ベナンダンティ : 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼

３刷　 カバー　 帯付　 カバーヤケ無し　 帯ヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好の美本です。

16～17世紀、北イタリアのフリウリ地方でベナンダンティと称する人々が、収穫の豊穣のために魔法使いと夜の戦いを行うのだった。歴史家は異端審問所の調書を手掛かりにベナンダンティを読み解いてゆく。
ベナンダンティはキリスト教到来以前の西欧における豊穣祭の特長をもっていた。ウイキョウなどを武器に見立て豚にまたがり(それは滑稽で農民の素朴な信仰を偲ばせる)、魔法使いと戦うのだ。ベナンダンティ(良き人々の意)が勝てば豊作となり負ければ凶作となるのだった。
キリスト教教会はなぜ農民の素朴な信仰・祭りに似た戦を抑圧しなければならなかったのか。理由は調書にはないが往時のヨーロッパには魔法使いが至るところにいて、彼らが民衆の病気治療にあたっていたばかりでなく農民のよろずの苦労に向かいあっていた。彼らは人々にとってたよりになる者であった。彼らはキリスト教以前の信仰の継承者であった。そして民衆救済のノウハウをもっていた。教会にとって譲れないのは超自然のパワーはキリストと教会の専有物でなければならなかったのだ。

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