鹿島茂 著、筑摩書房、1997年5月、293p、15cm
1刷 カバー 帯付 カバー背少色アセ カバー両面ヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
1991年に出た単行本『新聞王伝説−パリと世界を征服した男ジラルダン』の改題・文庫化。
ジラルダンは、19世紀のフランス新聞界に君臨し、その後のメディアの歴史を決定づけた人物。新聞に「広告」を取り入れたり、大衆の手の届く低価格を実現したり、新聞連載小説を考案したり、現在の新聞の持つ「戦略」を発明したのである。
本書は、そのジラルダンの伝記であり、ジラルダンの誕生から死までを、ユーモアに満ちた文章で書ききっている。時代背景や同時代人との関係にも気を配り、19世紀フランス社会が眼前に浮かび上がるような描き方で、非常に面白かった。
また、ひとりの人間としてのジラルダンも、良く書けている。ラストなど感動的なくらいだ。
傑作と思う。