工藤庸子 著、左右社、2008年3月、249, 4p、21cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体天少点シミ 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
無限大の砂漠。その微粒子の密かな囁きに、ヨーロッパが耳をかたむけるようになったのは、いつ頃のことなのかーー本文より。
砂を「黄金の粉」と表現するフロベール。死者の神オシリスに変身するピエール・ロティ。高貴な女性のミイラの足に仄かな欲情をおぼえるエジプト学者ーー。
ナポレオンのエジプト遠征以来、暴力と美とが同居する砂漠、その彼方の地からヨーロッパ文明を解く壮大な試み。
映画化されたバルザック『ランジェ公爵夫人』にも「砂漠」を読み込み、その恋愛ゲームを、コケットリー、閨房、素足、秘密結社などの視点から読み解く。
また、プルースト、コレット、ゾラ、ナボコフなどの古典論、そして著者が友愛をかたむける書物論によって構成。