森井書店の新着情報

伊達政宗、1冊

本紙３２×４６．５ｃｍ　掛軸１２０×６６ｃｍ　以下釈文「囲大形も出来候者、なま壁にて可申入与、晝夜急候へ共、おそく御坐候まゝ、先申入事ニ候、明日者自之御左右可申候、恐惶謹言　即刻　政宗［花押］　松陸奥守　有楽様尊酬　政宗　【追而書】返々、自之一左右次第に御出可奉待候、茶筅二・焼物一・棗、辱候々々、かしく、又申候、棗見事に候まゝ留置申候、以上」（大意、茶室は大方できました。壁がまだ生乾きで遅くなってしまいましたが、ご招待いたします。重ね重ね、お出でをお待ちしています。茶筅二つ、焼き物一つと棗をありがとうございます。棗は見事なので、手許に留めおきます。）＊箱表は「仙臺公正宗卿文　天明四甲辰五月京都栗田彦治方ニテ表具申付候」　◇この書状は『仙台市史』『市史せんだい』等に掲載されていない、新発見史料。仙台市博物館によれば、この書状は花押の形状から元和ころのもの。さらに内容から元和５年のものではないかとされる。◇慶長２０年（１６１３年）大坂夏の陣、豊臣氏滅亡、織田有楽斎は戦に先だって豊臣方を離れ京に隠棲。元和２年（１６１６年）大御所徳川家康死去。元和３年将軍秀忠上洛、政宗も随行する（６～９月）。元和４年織田有楽斎は京都で茶室「如庵」を建築（現在は犬山市にあり、国宝に指定）。元和５年秀忠上洛、政宗も随行する（５～９月）。なお、元和４年と６年に有楽斎は江戸へ下向している。◇織田有楽斎（長益、１５４７～１６２２）は織田信長の異母弟で、知性・感性の高さから参謀、交渉役として、そして茶人として活躍した。豊臣方の穏健派として家康との関係改善に努めたが、大坂夏の陣が迫って戦が不可避となり、豊臣方をはなれ、京都に隠棲した。政宗が残した書状等の史料によれば、伊達政宗は元和５年に上洛した時にも頻繁に有楽斎と交流していたことが分かる。伊達政宗が当時の要人に送った書状の中には、有楽斎と会っていたので御面会できなかったと伝えているものが複数ある。政宗は上洛して有楽斎と会い、現在では日本三大茶室の一つともされる茶室「如庵」を見たかもしれない。この書状では、政宗が作っていた茶室が大方でき、壁も乾いたので、早速有楽斎に来てほしいと伝えている。この年政宗は５月１６日から９月２８日まで京に滞在したが、その間に茶室を建設したとすれば急ごしらえである。あくまでも想像だが、有楽斎の茶道・茶室に刺激された政宗が有楽斎から多くのことを実践的に学ぼうと、有楽斎と話し合いながら実際に茶室を建設したのであろう。有楽斎から茶道具を贈られていることや、土壁が乾いたばかりで体裁が整ったばかりの茶室に有楽斎を招待していることからも、有楽斎が茶室建設に関わっていることを想像させる。この年の上洛において政宗は、幕府の政治的枢要として、また幕府を代表する文化人として、政治、交際と極めて多忙な日々を送っている。そんな中で政宗が、どのような目的で京の地に茶室を建てたのか、そしてこの書状から政宗のどのような人柄が読み取れるのか、これからの研究が俟たれる極めて重要な書状である。

小林一茶、1幅

紙本墨筆　経年薄ヤケ・シミ有　本紙１５．５×３２ｃｍ　掛軸１１９×４０ｃｍ　＊小林蹴月箱書。

小林一茶、1面

紙本墨筆　経年ヤケ　補修跡有　本紙２７×５８．５ｃｍ　額装３８×８５ｃｍ　＊小林蹴月箱書。＊昭和１５年９月大阪高島屋展覧会図録「俳諧寺一茶名品展図録」所載品、Ｎｏ．４６。

近衛信尹（三藐院）、1幅

森銑三箱書　鶴の下絵入り金泥切箔散し渋髪色地色紙　墨筆　本紙２４．５×２２ｃｍ　掛軸１１２×３９ｃｍ　絹装角軸＊「間関鶯語花底滑　幽咽泉流氷下難　秋の夜は人をしつめてつくゝゝとかきなすことの音にそなきぬる」（後撰集巻第六）　＊弘文荘反町茂雄の三越開催「古典籍逸品希少書展示即売会」（昭和４７年）に掲載。　＊軸装は時代なりの古びがあるが、中廻しに金箔が配され、布は古い裂が使われている。

江雪宗立、1幅

紙本墨筆　本紙割レあり　本紙２５×４３ｃｍ　掛軸１００×５３ｃｍ

江月宗玩、1幅

墨筆　本紙２８．５×４７．５ｃｍ　掛軸１０８×５５ｃｍ　「江月宗玩昨日来儀候処、難去寺役罷出、御心静不申承御残多候。墨蹟点之義、何共分別無之卒尓ニ候へ共何角申候ヘハ却而慮外ニ候条、無是非候昨夜書申候条進入候。左馬殿へ返事申上候。可然御心得頼入候。内々如申候今朝早々伏見へ参候故書中甚々申置候言如此候。恐々不備　　八月廿一日　　不□衛門［花押］　（追而書）晩か明日か帰寺可申候条、重而可申承候。　（端裏）竜光院　江月　道話老　机下」（昨日来儀候処、去り難き寺役罷り出て御心静かに申し承らずお残り多く候。墨蹟点（添削）の義なんとも分別これ無く、卒尓に候へどもなにかと申し候へば、却って慮外に候条、是非無く候。昨夜書（ふみ）申し候条、進じ入れ候。左馬殿へ返事申し上げ候。しかるべくお心得頼み入り候。内々申し候如く今朝早々伏見へ参り候故、書中はなはだ申し置き候言、かくの如く候。恐々不備　（追而書）晩か明日か帰寺申すべく候条重ねて申し承わるべく候。）　＊安土桃山から江戸前期にかけての臨済宗の僧侶。父は津田宗及。黒田長政の請に応じて大徳寺に龍光院を創設した。

池田光政、1幅

竪紙　墨筆　宛所不詳　本紙２６×３７．５ｃｍ　掛軸１０６×４５ｃｍ　田中塊堂箱書、箱表「池田光政消息」、「砂六斎塊堂　印」　＊「御状令拝見候十日ニ品川可参よし得其意存候　気分難儀も無御座候　市十郎参候由一段之事ニ存候　恐々謹言　二日　［花押］　新太郎」

串田孫一、1面

画用紙に水彩　画面７×１６ｃｍ　額装３９×４７ｃｍ　右下にサイン入り

茨木猪之吉、1幅

絹本墨筆　上部にシミ跡あり　本紙１１４×４１・５ｃｍ　掛軸１８８×６０ｃｍ　画面右下に「大正六年八月作」とあり。前景に林と人物、遠景に、雪渓が走る峰に押しかかる雲を描いた作品。

江戸川乱歩/池田満寿夫・絵、真珠社、昭34、1冊

限定２００部　二重函付　オリジナル銅版画１０葉うち二色刷２葉　天金　池田満寿夫と平井通の真珠社での第一作目の作品。

初山滋木版画、かへるや、昭15、1冊

未綴全１７葉　限定１５部　袋付　経年少シミ　各葉３０．５×３０．．３ｃｍ　題箋が貼られたクラフト紙の封筒状のものに包まれた未綴１７葉の版画が収められている。全葉揃い。奥付には限定拾五部その第九とある。ほとんどが藍の一色だが、一部朱印が刷り込まれたものあり。初山滋本の中でも最も希少。

初山滋、私家版、昭26、1冊

限定１００部ただし異装１部本　艶紙カバー付（少イタミ有）　厚紙表紙　厚紙かぶせ箱付　状態良好

内田百閒著／谷中安規挿絵、楽浪書院、昭9、1冊

初版　函欠　木版画３葉入　裏表紙少シミ有　背スレあり

塚本邦雄、湯川書房、昭48、1冊

限定２０部　未綴　箱入　送り箱付　＊２７・５×４８・５の二つ折り厚手和紙に各１首、合計１５首を揮毫。用紙抄造安部栄四郎。

アンドレ・ジッド　マリーローランサン挿絵、Nouvelle Revue Francaise、1冊

限定４００部　表紙薄く経年ヤケ　マリーローランサンの水彩画を手彩入り版画で挿入（７図）　（彩色はジュール・ジェルマンとＬ．プティバラによる）　拵帙付。

泉鏡花、隆文館、明44、1冊

初版　函付　橋口五葉装幀　＊箱に少スレ・少イタミ、本文に経年ヤケあるも全体的に状態良好。

泉鏡花、春陽堂、明34、1冊

再版　富岡永洗版画一葉折込　全体に経年による古色あり

川喜田半泥子、14代千宗室、１５代宗室・宗興、打窓庵宗典、宗基、中村天風、1冊

昭和３７年頃の揮毫　１４名が揮毫　紙本墨筆　折帖仕立　見開き２９．８×４１．８ｃｍ　帙付　＊川喜田半泥子「手にも取れないあの池の月～」

渡辺省亭、1幅

生成和紙に着彩　自題共箱　僅かに古色・少折れジワ　本紙１１２×３０．５ｃｍ　掛軸２１０×３８ｃｍ　絹装象牙軸　表具に古色あり

渡辺省亭、1幅

絹本着彩　少シミ・薄ヤケ有　本紙１１１×３５．５ｃｍ　掛軸１９３×５４ｃｍ　軸装古色・シミ有

与謝野晶子、与謝野寛、山村耕花、1冊

絹本墨筆着彩　自題共箱　１３０×２６．５ｃｍ　掛軸１９９×７３ｃｍ　絹装象牙軸　◆与謝野晶子「わがふみて玉の床より冷たけれいかがすべきぞ山荘の橋　晶子」（『太陽と薔薇』初出、大正９年の作歌）。箱表「紅葉」、箱裏「寛　耕花　印」　　◆与謝野寛「うつくしき西湘の春の船のごと卓にならべるいうろいろの皿　寛」。壺に椿の花が挿された絵。箱表「椿」、箱裏「晶子　耕花　印」

与謝野晶子、1幅

紙本墨筆　本紙１３３×３２．５ｃｍ　掛軸１９９×５１ｃｍ　＊『流星の道』所収歌。

山縣有朋、1幅

絹本墨筆　本紙１４０×４９ｃｍ　掛軸２２３×７１ｃｍ　二重箱付　「醸来騎馬仕豫入眼鎮西萬畳山路在平沙客松裏一鞭直到赤間関　含雪　印印」

三好達治、1面

紙本墨筆　本紙３１×１４．５ｃｍ　額装４９×２７ｃｍ

正岡子規、1幅

紙本墨筆　寒川鼠骨極書を合装　本紙２４×３３．５ｃｍ　掛軸１８８×６２ｃｍ　シミ有　＊「承露盤」は子規が門下たちの句を１年ごとに編纂してまとめたもの。子規自身の句や鳴雪、虚子、碧梧桐、漱石らの句を分類して句集にまとめた。この句稿には碧梧桐、楽天らの名前が見える。碧梧桐「我笠を我蓑を着せて案山子哉」他。釈文付。秋の句。右下に「子規庵重修記念」の印有。鼠骨の極書は、子規庵重修の為の資金供出へのお礼として稿本をおくることと、この稿本が明治３０年の筆であることなどを伝えている。四十五年忌とあるので、極め書きは昭和２１年頃。子規庵が戦争で焼失し、これを再建するために寒川は資金を集めていた。子規庵は昭和２５年に再建された。