W.H.マクニール 著 ; 清水広一郎 訳、岩波書店、1979年3月、374, 5p、19cm
1刷 カバー付 カバー背少ヤケ カバー両面ヤケ無し 本体天と小口少点シミ 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し保存状態良好です。
ヴェネツィアを含めた中世~近代までのイタリアというのは題材として非常に魅力的であり、多くの著作が存在する。巨匠マクニールによって書かれた本書はその中では比較的エッセイ色の強い作品だ。冒頭にワーズワースの詩を持ってくるあたりにもそれは表れている。
とはいえ、さすがは歴史学の巨匠というべきか、数的データなど具体性には欠けるものの大局を俯瞰した叙述で、読み応えのある内容になっていると思う。ヴェネツィアについてのエッセイといえば塩野七生さんの「海の都の物語」があるが、ヴェネツィアに対する過剰な思い入れがない分、本書の方が安心して読めるという印象を受けた。まあこの辺は好き好きだとは思うが。
これで訳文が滑らかであれば星5つをつけたのだが、読みづらいというのが正直な感想で、非常に残念だ。とはいえ内容自体はしっかりしているので、本書からヴェネツィア史に飛び込むのも悪くはないだろう。