かもよしひさ 現代語訳・挿画、パロル舎、2006年8月、165p、20cm
新版 カバー 帯付 カバー背少ヤケ カバー両面ヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
面白い本と言ってよいでしょうか。刀、やり、火縄銃の時代に、武士でもなく、その奉公人の最上級に位する「侍」でもなく、戦争が始まるにあたっていろんな下層階級の人が雑兵(ぞうひょう,これはかなり広い概念))として、もともとの侍の奉公人としての最下層の足軽や、戦争の時に臨時に大量に雇われ(端境期の百姓や相当怪しいアウトローや暴れん坊、無法者など、彼らほど戦争の時には役に立つ)、輜重隊の様な筒持ち、弓・矢持ち、槍持ち、馬扱い、旗持ちその他、雇い主のお手伝いや手助けをし、雇い主(ご主人様)がいざその武器を取った後は、そのホローやその手すきの時間に手柄を上げるために、戦闘に加わったりする。そして、手柄に首を腰にぶら下げて帰る「重いので鼻をそいで持って帰るのじゃ。馬鹿、鼻だけでは男か女か分からぬではないか。唇までつけて髭があるかどうかが大事なのじゃぞ!」てな具合に、その経験を出し合い、おれはこうしたがこうした方がよいとか、他のものはこうしていてうまくやっていたとか、こういう場合にはこうしたらよいとかの、実戦経験的な事柄を伝えあい、そのやり取りの面白さを「現代語訳」で読ませてくれる。これを読むと、なんとなく、旧日本軍の五十歩百歩の感を持ち、ため息が出るが、こんなものだろうなとも思えて、なんとなく妙ちくりんな感覚に襲われるが、面白い。