アベラール, エロイーズ 共著 ; 畠中尚志 訳、岩波書店、1978年11月、397p、15cm
<改訂> 32刷 帯付 両表紙と背ヤケ無し 帯ヤケ無し j本体天と地に少点シミ 天上部6ヶ所 地に1ヶ所 本体三方少ヤケ 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
アベラールとエロイーズの間に交わされた書簡集。今回初めて手にして読んでみたのだが、こんな素晴らしいものを、どうして今まで敬遠していたのだろう? 若いころ、ルソーの『告白』を読んだときに覚えた感動と同じくらい、いや、それ以上かもしれない。
アベラールは1079年にパリの近郊ル・パレーに生まれる。軍神マルスの武具による戦争よりも、知の女神ミネルウァの弁証学による論戦という生き方を選択した。パリで師ギヨームに学んだのち、ムランで哲学の学校を設置。後、コルベイユへ学校を移す。病を得て故郷に帰るが、再びパリに出て師を論破する。そのため、師の嫉妬を買いムランに移って学校を開校。師がパリを離れたのちパリに戻る。その後、ランの老アンセルムに師事し、そこで初めて聖書の講義をする。その後、パリに出るや、哲学と神学の講義で名声を博すようになった。
パリでは、聖堂参事会員フュルベールの家に下宿し、そこに同居している美人で聡明な姪、エロイーズの家庭教師となる。二人は愛しあい、アベラールの学問は疎かになっていった。