丸谷才一 編、講談社、2013年2月」、380p、16cm
1刷 カバー付 カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し書き込み無し 保存状態良好です。
『花柳小説名作選』に続く小説集は、永井荷風から吉行淳之介、そして島村洋子まで、丸谷才一氏が長年あたためていた企画がここに実現。
近代文学より、花柳界の女性(芸者、売春婦)を描いた小説を集めた一冊。良くも悪くも、近代文学史上、この世界は重要な文芸アイテムでした。「濁流」の中にいるからこそ光るものもあるわけで、心配りや情緒がジンとくる場面も多々出てきます。
永井荷風に顕著ですが、偽善と競争にまみれた実社会を批判する場としてこの世界を重宝するスタンスも、説得力を感じます。
まあ、こういう必要悪である日陰の女性のことを口にする時には、それなりの配慮も必要だった気はします。