H.F.ペータース 著 ; 土岐恒二 訳、筑摩書房、1990年10月、490p、15cm
1刷 カバー付 カバー背少色アセ カバー両面ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
評者がルー・サロメ(1861-1937)の名を知ったのは、ニーチェ関連の文献のなかに
しばしば出てきたからだ。本書には、まるでニーチェが提唱した「超人」を
体現するかのようなルーの生涯が描かれている。
ルーは、同時代人からしばしば「男性的」と評された。それはもちろん、
当時の社会通念上の女性にあてはまらない生き様をそのように表現するしかなかったというだけのこと。
ルーはただ、自分らしく生きようとしたに過ぎない。
しかし、家族も友人も社会も、そんなルーの生き方を理解するには時代が早すぎた。
どれほどの誤解、非難、攻撃がルーに向けられたかを本書は実によく明らかにしている。
(ニーチェの片思いもその一種であろう) ルーが幸福な人生を送ったかどうかはわからないが、
自分の人生を貫いたことには畏敬の念を覚える。