原田勝正 著、講談社、2010年8月、269p、15cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯背色アセ 帯両面ヤケ無 本体三方ヤケ無 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
鉄オタではない人にこそ、鉄道史は広く読まれるべきなんだな。
そんな風に思わせてくれる一冊。
とにかく流麗な筆致と、小気味よく繰り出される無尽のエピソードに、ぐいと引き込まれる。
基本的にはストーリーテリングな読み物なので、鉄道の背景知識(技術的なものなど)なしでも、
難なくして読める。鉄道を取り巻く人間の、あるいは社会の歴史を視野に入れているから、この人は
すごいのだ。
評者もまた、鉄道については無知に等しかった。
ある世代は、このような抑制された筆致のなかに、タペストリーのごとく豊富なエピソードを紡ぎ、
全体理解を助けるという芸当に長けている。ちょっとうらやましい。