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2011年4月25日 第102号

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☆INDEX☆
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  1. 『再販/グーグル問題と流対協』論創社刊 高須次郎
  2. 『草森紳一が、いた。』 東海晴美
  3. ミネルヴァ書房『究』(きわめる)編集長 杉田啓三

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━━━━━━━━━━【自著を語る(53)】━━━━━━━━━━━

『再販/グーグル問題と流対協』(論創社)

    高須次郎

 私が会長を務める出版流通対策協議会(流対協)は、中小零細出
版社97社で組織する出版業界団体である。1997年に公正取引委員会
が本の定価販売制度=再販売価格維持契約制度(再販制度)の見直
し発言を機に再販制度の擁護を掲げて発足した。大手取次店による
中小零細出版社に対する差別的取引の撤廃や言論出版の自由の課題
を加え、この3つの課題を中心に活動を続けてきた。

 発足以来33年以上が経つのに、その時々の業界紙誌での論文はあ
るもののまとまった本がなく、大手出版社の団体である日本書籍出
版協会(書協)とは立場を異にすることも多く、その辺も含め説明
をする必要があるとも考えていた。そんな矢先、論創社の森下さん
から「出版人シリーズ」の企画の話があって、良い機会と思ってこ
の本になった。インタビューアーの小田光雄さんは私の好きな著名
な出版評論家で、再販制度については全く見解を異にする点が、む
しろ刺激的でもあった。

 この本のポイントは、つぎの諸点にある。まず昔は本には奥付に
定価が記されていたが、なぜいつの間になくなってしまったのか、
また新刊書籍などはなぜ定価販売でなければならないのかを分かり
やすく説明した。また本の定価表示が外税表示になっているのは、
内税表示を推進した書協に対し、流対協が外税表示を主張、公取委
を訴えた消費税定価訴訟と消費税の値上げで流対協の主張通りの外
税表示となった顛末も明らかにした。

 再販制についてはコンパクトに歴史を辿った。オイルショックの
インフレで、出版社がシール張りによる定価の値上げや奥付定価を
止めたりしたため、公取委が定価販売の特権を濫用し消費者利益に
反すると批判し、これに対し流対協の結成などを含め出版界の再販
擁護の運動がおき、現行再販制度が成立するまでを第Ⅰ部で取り上
げた。皮肉にも消費税の導入により、奥付定価が事実上なくなって
しまった経緯なども明らかにした。

 その後、日米経済摩擦により、米国が再販制の廃止を要求、医薬
品などの指定再販制度が廃止されるだけでなく、著作物法定再販制
そのものの期限を区切っての廃止の要求がなされたため、新聞、出
版などの業界による再販制擁護運動が展開される。なんとか3年間
のモラトリアムになったが、その間に出版界では書協などが再販制
度を守るためとしてバーゲンブックなどの弾力運用を展開、内部か
ら崩れ始めるが、流対協は再販制度の擁護の姿勢を崩さなかった
(第Ⅱ部)。

 出版界では流対協そして新聞業界の再販制擁護の意思が堅く、20
01年に同制度の当面存置が決まるが、逆に再販制度の擁護の名目で
弾力運用が行われる。昨年になって、流対協の申入れに対し公取委
は再販制の見直しは行わないことを表明し、ようやく一件落着とな
る(第Ⅲ部)。

 グーグル問題についても書協は参加が得策としたが、流対協は出
版社の自殺行為としてこれに反対、グーグルに勝利するまでの顛末
が明らかにされる(第Ⅳ部)。
  小さな出版社団体が、さまざまな出版流通問題で決定的かつ重要
な役割を果たしていたことが分かっていただければと思う。

高須次郎(緑風出版代表)
    『再販制/グーグル問題と流対協』論創社刊
      http://www.ronso.co.jp
  緑風出版
     http://www.ryokufu.com/top.html

━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━━

『草森紳一が、いた。 友人と仕事仲間たちによる回想集』  

  編集人 東海晴美

2008年3月末、自らを物書きと称した草森紳一が門前仲町の自宅マ
ンションで、蔵書の山の中で亡くなっているのが発見された。
数日前から、締め切りなのに連絡が取れないことを心配した編集者
たちが草森を探しまわっていた。電話は通じず、郵便受けをのぞい
ても取り出した様子はない。マンション7階の外階段に座ってじっ
と隅田川を眺めながら帰りを待っていた彼らが、ともに動き出した
のは何日からだったか。
草森の行きつけのコンビニや喫茶店で聞き込みを始め、行き倒れの
老人を見かけなかったかまで、尋ねたという。マンションの中は?
  本の洞窟と化した部屋の中は暗いばかりで見つからない。交代で
草森さんの帰宅を待とうと当番を決めた翌日、懐中電灯を持って入
った編集者に発見されたのだった。

死因は心不全で、本人も予期しないほど突然の出来事だったと思わ
れる。『本が崩れる』(文春新書)で予言されたかのような死。
4~5万冊と言われていた蔵書の山を前に呆然とするばかりの日々が
過ぎて、少しずつ少しずつ、遺族と有志たちによって本の整理と目
録の入力が行われていった。
その過程でみんなを驚嘆させたのは、マンガ本から和とじ本、漢籍、
豪華な美術書に至るまで細かい書き込みやチェックが入っていたこ
とだ。あらゆる本が、草森さんの血肉となっているのだった。

草森紳一の生きる凄みを知って、草森の人間像と仕事をもっと知り
たいと本書の制作を思い立った。歴代の担当編集者はもとより、居
酒屋の女将に至るまで78名もの人たちから愛にあふれた!回想文を
いただくことができた。
武田泰淳が草森の文章をほめた(村松友視)というけれど、サブカ
ルのみならず幕末、ナチス、文革など多岐にわたる仕事の全貌も伝
えたいと、全著作と連載リストも掲載した。
書物の受難の時代に、存分に読み、書いて、筆一本で生きた草森紳
一という物書きがいたことを、ぜひ知って下さい。

*取り扱い書店は、草森関連ブログで紹介しています。
晴美制作室 info@harumi-inc.comでも受付中です。

<草森紳一関連ブログ>
崩れた本の山の中から http://d.hatena.ne.jp/kusamori_lib/
その先は永代橋 http://d.hatena.ne.jp/s-kusamori/

━━━━━━━━━━━【編集長登場(2)】━━━━━━━━━━━

「『ミネルヴァ通信「究」』の創刊」

ミネルヴァ書房 代表取締役社長 杉田啓三 

 人文・社会科学の専門書を刊行する日本一の出版社になりたい。
そう思って30年間、編集者を続けてきた。
  入社したての昭和51年のわが社の新刊は60点余、それが今では年
間300点を超す。そのうち半分以上が専門書である。売れない本を出
してよくつぶれないでやっているネ、と周りの人から言われること
がある。

 しかし、専門書は儲からないのか?。そんなことはない。もとも
と小ロットの専門書は、不況と無縁であり、目に見える読者を対象
とすることで最も効率が良い。時代が変わっても研究者を主体とす
る読者は絶えず再生産されるのである。少なくとも、ベストセラー
と違って手堅くやれば出版社の土台をゆるぎなくする、そう確信し
て作りつづけてきた。

 東京では、出版不況のもと、益々本を読まない若い人が増えた、
と会えば口について出るのが、そういったグチである。確かに、数
字の上では、出版界全体としての「パイ」は年々小さくなってきた
が、果して「活字離れ」は進んでいるのか。
  私には、この業界が自分たちのよって立つ基盤である、若い読者
を本気で育ててきたのか疑問だ。高度成長の右肩上がりのときには、
浮かれ騒ぎ、不況の波に洗われると読者のせいにする。縮小再生産
の現状は地道に畑を耕すことを忘れたツケが回ってきた、としか考
えられない。

 昨年は「国民読書年」といわれながら、「電子書籍元年」の乱痴気
騒ぎに、主役の座を奪われてしまった。改めて「本」とは何かを問
い直してみる必要を痛感する。

 今度、小社では『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』を創刊し
た。小さな冊子だが、大切に育てていきたい。京都はわが国出版の
ルーツの地である。本づくりの原点に立ち帰って、今一度じっくり
と読者の掘り起こしを行っていこうと思う。
  是非、『究』を手に取って、ミネルヴァ書房の長年の専門書づく
りの「魂」を感じていただきたい。

『ミネルヴァ通信「究」』
   http://www.minervashobo.co.jp/book/b88376.html
   毎月1日発行/A5判64頁
   定価315円(税・送料共)/年間購読料3780円(税・送料共)
*定期購読のお申し込みは、小社営業部へお願いいたします
  TEL075-581-0296 FAX075-581-0589
  E-mail eigyo@minervashobo.co.jp

  ミネルヴァ書房  http://www.minervashobo.co.jp/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『筑摩書房 それからの四十年 1970-2010』 永江朗著 
   (筑摩書房刊、定価(税込)1,890円)好評発売中
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480015174/

『12人の優しい「書店人」』 山本明文著
   (商業界刊、定価(税込)1,470円)好評発売中
  http://www.shogyokai.co.jp/shopping/

『古本屋慕情』青梅多摩書房 中村靖則著
(平安工房刊、定価(税込み) 1,575円)好評発売中

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 4月~5月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその102 2011.4.25

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     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
     広報部:西村康樹
編集長:藤原栄志郎

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2011年3月25日 第101号

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☆INDEX☆
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 1. 編集長登場番外編 夏葉社 島田潤一郎
 2. ドン・ザッキーとは誰か?  青木正美
 3. 満鉄図書館史 村上美代治
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━━━━━━━━━━【編集長登場番外編】━━━━━━━━━━

『関口良雄さんを憶う』の出版について

                    夏葉社 島田潤一郎

出版し、まったく売れなくても後悔しない本をつくりたい、とずっ
と思っています。貯金をはたき、借金をして、一人でやっている出
版社ですから、そういう気持ちがないと、恐くてやっていけません。
普段は、古本屋で800円くらいの本を見ても、高いなあ、などと
思ってしまいます。それが、本の出版となると、百万円以上のお金
が出ていきます。ATMの画面を押す指が震えてきます。

『昔日の客』は、そういう思いでつくった2冊目の本です。昨年の
6月に初めて読み、感動して、すぐに復刊に取りかかりました。売
れたらいいなと思っていましたが、実はつくることに精いっぱいで、
販売のことを考える余裕はあまりありませんでした。印刷所に入稿
したあと、なんとか時間をつくって、お世話になっている書店をま
わるくらいしか出来ませんでした。

しかし、復刊した『昔日の客』は、こちらが想像していた以上に好
評でした。3年で売り切ろうと思っていた冊数が、およそ1ヵ月で
無くなりました。ブログやツイッターなどで、書評家、書店主、読
者の皆さんが、積極的に取り上げてくれたからだと思います。毎日
のように書きこまれる本の感想を読み、関口良雄さんの奥様、ご子
息の直人さんと、ともに喜んでいました。こんな経験はもう二度と
出来ないと思います。

先月復刻した『関口良雄さんを憶う』は、その感謝の気持ちを込め
てつくりました。税込で、840円です。
本の復刊を喜んでもらえたとき、私は出版社を立ち上げて良かった
と、心から思います。そればかりでなく、生まれてきてよかった、
とも思います。

今後も、営利主義に陥ることなく、復刊をコツコツと続けていきた
いです。

  夏葉社 http://natsuhasha.com/

━━━━━━━━━━【自著を語る(51)】━━━━━━━━━━━

ドン・ザッキーとは誰か?
                      青木正美

 私の今度の本『ある「詩人古本屋」伝-風雲児ドン・ザッキーを
探せ』は筑摩書房から出版された。

 私は五十歳の時『古本屋三十年』なる本を出し、貸本屋時代のこ
とにも触れたのである。その資料として使ったのが都崎友雄『新貸
本開業の手引』という小冊子。私が都崎に著書を贈ると、その手引
きを分けて下さらんかとの、都崎の電話。私は引用のお礼にと、そ
れを送る。都崎は私の参加している古書展に訪ねて来たりした。そ
の後私は都崎が古い同業で、戦後長く組合の『古書月報』を編集し
たり、貸本組合初代理事長としても活躍した人だったと知る。

 意外な展開を見せるのは、私が古書市場で仕入れた大正十四年一
年間を書き切った一冊の日記帳との出会いだった。日記の主は神田
・冨山房に勤める十七歳の少年で、詩にこっているのが見つかり、
首を告げられてしまう。帰る故郷もない少年は、徒弟になりたいと
詩人達へ手紙を出す。唯一店へ訪ねてきたのがドン・ザッキーとい
う詩人。少年はそこへ転がり込み、詩誌『世界詩人』の編集、詩稿
集めに従事、それを克明に日記に記し続けた。

 少年はドンの破天荒な行動に翻弄される。時あたかも大正ダダイ
ズムの青春群像が、疾風怒濤の如く駆け抜けた時代であった。日記
で少年は、時々ドンが都崎姓であることも書く。読み進めた私は、
いつかあの都崎老人のことを思い出し、「もしや?」と思った。

 結局私は、ドン・ザッキーがあの『日本近代文学大事典』にも載
る詩人で都崎は「ド、ザキ」をもじって詩人名としたものだったこ
とを知る。ただここには、「その後市井に隠れた存在」とも書かれ
ていた。私はまるで、運命に突き動かされるように諸文献を漁り、
御子息達にも取材し、その生涯を明らかにした。
 是非お読み頂けたら幸いです。

 
『ある「詩人古本屋」伝-風雲児ドン・ザッキーを探せ』
筑摩書房刊
  http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480816702/

━━━━━━━━━━【自著を語る(52)】━━━━━━━━━━━

『満鉄図書館史』の出版について

                    村上美代治

日露戦争後の満洲統治策として、また国内の閉塞状況を打破するた
めに国策会社として設立されたのが南満洲鉄道株式会社(以下、満
鉄)です。満鉄は会社業務の遂行のために1907年に調査部図書
室(後の大連図書館)を設置、続いて1910年11月に鉄道沿線
主要地に社員・その家族及び在留日本人向けの図書館として図書閲
覧場(後に簡易図書館、図書館に改称)を設置しました。大連図書
館、奉天図書館、哈爾濱図書館の3つの参考図書館と多くの通俗図
書館を沿線各地に設置することによって、点と線で結ばれた図書館
網を構築することができ、幅広い図書館活動を展開しました。

ここに日本国内には見られなかった非常にユニークな図書館活動を
展開することが可能となりました。この活動が満鉄図書館の名を内
外に知らしめることになり、2度にわたって図書館大会(日本図書
館協会主催)を満洲の地で開催するまでに成長しました。

本書は2010年に図書閲覧場(後に簡易図書館、図書館に改称)
が設置されて100年の節目に当たることから、誕生から消滅に至
るまでの満鉄図書館の活動を総合的に理解することを目的として刊
行しました。外地図書館のなかで一番活発に展開した満鉄図書館を
図書館史のなかで論じることによって、図書館の理念や哲学を見出
すことを試みました。これから図書館史を学ぼうとする方はもちろ
ん、満鉄・メディアにご関心のある方も手にとって頂きたいと思い
ます。入手先は次のとおりです。

申込先  
           *村上美代治(e-mail: murakami@ad.ryukoku.ac.jp)
頒  価:2,500円(送料は別に350円を要します。)
支払方法:郵便振替(困難の場合は銀行振込)
*東京堂書店神田本店3階にて好評発売中

http://www.tokyodoshoten.co.jp/

━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━
 出久根達郎さんが講演を行います。
 
  「本の数だけ学校がある」

 3月27日(日)13時~15時 中央区佃 相生の里

 詳細、予約方法は下記ホームページにて。
 http://aioibooklabo.blog.shinobi.jp/Entry/6/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
自著を語る(53)
高須次郎(緑風出版代表)
   『再販制/グーグル問題と流対協』論創社刊
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 緑風出版
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自著を語る番外編
 晴美制作室(株) 東海晴美
  『草森紳一が、いた。』
   http://d.hatena.ne.jp/s-kusamori/
   崩れた本の山の中から
   草森紳一 蔵書整理プロジェクト
   http://d.hatena.ne.jp/kusamori_lib/

編集長登場 第二回
ミネルヴァ書房『究』(きわめる)編集長 杉田啓三
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 3月~4月の即売展情報
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2011年2月25日 第100号

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  1. 『戦後出版史』 塩澤実信
  2.『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』 鈴木俊幸
  3. 『出版のこころ 布川角左衛門の遺業』 小林恒也

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━━━━━━━━━【自著を語る(48)】━━━━━━━━

『戦後出版史』論創社刊
  塩澤実信(出版ジャーナリスト)

『戦後出版史』刊行の経緯は、編者・小田光雄氏の「まえがき」に
余すところがない。深刻化する出版業界の危機に犀利な分析をつづ
けていた少壮評論家が「出版史を振り返り、その歴史に学ぶことに
よって、現在の危機を打開するための視点を模索すべき・・・」と、
手頃の関連本を探ったことから、スタートしている。

 しかし、再販売委託制下の戦後出版史のコンパクトな一冊は見つ
からず、そこで思い浮んだのが、私の戦後出版界を綴った著作の数
々だった。
 氏は、私の三十冊に余る出版関係の拙著を素材にして抜粋構成の
手法で『戦後出版史』の編纂を考え、論創社の森下紀夫社長を通じ
承諾を求めてきたのである。

 既刊の拙著の中には、『出版社の運命を決めた一冊の本』(流動
出版刊)を 嚆矢に、『雑誌記者 池島信平』(文藝春秋刊)、『
古田晁伝説』(河出書房新社刊)、『出版社大全』(論創社刊)な
ど、多少は書評にとりあげられ、話題になったものもあった。
 前身に、四半世紀各社を転々とした編集者だったので、体験を下
敷きしてフィールド・ワークの手法でまとめた拙著だった。

 編者の小田氏は、非才の執筆姿勢を生かし「塩澤の視点から見た
戦後出版に関する長編ドラマのように」仕上げてくれた。
 その結果、膨大な文献資料を集めて、註釈・注解する類のデスク・
ワークの所作とは一線を画したA5判、四百五十ページの浩瀚な
一冊となった。

 半生を雑誌・書籍づくりで過し、出版ほど人間くさい仕事はない
と確信しているだけに、小田光雄氏の精緻な恪勤によって編みあげ
られたヒューマン・ドキュメント風な『戦後出版史』に感謝あるの
みである。

 『戦後出版史』論創社刊
    http://www.ronso.co.jp/index.html

━━━━━━━━━━━【自著を語る(49)】━━━━━━━━━━

『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』

                鈴木俊幸(中央大学文学部教授)

この本は、私の趣味の産物である。

 かなり以前から、江戸時代の本屋を全国規模で把握してみようと
心懸けていた。研究に必要な作業であった。資料を、いやひょっと
したら資料になるかもしれないものを、古書店、古書会館等の即売
会、またネットオークションなどで物色しつつ、各地の図書館や文
書館でちゃんとした(してそうな)資料を漁ってきた。それが次第
に明治前半期くらいまで収集範囲が広がっていった(捨て置きがた
く手に入れてしまったものたちのせいでもある)。

出版などを行っていないような小さな本屋、これまで誰も知らなか
ったような店を見つけると嬉しくてたまらない。絵草紙屋など大御
馳走である。もはや、どこまでが研究でどこからが趣味なのか。

 またこの本は、私の性癖の産物でもある。

 ちっぽけなもの、取るに足らないくだらないものが気になってし
かたがない。それらの感触を確かめつつ、低い視点から時代を眺め
てみたい。理屈をつければ、こうも言えようか。その時代に生きた
人々は、当然時代の変化とともにあったが、それよりも、変わらぬ
日常、普通の中で生きていたはずである。

草紙の文化は、時代の日常にとけこみ、彼らのプライベートな空間
に息づいていた。草紙類の流通最末端である絵草紙屋の店先からは、
彼らのささやかで豊かな生活、時代の実相が見えてくるような気が
するのである。

 『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』 平凡社刊
 『江戸の本づくし 黄表紙で読む江戸の出版事情』平凡社刊

http://www.heibonsha.co.jp/

━━━━━━━━━━━【自著を語る(50)】━━━━━━━━━━

『出版のこころ 布川角左衛門の遺業』

                小林恒也(こばやし・つねや)

 本書は、二十世紀を通じて出版界、出版業界に偉大な足跡を遺し
た布川角左衛門の生涯と業績をたどり、「出版のこころ」を探ろう
とするものである。

 布川角左衛門は、戦後から平成の初めにかけて出版界、出版関連
業界に関係した人にとって、その名前はよく知られた偉大な出版人
であるが、その活躍の範囲が多岐にわたっているところから、これ
まで全容は意外に捉えられていない。

 布川角左衛門は、一九〇一年に新潟県に生まれ、関東大震災後の
法政大学在学中に岩波書店店主岩波茂雄の知遇を得て、卒業後岩波
書店に入店し、岩波茂雄の薫陶を受け、戦前戦後に数々の名著の編
集に携わり、いわゆる「岩波文化」を築いた編集者の一人である。

 岩波書店退職後は、文部省著作権審議会委員、日本書籍出版協会
相談役、出版倫理協議会議長など多くの重責を担い、出版の自由を
守り、出版文化の向上に多大な貢献をした出版人である。
 この間、『日本出版百年史年表』の編纂に編集長として刊行にた
ずさわり、その功績により一九六八年菊池寛賞を受賞した。

 さらに、一九六九年日本出版学会の設立に参画し、出版・編集の
研究、情報収集等を推進し、出版・編集教育にも大きく貢献した。
 一九七九年には、筑摩書房の管財人・代表取締役社長に就任し、
およそ七年三か月以上にわたり、同社の再建に尽力されたことはい
まだに記憶に新しい。

 出版界が変革期を迎えている今日、本書を通じて、改めて”出版
とは何か”出版の将来を考える一助となれば、という願いでの刊行
である。

 布川角左衛門の業績は多岐にわたり数え上げるときりがないが、
岩波書店退職後に「布川出版研究室」を主宰し、出版・編集教育、
出版研究、出版情報の収集など、出版界のために幅広く貢献した。
 この間に『岩波書店五十年』『日本出版百年史年表』『出版事典』
などの編集に関係し、その必要から収集・保存した近代出版史資料
が「布川文庫」と呼ばれた。その後も生涯にわたって布川が収集・
保存した出版資料約2万点は国立国会図書館に寄贈された。
 現在この「布川文庫・近代出版史資料」は国立国会図書館東京本
館に収蔵され、日本の貴重な「出版史資料」として、多くの出版研
究者、教育関係者などに広く利用されている。

 『出版のこころ 布川角左衛門の遺業』展望社刊

http://tembo-books.jp/

━━━━━━━━━━━━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━

 古本屋ツアーインジャパンの小山力也さんが西荻ブックマーク
 に出演! 

 3月19日(土)に岡崎武志さんと対談をします。

 詳しくは下記ホームページまで。
 http://nishiogi-bookmark.org/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

 編集長登場番外編
  夏葉社編集長 島田潤一郎
   『関口良雄さんを憶う』復刻版について
    http://natsuhasha.com/

 青木正美著
 『ある「詩人古本屋」伝 ─風雲児ドン・ザッキーを探せ』
  筑摩書房刊
   http://www.chikumashobo.co.jp/author/001695/

村上美代治著 『満鉄図書館史』

━━━【月刊『ちくま』年間購読プレゼント当選者発表】━━━━

 月刊『ちくま』年間購読プレゼント当選者は下記の方々です。

 北海道 笠井様  東京都 観音様  千葉県 橋本様
 奈良県 駒田様  埼玉県 高木様  広島県 篠田様
 茨城県 上原様  大阪府 艾原様  三重県 鈴木様
 埼玉県 大崎様
        
                おめでとうございました。

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  次回は2011年3月下旬頃発行です。お楽しみに!
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日本の古本屋メールマガジンその100 2011.2.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
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【発行者】
     広報部:西村康樹
編集長:藤原栄志郎

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2011年1月25日 第99号

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☆INDEX☆
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  1. 古本好きに「ちくま」 青木 真次
  2.「江戸の板本」新装版  中野 三敏
  3. 次回予告

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━【シリーズ編集長登場(1)】━━━━━━━━

古本好きに「ちくま」
             月刊『ちくま』編集長 青木 真次

出版社の倉庫の薄暗い片隅には、古い絶版本が人知れず眠っている
ことがある……。知人から何度か聞かれたことがあります。古本好
きなら誰でもそんな空想をすることでしょう。残念ながらそんなこ
とはまずあり得ません。
と、いきなり、皆さんの夢をぶち壊すようなことから始めてしまい
ましたが、創業70年を迎えた筑摩書房の倉庫にも、貴重な絶版本
が転がっていたりはしませんが、PR誌「ちくま」を古本好きの人た
ちにお勧めしたいと思います。

新年号の目次には、坪内祐三「探訪記者・松崎天民」、鹿島茂「神
田神保町書肆街考」、荻原魚雷「魚雷の眼」など、古本の香りのす
る連載が並んでいます。また、昨年までの表紙は林哲夫さんの本を
テーマにした絵でしたが、新年号からは小沢昭一さんの昭和の風景
写真です。こちらもどことなく古本ぽい雰囲気です。もちろん、出
版社のPR誌ですから、自社刊行物の紹介や刊行情報も詰まっていま
す。

世は挙って電子出版話で湧きあがっていますが、紙のPR誌で本の面
白さを伝えようとすれば、おのずと古臭くなるのかもしれません。
でも、それでいいじゃないですか……。
ほかには、佐野眞一、鈴木理生、斎藤美奈子、中野翠、与那原恵、
前田英樹、小林信彦、古田博司、岸本佐知子、なだいなだ、保坂和志、
沖浦和光、小路幸也といった連載があります。ノンフィクション、
小説、エッセイ、時評などわずか80頁の中に満載です。それと、
なかなか「ちくま」が手に入らないといわれますが、ぜひ定期購読
をお願いします。

今年元旦に逝去された「彷書月刊」編集長の田村治芳さんが、昨年
8月号から10月号には同誌の思い出を書いています。田村さんは
「ちくま」に目を通しては、「あの連載はおもしろい」などと一声
かけてくれていました。あの世でも田村さんが読んでくれるような
誌面を目指していきたいと思います。皆さんのご愛読お願いいたし
ます。

 月刊『ちくま』
  http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/

━━━━━━━━━━━【自著を語る(47)】━━━━━━━━━━

「江戸の板本」新装版
                     中野 三敏

 執筆にとりかかったのは、丁度、年号が平成となる頃だった。
「新日本古典文学大系」の月報に連載する為だったのである。きっ
かけは「板本」(はんぽん)という用語そのものが、かなり詳しい説
明をしないと通用しなくなりかけていることに気がついた所から、
その取り扱い方についてきちんとした書誌学的な事柄を、自分の経
験に基いて出来るだけ具体的に書いてみようと思ったからである。
 従来、書誌学といえば江戸以前の古写本時代を中心に述べられる
ものが殆んどであり、板本などは珍らしくも何ともないものなので、
そんな必要はないと考えられていたからでもある。その為、対象と
した読者も、せいぜい研究者の卵向けにというつもりだったことは
間違いない。

 しかし、それからもはや二十年ほども過ぎた今、明治以来の日本
人の江戸離れは予想外に加速してしまった。今や板本どころか、そ
の最も基本的な構成要素である変体仮名と草書体漢字を読む能力の
保有者そのものが、せいぜい三千から五千人ほどの人数になってい
るのではないか。そのくせ、昨今の風潮は妙に江戸が話題になるこ
とが目立つ。その最たるものが所謂「エコ」なる語彙の濫発である。
恐らく未熟な近代主義の行き詰りが、このような風潮の引き金にな
っているのであろう。

 とすれば江戸専門の研究者としては、初めて社会の御役に立つべ
く要請を受けたことになる。ならばやはり出来るだけ正確な情報の
発信に心がけねばなるまい。江戸に関する知見は基本的に文字情報
に依らざるを得まい。それは書物として存在する。そして江戸の書
物の最も特徴的な存在は、木版印刷された板本である。
 かくして吾が「江戸の版本」新装版は、その刊行理由を確かに保
証されることになった。めでたしめでたし。

中野三敏『書誌学談義 江戸の板本』岩波書店
   定価 2,940円(税込み)(好評発売中)

http://www.iwanami.co.jp/

中野三敏『古文書入門 くずし字で「百人一首」を楽しむ』角川書店
  定価 2,100円(税込み) (好評発売中)

http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200910000146

━━━━━━━【日本の古本屋 かべ新聞発行】━━━━━━━━━

東京古書組合発 かべ新聞発行しました。

東京古書組合では、今年からかべ新聞を発行いたします。古本に関す
る話題や、対談などを中心に、隔月で2年間発行する予定です。
かべ新聞は全国古書籍商組合連合会加盟店にてご覧頂けます。

第1回は国立国会図書館の長尾真館長と東京古書組合の小沼良成理事長
が対談しました。

詳しくはこちら http://www.kosho.ne.jp

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
 
塩沢実信
  『戦後出版史』論創社刊 

http://www.ronso.co.jp/

鈴木俊幸
  『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』 平凡社刊

http://www.heibonsha.co.jp/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 1月~2月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその99 2011.1.25

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     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
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【発行者】
     広報部:西村康樹
編集長:藤原栄志郎

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日本の古本屋メールマガジン その98 12月24日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  1. 「物である本」のインフラの危機 桂川 潤
  2. 古本屋ツアー・イン・ジャパン2010を振り返って 小山力也
  3. 「古本屋名簿 古通手帖2011」当選者発表

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

━━━━━━━━━━━【自著を語る(46)】━━━━━━━━━━

「物である本」のインフラの危機

           桂川 潤(かつらがわ・じゅん 装丁家)

 書籍全文を検索対象とする「グーグル・ブックス」の始動をはじ
め、書籍電子化の動きは着々と進みつつある。iPadを愛用している
わたしは、けっして電子書籍全面否定論者ではない。しかし書籍電
子化が進めば、いずれ「物である本」が存亡の危機に瀕するという
強い危機感を抱いている。「電子書籍と紙の本が共存すればいい」
と多くの人が楽観的に考えているが、本づくりの最前線から見ると、
出版・流通という「上部構造」以上に、いま危機に直面しているの
が、薄利多売で「紙の本」を支えている「下部構造」だ。すなわち
製紙・印刷・製本といったインフラ=製造業は、おそらく「紙の本」
が半減してしまえば立ち行かなくなる。

 拙著『本は物である』の第二章で詳述したように、「物である本」
は「生態系」とも形容すべき精妙な連携によって支えられている。
そんな製造業の現場では、「職人技の継承」と同時に、それを下支
えする「機械の維持」が切実な問題だ。だが、そんな本づくりのイ
ンフラすべてが、今まさに危機に瀕している。わたしが「物である
本」を強調するのは、単なる「懐古趣味」からではない。「読書」
は、人間の「歴史」と「身体性」に深く根ざす営みだ。「読書」は
本文のテクストtextを視覚的に追うだけの行為にとどまらず、自身
を鳥瞰しながらコンテクストcontext(状況・文脈・背景)を五感
で感受し、自己編集(松岡正剛)していく行為なのだ。

 本書は、テクストを「物質=書物」として立ち上げていく「装丁」
というプロセスを切り口に、「物である本」をさまざまな角度から
分析し、書籍電子化を見据えた書物論、出版文化論を試みたもので
ある。「本」や「読書」の「これから」を案ずる方々に、ぜひ手に
とっていただければと願う。

ブログ
  http://www.asahi-net.or.jp/~pd4j-ktrg/

『本は物である』桂川 潤 著 新曜社発行(好評発売中)

http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1210-8.htm

━━━━━━━【『古本屋ツアーインジャパン2010』】━━━━━

古本屋ツアー・イン・ジャパン2010を振り返って

                古本屋ツーリスト 小山力也

 今年も後少しで終わりとなってしまったが、一年を改めて振り返
ってみると、やはり古本屋に始まり古本屋に終わる一年であった。

 ブログ更新のために訪ねたお店(基本的に新規である)は、12/15
現在で307店、各お店で買った本は598冊。そして調査のために文庫
サイズのノートを七冊使い切った…。このように己の行動を数値化
して見てみると、常識の範囲を大きく逸脱していることが、身に染
みて良く理解出来る。そしてそのツアー先はと言えば、仕事による
出張が少なくなったため、あまり遠くまで足を延ばせなくなってし
まった。一番の遠隔地は北海道・札幌で、南は山口・岩国が限界
(これは両方とも、その少ない仕事での移動である)。その上、四国
・山陰・九州には一歩も踏み込めない体たらく。と言うわけで春先頃
から、自身の力で動くツアーへとシフトしたのだが、やはり中々遠
くには行けず、ブログ名にある“イン・ジャパン”が“イン・関東”
になりつつあったことを、自虐的に自覚しながら、脱却への道を模
索する日々を送っていた…。

 ツアーは今年三年目。正確な数は把握していないが、今まででお
よそ千店は訪ねていようか。当然巡れば巡る程、訪ねるべきお店の
数は少なくなって行く。東京在住の私にとっては、その周辺のお店
が一番訪ねやすく、経済的にも負担が少ない。が、神保町・早稲田
・本郷三丁目の古本街を残し、あらかたツアーしてしまった感があ
るので、自然と足を遠くへ向けることが多くなって行くのは必然で
あった。

続きはこちら
    http://www.kosho.ne.jp/melma/1012/index-1.html

古本屋ツアー・イン・ジャパン http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/

━━━━【「古本屋名簿 古通手帖2011」当選者発表】━━━━━━

 日本古書通信社 『古本屋名簿 古通手帖2011』プレゼント
  当選者は下記の方々です。

  新潟県 小林様  千葉県 沢株様  神奈川県 尾関様
  福岡県 内倉様  東京都 川本様  北海道 近藤様
  静岡県 西山様  三重県 鈴木様  徳島県 木村様
  大阪府 塩谷様

              おめでとうございました。

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
 
自著を語る(47)
中野三敏『書誌学談義 江戸の板本』岩波書店
   定価 2,940円(税込み)(好評発売中)
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 編集長登場 第一回 月刊『ちくま』編集長 青木真次
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━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 12月~1月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその98 2010.12.24

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編集長:藤原栄志郎

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日本の古本屋メールマガジン その97 11月25日号

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☆INDEX☆
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  1. 『昔日の客』秘話 関口直人
  2. 『古本屋名簿―古通手帖2011』刊行  折付桂子
  3. ニッポン洋行御支度史(6) 旅行会話集   西出勇志

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━━━━━━━━━━【『昔日の客』秘話】━━━━━━━━━━

『昔日の客』秘話

              関口直人

 復刊された「昔日の客」(夏葉社)がご自宅に届いたであろうその
日に、紅野敏郎先生は亡くなられたそうです。その後間もなく、女
優の長岡輝子さんが百二歳の天寿を全うされました。長年「昔日の
客」でいらっしゃったお二人のご冥福を、心よりお祈り致します。
 
約三十三年前のことです。還暦を機に随筆集を出版しようと、父は
原稿を日夜推敲していました。しかし、殆ど完成した頃に、癌で余
命一、二ヶ月と宣告されてしまったのです。まだ数編書きたい話が
あると言う父に、病のことは知らせませんでした。私は祈りました。
せめて私の手帳の最後のページまで父を生かして下さい、と。フリ
ーのダイアリーには途中までしか日付を入れていなかったので、そ
れが何日となるかは分かりませんでした。父は五ヶ月近く延命でき、
その間にいろいろなことを語り合えました。山高登さんと本の装丁
や口絵の打ち合わせも出来たのです。そしてまさに、私の手帳のち
ょうど最後のページの日、父は五十九歳であの世に旅立ったのでし
た。
 
翌年、完成した「昔日の客」(三茶書房)を読んで下さった尾崎一
雄先生から、母は聞きました。日本エッセイスト・クラブ賞に推薦
して下さったと言うのです。残念ながら賞の規定で、作者は生きて
なければなりませんでした。ですが母は、先生が推薦して下さった
ことに感激し、嬉し涙が止まらなかったのです。その日、先生のお
住まいのある下曾我から国府津までを歩いている間ずっと、父の魂
が一緒にいるのを感じたと母は言っておりました。父もきっと嬉し
くて飛び回っていたに違いありません。
 
先日、駒場の日本近代文学館を夏葉社の島田さんと母と三人で訪ね
ました。父が寄贈した本達、上林暁文学書目と尾崎一雄文学書目に
登場した彼等と共に、焦茶色の「昔日の客」がひっそりと棚にあり
ました。嘗て父がこの地下室で彼等との再会を約束したのだと思う
と、感慨深い気持ちになりました。間もなく、その隣りに、新たに
寄贈された萌黄色の「昔日の客」が並ぶことでしょう。いつの日か、
息子達を連れて再訪したいものと思いながら、文学館の森を後にし
ました。

  『昔日の客』夏葉社刊・好評発売中
    http://natsuhasha.com/

━━━━━━━━【『古本屋名簿 古通手帖2010』】━━━━━━

街の古本屋さんを応援します!
―「古本屋名簿―古通手帖2011」刊行―

日本古書通信社編集部 折付桂子

あなたの街に古本屋さんはありますか?
古本屋巡りのガイドブックとして広く愛用していただいた「全国古
本屋地図」に代わり、このたび「古本屋名簿―古通手帖2011」を出
版いたしました。お散歩用「地図」ではなく、全国の古書組合加入
のお店2000余軒の基本情報をコンパクトにまとめたデータブックで
す。東京古書組合TKI運営部に基本データの提供を、各県組合に情
報確認のご協力をいただいた上で、できるだけ個々の書店にメール、
FAX、電話で直接取材しました。住所・電話番号・取扱分野などに加
え、店主のひとことPRには、ここにしかない生の声が入っています。

全国古書即売展ガイド・著名作家署名一覧など便利な付録も付けま
した。実は、今回の「名簿」の形にするまでには編集部も本当に悩
みました。本を取り巻く環境が大きく変わり、古本屋巡りをする方
は激減、商店街はさびれ新刊書店同様、古本屋さんも減ってきてい
ます。ネット販売に切り替えるお店も増え、駅ごとに散歩する従来
の「地図」のようなかたちでの紹介は難しくなってしまいました。

古本を検索するなら「日本の古本屋」というとっても便利なサイト
もあります。住所さえわかれば、PCでもケータイでも正確な地図を
得られます。一方、そんな中で、ネットでは情報が得難い小さな街
の古本屋さんがまだ頑張っている部分もあるのです。そこをなんと
かつなぎたい、便利なツールは利用しつつ、漏れてしまいがちなア
ナログな部分も掬い上げて使ってもらえる本にしたい、という思い
で作り上げた一冊です。「地図」はありませんが、現在の日本の古
本屋さんの情報が新書サイズにぎゅっと詰まっています。

店主のひとことPRとして、地域に根付いた「街の古本屋」であるこ
とを挙げる方が多かったことは大変印象的でした。その言葉が象徴
するものを大事にしてゆきたい、そしてそういう古本屋さんと読者
をつなぐ雑誌と本を出し続けたいと改めて思います。

是非、お手にとってご覧ください(なお、今回収録できなかった各
地域の特色や地域ならではの資料、催事などについての紹介を、一
部ではありますが「日本古書通信」12月号に特集いたします。また、
「古本屋名簿」出版までの苦労話は、小社HPの「古本屋名簿便り」
に掲載しています)。

 http://www.kosho.co.jp/kotsu/

「古本屋名簿―古通手帖2011」新書判 256頁 税込定価1260円
直接のご注文はこちらまで(メール便送料160円がかかります)
kotsu@kosho.co.jp

お近くの新刊書店やアマゾンでも購入できます。

━━━━━━━【読者プレゼント*終了しました】━━━━━━━

 日本古書通信社 『古本屋名簿 古通手帖2011』に
たくさんのご応募ありがとうございました。

  当選者は次号の日本の古本屋メールマガジンにて発表致します。

━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(6)】━━━━━━━━━

「ニッポン洋行御支度史」旅行会話集

                        西出勇志

 曾我廼家五郎(1877~1948)をご存知だろうか?
曾我廼家十郎とともに、近代日本で最初の本格的喜劇団を創設、明
治、大正、昭和にかけて活躍し、日本の喜劇王と呼ばれた男である。
型破りな人物で、1914(大正三)年に突然、ヨーロッパへ出か
けてしまった。新派の川上音二郎一座のように海外公演をするため
ではない。西欧の演劇を見たいという思いはあったものの、当時で
は極めて珍しい、観光のための海外旅行なのである。

しかも「一言半言をも外国語を解さぬ」(「曾我廼家五郎洋行日記」
)のに、女優志願の愛人との二人旅。五郎はヨーロッパで第一次世
界大戦に巻き込まれるなど、波乱に満ちた日々を送った。親交のあ
った作家村上浪六は「曾我廼家五郎洋行日記」に寄せた一文で「世
界的の大戦争に出喰し、その渦中に生涯一度の転手古舞を演じ、西
に東に北に南に追われ逐われて、生命からがら遁げ帰りし」と書き、
五郎を「喜劇の主人公」そのものだと記している。
ドラマティックな滞欧の日々を過ごして帰国した五郎を神戸で出迎
えたのは、まだ子どもだった二代目渋谷天外。後に松竹新喜劇の創
設者となる喜劇役者、劇作家である。その天外は自らの回顧録で、
五郎の洋行について触れている。

大戦の最中、旅先で出会った欧州派遣将校、寺内寿一(後の元帥陸
軍大将)の上着をしっかり握ったまま放さなかったなどのエピソー
ドなど、大阪弁しかしゃべれない五郎のハチャメチャな旅を紹介し
た。その命綱は「会話のルビつき辞典二冊」だったらしい。つまり
旅行会話集である。

続きはこちら
   http://www.kosho.ne.jp/melma/1011/index-1.html

×        ×       ×
雑誌「ホテル・ジャンキーズ」65号(2007年12月刊)初出
に加筆

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)に出
向中。携行品を通した日本人の海外旅行史「モノ語り ニッポン洋
行御支度史」をホテル愛好者のための雑誌「ホテル・ジャンキーズ」
に連載中。

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

自著を語る
新曜社 『本は物である 装丁という仕事』桂川 潤 著

http://www.shin-yo-sha.co.jp/

http://www.asahi-net.or.jp/~pd4j-ktrg/

古本屋ツアーインジャパン1年を振り返って(仮題)
   小山力也
    http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

11月~12月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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日本の古本屋メールマガジンその97 2010.11.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:西村康樹
編集長:藤原栄志郎

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日本の古本屋メールマガジン その96 10月22日号

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☆INDEX☆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1. 『「今泉棚」とリブロの時代』 今泉正光
2. 『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』
黒岩比佐子
3. 第51回 神田古本まつりのお知らせ

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(44)】━━━━━━━━━━

『「今泉棚」とリブロの時代』
                        今泉正光

今回の出版は、私にとって全く思いがけないものでした。
友人から、パピルス出版の小田光雄さんが会いたがっている、と言
われたのです。
以前から彼の仕事「出版・書店論」は知っていたので、その関連で
リブロ池袋時代の話を聞きに来るのかと思い、長野で会ったのです。
ですから、事前の打ち合わせ・準備など無く、平安堂のカフェで論
創社の森下氏(初対面)を紹介され、4~5時間のインタビューを
受けた結果がこの本の成り立ちです。
今から思えば、もう少し書店の仕事や考え方を具体的かつ丁寧に話
をすれば良かったかも知れないと思います。
私はいつでも「同時代であること」をいかに表現するかを大切にし
てきました。
その手法として、「key word・person・book」があり陳列手法とし
て、アナロジー・シンメトリー・系譜学をテーマの広がりや深さに
よって、読者にアピールしようと思っていたのです。
それと、仲間達との交流についてもっと話したかったと思っています。
特に仕入担当者だった吉原君の存在は私にとって大きなものでした。
私は彼のことを「リブロのペトラルカ」と秘かに呼んでいて、吉原
君とペアを組めなかったら、私のリブロ時代は色あせたものになっ
ていただろうと思います。よく二人で吉本隆明さんや色々な著者に
会いに行きました。昼食時には、出版社の編集者や営業の人も交え
て、人文・文学だけでなくあらゆる分野について話し合い、それが
私の耳学問として大いに役立ち、次の企画のアイデアにつなっがて
いました。
先日、以前から計画されていた、岩手県一の関「JAZZ喫茶ベイシー」
でJAZZを聴く機会があり、ちぐさ正文館の古田君や情報センターの
北川君、新文化の面々と伝説のサウンドを全身で浴びてきました。
その後、元盛岡さわやの伊藤君の家で夜7時ごろから翌朝まで9時間
余り、「書店」について、皆はタバコもうもう、酒がぶがぶ、の中で
私はウーロン茶一本で話し続けました。40年前の若き日の生活が思
い起こされ、懐かしくもあり、楽しんできた所です。

   論創社: http://www.ronso.co.jp/

━━━━━━━━━━━【自著を語る(45)】━━━━━━━━━━

『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』

黒岩 比佐子  

 「売文社」を知っているあなたは相当な歴史通です。この本に着
手した3年半前、マスコミ・出版関係者に聞いても、売文社を知ら
ない人が大半でした。いま、「売文」という言葉には悪いイメージ
がありますが、明治時代もそれは同じ。人々に顰蹙を買うような言
葉をあえて社名にし、100年前に日本初の編集プロダクション兼各
種外国語翻訳会社として「売文社」を創設したのが堺利彦です。

 堺利彦といえば、日露戦争に反対するために幸徳秋水と平民社を
創設し、『平民新聞』を創刊した社会主義者。これは日本史の教科
書にも載っている有名な話です。しかし、この平民社は2年で解散
しました。それに対して、1910(明治43)年12月に誕生した売文
社は8年3カ月継続し、社員には、大杉栄、荒畑寒村、山川均、高
畠素之のほか、のちに『人生劇場』を書く尾崎士郎もいました。

 堺利彦はなぜ売文社などという会社をつくったのでしょうか。大
逆事件(幸徳事件)が起こったのがこの1910年です。堺はその2
年前の事件で獄中にいたため、幸運にも命拾いをしましたが、盟友
の幸徳秋水ら社会主義者26人は大逆罪で起訴され、12人が1911年
1月に処刑されました。以後、日本の社会主義運動にとって暗く厳
しい「冬の時代」が到来します。堺利彦が売文社を創設したのは、
まさにこの「冬の時代」が始まる時期だったのです。

 売文社は、困窮する同志に生計を立てる手段を与え、各地に逃亡
した同志が連絡を取り合う情報センターの機能を果たし、夜は勉強
会を開いて若者を教育する場でもありました。シンボルマークは、
食パンに万年筆を突き刺した「パンとペン」。堺利彦はペンによっ
てパンを得ながら、再起の時機を待つのです。「日本一のユーモリ
スト」とも呼ばれた堺利彦。彼の『楽天囚人』は、獄中記の最高傑
作の1つだと思います。これまで書かれなかった堺利彦の真の姿を
知っていただければ、著者としてそれに優る喜びはありません。

講談社ホームページ

http://shop.kodansha.jp/bc/100/

著者のブログ「古書の森日記」

http://blog.livedoor.jp/hisako9618/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

『古本屋名簿 古通手帖2011』
  (新書版 250頁 定価1260円)10月28日発売予定
  日本古書通信社 「小社出版物ご案内」「古本屋名簿便り」
  http://www.kosho.co.jp/kotsu

  幻の名著復刊、伝説の古書店「山王書房」
  『昔日の客』関口良雄著(夏葉社刊、定価2310円、9月30日発売)
  解説:関口直人
  http://natsuhasha.com/

━━━━━━━━━━━【神田古本まつり】━━━━━━━━━━

昭和35年に初開催の『東京名物・神田古本まつり』も本年で第51回
になります。この間古書店街の最大行事として規模を拡大し続けて
います。読書週間に併せたこの催事には書物に関する様々なイベン
トを通じて、多くの読書人の期待に応え、東京の風物詩の一つに数
えられるようになり、全国さらには海外からも神田神保町を訪ねて
来られ、東京の名物行事にふさわしい催しと自負いたしております。

【名 称】第51回東京名物神田古本まつり

【会 期】本年は終了いたしました

【主 催】千代田区・神田古書店連盟

【会 場】神田神保町古書店街(靖国通り沿い・神田神保町交差点他)

【最寄りの交通機関】都営地下鉄・東京メトロ「神保町」駅

【参加規模】参加店 約100店舗 出品点数 のべ100万冊余

 BOOK TOWN じんぼうホームページ
   http://jimbou.info/news/furuhon_fes_index.html

神保町公式ガイドができました。好評発売中です。
  神田神保町周辺の古書店を、店主の写真付きで紹介しています。
  神保町を知り尽くした古書店主たちが、自らの店と街をご案内。 
 
  A4フルカラー・224ページ 定価1200円
  2010年9月24日より全国書店にて発売。
  神保町内においては、「本と街の案内所」および、一部の古書店
でも購入できます。
 
  http://www.navi-bura.com/special/jimboucho_guide.html

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

10月~11月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその96 2010.10.22

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日本の古本屋メールマガジン その95 9月24日号

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☆INDEX☆
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  1. 『書肆紅屋の本』 空想書店 書肆紅屋
  2. 映画「森崎書店の日々」について  映画監督 日向朝子
  3. ニッポン洋行御支度史(5) ガイドブック4   西出勇志
  4. 東京古書会館で豆本三昧    田中栞
  5. 『そのまま豆本』(河出書房新社)   赤井都

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(43)】━━━━━━━━━━

『書肆紅屋の本―2007年8月~2009年12月』(論創社)

空想書店 書肆紅屋

「空想書店 書肆紅屋」とは、2007年8月6日に開始したブログ名で
ある。本屋の屋号をブログ名にしたいと思って考えついたのが
「書肆紅屋」になる。「紅屋」は、祖父が創業した和菓子屋の屋号
である。実在する書店ではないことに示すために「空想書店」と前
に入れることにした。

 とにかく小さいころから本が好きでよく読んではいたが、高校、
大学時代に約6年間、書店でアルバイトをするようになってから一
気に加速した。取次の日本出版販売に就職をして社会人となってブ
レーキが効かなくなった。3年ほどしてから出版社に転職して営業
に5年、編集に9年ほど在籍した。最後は雑誌のモバイルサイトの
運営までこなした。しかも小学生の時から近所の古書店の店頭均一
を漁り、大学に入ってから古書展にも行くようになっていた。こと
本については、新刊、古本とも精通していると自負していた。
 
ところが、外から客観的に出版業界を眺めるようになってみると、
今までとはまたちがった、もどかしいような気持ちが湧いてきた。
だから、読者の視点に立って本についての情報発信をしようとブロ
グを始めたのだが、今回、書籍化する話をいただいて振り返ってみ
ると、昨年12月末までに800日以上更新していた。あまりにも膨大な
量になっていたので自分でも茫然としたものがある。書籍にまとめ
るにあたっては、好きな書き手のトークショーの詳細なレポート、
古本フリマとも言うべき一箱古本市やみちくさ市での古本の販売、
古本を求めて年に数度訪れた京都遠征を三本柱にした。
合わせて出版業界の動きが伝わってくるようなものをセレクション
した。330ページあまりにぎっちりと詰め込みました。

 本を買って、読んで、売る。その生活を記録したものだが、これ
は多分、死ぬまで治らない、全治一生だろう。

『書肆紅屋の本―2007年8月~2009年12月』(論創社)
    http://www.ronso.co.jp/

━━━━━━━━━━━【森崎書店の日々】━━━━━━━━━━

映画「森崎書店の日々」について

                    映画監督 日向朝子

 昨年の秋、神田神保町の古書店街で映画を撮りました。
題名は「森崎書店の日々」。夏から冬へと移り変わる神田神保町と、
その街にある古書店”森崎書店” を舞台に、一人の女の子のささ
やかな成長を描いた作品です。森崎書店は主人公(女の子)の叔父
さんが開いているお店。すずらん通りの一本裏の通りに佇む、 小
さな、近代文学が専門の古書店です。主人公はしばらくお店の二階
に身を寄せ、時を過ごします。そしてお店を手伝いながら、世界中
を旅して神保町に帰って きた叔父さんや、お話好きの常連さん、
三十年続く喫茶店のマスター、本好きの大学院生といった神保町の
人々に出会っていきます。

 この作品は、神保町を撮りたいと思って始めた作品でした。懐か
しさが漂う風景と、そこに少しずつ入ってきている新しい風。ふた
つが混在している今の神保 町を、どうしてか映画の中に残しておき
たいと思いました。それはそこに、常に変化の中にある”東京”を
感じたからだと思います。自分が育った東京という所 の、失われる
もの、新しく芽吹くもの、その変化そのものを、神保町という街を
通して写すことで、忘れないでおきたかったのだと思います。

 主人公は街の人々にも出会いますが、本にも出会います。埋もれ
ていた本の中からふと一冊選び、開いてみたことで、読書の愉しみ
を知り、世界もだんだんと 広がっていきます。そして彼女自身も
少しずつ変化していきます。何かのきっかけというのは、ごく身近
なところにあったりするものだと思います。自分で思ってもみなか
った小さなことだったり、本をぱらりと開いてみるくらいのことだ
ったり。この映画も、何か小さなきっかけにでもなってくれたらと
思います。

 公開は今年の秋。ちょうど神田古本まつりの頃です。見て頂けた
ら嬉しいです。

映画「森崎書店の日々」

10月23日(土)より神保町シアター、シネセゾン渋谷他にて
全国順次公開

http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/morisakishoten.html

公式サイト:http://www.morisaki-syoten.com/

━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(5)】━━━━━━━━

「ニッポン洋行御支度史」ガイドブック4

  西出勇志

ガイドブックは海外旅行の必携品。観光名所からホテル、レストラ
ン、交通機関まで幅広い情報をカバーし、現地語の簡単な会話集も
ついている。詳細な歴史解説など、その国・地域の総合案内と呼べ
るほどの旅行ガイドもある。一つの趣味に絞り込んだものも数多く
出回るようになったが、特化したガイドブックとして意外に昔から
あるのが男と女をめぐる案内書。今回は、戦前の洋行ブームと呼ば
れた昭和初期に刊行されたこの種の旅行ガイドをみてみよう。

1929(昭和四)年に出た「夜の倫敦巴里紐育」(欧米旅行案内
社)は、ずばり、欧米でのナイトライフに焦点を絞った本である。
冒頭に「倫敦巴里紐育は刺激の三大都市である」とあり、「甘かる
べき筈の刺激を辛く錯覚して、宝の山に入り宝珠を拾いながら我が
物とし得ない不感性の間抜(け)洋行者が少なくない」と意味深に
言う。その上で「世界刺激の三大都に於ける夜の刺激と昼の刺激と
を説いて洋行者の実用便宜に供する」と頼もしく宣言する。さらに
同書は「無責任な漫談式のもので無く、洋行者が必ず経験する刺激
に就いての有りのままの予備的説明」とも述べている。

 続きはこちら
   http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-1.html

雑誌「ホテルジャンキーズ」78号・79号(2010年2月・4
月刊)に加筆

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)に出向。
バッグや衣類、ガイドブックなど携行品を通した日本人の海外旅行
史「モノ語り ニッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」
誌に連載中。
共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギフト”の問題」など

━━━━━━━━━【東京古書会館で豆本三昧】━━━━━━━━

東京古書会館で豆本三昧   田中栞

昭和の時代、豆本といえば全国各地に版元があり、蒐集家はそれぞ
れに会員登録をしてコレクションに励んだものでした。
豆本コレクターとしても名高い今井田勲さんの『私の稀覯本』(丸
の内出版、昭和51年)を見ると、みちのく豆本、かながわ豆本、九
州豆本、胡蝶豆本、緑の笛豆本など、シリーズで発刊されていたも
ののほかに、単発でそれぞれに趣向を凝らした豆本が多数作られて
いたことがわかります。

愛書家が豆本蒐集の道に入るのは、普通サイズの本を買いすぎて置
き場所に困り、「小さな本なら、たいして場所を取らないだろう」
と、家人への負い目から始めることが多いようです。もっとも、豆
本も油断すると数が増え、収納場所が際限なく必要になります。私
は何人もの豆本コレクターの家を訪れ、コレクションを見せてもら
っていますが、豆本を買いすぎて、自宅の他に、収蔵のためのマン
ションを借りている人を知っています。

続きはこちら
   http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-2.html

古書の日2010イベント

豆本カーニバル

http://mame-carnival.net/

日時 2010年10月11日(月・祝)10:30~17:00
会場 東京古書会館・地下1階大ホール
*入場の際、カラー・パンフレット(500円)をご購入いただき
ます。
*先着50名様に「とじ郎倶楽部」特製豆本キット・田中栞『豆本
づくり七転八倒』をプレゼント!

主催 豆本カーニバル事務局(代表・田中栞)
後援 東京古書組合、本の手帳社
協賛 日本古書通信社、とじ郎倶楽部、きらら舎

*ワークショップ予約など問合せ
田中栞
koubaido@cam.hi-ho.ne.jp
電話045-431-1260

━━━━━━━━━━━【そのまま豆本】━━━━━━━━━━━

『そのまま豆本』(河出書房新社)

赤井都

 小説家をめざす建築学生だった。『すばる』で最終候補になった
頃、友人がSFの絶版文庫を貸してくれた。光瀬龍、川又千秋、半村
良など。それからスタージョン、ルグヴィン、ダンセイニ、稲垣足
穂など読み進め、新人文学賞募集にある「現代の混迷をえぐる」方
向から外れていった。
  幻想的な超短編小説を書き溜めて、一冊400円の個人誌にしてみた。
紙の本になったら、インターネット上に作品を置いて「全世界に公
開」していた時よりむしろ読者が増えた。増刷をしたり、一行詩を
載せた「ミニ掛け軸」栞を作ったり、手を広げた。SFを貸してくれ
た友人は「赤井さんが傘はり浪人のようになって」と心配をした。
その頃、小さな虫籠を手に入れて、中に小さな本を入れた。羽の折
れた鳥族の女性の話で、読者の一人から、木口木版の挿画が届いた。
その版画につりあうよう、本を独学でハードカバーに仕立て直し、
2006年、アメリカを本拠地とするミニチュアブック協会の国際的な
豆本コンテストに応募した。中村高之との共同制作である、この
『籠込鳥 Caged』は、日本人初受賞のグランプリとなり、限定20部
は一年以内に完売した。個人活版印刷家との出会いなどで、翌2007年
制作の『雲捕獲記録 Dancing on the Cloud』で再びグランプリを
連続受賞した。この道に呼ばれていると感じた。小さいものに私は
必要とされている。自分の才能が、まさか豆本にあるとは思いもよ
らなかった。

 続きはこちら
   http://www.kosho.ne.jp/melma/1009/index-3.html

『そのまま豆本』2010年9月16日発売
ISBN 978-4-309-27206-1  本体価格1400円
河出書房新社 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309272061
赤井都  http://miyako.cool.ne.jp/kototsubo/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

今泉正光著『「今泉棚」とリブロの時代』(論創社・好評発売中)
論創社: http://www.ronso.co.jp/

黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』
       講談社 10月7日刊行予定
        http://blog.livedoor.jp/hisako9618/

━━━━━━━━━━━【11月予告】━━━━━━━━━━━━

 幻の名著復刊、伝説の古書店「山王書房」
  『昔日の客』関口良雄著(夏葉社刊、定価2310円、9月30日発売)
  解説:関口直人

  http://natsuhasha.com/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

9月~10月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその95 2010.9.24

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日本の古本屋メールマガジン その94 8月25日号

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  1. 浪華の古本屋 ぎっこんばったん  さかもと けんいち
  2. 『彷書月刊』300号について   田村七痴庵
  3. 次回予告

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(42)】━━━━━━━━━━

浪華の古本屋 ぎっこんばったん

さかもと けんいち(青空書房)

 大阪の小さな古本屋が生涯はじめて本を出しました。表題の「ぎ
っこんばったん」とはシーソーのことです。『天に昇れば、ぎっこ
ん。地に足つけば、ばったん。商いつねにくりかえし。いつも誰か
とにらめっこ』。開業以来六十三年ぼつぼつ書き溜めたものの中か
ら選びました。ごった煮みたいなエッセイ集です。

 古本屋ですから勿論、本のことが一杯(いっぱい)出てきますけれ
ど、ここには掘り出し物や儲け話は一切載っていません。その代り
本が好きで好きで仕方のない男が耽溺しまくった小説や文学、それ
に惚れ抜いた画家の話ならふんだんに出てきます。この本を製(つく)
ってくれたのは、五十八年間蔭で支え、この二月に逝った最愛の女
房です。夢ばかり追って「大阪一商売下手やで」と威張っている変
な亭主を盲愛し、したいまま私に路地裏やお地蔵さんの探索を許し
てくれ、何ひとつ求めなかった妻ありてこそです。

 妻逝きて私は既に八十七才。余命と云う言葉は嫌いです。「余白」
なら好き。死ぬまで現役、死ぬまで青春です。嬉しいこと、私の店
には若い人が蝟集(いしゅう)しています。文学の話を聞くためです。
人生の疑問を語り合うためです。時に中国やインド、カナダの青年
まで加わります。商いにはなりませんが、ここには燃えるエネルギー
や自国への愛があります。私の本をつくった第二の力、ヤングパワー
です。「今どきの若いもの」なんて口が裂けても云えません。何し
ろ私が今どきの若いものなのですから。

 敗戦後、焼跡闇市のなか、私たち日本人は電気も点(つ)かずガス
水道もなく、まして食糧のない中から立ち上がって、今日に辿りつ
きました。戦争の悲惨さ愚かしさを忘れてほしくありません。私は
もともと苦学生。蒟蒻だけで昼飯(ひるめし)済(す)まし、本を買い
ました。だから今でも学ぶ人に安く売ります。山本一力先生が私の
拙い文を激賞し序文と帯を、滞在の紐育(ニューヨーク)から寄せて
頂きました。有難いことです。   御一読下さい。

『浪華の古本屋 ぎっこんばったん』(SIC社・好評発売中)

http://www.sic-japan.com/books/

━━━━━━━━━━━【自著を語る番外編】━━━━━━━━━

『彷書月刊』300号について

田村七痴庵

<日本の古本屋>のご利用ありがとうございます。
ならびに、メルマガ配信のご登録まことにありがとうございます。
古書組合広報部より、『彷書月刊』についての原稿提出を依頼され
た折、会員数ってんですか配信数ってんですか、が13万人と聞い
て、古本好きがそんなにいらっしゃるものかと、頭の古い古本屋に
はどうもぴんとこない。

しかし、ありがたいものですなあ。わたくし『彷書月刊』という雑
誌をだしております彷徨舎の田村と申します。いささか、雑古書も
扱っております、古本屋の店名を、なないろ文庫ふしぎ堂と申しま
して、古本屋と編集者のふたまたこうやくを貼っております。
こういうごあいさつも、今年の9月25日、『彷書月刊』が10月
号、300号をもちまして、休刊と相成りますので、もうしばらく
でございます。
もうしばらく、となったので、こういうご依頼もいただけることと
なり、<最後の授業>ならぬ、<最後に近くなる宣伝>をさせてい
ただきます。

で、『彷書月刊』をご存じなお客様には、現在発売中の8月号を是
非ともみていただきたい。<川崎長太郎の歌が聞こえる>と題され
た特集は、川崎長太郎ファンならずとも、古書好きならばウナると
思いマス。なんだヨ自画自賛かよ。いや、実は、奥付には、編集兼
発行人・田村治芳とゴザイマスケレドモ。たとえば、本日これを執
筆しております8月10日現在、ワタシの身は、都内某所にアル野
戦病院入院病棟の一室であります。病名は、食道癌上大静脈症候群
デアリマス。一昨年の10月、食道癌になりましてからのてんまつ
は、『彷書月刊』誌に「ナナフシの散歩道」と題したエッセイを田
村七痴庵名で執筆いたしております。つまりワタシは、食道癌の患
者で、このほぼ2年『彷書月刊』をつくっておりますのは、副編集
長の皆川秀と、編集の目時美穂の二名でアリマス。彼等のガンバリ
のオカゲで300号もむかえられますわけで、マコトにアリガタイ。

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  http://www.kosho.ne.jp/melma/1008/index.html

彷書月刊
   http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/

西荻ブックマーク
   http://nishiogi-bookmark.org/

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
 
   新刊『書肆紅屋の本』 (論創社 好評発売中)
    http://www.ronso.co.jp/

   空想書店 書肆紅屋
    http://d.hatena.ne.jp/beniya/

    映画「森崎書店の日々」について 
        監督 日向朝子さんのご寄稿
    http://www.morisaki-syoten.com/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

8月~9月の即売展情報
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日本の古本屋メールマガジンその94 2010.8.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3-22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:早川多摩雄
     編集長:藤原栄志郎

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日本の古本屋メールマガジン その93 7月27日号

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  1. 自著を語る(41) 荻原 魚雷 著 『活字と自活』
  2. 第四十回記念 熊本古書籍即売展講演録
  3. ニッポン洋行御支度史(4) ガイドブック3  西出勇志

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━━━━━━━━━━━【自著を語る(41)】━━━━━━━━━━

『活字と自活』(本の雑誌社)
                       荻原魚雷

 中央線の高円寺に移り住んで二十年。月末の家賃や食費の心配を
しながら、古本屋と中古レコード屋をまわる。大学を中退して、フ
リーライターになって、渡りに船、綱渡りの日々も続けているうち
に、そうした生活も日常になる。まあ、さえない日常なわけだが。

 そうした不安定な暮らしにたいする心がまえや自活の術を知りた
くて本を読んだ。いっぽう、どんな世の中になっても、生きのびて
いけるような処世術や思想のようなものも身につけたいともおもう
ようになった。
  『活字と自活』は、読書と生活を両立していく上での試行錯誤を
つづったコラムとエッセイを集めた本といえるかもしれない。食う
に困ってあれこれ試行錯誤しながら身につけた技術がおもいのほか
役に立つこともある。本やCDの売り方やなるべくお金をつかわな
い遊び方などがそうだ。
  表題作「活字の自活」は「十年前」というタイトルでブログに数
回にわたって連載した文章が元になっている。

〈古本屋通いをするために、就職しなかったといっても過言ではない。
しかし文章を書く仕事をしている人間が、本を読んでいるのは、
当り前の話である〉(「活字と自活」より)

 表紙は『コーヒーもう一杯』などの漫画で知られる山川直人さん。
山川さんの作品には、古本屋がよく登場する。
  デザイナーの中嶋大介さんには、昔の雑誌風の本に仕上げてもらった。
本文レイアウトも三段、二段、一段になっていて、写真(十年前の
高円寺風景)やカットもはいっている。

 尾崎一雄、中村光夫、鮎川信夫、トキワ荘、アメリカの
コラムニスト……。

 紹介している本のテーマはバラバラだけど、生活を立て直したり、
気持を荒ませないためのヒントになるようなことをすこしは書けたと
おもう。

 どこからでも読めるような本になっているとおもうで、気が向いた
ところから頁をめくってもらえたら嬉しいです。

※朝日新聞(2010年7月25日朝刊の読書欄)に荻原魚雷氏の
インタビュー記事が、掲載されています。

  ブログ 文壇高円寺
     http://gyorai.blogspot.com/

本の雑誌社 『活字と自活』

http://www.webdoku.jp/kanko/2010/#003419

━━━━━【第四十回記念 熊本古書籍即売展講演録】━━━━━

昭和45年より毎年秋に催される熊本の鶴屋百貨店での古書即売展
も昨年で40年目を迎えた。区切りの年でもあり、何か行おうと組
合員一同で話し合った結果、講演会を行うこととなった。

当初、常日頃お世話になっている先生お一人にお願いしようとした
が、話が膨らみ毎日行うこととなった。組合員から2人、他の4日
間は先生達の都合を聞きながら日程を詰めていった。全国的にも有
名な渡辺京二先生にも講演を依頼したところ快諾を得て嬉しかった。

渡辺先生は、地元では講演をしない先生で有名だからだ。先生曰く
「古本屋さんの頼みごとを断ると、僕が行くところがなくなるから
ね。」と言われた。先生の講演のテープがうまく採れていず、先生
にその旨話したら、すぐに原稿を起こして店まで持ってきてくれた。
本を読むスピードも驚かされるが、原稿の早さにも驚いてしまった。

折角行った講演会であるので、聴きに来られなかった方々の為にも、
また、将来にこの講演会を残す意味に於いても上梓した。巻末に
「即売展四十年概史」として目録から四十年を回顧した。詳しくは、
下記の通り。

A5判 95頁 売価1,575円(送料100円)

中村青史(熊本八雲会会長・草枕交流館館長)
昔、古書店様々、今、素通り

橋本 博(キララ文庫店主)
マンガと共に六十年―戦後漫画私史

渡辺京二(思想史家)
書物という宇宙

井上智重(熊本日日新聞編集委員)
私の古本屋地図

徳永 洋(横井小楠研究家)
古書で出会った横井小楠

河島一夫(舒文堂河島書店社長)
古書店入門―古本屋を始めたい方々へ―

発行元「熊本県古書籍商組合」

発売は、熊本の組合店各店で取り扱っています。

お問い合わせ先
(有)舒文堂河島書店
     Tel:096-352-1701 Fax:096-359-7617
     URL:http://www2d.biglobe.ne.jp/~jobundou/

━━━━━━━━━【ニッポン洋行御支度史(4)】━━━━━━━━

「ニッポン洋行御支度史」ガイドブック3

   西出勇志

今回は、1960年代半ばの空江さん一家の「外国旅行」について書
こうと思う。

50代半ばの空江伸平さんは、東西商事の調査部長で定年を迎えた。
幸いなことに子会社の顧問就任も決まり、出社までの数ヶ月間を利用
して妻のミチ子さんと海外へ出掛けることを計画する。飛行機で香港
からバンコク、インド、エジプトなどを経て欧州各国を訪問、北欧を
経由して帰国する旅だ。貿易会社で社長秘書を務める娘のアツ子さん
も加わり、45日間の外国旅行が始まった-。空江さん一家は実在の
家族ではない。映画や小説のキャラクターでもない。彼らは、実業之
日本社が60年代半ばに刊行を始めた旅行案内書シリーズ、ブルーガ
イド海外版の「海外旅行 空の旅」の主人公なのである。なぜ、旅行
ガイドブックが物語仕立てになっているのか。それには時代背景の説
明が少々いるだろう。

続きはこちら

http://www.kosho.ne.jp/melma/1007/index.html

【プロフィール】にしで・たけし 1961年京都市生まれ。都内
の報道機関から東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO M
X)に出向中。携行品を通した日本人の海外旅行史「モノ語り ニ
ッポン洋行御支度史」を「ホテルジャンキーズ」誌に連載している
(現在21回目)。共著に「アジア戦時留学生」「TVドラマ“ギ
フト”の問題」など。

━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━

次回の自著を語るは さかもとけんいちさん の
『浪華の古本屋 ぎっこんばったん』(SIC社・7月7日発売)

http://www.sic-japan.com/books/

 彷書月刊編集長 田村治芳さん の寄稿を掲載

http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

7月~8月の即売展情報
⇒ http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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日本の古本屋メールマガジンその93 2010.7.27

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編集長:藤原栄志郎

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