ジョルジュ・バタイユ 著 ; 森本和夫 訳、筑摩書房、2001年4月、351p、15cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯背少ヤケ 帯両面ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
バタイユ自身そう言っているが、『エロティシズム』の簡易版という表現がこの本にはよく似合う。『エロティシズム』が純粋な哲学的思索の結果であり、その証拠として論じるのが主に文学作品であるのに対して、この『エロスの涙』はあえて思索部分をばっさり捨てて簡潔な論理と結論だけを提示する。そして証拠として、わかりやすい視覚資料、とりわけ絵画や考古学的資料を提示する。ゆえに深く読解すれば論理的説得力は劣っても、勢い、ともすれば破壊力はすさまじいものがある。
入門書としても適しているかと言われると、わかりやすいという点では満点なのだが、誤解も生ませやすいので何とも。最後の中国人の処刑はグロいので注意。