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小出正吾　装画・大石哲路　描画製版・柳沢訓一、正芽社（東京市日本橋区）、昭和16、1冊

20P　B5　「この絵本は舟の中を家として育てられてゐる船頭さんの子供たちの生活を描いたのであります。達磨船や傳馬船などを家として暮してゐる人々はいはゆる水上生活者でありますが、日本全國で約一万五千人、この内の三千人が國民学校児童であるべき子供らです。しかし、困つたことには、お舟のお家は荷物を積んで、今日はこの川、明日はあの河岸と移って行きますので、毎日同じ学校へ通ふことが出来ません。そこでかういふ子供達のために特別に出来たのが水上学校であります。水上学校は寄宿舎制度になつてゐますが、土曜日から日曜日にかけては舟のお家へ帰ることが出来るのです。お舟の子供達にとつて、この日の楽しさといつたらありません。この子供たちのふるさとともいふべき河は、東京市だけでも六十九。その長さは二十二哩もあります。その上に三千艘の傳馬船と二千五百艘の達磨船とが毎日陸のトラックよりも澤山の荷物を積んでいそがしく往き来してゐるのです。お舟の中の部屋は「炊事」といつて、傳馬船なら二畳、達磨船なら三畳の、たつた一間きりなのですが、そこも日本小國民の明るい楽しい家なのです。」（小出正吾「お母様がたへの言葉」より）表紙に小ラベル　奥付定価の上にテープ貼り込み　少ヤケシミ　最終見開きの文字、判読できるものの一部はし少し切れ（製本時から）　少ヤケシミ