巖谷國士 著、清流、2010年7月、309, 8p、21cm
1刷 カバー 帯付 ヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
最近の映画研究者のかたくるしい批評とは異なり、
ひじょうに読みやすく、映画の楽しみかたの極意を教えてくれる本。
作者がひとつひとつの映画作品の謎をおおらかに(しかも丁寧に!大胆に!)
読み解くのを読んでいるだけで、読者のほうも、冒険に参加しているような、
わくわくした気持ちになってくる。
映画好き少年が、そのまま大きくなって映画を語っているようでもあるが、
その視野は非常に広く、映画史全体にめくばせしながら、映画という芸術
(あるいは見世物)の本質とは何かを探求する。その真摯な態度は、
映画と運命をともにしているようで、切なく、感動的ですらある。
そんなわけで、わたしたちは、作者を映画の共謀者のように感じるのだろう。
この本は「幻想映画」というジャンルに関する本ではなくて、
映画の本質に迫る映画本だ。映画を愛するひとにぜひお勧めしたい。