日本人の戦争 : 作家の日記を読む

初版　 カバー　 帯付　 カバーヤケ無し　 帯ヤケ無し　本体小口に1ヶ所点シミ　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好です。

開戦から戦後までの永井荷風、伊藤整、高見順、山田風太郎らの日記に見る高潔と人間くささ。非常時における日本人の魂に迫る評論

初版　 カバー　 帯付　 カバーヤケ無し　 帯ヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好の美本です。

　『日本人の戦争〜作家の日記を読む』というタイトルから、戦中戦後にかけての作家を中心とした多数の日本人の日記を採録した本かと思ったが、取り上げられている日記はそのほとんどが永井荷風、高見順、伊藤整、山田風太郎の日記。たった４人の日記で「日本人の戦争」という普遍的なタイトルはなかろうと思った。

　戦中の伊藤整、山田風太郎の国粋主義者ぶりには驚きであった。キーン氏の解説は概して冷静で客観的なものであったが、29ページでの「民族」という日本語の解釈は恐らく、race という英単語に引きずられたもので、大方の日本人にとってはトンチンカンな感を与えるものであろう。「日本人や中国人、朝鮮人その他を含むアジアの一大民族」という日本語は表現として変である。日本語の「民族」の語感はむしろ英語の nation 又は、ethnicity に近いものであろう。

　又、44〜45ページで触れられている山下・パーシバルによる降伏文書調印の写真について「西洋で教育を受けた日本の知識人の間でさえ、なんら当惑の種とならなかった。」と、書いてあるが、一体なぜこの写真が日本人にとって「誇り」になりこそすれ、「当惑の種」となり得るのか全く不明である。

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