赤松啓介 著、筑摩書房、2005年7月、241p、15cm
初版 カバー付 カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
行動する民俗学へ
柳田民俗学への批判から独自の眼差しを持つ著者の集大成。
柳田という日本の民俗学の大家に対して一歩も引かぬその立場から
鋭く柳田の立場の不明確性を糾弾する。
その姿勢はいっそ痛快な言説をもって本書にも幾度も登場する。
柳田が民俗学的資料の採集の要点としてあげる
「村民として…尊敬される…」との言葉に対しては『「地主や富農にとって
必需品であった奉公人、日雇、…小作人は抹消してしまえ…」というのなら
どんな村落を理想としているかがよくわかる。…呵呵大笑した。』
かように柳田と著者の立場は明確に異なる。
著者はあくまでも「差別される側」からの視線を持つ。
また「常民」なる曖昧な規定に関しては
『「常」にはもともと「貴」も「賤」も、つまり「非常」は含まぬものだ。
…柳田がその「常民」を発想した時代、…を解析すると、
…農村の小作人、都市の労働者という階級概念に対抗し、これを抹殺することを
目的とした極めて政治的意図の強い用語として…』
著者ならではの、鋭い洞察であろう。