内田百間 著、角川書店、昭和29年6月、122p、15cm
初版 帯付 カバー表紙ヤケ無し 背少ヤケ 帯ヤケ無し 本体三方経年ヤケ 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
没後20年、師として敬愛した漱石の追憶を綴った随筆集。木曜会に通った当時の述懐には内田百間の漱石に対する畏敬の念が表れていて、改めて漱石の厳格さが伺える。内田百間といえば漱石の死後にその遺産を無心した挙句、返済を求めた鏡子夫人に対して「そんなもんとっくに時効だ」と言い放ったというエピソードが衝撃的だが、本書に見られる百間は漱石と面と向かってまともに会話もできないような小心者で、改めてその印章が悪くなった。本書は既に絶版。古本市で本書を手に取った時に、店のオヤジが猛烈に感動して、おまけで本を一冊くれた。