I.イリイチ, B.サンダース 著 ; 丸山真人 訳、岩波書店、1991年8月、191, 43p、1・・・
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
当たり前のように僕らは文字を使って生きている。本や文字が周りにある。イリイチはこの状況は当たり前ではないのだ、ということを教えてくれる。
一般の人々にまで、「アルファベットが言葉をあらわすものだ」と認識されはじめるのは12世紀ごろである。文字によって自分の行いや考えが記録されるのだ、と一般民衆は初めて自覚した。この感覚はちょうどキリスト教寺院において告解僧に罪を懺悔する際、僧が文字を書くのを見たことが一つの始まりであるらしい(イリイチ『生きる思想』)。自分の行いは文字(つまりアルファベット)の形態で記録され、残り続けるものであると人々は知ったのだ。その衝撃は大きかった。恐怖を伴うものでもあり、たとえば悪魔のイメージは自分の行いを記録できるよう、本とペンを持っている存在であると認識されるようになった。絵画にも悪魔の姿は本やペンを持った姿で描かれるようになった。
本書は「民衆の知性のアルファベット化」とあるように、アルファベットの存在を一般民衆がどのように認識するようになったかという歴史的経緯を教えてくれる。