依田学海 著 ; 学海余滴研究会 編纂、笠間書院、2006年3月、565, 30p、20cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体天極少シミ 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
依田学海は明治初期の作家でジャーナリスト、森鷗外の漢学の師としても知られる。
本書は学海が書いた随筆で、未完のまま残っていた原稿である。国民・読売・大和などの新聞から書き写された記事や、信州・佐原・銚子など旅先の口碑や古文書の抜き書き、残る半分は佐倉藩主(堀田氏)の列伝、といういくつかの異なった内容から構成されている。巻末に人名索引があり。珍しいところではアメリカの作家ホーソーン、フランスの軍人ブーランジェの記事があって、学海の好奇心の旺盛さがよくわかる。
文語体の和文ではあるけれど、不明瞭なところは一点もない。その趣味は日本史全般におよび、それぞれの人物への評価は細部に拘泥せず、さっぱりしていて快い。