伊藤信博 編、勉誠出版、2020年8月、256p、A5判
日本酒やワインは、どのように生み出され、人々の生活に息づいてきたのか。
飲む行為と宗教や儀礼とはどのように結びついているのか。
醸造や酒宴の歴史から、食文化とのかかわり、文学・絵画における表象、アルコール依存症など現代的な問題まで、宗教的・社会的機能をもつ飲酒文化について、文学史・美術史・歴史学・食文化史など様々な分野から切り込む。
目次
序言―東西の飲酒文化を考える 伊藤信博
Ⅰ 酔いと宗教
無明の酒に酔う―〈酔い〉の表現史 小峯和明
髑髏盃をめぐって―織田信長を端緒に 目黒将史
僧坊酒宴再考 芳澤元
酒と仏教―酒の仏は「酔い酔い酔い酔い、酔いやな」 石井公成
【コラム】 人類最初の酔っぱらいとしてのノア 木俣元一
Ⅱ 飲酒とその表象
平安貴族の「酔い」と「まつりごと」 高橋亨
平安後期における香薬の「酔い」―『香要抄』を中心に アンドリュー・マッカンバー
破戒と陶酔―中世絵画に見る 山本聡美
黄表紙に擬人化される酒 畑有紀
中世文学のなかの居酒屋と放蕩息子―クリシェか現実か 前野みち子
Ⅲ 飲酒と環境
米と酒そしてその周辺―環境の視座から 伊藤信博・伊藤彰敏
椒芽田楽の洒落本から見るお酒と酔い ミギー・ディラン
飲料の製造、飲み方と文化―例外としての日本酒? ボーメール・ニコラ
アンシャンレジーム期のフランスにおける酔いに対する寛容 マチュー・ルクートル(棚橋美知子 訳)
酔う女―徳田秋聲『新世帯』と明治期の飲酒文化 安井海洋
【コラム】 日本酒と肴―海辺の村で呑み始め 小川雅魚
Ⅳ 飲酒と病
【コラム】 フランスにおけるアルコール中毒対策の政策的曖昧さ ジャン=ロベール・ピット(棚橋美知子 訳)
【コラム】 飲酒と体内器官の関係 トマ・ロラン(棚橋美知子 訳)
【コラム】 アルコール飲料製造における生物学的プロセス アンドレス・マツラナ(棚橋美知子 訳)
翻訳を終えて 棚橋美知子
納入までに3週間ほどかかります。