)

神保町古書店街をあげて、春の廉価古本ワゴンセール開催。古本屋だ
けでなく、新刊書店、飲食店、小物店も出店致します。
千鳥ヶ淵の桜をお花見がてら、ぜひ神保町古書店街・じんぼうエリア
へもお運び下さい。

東京古書組合ホームページ 東京の古本屋

http://www.kosho.ne.jp

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

3月~4月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその77 2009.3.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
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     広報部:早川多摩雄
     TKI:河野高孝

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古本屋拡張計画 ホワイトマンショー   西秋書店 西秋 学

ホワイトマンショー   西秋書店 西秋 学

ホワイトマンて何?
これがイベント案内を見た組合員の大方の反応だろう。

東京古書会館オープニング記念連続イベント「古本拡張計画」の第一弾が、ホワイトマン・ショー「古本ラヂヲ@古書会館」。刷物やネットの案内を見ても「何が」行われるか今一つ想像できない。
それ故にどうも気になって仕方がなく、日曜という事もあり、新古書会館へ行ってみた。
会場は若い人が多く、古書店・展で見る客層とは大分違うようだった。

まずはマッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ。演じている方達はかなり濃い面々だが、リラックスした曲で静かにスタート。 かと思えば、演奏に釘付けになるような激しい曲も見せつける。カッコ良かったです。
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マッシブ・ジャズ・クインテットによるライブ

ライブの後はいよいよホワイトマンショー。客席の間を通って颯爽と登場する白塗りの面々。
あ、ホワイトマンってそういうことか。白塗りも半端でなく、歌舞伎役者のように耳までミッシリと塗りたくっている。
リーダーの説明によれば、ホワイトマンとは様々な業界のクリエイター達が、顔を白く塗る事と変名を使うことでそれぞれの肩書きや立場を離れ、何かおもしろいことをやろうというプロジェクトとのこと。

大丈夫かなこの人達…、という不安を胸に始まるショー。これが滅法おもしろかった。リーダーはよどみない喋りで進行させながら、適度なツッコミ&ボケをかましつつ、お客さんイジリも忘れない。トークの相方さんも出版関係の方のようで、多くの知識を添えながら、クールに話を進めて行く。

そして最大の疑問であった「古本」とこのショーの関連は、「本生(ほんせい)」という言葉で解かれていく。

「人それぞれの生き方が『人生』なら、本の一冊一冊の歩みは『本生』と言える…」

ホワイトマン達は、幾つかのテーマに沿って次々と本を紹介しては、抽選でお客さんに手渡す。
本の見返しには「本生」プロジェクトのサイトアドレスが記されたシールが貼りつけてある。その本は読むなり、友人に譲るなり、それこそ古書店に売るなり、好きにしてくださいと。そうして巣立った本たちのその後を語るも良し、本の内容を語るも良し、本から受けた影響で何をしたか等、「本」にまつわるストーリーをネット上で紡いでいく。これがこのプロジェクトの主旨。
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堅苦しい説明になったが、実際のショーは笑いもあれば、ジッと聴き入る場面もあったりと飽きさせない。
途中には大道芸の手品、ラップ(これが良い詩だった!)を挟み、DJによるBGMもまさにラジオのように絶えず流れている。何よりも語るホワイトマン達がホントに本が好きなんだなということが伝わる。

そして本をもらうお客さんも「前から読みたかった」という嬉しい笑顔もあれば、「初めて聞く本だけど、どんな内容だろう」というドキドキした顔もある。

これらの本たちは、今後どんな「本生」を辿るのだろうか。
私とツレがいただいた本は、串間努『少年ブーム』と谷川俊太郎の詩集(署名入)。当分は我が家にとどまりそうだ。

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日本の古本屋メールマガジン その76 2月25日号

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  1. 自著を語る(36)『西洋製本図鑑』     訳者・市川恵里
  2. 新鋭評論 (1) 『ダンセイニ、その魅力』(前編)小野塚 力
  3. 即売展情報

━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (36) 】

J・カンブラス『西洋製本図鑑』(雄松堂出版)  市川恵里

 スペインの製本家ジュゼップ・カンブラスの著書『西洋製本図鑑
』が昨年末、刊行された。これは翻訳本であって「自著」ではない
のだが、せっかくの機会なので、訳者として紹介させていただきた
い。
  手作り製本術の本はいろいろ出ているが、概して初心者向けの入
門書的なものが多く、ルリユールの技法を本格的に解説した本はほ
とんどない。何年も修業して身につけなければならないほど奥が深
く、難しい技術であるうえに、そのような技術をもつ人自体が少な
いせいだろう。著者のカンブラス氏は、バルセロナの製本家や金箔
師に弟子入りして伝統的な技術を学び、10代半ばから40年近く製本
のプロとして活動してきた腕のいい職人である。本書に登場する製
本作品の質が高いことからもそれはわかる。
  この『西洋製本図鑑』の特徴は、伝統的技法を中心にルリユール
のさまざまな技法を幅広く解説しており、とにかく本格的なこと、
そして総合的なことである。製本の歴史、道具と材料、具体的な製
本の工程(特に本格的な革装本の仕立て方を詳述)、箱の作り方、
箔押しの方法などが網羅され、ヨーロッパの伝統的な製本工芸に関
する初めての総合的な案内書となっている。「修復」の章では、破
れたページの補修方法、革装本の背の破損や角の傷み、革の剥落の
手当ての仕方、マーブル紙の作り方まで説明されている。
  本書のもうひとつの特徴は、なんと言っても、目をみはるほど美
しい写真がフルカラーで満載されていること。かがりや箔押しをは
じめ、文章による説明だけではうまくイメージできないような複雑
な作業が、豊富なカラー写真で図解されており、まさに百聞は一見
にしかず。本の構造も作り方もよくわかるし、製本家の工房で、作
業のひとつひとつに立ち会っているかのような気分が味わえる。ル
リユールを学ぶ人はもちろんのこと、西洋の書物や製本に少しでも
興味がある人にとっては、永久保存版の貴重な資料となるはずであ
る。

タイトル : 西洋製本図鑑
(セイヨウ セイホン ズカン)
( http://www.yushodo.co.jp/press/reliure/index.html )
著  者 : ジュゼップ・カンブラス
訳  者 : 市川恵里
日本語版監修 : 岡本幸治
発  行 : 雄松堂出版( http://www.yushodo.co.jp/press/ )
2008年12月
定  価 : 6,930円(本体:6,600円)
判  型 : A4変型
頁  数 : 160頁

市川恵里(いちかわえり)
1966年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。編集者を経て翻訳者。
主な訳書にA・T・ウィルコックス『古書修復の愉しみ』、A・ナ
フィーシー『テヘランでロリータを読む』(いずれも白水社)など。
ひょんなことから読書に夢中になってしまったエリザベス女王とそ
れに困惑する周囲の人々の姿を皮肉なユーモアとウィットたっぷり
に描いた英国の魅力的な読書小説『やんごとなき読者』を3月、白
水社から刊行予定。

━━━━━━━━━━━【新鋭評論(1)】━━━━━━━━━━━

『ダンセイニ、その魅力』(前編)  小野塚 力

 幻想作家、ロード・ダンセイニ。ある人にとっては「エルフラン
ドの王女」「ぺガーナの神々」に代表されるような幻視者としての
側面が重要視され、ラヴクラフトを魅了し、トールキンやル=グイ
ンらへの影響が顕著なファンタジーの祖の一人として意識されてい
る。また、翻訳家であり歌人でもあった片山広子に積極的に紹介さ
れ、菊池寛らに大きな影響を与えた戯曲作家としてもしられている。
いずれにしても、作家ダンセイニをめぐる評価軸は多岐にわたって
いる。
 
  日本におけるダンセイニ受容をふりかえると大きく分けて二期に
わけることができよう。ひとつは、大正から昭和初期にかけてのケ
ルト文藝復興運動と関連した形での戯曲作家としての受容、そして
戦後のファンタジーおよびミステリーの書き手としての受容である。
戯曲作家としてのダンセイニ受容を語るうえではずせないのが、前
述した、翻訳家松村みね子こと片山広子である。歌人としての評価
も高い片山広子であるが、芥川龍之介ファンならば、彼女が晩年の
芥川から「越し人」とよばれプラトニックな恋愛関係にあったこと
を知る人は多いだろう。芥川からもその才媛ぶりを認められた片山
広子であるが、大正から昭和のはじめにかけて、松村みね子の筆名
で、シング、ショオ、イエイツ、ダンセイニらのアイルランド文学
作品を翻訳し紹介している。(なお、ダンセイニ戯曲については現
在、沖積社から「ダンセイニ戯曲全集」が刊行され、比較的容易に
手にとることができる。)片山の訳は平易かつ格調が高い理想的な
文章で貫かれている。他方、「かなしき女王」の訳では雅文体に近
い韻律の美しさを優先させた文体で翻訳をおこなっている。このあ
たり、片山広子という女性の非凡さを如実に感じさせる部分である。

続きはWEBへ http://www.kosho.ne.jp/melma/0902/index.html

小野塚 力(おのづか りき)
  同人誌「某」「FANTAST」所属。ダンセイニ研究誌「PE
GANALOST」評論担当。  
「某」では、「平井功訳詩集」、矢野目源一「ゆりかご」復刻作業
に協力。
その他、ユリイカ別冊「総特集稲垣足穂」では年譜および書誌作成
に協力。森開社の雑誌「レヴォカッション」3号に「ペトリュスボ
レル」論を寄稿。
第一回日本SF評論賞に星新一論で最終候補作に残るなどジャンル
にとらわれない評論活動を展開中。

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日本の古本屋メールマガジンその76 2009.2.25

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日本の古本屋メールマガジン その75 1月26日号

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☆INDEX☆
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  1. 日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ
  2. 自著を語る(35) 『ハルミンの読書クラブ』 浅生ハルミン
『ナリコの読書クラブ』 近代ナリコ
  3. 即売展情報

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━━【日本の古本屋・TOPページリニューアルのお知らせ】━━━

2009年1月13日、国内最強の古書データベースとしてご愛顧
いただいております、 「日本の古本屋」のトップページがリニュ
ーアルいたしました。

リニューアルの最大のポイントは、トップページに検索窓がついた
ことです。従来は、トップページで直接検索をすることができず、
古書検索画面に行くために、ワンクリックしていただく必要があり
ましたが、その手間を省きました。

また、検索窓をひとつにした点も見逃せません。ひとつの検索窓に、
「書名」、「著者名」のキーワードをスペース区切りで入れれば、
アンド検索で古書検索できるようになりました。
さらに詳細な検索をしたい場合、従来なら、ログインしていただく
必要がありましたが、今回のリニューアルでは、ログインの必要もな
くご使用頂けるように致しました。

機能の改良に伴い、デザインも一新しました。よりシンプルに見や
すく、アイコンを利用して視覚的にも使いやすい工夫を施しました。
これからも、さらに使いやすく、便利な古書検索サイトとしてご
利用いただけるよう、新しい制度の導入や、サイトリニューアルを
計画準備しております。

「日本の古本屋」のより一層のご愛顧をお願い申しあげます。

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━━━━━━━━━━━━【自著を語る】━━━━━━━━━━━

【自著を語る (35) 】

『ハルミンの読書クラブ』(彷徨舎) 浅生ハルミン

 月替わりで交互に近代ナリコさんと始めた連載がそれぞれ1冊に
なった。ナリコさんは私の本を、私はナリコさんの本をというふう
に、お互いに装幀をやりあった。卒業式の日に制服のリボンを交換
してお別れするのにも似た女子校っぽさでもって、ナリコさんと私
の雰囲気をうまくあらわせたと満足している。ところで「本の発売
日はバレンタインデーにしましょう」と、相当気持ち悪くも楽しい
計画を私から編集部に持ちかけていたことを、ナリコさんはご存知
だったのだろうか。
  『ハルミンの読書クラブ』の連載は、好きな本のことを好きなよ
うに書かせてもらえる自由な場所であったので本当に楽しかった。
古本に触ることが楽しい。古本屋巡りをすることが楽しい。古本の
周辺をうろうろするのが楽しい。そうした古本生活の中から、ぼわ
ぼわ~っと立ちのぼってくる日常感覚を1400字にまとめる、と
いうことを長く続けてこられて幸せに思っている。
  「好きな本のことを好きなように」というものの、ナリコさんと
ひとつの椅子に半分コで腰掛けているという気分がずっとあった。
ナリコさんとの間合いを計って書こうとすると、自分のすることを
忘れてしまって迷子になりそうになったが、そんなにいろいろな書
き方や思い方はできないもので、結局はいつもと同じにしかならず、
自分のやり方に戻った。私には私にしか出せない音があるのだから、
おそれずに書け、というあたりまえのことを学ばせてもらったのは
予期せぬことだった。
  『ハルミンの読書クラブ』は、おおよそ私の日常感覚を書いてい
る部分が多いけれど、私としては、いつか、できることなら、1冊
の本から深くひろがりをもって徹底的に調査した文章を書いてみた
い。あくまで希望……。

●書誌●
タイトル : ハルミンの読書クラブ
(ハルミン ノ ドクショクラブ)
発  行 : 彷徨舎( http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/ )
2008年11月
定  価 : 1,470円(本体:1,400円)
判  型 : 小B6判
頁  数 : 144頁

●プロフィール●
浅生ハルミン(あさおはるみん)
1966年、三重県生まれ。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザイ
ン科卒業。イラストレーター、エッセイストとして多方面で活躍。
『私は猫ストーカー』『帰って来た猫ストーカー 』の著書もあり、
猫好きとしても有名。エッセイ集『猫座の女の生活と意見』が晶文
社から2月5日に発売

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『ナリコの読書クラブ』(彷徨舎) 近代ナリコ

 年明け、無性にオダサクが読みたくなり、読まなくてはいけない
本を尻目に夢中になっていました。こういうお楽しみのためだけの
本は、毎夜眠る前のいっとき寝床のなかでひらき、たいして読みす
すめもしないまま寝入ってしまう。そして翌朝、ふとんから出るま
でのしばらくのあいだ、枕の横に投げ出されていた本をまたひらく、
というのが常ですが、オダサク相手だとそのしばらくが結構な時間
になってしまい、このところすっかり起床時間が遅くなっています。
  と、こういうことを書くことができるのが「読書クラブ」のよい
ところでしょうか。八年もの連載、はじまった当初はまだ、どこか
気負って、近代ナリコという書き手としての看板を意識していたよ
うで、ほんとうに好きなものをそのまま好きと書くことへの照れが
ありましたが、いまは逆に無防備になりすぎて、もうすこし何者か
ぶったほうがいいのでは、と反省するほど。
  これはあとがきにも書いたことですが、これまで、本への対し方
というのはその時々によって微妙にうつろい、このところようやく、
書物への愛着が自分のからだのなかにすんなりと行き渡ってきた気
持ちでいます。
  それは、自分の興味のおもむくまま自由にこの連載に書き続けて
きたことに負うところおおく、なにより浅生ハルミンという話のわ
かる友人が相方であったことはおおきい。お互いのやりとりが誌面
に展開されていたわけではありませんが、私にとって『彷書月刊』
との出会いはかつての「ハルミンの読書クラブ」であったし、それ
がなければいまの私のやり方、というものもずいぶんちがっていた
と思います。
  古本の世界に足を踏み入れてからというもの、女性によって書か
れたものや、女性向けの雑多な本について考えてゆくことが、もの
書きとしての私のテーマのひとつです。「ハルミン&ナリコの読書
クラブ」は、ひとことでいえば本にまつわるエッセイだけれど、
「女性によって書かれたもの」への私の興味にこたえる対象本にも
なりうるものではないか、などと、これまでの自分やハルミンさん
が書いてきたことをふりかえり、ひそかに感慨にふけっています。

●書誌●
タイトル : ナリコの読書クラブ
(ナリコ ノ ドクショクラブ)
発  行 : 彷徨舎( http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/ )
2008年11月
定  価 : 1,470円(本体:1,400円)
判  型 : 小B6判
頁  数 : 144頁

●プロフィール●
近代ナリコ(こだいなりこ)
1970年、神奈川県生まれ。多摩美術大学卒業。文筆家。「女性」と
「近代」にまつわるあれこれを、シニカルに、かつ愛をこめて照射
することをテーマとしたミニコミ誌『modern juice』編集発行人。

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日本の古本屋メールマガジンその75 2009.1.26

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     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
     広報部:早川多摩雄
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