ギーゼキング 著 ; 杉浦博 訳、白水社、1982年1月、240, 24p 図版、20cm
11刷 函 帯付 函ヤケ無し 帯背少色アセ 帯両面ヤケ無し 本体にビニールカバー付 本体三方ヤケ無し 線引き無し書き込み無し 保存状態良好です。
透明感のある音色と完璧な演奏テクニックにより、20世紀前半、
世界的に活躍したフランス生まれのドイツ人ピアニスト、ギーゼキングは、特に
モーツァルト、ラヴェル、ドビュッシーの名手として知られているが、人並み
外れた初見力に恵まれ、ピアノのために書かれた作品は全て演奏することができ
たと言われている。
本書は、そんな伝説の名演奏家ギーゼキングの自伝的回想記「わたしはこうして
ピアニストになった」と、生前おりにふれて新聞・雑誌などに発表した十篇の
エッセイ「ピアノをひく人のために」の二部構成となっている。
前半部は、早熟な幼年期、師カール・ライマーとの出会い、第一次大戦中の軍楽
隊時代、そしてようやく訪れる輝かしい演奏活動の日々が、気取りのないユーモ
アを交えた筆致でつづられていく。後半部では、ピアノ奏法や解釈について、
後進たちのために具体的な助言を惜しみなく与えている(現代におけるタッチの
問題/演奏家はいかに練習するか/ペダルについて/コンサート・ピアノによる
バッハ解釈/私はなぜドビュッシーをひくか/ラヴェルのピアノ音楽をどうひく
か、ほか全十篇)。また巻末に付された、作品・演奏・録音目録からも、
著者の足跡をたどることが出来る。