金井美恵子 著、中央公論社、昭和51年8月、333p、20cm
再版 カバー ビノー^ルカバー付 帯欠 カバーヤケヤケ本体天の日付近少点紙魚 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
わたしは、現実をやりすごして、夢から夢の中に身をすべりこませつづけ、夢の霧粒で身体に空虚な肉をふやしつづけ、デブデブの猫みたいに太りたいと思う。〉…「エオンタ」のあの童女のような、〈《少女時代》の亡霊〉のような女性を思い出す。彼女をおおう〈薔薇色の肉〉、彼女を太らせてしまったものの正体もまた、〈夢の霧粒〉ではなかったか。甘やかな幼年時の夢に、夢の時間にとどまり続けること、誰からも、自らからさえも、懲罰されることなく、追われることなく、待つことの夢にのみ身を浸し続け、〈薔薇色の肉〉におおわれた彼女のこと。