Ingrid Fuzjko Hemming イングリット・フジコ・ヘミング 第1〜10巻 CD全10枚組
フジ子・ヘミングピアノのある部屋から フジ子・ヘミングはピアノの森茉莉である。少女のような心を持ち続け、世間体を判断の基準とせず、独自の美意識を押し出している。違っているのは、森茉莉のエッセイがどちらかというと辛口で通好みだったのに対し、フジ子・ヘミングのピアノはきわめて大衆的な人気を勝ち得ている点だ。1999年、NHKのドキュメンタリーで波瀾に満ちた半生が紹介された直後にデビューアルバム『奇蹟のカンパネラ』をリリース、クラシック音楽では珍しく何十万枚も売れた。リサイタルの切符は、発売後1時間もしないうちに売り切れるそうである。 彼女のアルバムを買ったことのある人なら、CDの盤面やケースに本人の手になるデッサンや水彩画が印刷されているのをご存じだろう。もっとほかの作品があるなら見てみたいと思うかもしれない。その興味にこたえるのが本書である。純粋な楽しみで描いたもの、プログラムに使われたもの、友人への手紙に書き添えたもの、クリスマスカードや年賀状など55点。中には16歳のころに描いた作品もある。画風は一応「メルヘン調」といっていいだろうか。ピアノを弾く女性(自分の場合もそうでない場合もある)を描いたものが特に多いが、そのほかにも花、猫、道化師、天使、人形、さまざまなファッションの女性などが取り上げられている。題材はどれも女性好みで、その点では確かにメルヘン調なのだが、ただかわいらしいのではなく、どこかにデモーニッシュな一面が隠されているように見えるのは、彼女の弾くピアノとも共通している。(松本泰樹)
【楽譜】 漸進的ギター独奏曲集 <カルカッシギター 教本副教材> 教則本/埴生の宿/野ばら/マネキンダンス/乙女の祈り/ガボット/カルリの六つの練習曲集…etc
【楽譜】 ギターでうたう 世界のムード音楽 アダモ・マシアスの素敵な世界 付・日本の詩情/夜のメロディ/消え去りし友/知床旅情/遠くへ行きたい/京都慕情…etc
コード奏法によるピックギター独習 : ウクレレ共用50練習曲