中上健次 著、講談社、356p、16cm
初版1刷、送料込、書込ナシ、線引ナシ、カバー
中上健次の「夢の力」は、故郷である紀州・熊野を舞台にした連作短編集です。血縁や土地に深く根ざした人々の生と死、欲望や葛藤を、濃厚な土俗性と独特のリズムを持つ文体で描き出します。
収録された作品群は、夢、幻覚、記憶の断片などが交錯し、現実と非現実の境界線が曖昧になるような、幻想的な雰囲気をまとっています。登場人物たちは、抑えきれない衝動や宿命的な苦悩を抱えながら、生にしがみつき、あるいは抗い、滅びへと向かっていきます。
「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」といった代表作に通底する、濃密なエロスとタナトス、そして共同体の崩壊と再生といったテーマが、より凝縮された形で提示されており、中上文学のエッセンスを凝縮した一冊と言えるでしょう。
難解でありながらも、読者の魂を揺さぶるような強烈な力を持つ「夢の力」は、中上健次の文学世界への深く入り込むための重要な道標となります。彼の独特な言語感覚と、人間の根源的な感情を描き出す手腕を堪能できるでしょう。
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